遠藤周作のレビュー一覧

  • 聖書のなかの女性たち

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    新約聖書やイエス伝に登場する11人の女性たちに光を当て、小説風の脚色も加えながら紹介しているエッセイ。当時の女性たちは大変地位が低かったが、それ以上にイエスが関わっていく女性には娼婦や病気の老婆などの孤独で弱い存在が多い。遠藤周作の重視するイエス像というか、そのような弱い存在を軽蔑せずに共感し、寄り添うイエスの姿勢が浮き彫りになるような内容になっている。遠藤周作は日本人がキリスト教を信じることに違和感を感じていたというイメージがあるので、思った以上に正統的な信仰を持っていたことに驚いた。
    後半のエッセイは聖書を離れて普通のエッセイになっているが、白血病の夫に寄り添う妻など短編集「月光のドミナ」

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    2025年04月17日
  • 新装版 海と毒薬

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    昔読んだ覚えがあるが、内容はあまり良く覚えていなかった。グロが苦手なので当時もちょっときつかったのは覚えている。太平洋戦争の末期に実際にあったアメリカ人捕虜の生体解剖事件をもとに創作された作品。生体解剖に参加した中の3人に焦点が当てられているが、どの人物も異常性が感じられるわけではなく、きっかけと罰せられないという環境があれば一般的な日本人は殺人にも罪の意識なく参加するのである、という作者の声が聞こえてくるようだ。
    戦争だったからみんなおかしくなったのだ、とその特殊な環境に原因を求めようとしても、序盤の勝呂の「これからもおなじような境遇におかれたら僕はやはり、アレをやってしまうかもしれない」と

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    2025年04月11日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    義理のお母さんに勧められ、文字どおり眠れぬというか寝る前に読んでいた。

    遠藤周作といえば、文豪、小説家、というイメージだが、エッセイでもそのオーラを感じた。北大路公子のエッセイから感じられないオーラがあった。

    ただ、私は北大路公子のエッセイの方が好きだが。

    星は3つ。3.0としたい。

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    2025年04月10日
  • 反逆(下)

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    上巻から続く荒木村重の信長への謀反と、光秀による本能寺の変、秀吉と柴田勝家の戦いを中心とする信長亡き後の勢力争いを描いた下巻。

    本能寺の変から続く秀吉による中国大返し、賤ヶ岳の戦いという流れはドラマとしてすごく面白いですが、この<反逆>という作品は歴史的イベントの語りはかなり淡白。
    その代わりと言ってはなんですが、公私どちらをとるか、現代にも通じる究極の選択に思い悩む登場人物たちの<心の動き>に全振りした作品でした。

    また、解説にも書いてありましたが、この小説のなかで信長は唯一無二の存在。
    人間味がなくて迷うこともなく、絶対的権力者として描かれていて、まさに唯一神である。
    この信長という強

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    2025年04月05日
  • 深い河 新装版

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    とっても良かった。

    テーマとしては"転生"
    様々な宗教、言語が混じり合う印度に、それぞれ目的を持って旅行に向かう人たちの話。宗教観についてすごく考えさせられた。
    日本は厳格な宗教がある方ではないから、あんまり宗教の対立が身近ではない(私が無知なだけでそんなことないのかも)ので、宗教の対立について考える非常に良い機会になったと思います。

    大津さんの考えはすごくいいなと思ったし、私も同じ考えですが、机上の空論なのだろうなと思いました。対立を無くすのは難しいよね。。。
    転生って理想にすぎないかなと思うけれど、思いが繋がっていくって意味での転生というとらえ方はめちゃくちゃ好きで

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    2025年04月03日
  • イエスの生涯

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     イエスの生涯を描いた遠藤周作の著作は神の子でありながら人間として苦悩し続けたイエスの姿を浮き彫りにする。イエスは弱き者や罪人に寄り添い愛と赦しを説き続けた。
     その教えは当時の権力者に疎まれ裏切りと十字架の死を迎える。だが遠藤はイエスの苦しみこそが人間への深い愛の証と捉える。人間的な弱さを抱えつつ他者を救おうとしたイエスの姿は現代に生きる私たちに他者を思いやる心の大切さを静かに語りかける。

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    2025年03月29日
  • P+D BOOKS 決戦の時(下)

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    作者が(日本)歴史小説の作家であることは知らなんだ。信長と秀吉の長浜城主となる迄の歴史戦国史である。信長は叛いた者を許さない。朝倉氏を滅ぼし、浅井氏を滅亡させる。浅井氏攻略に大功あった藤吉郎は羽柴秀吉を名乗り、浅井氏の旧北領、北近江三郡を領し、長浜城を築いてついに一城の主となった。信長は、つぎなる決戦の時備えて、一人計画を練る。武田大国の若き武将武田勝頼と、どう戦うかー。作品の資料は古文書に依る所が多く「武功夜話」「甫庵太閤記」「大日本史料」等に例を引く。他の歴史小説との門目の違いだ。この物語「決戦の時」は、他の遠藤作品とある一点において決定的に異なっている。キリスト教における「神」も「主」も

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    2025年03月24日
  • 海と毒薬

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    戦時中に九州で行われた捕虜に対する人体実験。
    それに関わった人たちの、心情変化がメインテーマと感じた。
    病院で死なないのなら市街地の空襲で死ぬ
    大陸で人を何人も殺めた
    そんな、死が日常にある時代。
    自分の努力では何ともならないことだらけだった時代。
    それでも医師が死を前提とした人体実験をするということは異常。

    読者の感情を揺さぶるのではなく、何かを投げかけるような文章。

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    2025年03月20日
  • 何でもない話

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    短編集
    どれも読みやすいし前半引き込まれるけどオチがなんかボヤッとして終わるな〜と思い始めてから読むペース落ちた

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    2025年03月05日
  • 海と毒薬

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    オーディブルで聴いた。

    戦時中の病院で、アメリカ人捕虜を生体実験をして殺してしまう医者と看護師の話。
    最後がよく理解できないまま終わってしまった。

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    2025年01月06日
  • 侍

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    読んでて辛いので★三つ!
    キリシタンの迫害は何度読んでも辛くなります。
    毎度のことながら、数千年ものあいだ、人間の欲、政に振り回される人の多いこと。。。
    今も変わらず続いてること。。
    本当に人間の世界は一番辛く、分かりにくく、生きるのに難しい世の中と感じてしまいました。

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    2024年12月29日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    これを本当に理解するには何度か読む必要があるのだと思うが、二度と読む気になれない

    でもそれくらいリアリティがある

    よくも悪くも、ずっと心に残る忘れられない本

    男なら誰でもこんな経験があるということをこの本を絶賛した人が言っていたし、他の人の感想を読んでもそういうのをいくつか見つけた
    実際そういう人は多いのだと思う
    でも男がみんなこうなのだとしたら、ちょっと人間不信になりそう!

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    2024年11月29日
  • P+D BOOKS 決戦の時(下)

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    織田信長、羽柴秀吉、川並衆らの半生を綴った小説。
    信長は本能寺の変あたりでは、戦いで領地を刈り取る時代はいずれ終わりを告げ、安定した支配、領地経営に思考を切り替えてきていたのでしょう。有能な部下は、いずれ裏切ると人を信じない信長は感じていたに違いありません。
    敏感な光秀、秀吉、家康は当然信長の考えに気づいていた。そして、本能寺の変は、怒るべくして起こった。

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    2024年11月27日
  • P+D BOOKS 決戦の時(上)

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    遠藤周作版織田信長。若き日の信長の孤独を『武功夜話』を元に、信長が唯一心を許した吉乃、川並衆、若き日の秀吉である藤吉郎らとの日々を描く。
    濃姫については実際には定かではないところが多く、諸説ある。本作では濃姫とは政略結婚の意味合い強く、すぐに死去する扱いとなっている。
    戦国時代、嫁の実家と争いになれば、実家に返されるのが常である、さらに濃姫が子供を産んでいない事からも、あまり信長に影響を与えていない展開に納得できる。

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    2024年11月26日
  • 反逆(上)

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    魔王と自ら称する織田信長は、冷徹であり、人間を信じてはいない孤独な独裁者であった。まだ忠義という倫理観のない時代、信長の家臣の心には、反逆の光がメラメラと激っていた。
    松永久秀、荒木村重、明智光秀、豊臣秀吉と、信長に翻弄される弱き者達の心理を描く名作
    上巻では、荒木村重が有岡城にて立て籠ってるところまで。

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    2024年11月17日
  • ユーモア小説集

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    イマイチひねりが足りませぬ
    ユーモアの定義が作者と私では違うのですね。これを読んで笑い転げて居る人も大勢なんでしょう!

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    2024年11月18日
  • イエスの生涯

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    キリスト教について知りたいと思っていたところ義父母文庫にあったので読みました。
    なぜ弟子や信者はキリストが酷い目にあっているのに助けなかったのか、弟子はなぜキリストが亡くなってからキリスト教を布教する人となったのか、謎が深まった。疑問多く読むのに時間がかかってしまった。

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    2024年11月04日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    後半になるとほとんどが史実を追っていたようで、物語としての面白さは失われたような気がする。
    脚色しすぎても考えものだし、このくらいでいいのかな。

    人の生涯はそれだけでドラマがある。
    彼女ほどの規模じゃなくても、一人一人に訪れるドラマを、こうやって俯瞰して見られたら誤らないのかな。

    お菓子を食べればいいじゃないと言った人、なんて薄っぺらな理解でなく教養が身につきました。

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    2024年11月02日
  • 沈黙の声 遠藤周作初期エッセイ

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    かの日、こんな見方をする面白い大人がおるもんだと感心したもんだ
    遠藤周作は知らないけど、狐狸庵先生は高校生でもわかるほどに(内容はともかく)面白おかしく、時にバカバカしく、だけど人を貶めることはなく
    さすがは違いがわかる男
    いまこそ、遠藤周作を読めるようになっているか

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    2024年10月15日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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     1958年の『海と毒薬』の続編=後日譚。新宿で小さな医院を経営するようになった勝呂が、さまざまな事情を抱えた患者たちと応対しているうちに、戦犯たちの「その後」を取材しようとする「正義派」の新聞記者によって追い詰められていく。『海と毒薬』の冒頭で記された事件以後の勝呂の生が、謎めいた外国人・ガストンとのかかわりを通じて読者の前に明らかにされていく部分が読みどころ。

     週刊誌連載作ということもあって、とてもリーダブルで読みやすい。しかし、その分小説としては薄味になってしまっている。勝呂とガストンとキミ子以外の人物はあからさまに薄っぺらい人物として描かれていて——遊び呆ける大学生たち、メディアで

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    2024年10月14日