あらすじ
心臓の凍るような恐怖と、絶妙のユーモアを織りまぜた、10編の小説世界。なにげない平凡な日常生活のかげに、人知れぬ秘密を隠し持って生きねばならない人間という小さな存在……。あるテレビ・ディレクターの人生を描く表題作ほか、「姉の秘密」「爪のない男」「恐怖の窓」「猫」「気の弱い男」「知らぬが仏」などを収録。
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Posted by ブクログ
人生の意味も無く過ぎ去って行く瞬間を切り取ったような短編集。
ああこの感じわかるって思える。同じ経験をしている訳でもないのに、同じような感情や感覚は心に湧いたことがある。強い感情ではなく、ぼーっとしながらすり抜けていくような何気ない気持ちを描写している。
遠藤さんのホラー怪奇小説がけっこう面白いことを発見。
また他の作品でも登場してる(?)キャラクターが出てくるのもファンとしては嬉しくなってしまう。(「尺八の音」)
Posted by ブクログ
『沈黙』があまりに素晴らしかったので遠藤さんの他の作品を読んでみたくて中古本を買ってみたけどこっちはあんまり…。テーマが被るような話もあったり。
一番よかったのは、短編『爪のない男』。
話に無駄がなくて、小気味良いホラー。好き。
Posted by ブクログ
何でもなくない!と、言いたくなるような話ばかり。
短篇集で読みやすいです。
解説で作者のあたたかい心を感じさせると書かれていたが、私にはあたたかさが感じられなかった。どの話もこわかった。
Posted by ブクログ
何でもない話
「尺八の音」「姉の秘密」はお気に入りの2編だ
「尺八の音」:死刑囚の死刑執行は不意にやってくる その日を待つのは残酷だと書いてある。法務大臣が判を押せば執行される。だがしかし、死刑執行の日が決まっているとしたらどうだろう。その日を1日、1日待つ
それは残酷を通り越し気が振れてしむかも知れない。死刑執行日は死刑囚自身に決めてもらっては如何なものか?90年後・・でも、200年後でも・・・・。生きる事、死ぬ意味をつくづく考えさせられました。
Posted by ブクログ
題名のとおり。
何でもない話のオンパレード。
遠藤周作にしては、こんな軽くてくだらない話が珍しいのではないだろうか。
日常的な当たり前をユーモア溢れる流れでかかれている。
本当に何でもない話。
いや、だけど遠藤周作だからこそ何でもない話でも何かあるんじゃないかって思わされる話しもいくつかあった。
果たして、遠藤周作は軽い気持ちで書いたのか、裏の何かを読者に求めているのか。
そんなのを問われるような本だった。
Posted by ブクログ
>127
そういう美しいものを見ると彼はかえって自分の枯れ果てた心を哀しく思った。
>189
あたしその時、どんな人だって背中に荷物をもってこの世を歩いてるんだよ、と答えたのを憶えている。