遠藤周作のレビュー一覧
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結核に冒された男がおくる闘病生活を淡々と描き出した作品だが、入院している人々の様子や、病院の窓から見える数々の情景、そして三回に及ぶ手術に望む男の意思の動きといったシーンは、決して平坦ではなく、ドラマティックですらある。
男の内面は期待と絶望の間を行き来し、一旦は無気力に陥ったりする。その動きは決して他者と共有することは出来ない。一人きりで屋上から眺める風景や、真夜中に思う絶望はあくまで個人のものであり、悲しみを分け合うことは出来ない。
しかし、男の妻は男のために様々な努力をしてくれる。絶望の種類は違ったとしても、悲しい出来事によって絶望するのは、本人だけではないのだ。悲しみを見守る視点は常に -
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「愛は地上では無力であり無能であるが故に、イエスは十字架に無力に磔られることによって、神の愛を証明するシンボルに、愛そのものになっていった」
うーん、難解だ。。。だが、無宗教の私にさえ、イエスの苦しみと彼が証明しようとしたことは伝わってくる。
イエス・キリストは間違いなく、地球誕生以来、最も影響力のある人間だろう。
それなのに、私はこの人物のことをよく知らない。
では、この本を読んで彼を理解できたかと言うと、決してそうではない。
それでも、著者の遠藤周作が本作や『沈黙』を通して伝えたかったことは、「神の不在」や「神が何も語らず、力を行使しないこと」そのものではないのだろう。
それ -
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キリスト教作家としても有名な巨匠・遠藤周作の小説ですが、初めて読みました。
太平洋戦争中に捕虜として捕らえた米兵を、己の出世のために、人体実験に使った大学教授に従った医師の話
腕が良いのに、ひっそりと診療を続ける勝呂(すぐろ)医師が過去に大きな事件に関わっていたことを知り驚愕する患者の話。大学教授が出世競争のためにもう助からないであろう患者に実験のために負荷の大きい手術を行なったことを知り、教授に対して強烈な憤りを感じた勝呂医師が、米兵捕虜に対して人体実験を行うまでを描いた話。この事件に関わった新人医師ら、看護師らの手記。という3つの構成に分かれている。
遠藤はキリスト教の倫理観をもとに -
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相変わらず、遠藤周作。
読み終わったあとは、さまざまに思考する材料が与えられて得るものが多いのだが、
一方読んでいる途中はとにかくリアルで辛い。
人間が突かれたら苦しいところをピンポイントについてくる作家。
またこの文庫版は解説も秀逸。
「日本人が罪悪に厳しくなれないのは神がいないせいなのか」と、本作品のテーマに疑義を呈する珍しいスタイルだ。
自分のとある経験を思い出した。
中東のムスリムの講師に英会話を習っていたとき。
「日本人は特定の宗教を信じている訳では無いが、それでも良心がある、というのは信じてもらえますよね?」
と軽く訪ねてみたところ、彼はそれまでの明るく気さくな調子を一変させ -
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ネタバレタイトルに惹かれて買っていた本。
遠藤周作の人生と重なることはあとがきで初めて知ったのと、タイトルも、本文に対して抑揚のあるものを選んでいる点に共感。
『沈黙』と背中合わせて描かれた本であることも初めて知り、『沈黙』が沈黙による神の声を表しているのに対し、
『満潮の時刻』は沈黙した眼による孤独の共有や孤独の救い、命の哀れみや刻々とした日常の存在を有しているように読めた。
遠藤周作の小説にしては、さらりと素直なストーリーで、背反した状況や思いというより、まさにある種の病と日常の記録のように見えた。
「なぜ煙は真っ直ぐに上るのか」は、一瞬、明石の遺言になりうるように思えたが、変わらない日の流 -
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ネタバレ悲しみの歌→海と毒薬
の順番で読んでしまって完全にミスった。
遠藤周作の作品は、「白い人・黄色い人」しかまだ読んでいなかったけど、今回読んだこのふたつの中でも一貫した「罪悪感」について描かれていておもしろかった
キリスト教的に損得勘定なく純粋な人、純粋な人にあてられて罪悪感に苦しむ人、何も感じられない人
この三種類の人間で構成しながら、無宗教の罪の意識とはどのようなものか深堀している
戦中に九州の医大で行われたアメリカ人捕虜の生体解剖実験の実話を元にして、1作目では関わった医師や看護師を用いて戦中の生命の無価値さと感情の鈍麻を、2作目ではその中の勝呂という医師を用いて戦中と戦後の比較をしなが -
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ネタバレ正義感に燃える記者と、キャビアアテンダントと、元同僚
戦時中捕虜で人体実験をした医者と、癌に苦しむ貧乏ないも売りの老人と、よるまで働く孫
死と老いに怯え若者に変装する虚栄心に塗れた大学教授と、受動的で追従するだけの母親、父親に不信感と反感を抱きグレた娘
落単を社会と学校のせいにし、退廃的に生活する大学生の2人
体を餌になんぱ待ちをして食事を奢ってもらい嘘をつき逃げる を繰り返す倹約家の少女
他人の悲しみに不幸を感じ他人の喜びに幸福を感じる日本語のたどたどしい臆病なフランス人
の群像劇で送られていく
最初はセリフが多く、コミカルな会話が主軸となっていて、前回の「白い人・黄色い人」に見られたよう -
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2026.03.19 ★3.7
鎖国、禁教令下に日本に渡ってきたキリスト教宣教師の物語。
数年前に映画を観たが、内容はほとんど違ったものだった。
ポルトガルから志を持った若い宣教師が日本に於いてどのようなことを経験したか、手記や見聞録調の箇所が多く、フィクションなのにまるで歴史物を読んでいるような感覚にさせられる。
肉体的な拷問と精神的な拷問、どちらも、人が人に対してこれほど冷酷にになれるのかと薄ら寒くなる。
誰が誰に対して「沈黙」しているのか、最後まで読まないと分からない。
↓↓↓内容↓↓↓
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人 -
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ネタバレぐうたら社会学
著者:遠藤周作
発行:2011年5月25日
集英社文庫
以前の刊行:1979年10月、集英社文庫
初出:
『週刊文春』1965年2月22日-5月10日連載
『東京新聞』1966年1月9日-3月20日連載
『主婦と生活』1966年1月-12月連載
『主婦の友』1970年5月、1971年4月、1964年4月
『文藝春秋』1958年7月
『漫画読本』1965年3月、1957年1月
『北日本新聞』1970年1月8日夕刊
『週刊読書人』1959年7月20日
『毎日新聞』1967年7月1日夕刊
『サンケイ新聞』1976年3月22日-4月26日連載(『酔談』)
*遠藤周作が同じ東京都町田市