遠藤周作のレビュー一覧

  • 沈黙

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    母が長崎のキリシタンと聞き手に取った。キチジローが「裏切り者」ではなく「一番普通の人間」に見えた。信仰だけで苦しみを耐える強さより、何度も踏んでしまう弱さに共感する。自ら名乗り出た神父には尊厳があった。でも結果として信者を巻き込んだ。正しさを貫くにも、周囲への責任が伴う。神の沈黙より、人間の複雑さが刺さった

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    2026年05月06日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    悲しみの歌→海と毒薬
    の順番で読んでしまって完全にミスった。
    遠藤周作の作品は、「白い人・黄色い人」しかまだ読んでいなかったけど、今回読んだこのふたつの中でも一貫した「罪悪感」について描かれていておもしろかった
    キリスト教的に損得勘定なく純粋な人、純粋な人にあてられて罪悪感に苦しむ人、何も感じられない人
    この三種類の人間で構成しながら、無宗教の罪の意識とはどのようなものか深堀している

    戦中に九州の医大で行われたアメリカ人捕虜の生体解剖実験の実話を元にして、1作目では関わった医師や看護師を用いて戦中の生命の無価値さと感情の鈍麻を、2作目ではその中の勝呂という医師を用いて戦中と戦後の比較をしなが

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    2026年05月04日
  • 海と毒薬

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    戦時中、実際にあったことをモデルにした、病院を舞台にしたストーリー。
    この頃の日本もなかなかに残酷なことをしていたことは知っているので、驚きはしなかったけれど、人は時代と環境が揃えばこんな感覚でいられるものなのかなと、今もどこかの国では同じようなことをできてしまう人たちが存在するのだと思うと、やはり背中が寒くなる。
    あまりこうした小説は読まないのだけれど、とても読みやすかった。

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    2026年05月03日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    正義感に燃える記者と、キャビアアテンダントと、元同僚
    戦時中捕虜で人体実験をした医者と、癌に苦しむ貧乏ないも売りの老人と、よるまで働く孫
    死と老いに怯え若者に変装する虚栄心に塗れた大学教授と、受動的で追従するだけの母親、父親に不信感と反感を抱きグレた娘
    落単を社会と学校のせいにし、退廃的に生活する大学生の2人
    体を餌になんぱ待ちをして食事を奢ってもらい嘘をつき逃げる を繰り返す倹約家の少女
    他人の悲しみに不幸を感じ他人の喜びに幸福を感じる日本語のたどたどしい臆病なフランス人

    の群像劇で送られていく
    最初はセリフが多く、コミカルな会話が主軸となっていて、前回の「白い人・黄色い人」に見られたよう

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    2026年04月30日
  • P+D BOOKS 天使

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     収録されている11の短編は、玉石混淆の気はあるものの、概ね面白かった。殊に、作者幼少期の中国大連での体験を基にした、最後の2編は、作者の原風景を描いた佳作である。

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    2026年04月27日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    人は聡明で他者を思いやれる生き物であるのと同時に、残忍で自分勝手に振る舞い、流される脆い本質も持っているのかもしれないと感じた。

    戦争という異常事態が"日常"になり、人の「死」が背景になった時、誰でも"そちら側"に堕ちていく可能性はあるのだろうなと。

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    2026年04月02日
  • 沈黙

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    キリストは基督って書くんだー
    くらいの知識しかない私なので、
    公に宗教観を綴るのはおそろしい。
    あくまで本書に限った私の穿った見方だが(保身)、信じることに逃げている。そんな風に感じた。そこに向き合った時、何かが変わっていくのかもしれない。

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    2026年03月30日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    やや宗教色がある部分はあるものの…
    生きていくためのヒントが分かりやすく書かれていた。
    困ったときや、心に刻んでおきたいお気に入りフレーズを何度も読み返したい。

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    2026年03月29日
  • 沈黙

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    2026.03.19 ★3.7

    鎖国、禁教令下に日本に渡ってきたキリスト教宣教師の物語。

    数年前に映画を観たが、内容はほとんど違ったものだった。

    ポルトガルから志を持った若い宣教師が日本に於いてどのようなことを経験したか、手記や見聞録調の箇所が多く、フィクションなのにまるで歴史物を読んでいるような感覚にさせられる。

    肉体的な拷問と精神的な拷問、どちらも、人が人に対してこれほど冷酷にになれるのかと薄ら寒くなる。

    誰が誰に対して「沈黙」しているのか、最後まで読まないと分からない。


    ↓↓↓内容↓↓↓

    島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人

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    2026年03月19日
  • ぐうたら社会学

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    ぐうたら社会学

    著者:遠藤周作
    発行:2011年5月25日
    集英社文庫
    以前の刊行:1979年10月、集英社文庫
    初出:
    『週刊文春』1965年2月22日-5月10日連載
    『東京新聞』1966年1月9日-3月20日連載
    『主婦と生活』1966年1月-12月連載
    『主婦の友』1970年5月、1971年4月、1964年4月
    『文藝春秋』1958年7月
    『漫画読本』1965年3月、1957年1月
    『北日本新聞』1970年1月8日夕刊
    『週刊読書人』1959年7月20日
    『毎日新聞』1967年7月1日夕刊
    『サンケイ新聞』1976年3月22日-4月26日連載(『酔談』)
    *遠藤周作が同じ東京都町田市

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    2026年02月10日
  • 深い河 新装版

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    愛とはということを、ひとりのみすぼらしい青年の行動と本当の愛を知らない女、妻を亡くした男、戦時中の自分を許せないという男など、色々な人生を生きてきた人たちの側から考える小説

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    2026年02月02日
  • 白い人 黄色い人

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    白い人・黄色い人

    著者:遠藤周作
    発行:1996年4月10日
    講談社文庫
    初出:
    『アデンまで』(三田文学1954年11月)
    『学生』(近代文学1955年5月号)
    『白い人』(近代文学1955年5月号、6月号)
    『黄色い人』(群像1955年11月号)
    『白い人・黄色い人』単行本(講談社1955年12月刊行)
    *本書は1971年12月刊講談社文庫『白い人・黄色い人 ほか二編』を底本に、1975年6月新潮社刊『遠藤周作文学全集』第1巻を参照。

    書名は「白い人・黄色い人」だが、内容は『白い人』『黄色い人』『アデンまで』『学生』の独立した短編小説から成る。『白い人』は、著者が32歳の時(1955年

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    2026年01月30日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    苦々しい思いで読んだ。事件のあらましを知っているだけに、どんな人がやったのかという思いで読み進めたが、結局どこか身に覚えがある考え方をしている人が「普通に」やっただけだ。そう、我々日本人の倫理観がいかに脆く、いかに集団心理の中にあるかを暴いている。
    これは事件のショッキングさを被りつつ、冷静に日本人に問いかける遠藤周作の思考本だと思う。

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    2026年01月23日
  • 沈黙

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    神の沈黙、全く知らない概念を食らった
    信仰、強情、人生の全て
    解釈とはあまりにも広くて深すぎるものなのだと思った。

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    2026年01月15日
  • 生き上手 死に上手

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    全てではないけど、深く刺さる内容が数箇所ありました。絶対こうじゃないといけないと、いう感じでもなく入ってきやすい感じが良い。

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    2026年01月12日
  • 深い河 新装版

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    叙情的ではっきりとした意味はわからないのに、なんか心の奥の方にズシンとくる。
    巻末の著者の年譜を見ると大変な人生経験っぽいから、そういう、実際にリヨンに住んでたとか病気で手術したとかの経験が重みとなって文字に乗っかってるのかもしれない。
    そして100年前に生まれた人、普通にすげえと思った(笑)
    大津の、神様…いや玉ねぎ(笑)への考え方は、無宗教でイベント事は全部祝っちゃう日本人にとってはそんなに珍しいものじゃないような気がして、多分そこがメインの盛り上がりどころなのに、いまいちピンと来ず。
    他の作品に同名人物が登場するみたいなので、それらも読んでたらまた受け取り方変わったのかもなあ。
    とにかく

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    2026年01月09日
  • イエスの生涯

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    自分は宗教を持たない。宗教、特に一神教は世界を複雑にするばかり。なので、なぜそんなことになったのか宗教の成り立ちを知って疑問を晴らしたいと思っていた。キリスト教については、この著書によって、基礎的な知識と宗教の片りんを見た気がする。最後まで素直に読めたのがよかった。著者の文体はもともと好きなので。

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    2026年01月07日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    来年のラッキーカラー(エメラルドグリーン)の背表紙で買おうと思って選んだのが遠藤周作で、その中からチョイス。
    小さい頃から父親の本棚から拝借して読書をしていたけど、その中に海と毒薬が並んでいて、やけに目について気になっていたから父親にどんな話?と聞いてみたら「それは読まんくてもいいんじゃない、何か感動があるとかないと思う」とふわ〜っと遠ざけられてて、余計気になってたから、大人の今、購入。
    暗い…えぐい…。遠ざけられた意味がわかった…。
    けど、信仰を持たない日本人の良心と、罪と罰とは、苦しく考える物語の雰囲気に、若い頃の父親の気持ちを想像しながら自分も同じ経験をできたので、読めてよかった。
    次は

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    2025年12月28日
  • 悪霊の午後(下)

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    上巻を読んでいるときから感じていたけど、下巻になって『オーメン』が強くなってきた。悪女に負けていく男性たち…。分かりやすく堕ちていくな~。面白く読めたけど、結末がイマイチすっきりしないのが残念でした。遠藤周作のこう言う作品を読めたのは良かった。

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    2025年12月04日
  • 悪霊の午後(上)

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    遠藤周作がこう言う感じの作品を書いているのは意外。物語としては面白くて読みやすいけど、やっぱり『沈黙』『イエスの生涯』『キリストの誕生』のような好きな作品とは違いちょっと薄い感じがしてしまう。悪女が自分の正体をさらした場面はちょっと怖かった。遠藤周作と言うのがなければ単純に面白かったと思う。

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    2025年12月04日