遠藤周作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
見捨てたイエスが処刑されるも弟子達を許してくれとかいってるし、すごく悪いことをしたなぁと。これはきちんと考えなきゃいけないぞと弟子達は恥じ、悔しく思った。誤解していた師を再発見したことで、イエスは人の中に復活した。こうして徹底的に考えたものがのちのキリスト教の母体となる。けどユダヤ教の枠を出ず、そのためか異教であるとはみなされずに容認されていた。けどちょっとずつユダヤ教に疲れた人たちにキリストが広まっていったので、あるとき弾圧されたもんだから逆にエネルギーが強まり、キリスト布教活動が本格化する。けどその後グループに亀裂が入る。異邦人相手に布教してもいいんじゃないかという派閥と、異邦人はやめよう
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Posted by ブクログ
ネタバレ今度、東南アジアのタイへ行くのでタイを舞台にした本ということで読んだ。
主人公は山田長政という実在の人物。
江戸時代初期に日本からタイ(当時はアユタヤ朝)へ渡り、日本人傭兵として王室に仕え、権謀術数渦巻く中、将軍まで登りつめた男の出世物語。
と同時に、ヨーロッパへ渡りキリスト教神父になったペドロ岐部(実在)という無私無欲の人物の目を通して、山田長政やタイ王室の権力争いを見ることで、「山田長政の成り上がりストーリー」というよりも、「権力を求めることの虚しさ」の方が、読者には強く伝わってくる。
小説自体はそんなに面白いとは思わなかったけど、タイへ行った時、400年前にタイで活躍した日本人がいたんだ -
Posted by ブクログ
故遠藤周作さんの遺稿。
今読んで、人の20年というものは大きいものだと思った。90代まで元気に人生を楽しんでいる人もいれば、遠藤さんのように70代で帰天される方もいる。もう70になったら、それほど楽しいこともないんではなかろうかとうっすら思っていた私だが、もし遠藤さんが90代までご存命であったら、もういくつの作品が世の中に残ったのだろうと考えると、そう思った。
本文は、手紙の書き方を通して、遠藤さんの文学に向かう姿勢が伺える。後書きにある様に、妻とまだ独り立ちしていない息子を残して入院中の作品であるという前提を踏まえて、入院する人への手紙などを綴る心境を書いてあると思うと、作家とはなんて大変