遠藤周作のレビュー一覧
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ネタバレイエスの生涯の続編とでも言おうか、キリストの誕生という本書。単純に、何が違うのかと思ったが、読み進めるに従い、きちんと、イエスとキリストを使い分けて題名にしていたことに気付いた。
いわずもがなだが、イエスは個人のことで、キリストは救世主という意味で使っている。本書は、イエスが十字架にかかって後、キリスト教が起こるまで、どのような騒乱などがあったか、ということだ。単純に、イエスが死んで直ぐにキリスト教が起こったわけではなく、既存宗教であるユダヤ教との確執など、大きな動乱があったことは思い浮かぶ。
さて、イエスは死の直前、「主よ、主よ、なんぞ、我を見棄て給うや」という言葉を叫んでいるが、 -
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作者の信仰感を垣間見るような短編集。多くの作品で過去と現在を対比させながら展開する構成を採っており好ましく感じた。自分の母親を想わずにはいられない「母なるもの」、執筆当時でまだキリスト教が侮蔑されていたという驚くべき事実の「小さな町にて」、4人の留学生の紀行に興味を覚える「学生」、キリストの最後の地を訪れるまさに聖地巡礼「ガリラヤの春」、矢代という主人公に作者のある意味歪んだ考えを語らせている「巡礼」、幕府に屈して転ぶ伝道師とその召使いの強い宗教意識と過酷な運命「召使いたち」、小鳥と宗教の不思議な因縁「犀鳥」、ローマ法王謁見の機会に考える、見ないでも信ずることを諭す「指」。
キリスト教のみなら -
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ネタバレ著者のイエスの生涯もよかったが、本書も良書である。
イエスを主役とするイエスの時代の物語と、著者が現地で感じたことについて対談形式で進む物語と、章立てが交互に進んでいく。
旅の中で、著者はイエスの時代に起こったことが聖書に書かれているが、それが本当にあったことなのか、それとも現実ではないのか、など友人に語りかけたりしているが、それは、著書”イエスの生涯”における、事実と真実という書き方に置き換わるのだろう。
本書を読みながら、前に読んだ(見た)三浦綾子氏の”イエス・キリストの生涯”の美術画を片手に読み進めると、なおよいと思う。
『神よ、なぜ、私を見棄てられました』と十字架の上で声 -
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フランス革命に消えたフランス・ブルボン家の女王マリー・アントワネットを描く物語。マリー・アントワネットがオーストリアからフランスへと嫁ぐ場面から始まる。そしてそれを恨めし気に眺める、パン屋の奉公少女マルグレット。この2人を軸にストーリーが展開してゆく。
マリー・アントワネットは、まだあどけない少女ながら宮廷政治に大きな影響を持つ立場となり優雅な暮らしながら自由も何もない。時には孤独を感じることも。ルイ15世の愛人デュバリー夫人との対立など、トラブルも起こす。
マルグレットは、パリに出てきたものの、娼婦となりその日暮らし。自らの世話をしてくれた兔のおばさんの逮捕をきっかけに、王家や貴族への恨みを -
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見捨てたイエスが処刑されるも弟子達を許してくれとかいってるし、すごく悪いことをしたなぁと。これはきちんと考えなきゃいけないぞと弟子達は恥じ、悔しく思った。誤解していた師を再発見したことで、イエスは人の中に復活した。こうして徹底的に考えたものがのちのキリスト教の母体となる。けどユダヤ教の枠を出ず、そのためか異教であるとはみなされずに容認されていた。けどちょっとずつユダヤ教に疲れた人たちにキリストが広まっていったので、あるとき弾圧されたもんだから逆にエネルギーが強まり、キリスト布教活動が本格化する。けどその後グループに亀裂が入る。異邦人相手に布教してもいいんじゃないかという派閥と、異邦人はやめよう