遠藤周作のレビュー一覧

  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    三部会からバスティーユ牢獄襲撃、ヴェルサイユ行進、ヴァレンヌ逃亡事件、8月10日事件、そしてルイ16世・マリー・アントワネット処刑へ。

    こういう本を読むとどうしても国王夫妻に同情をしてしまうが、現代のフランス人はどう思うのだろうか。
    ところどころに、著者のキリスト教徒としての視点を感じ取れる。

    「わたくしたちは今、基督そのものに向かっているのよ。基督とは聖絵に描かれている姿ではないの。わたくしたちが目標として行動によって創りあげていく存在なの」(49頁)

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    2024年02月19日
  • 死海のほとり

    購入済み

    「イエスの生涯」にダブル

    この「死海のほとり」は、同じ、周作の「イエスの生涯」に先立って書かれたようですが、内容的にダブルところが多くて、「イエスの生涯」の方が完成度が高いように思えます。
    「イエスの生涯」を読めばよく、「死海のほとり」を読む必要なしと言えます。
    周作のイエスものとしては、やはり、「沈黙」がベストと思います。

    #共感する #癒やされる

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    2024年01月30日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    『沈黙』を昨夏に読んで以来、久しぶりに遠藤周作の作品を手に取った。
    彼の小説は、いつも私に疑問を問いかける。
    「神は存在するのか?」「真実の愛とは何か?」。
    小説の中に明確な答えが書いてあるわけではないけれど、こんなに真正面から真摯に読者に問いかけてくる作品ってあんまりないような気がして、なんだか嬉しくなってしまう。

    けれど相も変わらず、遠藤の作品はどれも暗い。
    この暗さと重さに堪えられず、そしてあまりにもミツが可哀想で、一度読むのを離脱してしまったほどだった。彼女の吉岡を思う一途な愛を、少し疎ましく感じることもあった。
    同じ女として、「あんな男のことなんて早く忘れて仕舞えばいいのに」と何度

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    2024年01月27日
  • 影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)

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    見知らぬ土地からでも飼い主のいる家へ戻っていく雑種犬のように、母という存在は死ぬまで薄れず心の原点になる。低く広がり続ける冬の雲のようでもあり、呪縛のような烈しいものでもあるらしい。
    没後発表の貴重な一作でした。

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    2024年01月25日
  • 新装版 海と毒薬

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    運命とは黒い海であり、自分を破片のように押し流すもの。そして人間の意志や良心を麻痺させてしまうような状況を毒薬と名づけたのだろう

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    2024年01月23日
  • ころび切支丹(キリシタン) 遠藤周作初期エッセイ

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    1950年、戦後初の留学生として
    日本の港を出た遠藤周作
    優秀だったんだ すごい
    学者になる予定だったが
    船の中で触れあった人々に影響されて
    小説家になる決心をする 四等船室で
    熱がある時に看病してくれた黒人兵
    ミカンをくれた中国人のおばさん
    寄港した港で金を請う5.6歳の少女
    黄色 白 黒の意味するもの
    クリスチャンの彼にいろんな感情が
    襲った事だろう

    ころび切支丹の話は知らなかった
    日本に宣教に来てころび
    日本名に改名して 弾圧される通訳を
    務める
    一人は死後焼かれて仏式で葬られる
    再生を信じるクリスチャンでは
    これはあり得ない事
    知らなかった

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    2024年01月07日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    上下巻とおして終始オリキャラのマルグリットがウザかった。もう一人のオリキャラのアニエス修道女が、歴史人物の某という設定がどうにも受け入れられず、少し残念な読後感に……。文体も辻邦生のようにもう少し端正なほうが好み。読みやすくはあるのだけど。

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    2023年12月02日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    上巻は王妃の首飾り事件まで。フェルセンが出てくるあたりから面白くなってきたけれど、王太子とあるべきところが皇太子になっているのが気になってしまって、いまいち集中できず……。

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    2023年12月02日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    ミツは愚鈍で教養もなく、美しくもないけれど
    心の優しさ、暖かさ、弱い他者への共感する力を誰にも教わることなく持っていた。
    自分もそれを理想として生きているけれど、そうなりきれることもなく打算やエゴイズムで世渡りしてきたこともあり、その経験、記憶を消し去ることはできない。
    私は神や特定の宗教を信じる者ではないので、生きていく指針は自分で構築していくしかない。
    自分の理想に恥じない生き方を省みるためにも、この話はとても沁み入るものだった。
    ラストの吉岡の諦観は後味悪く、鼻白むものがあった。
    色々な意味で、忘れられない一冊になった。
    読み始め、石川達三の「青春の蹉跌」と似た展開だと思ったが
    読後感は

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    2023年11月28日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    創作が多分に含まれてはいるとは思うが、ブルボン王政末期の状況を追体験できる。
    ルイ16世もアントワネットも完全な悪人ではないのが辛い。

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    2023年11月16日
  • 善人たち

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    宗教の深いところに触れた気持ち。
    ほんの少しだけど人生観変わるかも。
    今更だけど宗教って哲学なんだね。

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    2023年11月15日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    この作品は、出版社の意向で書かれたものであると思われる。
    面白く読んだ。内容は良いのだが、しかし、それまで読んだ色々な遠藤周作作品よりインパクトが弱い。
    本当に遠藤周作作品なのかと思えるような小説である。

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    2023年10月19日
  • 新装版 海と毒薬

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    戦時中の医療現場について。どうせ死ぬなら空襲で死ぬのも医学の発展のために死ぬのも同じである、いやむしろ後世の人々のために貢献している、という考え方は、当事者ではなく遠いところから聞くとなんとなく正しく思えてしまうのが怖い。そして、その状況を医学界の人間目線で描いていき、やはり罪の意識を持ち続けていくのをみて、倫理観について考えさせられた。

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    2023年10月02日
  • 新装版 海と毒薬

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    人体実験の生命倫理(罪)というテーマは考えさせられるものがありました。

    しかし構図というか、ストーリーの構造がなんとも冗長なものに感じてしまいました。

    「深い川」を読んだ時も思いましたが、
    登場人物それぞれのストーリーが別々に動いたあと、うまく本筋にまとめる事が出来ていないように感じました。

    テンポがあまり良く無いので
    読みやすいはずなのに読みにくいといった感じ。

    絶望的な気怠さはつげ義春を連想しました。

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    2023年09月23日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    んー。本当名言集だった!
    その通りだねも、ん?そう?もあって。
    君は君、僕は僕でいいよねっていう僕の根っこに落ち着きました。 自分の思うバランスだったり、自分以外の人は異質未知っていうのをネガティヴに捉える人は沢山居るけどさ。それもそれで良いじゃん。異質や未知の中にワクワクはあるし、それは今までの自分の中にない"当たり前じゃない"世界を知る機会だなって思うので、再認知するに良い本でした。

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    2023年09月10日
  • 白い人・黄色い人

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    人間はこれほどまでに神に執着しているのに、神はいつもどこにおられるんだろう?遠藤周作さんの作品を読むといつもこうなる

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    2023年09月05日
  • 白い人・黄色い人

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    ネタバレ

    拷問に耐えうる人物か、拷問の仕方に情慾を感じるか感じないかを分析しながら眺めているのが面白い。
    なぜ神は人種など関係がないのに西洋の姿をしているのか、救いは無く苦しみを与える神とは何か、などなど、考えたくなる事柄が色々と出てきた。
    救いのない神ならば、信仰を捨ててしまえば自由になれる。デュランにそんな選択肢など思いつかなかったが、黄色い人たちはそれゆえ自由なのだと悟る。

    白い人(フランス人だが父はドイツ人であったため幾らかドイツ語を使えるため、ナチス・ドイツの秘密警察の事務官の求人に応募し、対象者を拷問し、仲間の名前や場所を吐かせる仕事に就く。過去に、病気の老犬が盗みを働いたため平手打ちして

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    2023年09月22日
  • 夫婦の一日

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    短編5つ。「日本の聖女」ガラシャの信仰について。他4編は自身の体験からのエッセイ風。仏教を主とした日本人の神性と日本人のキリスト教の捉え方が欧州人のそれとは異なるのではないかという作者の考えがなんとなく伝わってきた。2023.8.29

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    2023年08月29日
  • 死海のほとり

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    ネタバレ

    弟子たちや町の人はイエスを見棄てた。それを現在の、信仰を棄てかかっている主人公とリンクさせてイエスの足跡を辿っている。昔も今も変わらないイエスの意思と存在が浮かびあがってくるような物語だった。
    同伴者としてのイエスの描写が印象に強い。人間は弱いものだから、ひたすらに寄り添ってくれる存在があればきっとひとつの慰めになるのだろう。この愛に最後の最後で救われることだってあるだろう。
    主人公とその友人の戸田の言葉は、どちらも著者の偽りない気持ちなのではないかと思ってしまった。何か答えが欲しい主人公と、意地悪な返しをする戸田。まるで自問自答のようだ。
    本小説は『イエスの生涯』と表裏をなすものと、あとがき

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    2023年08月15日
  • 白い人・黄色い人

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    人間の醜さや愚かさを否定して押さえつけるだけの宗教は日本にはなじみにくいだろう。
    人間なんて、そんなに美しいものではない。
    善に偏るのも、悪に偏るのも、結局は見たくないものを見ないという姿勢のように思う。
    どちらも欺瞞だ。
    歪んだ心は醜い。
    汚い。臭い。
    しかし、それも人間。
    自分の正義に固執して貫くのも、人間。
    人間とは、愚かな生き物だ、と思う。

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    2023年08月08日