• 死海のほとり

    「イエスの生涯」にダブル

    この「死海のほとり」は、同じ、周作の「イエスの生涯」に先立って書かれたようですが、内容的にダブルところが多くて、「イエスの生涯」の方が完成度が高いように思えます。
    「イエスの生涯」を読めばよく、「死海のほとり」を読む必要なしと言えます。
    周作のイエスものとしては、やはり、「沈黙」がベストと思います。

    #癒やされる #共感する

    0
  • 花匂う

    周五郎短編集としては中庸

    周五郎ファンです。数多くの著作を読んでおります。短編集では、「おさん」「人情武士道」「雨の山吹」「繁あね」などが秀作を掲載しております。この「花匂う」に掲載の短編は周五郎としては、そこそこの出来の短編を集めております。初めての場合は、先述の短編集から選ばれることをお勧めいたします。(完)

    #ほのぼの

    0
  • 宮本武蔵(1)

    第一巻では★5、全巻では★3

    この第一巻を読み、引き込まれて全八巻を読みました。残念ながら読むにつれ冗長となり、がっかりしました。本来、この作品は書下ろしではなく、新聞連載小説で延々と続いたので間延び感はやむを得ないかもしれません。また、著者の吉川英治は男性たる侍を描いては第一人者かも知れませんが、女性は苦手のようで、同じく時代ものの山本周五郎の筆になる女性には遥かに及びません。所詮、女性の登場者は、剣豪たる男性、宮本武蔵の添え物の飾りにすぎない様です。余談ですが、周五郎も武蔵に関する一篇「よじょう」を書いておりますが、英治とは対照的な見方をしております。(完)

    #ドキドキハラハラ #感動する

    0
  • 桃太郎侍

    人間味がやや浅い

    同じジャンルの山本周五郎に比べて人情味の深さが浅く読後の印象は強くない。もっとも、樹一郎は<楽しく読める大衆文学>であり、<直木賞>を受賞(辞退)した周五郎とは比較すべきではないかも知れません。夏の夕涼みをしながら、気楽に読むには適した一冊です。東海道の古い観光地図を見ながら足取りを辿るのも一興です。(完)

    #笑える #カッコいい

    0
  • 裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館II

    武士と職人の江戸情歌

    沢木耕太郎の選んだ周五郎作品集(I)「おたふく」が良かったのでこの(II)を購入しました。直木賞を辞退した周五郎のような、意地っ張りの武士、職人の男伊達が巧みに描かれております。「情」たっぷりで、演歌のような情感を感じました。でてくる男性よりも女性の方が魅力的だとの見方もあるようですが、読み方次第ですね。「おたふく」も是非お読みください。(完)

    #ほのぼの #胸キュン #切ない

    0