あらすじ
親に捨てられて、江戸の片隅で育った自分に、今さら若木家の御家騒動など知ったことか、と一時はそっぽを向いたものの、実の父兄の苦難に、若くて強い桃太郎侍は、もうたまらない。いざ鬼征伐! 家来は泥棒あがりの伊之助と美少女お百合。奸悪な大敵一味との道中大接戦は、恋に狂う踊りの師匠を加えて息もつがせぬ展開。昭和十四―五年、地方新聞に連載され、評判をとった代表作。
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格好良い!
面白くて、一気に読んでしまった。昔々のテレビの時代劇とは、ちょっと違うけれど、主人公が、物凄く強くて、優しくて、暖かくて、格好良い!最後に、悪人が、やっつけられて、久し振りに、気分が、スッキリした。
人間味がやや浅い
同じジャンルの山本周五郎に比べて人情味の深さが浅く読後の印象は強くない。もっとも、樹一郎は<楽しく読める大衆文学>であり、<直木賞>を受賞(辞退)した周五郎とは比較すべきではないかも知れません。夏の夕涼みをしながら、気楽に読むには適した一冊です。東海道の古い観光地図を見ながら足取りを辿るのも一興です。(完)