遠藤周作のレビュー一覧

  • 怪奇小説集 蜘蛛

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     週刊新潮に連載した「周作恐怖譚」を1959(昭和34)年に単行本として刊行した『蜘蛛——周作恐怖譚』に4編を加え、1970(昭和45)年、『遠藤周作怪奇小説集』と題して出版されたもの(を、『怪奇小説集』と更に改題して1973年に講談社文庫で出したもの)。

     中学生の頃私は北杜夫のユーモア・エッセイが好きで、その流れでついでにちょこっと読んでみたのが確か『遠藤周作ユーモア小説集』だった。これの巻末にオマケとして一編だけ怪談が入っていて、これがやたらに怖く、ショッキングだった。このとき味わった恐怖感の味が、ずっと記憶に残っている。私がホラー小説を好んで読むようになったのはずっと先、特にここ数年

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    2023年01月24日
  • 新装版 海と毒薬

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    米国人捕虜の生体解剖をするまでの医師たちの心境や戦況化の日本の病院についてが冷淡かつ簡潔に描かれていた。咀嚼するまで時間がかかる本だった。

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    2023年01月12日
  • 死海のほとり

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    当時のイエスと、信仰を失った男がイエスを追って巡礼を行う2本の話が交互に組み込まれる。
    小難しい表現の一切を排した清潔で静かな物語だが、『沈黙』のような登場人物の胸に迫る信仰への問いや想いをもっと感じたかった読後感。

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    2023年01月10日
  • 父親

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    結局、けじめは他人を傷つけることによって自分に生まれる罪悪感を生じさせない為のものなのかなと。それを取るか、どうなろうと自分の幸せを取りに行くのか、そこが集団思考か、個人思考かの時代における変化だと思う。内容的には割とサクサク読めた。

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    2022年10月20日
  • 怪奇小説集 共犯者

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    解説にあるように、この短編集は、怪奇小説ではない。でも、ミステリーとして読めば面白いものは結構入っていて、偽作という話は面白かったな。
    時代背景にもう一つ馴染みがないから、それを利用したならような話が多いので、残念ながらもう一つ、入り込めなかった。でも、描写はなかなか、映画でも見ているようで、人喰い虎などは、インドに一度は行ってみたいなと思わせるものだったな

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    2022年10月19日
  • 砂の城

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    うっかり裏表紙を読んでしまって結末を知りながらの読書となったのが悔やまれる。何も知らずに衝撃を味わいたかったなぁと。
    同時代を過ごした若者たちがそれぞれの信念の赴くままに歩む人生。破滅であったり、道を踏み外すことも美しく善きものをものを求めて本人たちが選びとったものなのだろう。母の想いを辿りながらの旅はドラマチックで美しい描写で魅了された。古いお話なのだけどとても引き込まれた。

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    2022年08月14日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    気持ちを伝える手紙の書き方を、おもにラブレターの例で楽しく解説してくれている。今の時代、手紙を書くことは少ないが、デジタルで文を書くことは避けられない。またラブレターを書く年齢ではない人も、周りの人から共感してもらったり、好感を持ってもらいたいケースは多くある。そんな時に何をどう書けば相手に伝わるのか、この書はためになることを丁寧に教えてくれている。
    狐狸庵先生が小説や随筆を書くときに、いつも気にしていたポイントなんだろうと思う。

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    2022年08月10日
  • 王国への道―山田長政―

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    昔も今も叶いもしないような野望を持つ人が居て、がむしゃらにその目的に食らいつく人がいる、どこからそんなパワーが湧いてくるんだろ、で、大抵失敗に終わることが多いと思うけど、エネルギーはすごいと思う。人を傷つけたら自分が傷つくことになるし、自分を犠牲にし続けるのも、ね
    読後すごく胸糞悪くなった、けども、この胸糞悪くなったのは良いことだと思う、これからのわたしのために、
    あとたくさん人が出てきてマジで話がわからなかった。男の方が好きそうな内容なのかな、女がほぼ気持ちありませんみたいな扱いだし、時代だけど気持ちが悪い

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    2022年07月24日
  • ユーモア小説集

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    新春夢の宝船
    我等はエジソン
    同窓会
    女の決闘
    するべからず
    旅の恥のかき捨て
    アルバイト学生
    俺とソックリな男が……
    嘘つくべからず
    うちの親爺
    軽井沢
    昔の教官殿

    足りぬかな

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    2022年07月16日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    遠藤周作といえば、暗い小説ばかりのイメージだったけど、エッセイとかすごく軽くて読みやすいんだね。いろんな幅の本から集めた名フレーズ集。

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    2022年07月13日
  • 善人たち

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    戯曲三作。
    善人たちは、宗教と欲望。
    キリシタン大名は、ガネシャと行長、何方の考えが正しいのか。
    棄てる女は、若者の半数はと思ったらモラトリアム。
    ここに価値はあるかと聞かれたらない。
    だけど、本作では、みっちゃんとイエスの復活までを重ねることにより、若い時の男女関係が就業的贖罪を背をうという話。
    遠藤周作は海と毒薬が好き。

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    2022年07月11日
  • 善人たち

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    手垢のついたテーマだけど、それほどにも作者にとっては重く、背負わなければならなかった十字架だったんでしょう。遺作ということだから、なおさら。

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    2022年07月03日
  • 怪奇小説集 恐怖の窓

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    講談社文庫版のネーミングを踏襲するなら「第三怪奇小説集」となるのか。ストレートな実体験怪談である「恐怖の窓」なども混じってはいるが、ジャンル小説としての、ホラーや怪談に属する作品はほとんどない。文学よりと言えばいいか、あらすじなどを造ってみると分かるが、筋を追っても、お話のコアが少しも見えないようなものばかりである。だからといって、恐くないかと言えば、得体の知れないオチが付く「枯れた枝」などかなり恐い。一方、鬱屈や閉塞感が、まるで中年男性に固有の呪いであるかのような書きぶりには時代を感じる。個人的ベストは吉行淳之介を思わせる「何でもない話」。関係ないが、本作も含めて、最近よく見かける文豪ミステ

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    2022年04月23日
  • 稔と仔犬 青いお城 遠藤周作初期童話

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    ネタバレ

    童話で読みやすかった。青いお城はりぼんに掲載されていたもので、そう言われると一生懸命頑張る女の子と見た目はチンパンジーに似ているけど、破天荒だけど優しく心に悲しみを持っている男の子が、一緒に困難に立ち向かっていく姿は少女漫画の王道な気がする。(脳内はガラスの仮面の様な絵柄で再生)
    稔と仔犬は最後のシーンでえっここで終わり?というかんじで、最後に稔がどうするかは読者の想像に委ねられる方式だった。キリスト教の精神を描かれてあって、何とは説明はしていないけど、ひとつひとつの景色や稔の心情が細かく描かれていてすごく情景を思い浮かべてやすかった。

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    2022年04月11日
  • 侍

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    『沈黙』と同様、読後に心に重くのしかかる1冊だった。遠藤周作の作品を読むたびに信仰とは何かを考えさせられ、カトリックである私は自己の信仰を見直すことになる。ここでは、使節団がノベスパニヤで出会った元修道士が語るように、自分は「教会や神父たちの説くイエス」は信じておらず、自分の信じるイエスは「金殿玉楼のような教会におられるのではなく、このみじめなインディオの中に生きておられる」ということ。信仰の原点を知らされた思いがした。

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    2022年03月15日
  • 秋のカテドラル 遠藤周作初期短篇集

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    遠藤周作の秋のカテドラルを読みました。
    半分読んだところで挫折。
    短編集で前半はエッセイが書かれており、エッセイの方は面白かったです。
    筆者の若い頃の幼い想いとかが書いてありました。
    電車で観た憧れの美人が佐藤愛子だったとか

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    2022年03月09日
  • 遠藤周作短篇名作選

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    シラノ•ド•ベルジュラック、パロディ
    イヤな奴、あまりに碧い空、その前日
    四十歳の男、影法師、母なるもの
    巡礼、犀鳥、夫婦の一日
    授賞式の夜、天国のいねむり男

    「シラノ•ド•ベルジュラック」
    「文学とは結局、修辞学(レトリック)だ」と、言い切ることの、裏に含まれた深い絶望に触れる。
    いかに美しく飾ろうと、生きることは恥や醜さと無縁ではいられない。
    いや、だからこそ、美しく在ろうとするのか、見出そうとするのか。それもまた、分かる気がする。

    「イヤな奴」「母なるもの」「巡礼」
    自分の内にある、汚れを憎む気持ち、一方で汚れに惹かれる気持ち。
    そもそも、汚れていると見なすことの傲慢。
    信仰という世

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    2022年01月24日
  • 口笛をふく時

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    うーん。分からなかった。
    私にはよく分からなかった。
    平目と小津の行動も、鋭一という人間も、何一つ理解も共感もできなかった。
    ただ、ほんの少しの記憶の切れ端の関係に、大切なものを、光をみるような、戦争というものは本当に体験した人にしか分からない絶望をもたらしたのだと。そしてそれらの気持ちは、戦争を体験してないわたしたちには決してわかり得ぬものなのだろうなと思う。

    小津には同情するけれど、鋭一はサイコパスにしか思えず辟易。

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    2022年01月21日
  • 砂の城

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    2022.1.15 再読
    前回どう読んだのか全然覚えていない。
    が、今回はかなり心に刺さった。
    それぞれの青春の痛みが。
    動き始めたら止まらない。転げ落ちていく様が。
    中でも水谷トシの行動は愚かで醜い。けれどそれを否定できない。だってそれが正しい事だと信じているから。
    泰子が本当の意味でそういった事に巻き込まれないのは、賢いからだけなのだろうか。

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    2022年01月15日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    ネタバレ

    幕末の浦上四番崩れの一人を愛した「キク」の物語。

    「畜生ォー」。流刑地で主人公の怒鳴り声が響く。何に対する怒鳴り声か? 転んだ仲間に? 残酷な仕打ちをする役人に? 目に見えぬ権力に? それとも黙っている神に対してか?

    隠れキリシタンに対する投獄や拷問の小説は、読んでいてとても辛い。そして、私自身が無宗教のためか、信仰を棄てない信者の気持ちがわからない。口先だけで転ぶと言えばいいのに? なぜ?、と。

    拷問を避けるため、口先だけの”嘘”でも、キリスト教を棄てたと見做され、赦されないのか。「神」は、棄教を口走った弱者を見放すのか?本来、弱い人間こそ赦されるべきではないか?
    特に幕末の混乱の最中

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    2021年11月14日