遠藤周作のレビュー一覧
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『イエスの誕生』の続編です。イエスの死後のキリスト教団を率いたペテロやパウロたちの姿を描きます。
著者がとくにこだわっているのは、イエスが十字架にかけられて死んだ後も、ふたたび人間的な弱さに躓くことになる弟子たちの姿です。ステファノのラディカルな主張についていくことができず保身に走ったペテロが、やがてユダヤ人以外に信者を求めるパウロに対して、またしても同じ弱さを露呈することになる姿を描きます。
そのパウロについては、キリスト教がユダヤ民族の枠を超え出ていくきっかけを作った人物として評価されながらも、彼の説く復活信仰の普遍性が、その後ギリシアや日本のような汎神論的な信仰の根づいている地域にお -
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遠藤周作さんの本をはじめて読みました。晩年を過ごすに当たってのエッセイ。
なかなか毒の効いている筆者の人生論を聞くのは面白く、「いいじじいの語る、これまで」といった感じ。
人生とは・・・
医者とは・・・
など老いても、こんなことを考えるんだな、という参考になる本。以下抜粋。
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我々は人生はなにか。知らないから人生について考えて生きて行くのである。
全く濡れていないタオルをしぼって水をひねり出すような苦しみも何度かあった。
与えられた状況や条件を最大限に利用して、それを享受し、あらゆる角度から満喫するのが、生きること。 -
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病院独特の希望とは遠い場所にある暗い雰囲気が重たかったです。そこにいる人たちの日常なので陰鬱な感じではないですが、やっぱり異質ではあるかなと思います。
あたしも病院なんて歯医者くらいしか縁がないので、想像するだけで恐怖の場所です。医学のことはよく分からないですが今はきっと手術するのに骨を切ったりしないですよね……「海と毒薬」でも出てきたシーンですが、怖い以外のなんでもない。物語よりその医療的な部分の方が印象的でした。
どことなく中途半端な感じがしたのは、明石の長崎旅行のせいじゃないかと思います。
遠藤作品と長崎は切っても切れない関係ですが、この作品に限ってはなんだか唐突なような気がします。奥さ -
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時代背景、使うツールは違えど、基本は変わっていないなと実感。
人間の気持ちの扱い方なんて、そう変わらないのだなと。
手紙の書き方は相手の身になってするような、ゲーム。ブログにも応用ブログはラブレターを書くようなつもりで(笑)自分の言葉で自分なりの表現、慣用句、形容詞を作り出すことも大事。
オリジナルな言葉。
形式的な書き方をしない。
形式的にすると楽だけど、ないように変化がない。。。
時には、すんごい入り方をしても良い。
いろいろなスタイルで伝える。
下手でも自分の言葉、思いを書く事で次へのきっかけを見つけられる事を期待して
文は相手の身になって、受け取る側読み取る側の身になって、どう