遠藤周作のレビュー一覧

  • 結婚

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    浮気癖の叔父さんを持つ叔母さんの紹介で固い固い男性と結婚した奥さんが何人か出てきました。
    Aという人間がBという人間の人生を横切ったため、Bの人生が別の方向に向くことがある。と、作中にありましたが、結婚って本当にそういうものなのかも知れません。そういった無数のもしもの中にワタシたちは生きていることを感じました。さて、ワタシはAなのか?Bなのか?

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    2016年02月16日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    没後10年を経て発見された遠藤周作の未発表原稿で、ユーモラスな引きながら手紙の書き方を読者に指南する本です。

    男性から女性への恋文の書き方、女性が男性の誘いを断る手紙の書き方、病気に見舞われたり身内に不幸があったりした知人に手紙を書くときに気をつけなければならないことなどが解説されています。

    著者の文章作法をかいま見ることのできるような箇所もあり、おもしろく読みました。

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    2016年01月28日
  • キリストの誕生

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    『イエスの誕生』の続編です。イエスの死後のキリスト教団を率いたペテロやパウロたちの姿を描きます。

    著者がとくにこだわっているのは、イエスが十字架にかけられて死んだ後も、ふたたび人間的な弱さに躓くことになる弟子たちの姿です。ステファノのラディカルな主張についていくことができず保身に走ったペテロが、やがてユダヤ人以外に信者を求めるパウロに対して、またしても同じ弱さを露呈することになる姿を描きます。

    そのパウロについては、キリスト教がユダヤ民族の枠を超え出ていくきっかけを作った人物として評価されながらも、彼の説く復活信仰の普遍性が、その後ギリシアや日本のような汎神論的な信仰の根づいている地域にお

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    2017年12月03日
  • 面白可笑しくこの世を渡れ

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    階段を上り下りする下駄の音、おいしげった夏草の間に聞こえるキリギリスの声、落ち葉を掻く竹箒の音・・・・なくなった日常生活の音に歳月の流れを見る。何十年ぶりに会う人は幻滅さえも齎す。賑わっていたアーケードがシャッター街に変わり果てた姿は言いようのない寂しさを漂わせる。歳月は様々な感慨を想起させてくれる。時に歳月は人を慰め癒してもくれる。本書には1970年から2000年までのエッセイが収められており、人それぞれに流れる歳月に夢想を馳せさせてくれた。

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    2015年10月25日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    作者があとがき風の「しめくくり」でふれていますが、人間の内側の分からない部分に興味を持った時期の作者が書いたエッセイであり、先に読んだ『鹿の王』のテーマの一つと奇しくも符合し何やら偶然ではなく、因果律のなせる技か。ユングの心理学にも少し興味を持ちました。
    書いた時代から時が経て陳腐した内容はあるものの、全体として楽しく読ませていただきました。

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    2015年08月16日
  • ユーモア小説集

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    昔の背景が良くわからないけどそれでも面白いと思える話がありました。
    またいつか読み直そうと思います。

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    2015年03月27日
  • ひとりを愛し続ける本

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    ネタバレ

    女性に対して書いてある本、悪女とは存在せず、本人がいい妻、理想的な女性になろうとしているが、理想とはかけ離れている状況において、女性自身が悪い女と定義している状態である。
    自分の考えたこともなかった内容が書いてあり新鮮であった。
    度々、表題と内容の乖離があると感じたため、星3つとした。
    内容的には4位。

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    2015年02月16日
  • 私は私、これでよし

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    遠藤周作さんの本をはじめて読みました。晩年を過ごすに当たってのエッセイ。
    なかなか毒の効いている筆者の人生論を聞くのは面白く、「いいじじいの語る、これまで」といった感じ。

    人生とは・・・
    医者とは・・・
    など老いても、こんなことを考えるんだな、という参考になる本。以下抜粋。
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    我々は人生はなにか。知らないから人生について考えて生きて行くのである。

    全く濡れていないタオルをしぼって水をひねり出すような苦しみも何度かあった。

    与えられた状況や条件を最大限に利用して、それを享受し、あらゆる角度から満喫するのが、生きること。

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    2014年11月17日
  • さらば、夏の光よ

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    ちょっと前に『海と毒薬』を読んで以来、遠藤周作のことが気になっていたので読みました。
    古本屋で39円だったんです。
    作中で野呂くんが「ノートルダムのせむし男はまさに僕だ」というようなことを言っていましたが、本を読んだり映画を観たりしているとたまにそういう感覚を覚えますよね。
    南条くんみたいな良い人風なのに結局は自分のことしか見えてないやつっているよね。
    野呂くんの周辺のことをなぜか見透かしてアドバイスをしてくる母親というのが妙に不気味に感じました。

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    2014年11月03日
  • 面白可笑しくこの世を渡れ

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    最後らへんまで、タイトル通りの、何気ない生活のなかのちょっと笑ってしまうエピソードが紹介されているのだけど、最後の第五章で一転、ノスタルジックな話が多くて、ちょっと泣きそうになった。

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    2014年10月11日
  • 面白可笑しくこの世を渡れ

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    遠藤周作の軽妙なエッセイ、悪戯やくだらない遊び心の中に、心穏やかにしてくれる言葉と発想がある。
    ただ、時代的にが70年代から90年代なので、普遍的なものもあるが、ちょっと時代にそぐわない部分があるのは否めないか。

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    2014年09月28日
  • 満潮の時刻

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    病院独特の希望とは遠い場所にある暗い雰囲気が重たかったです。そこにいる人たちの日常なので陰鬱な感じではないですが、やっぱり異質ではあるかなと思います。
    あたしも病院なんて歯医者くらいしか縁がないので、想像するだけで恐怖の場所です。医学のことはよく分からないですが今はきっと手術するのに骨を切ったりしないですよね……「海と毒薬」でも出てきたシーンですが、怖い以外のなんでもない。物語よりその医療的な部分の方が印象的でした。
    どことなく中途半端な感じがしたのは、明石の長崎旅行のせいじゃないかと思います。
    遠藤作品と長崎は切っても切れない関係ですが、この作品に限ってはなんだか唐突なような気がします。奥さ

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    2014年09月06日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    時代背景、使うツールは違えど、基本は変わっていないなと実感。
    人間の気持ちの扱い方なんて、そう変わらないのだなと。

    手紙の書き方は相手の身になってするような、ゲーム。ブログにも応用ブログはラブレターを書くようなつもりで(笑)自分の言葉で自分なりの表現、慣用句、形容詞を作り出すことも大事。
    オリジナルな言葉。

    形式的な書き方をしない。
    形式的にすると楽だけど、ないように変化がない。。。
    時には、すんごい入り方をしても良い。
    いろいろなスタイルで伝える。

    下手でも自分の言葉、思いを書く事で次へのきっかけを見つけられる事を期待して

    文は相手の身になって、受け取る側読み取る側の身になって、どう

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    2014年09月02日
  • 聖書のなかの女性たち

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    苦しみは分かち合うものなんだと。
    だからイエス・キリストはあえてあなたたちを選んだんですよってさぁ。彼女たちは私たち現代女性の等身である。

    支えてほしいと口にだしていえないときもある。でも言わなくとも支えてくれる人がいる。

    多くの人々のそんな存在であり続けたいと願った、彼を、その最後の瞬間まで支えたものは一体、何やったんやろ?

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    2014年05月11日
  • 笑って死にたい

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    ネタバレ

    ユーモアの根底には愛情がなければならぬ パンチのきく涙の使い方教えます 医学は少なくとも現在、本人が望むと望まないにかかわらず、一日も長く生き伸ばすことを研究している 

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    2014年05月06日
  • あなたの中の秘密のあなた

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    結婚と恋愛の違いについて書かれた本。賢い女性像については、なるほどと思う点も多かった。女性は正義を背負いたがるというところが特に。

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    2013年11月20日
  • さらば、夏の光よ

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    青春。
    いつの時代も人が感じることは一緒で、生理的に無理なものゎ無理だし、忘れたくても忘れられず愛おしいものゎ愛おしい。
    今の時代でも親とか組織とかに逆らえない人ゎそうだし、私みたいに自由に感情のまま生きる人ゎそうだろう。
    だいたい大まかに言うと、二者に分かれるんだ、何事にも。
    そんなことを思わせるお話。

    切ないね。
    とても読みやすかったので、遠藤周作の他の作品も読んでみようと思った。

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    2013年09月30日
  • 私にとって神とは

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    遠藤周作氏が自身の生涯からキリスト教の神と日本人の宗教観や日本人の神との違いをわかりやすく説明してくれました。氏の著作が好きな方、一度どこかでこれを読むと、他の作品も深みを帯びて理解できるかと思う。

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    2013年09月30日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    ネタバレ

    長崎のキリシタンを愛してしまった少女キクの一生の話。なにゆえこの時代は貧しいのか、ひたむきに生きてきたキクはクロとして捕まった清吉を助けるためのついには自分を売る…。そしてその先には清吉との再会があるわけでもなく結核という病魔が。

    遠藤周作の物語というのはだいたい同じテーマで進んで行きますから好きな人は好きでしょう。
    僕はコルベ神父の記述がこの本にあると聞いたので読んでみたのですがなかったですね。
    2部のほうにあるのかな。

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    2013年09月12日
  • ユーモア小説集

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    海と毒薬、沈黙のイメージしかなかったため、なんだか別人のよう。
    星新一よりは明るい感じで、気軽に読めます。はまるひとははまるかも。

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    2013年04月21日