遠藤周作のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
カトリック作家の遠藤は、『死』をテーマにした本を書いてくれ、という出版社の以来を再三断っていたと言う。その理由として、キリスト教談義になるのを恐れたから、とあとがきで述べているのを読んで、なるほどと思ったのは、自分がこれを読みながら持った思いが、「何でわざわざこんな宗教くさいもんをいまさら書くのか」というものだったからだ。誰もが迎える『死』というものを、誰もが理解できる平準化した視点でその「心づもり」することの大切さを、語っている。
死についてなぞ、わざわざあつらえて述べなくても時が来れば理解する、というのが私の宗教家としての立場だが、実に表面的に捉えれば、そこいらの人とも変わんない持論だと -
Posted by ブクログ
遠藤周作の本は「沈黙」「反逆」「海と毒薬」などの純文学系と青春話などを扱った軽小説系に大きく別れてて、この本は後者に属してるみたいだから軽い気持ちで手にしてみたら、予想外衝撃を受けました、はい。
主人公は高校時代から大学時代の青春期に共に夢と希望を描いた友人達を時代の流れに奪われていくというあらすじ。
二度と戻ってはこない素晴らしい青春期に思い描いた夢を、ある人は過激派に求め、ある人は愛人への破滅的な献身に求める…そんな中、主人公は自分の信じた道を突き進み、憧れのスチュワーデスになることができる。しかし彼女には想像もできない形で散っていった友の描いた夢を作っては消えていく砂の城と例えて、こ -
Posted by ブクログ
結婚について深く考えさせられます。
いろんな結婚のエピソードが書かれておりそれぞれが少しずつ関係していきます。
・表面的に幸せでも実は心がまったく通っていない夫婦夫と妻の両面からの記述)
・実直すぎるだんなに不満を抱く妻(確かに彼のいうことは合理的であるし、浮気をされるわけでもない)
・夫であるときから男にも度選りたくなる瞬間(オルゴールがきづかせる)(浮気は絶対に許せないと思っていたが状況によってはありえるかもしれない)
・妻が女に戻りたくなる瞬間(九官鳥の声が気づかせる)
・若いころは野心、夢、ロマンを持った人が素敵に見えるが、実際結婚するにあたっては安定した生活が必要
自分が結婚してか