【感想・ネタバレ】さらば、夏の光よのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

微笑ましくもあり、あまりに哀しくもあり・・・
喜怒哀楽のバランス・展開が実に絶妙です。
プロローグから第一章への導入はとても印象的。

0
2015年08月14日

Posted by ブクログ

どんなに愛されても尽くされても、どうしても嫌悪する。美しい心をもっていても、目をそむけられてしまう。猪首という言葉を初めて知った。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

イケメン南条、デブサ野呂、美人な戸田京子の三角関係のお話
遠藤周作が本人の役で出てきて、若者から請われてトンデモな恋愛指南(唐辛子作戦とかヤキモチ作戦とか)をしてたりする

こんな設定は現代のラノベに通じるものもあるし、前半は男女の機微を知らない若者をからかい半分にいじる周作先生のキャラがユーモラスに感じる
でも、中盤から描かれてあるのは運命に翻弄される若者たちの姿
何というか、もっとどうにかならなかったのかなぁと思わざるを得ない

南条はまぁ一般的な感覚を持っているのであろう
時として軽率だけども、若者ゆえのこらえ性のなさと見ればまぁ許せなくもない
ただ、その行為が後にどんな結末をもたらすかを微塵も考えなかったのかという憤りも同時に感じるけどね

戸田京子は当時の倫理観からしたらまぁ真っ当な判断をしたのかもしれないけど
最後の選択に関してはなぁ…
結局は自分本位だし、その前の選択のミスにより自分の後の道を狭めた自業自得とも言える姿が哀れ
本気で一途なら世間体なんか考えずに一人でという選択をすべき、そして一回決めたことならそれをやり遂げるべきだと思うよ
ま、そのときの心理状況からそんな冷静な判断はできないというのもよくわかるけどね


そして問題は野呂くん
現代は野呂くんみたいな子が増えてるのではなかろうか
自分の気持ちよりも好きな相手の事を第一に考える姿勢は好感が持てる
ただ第三者的にはそう見えるだけで、当事者同士からしたら全く共感は得られないだろうけどね

多分、野呂くんが結婚しなければ死ななかったのではないかと思う
この中で一番のエゴイストは野呂くん
表向きは相手のための自己犠牲に見えるかもしれないけど、自分の欲望に一番忠実に行動してるよね
世間的には善良に見えるのかもしれない
ただ、その善良さは醜い人を傷つける事にもなる

この「善良さ」の使い方は江國香織もやってる
「きらきらひかる」の睦月とか「間宮兄弟」の明信とか

だからこそ一番共感するのは野呂くんなんだよなぁ
そんな善良な人になってみたいものだ

0
2019年10月26日

Posted by ブクログ

誰も幸せにならない、でも心に染みる、とまらなくなる。
だけどそこかしこにいろんな形の愛が描かれていて、読み終わるとじーんとする。

0
2017年12月08日

Posted by ブクログ

 遠藤周作さんの作品は、必ずその根底に愛があって、細部細部に現れる憎しみ嫉妬裏切り…の中にも愛が感じられます。読んでいて安心できる、そして何だか救われる作品たちです。
 作中の、南条も京子も野呂もそれぞれの若い時代を精一杯生きています。読み終えて最後にわかったことは、野呂に対する南条の愛でした。

0
2015年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まったく全員が幸せになれなかった。
みんな悪くない。
みんな愛すべき人を愛しただけ。
あまりにも辛い物語。
もし神様がいるならこんな酷い話はないでしょう?と言いたくなる。

0
2015年06月24日

Posted by ブクログ

それぞれの立場に立って考えると、言い分もあって世の中うまく行かないなと思いました。
南条は自分の気持ちにまっすぐに生きただけだし。京子は周りに流されながらも、運命のいたずらで自分の思いとは違う方向に行ってしまう。野呂は大切な人大切にしたがために、生き残り思い出とともに、苦しみの中で生きていくしかない
切ない話です。

0
2014年01月12日

Posted by ブクログ

なんか見事なほど誰も幸せになれなかった。切ないっていうのとはちょっと違う気がしました。
初めて読んだのが高校の時だったからずいぶん前の話なんだけど、今さらながらにこの作品が自分が生まれるより前に出版された作品だってことに気づきました。
もちろん昭和の香りが漂いまくっているんだけど、そんなに時代を感じさせないです。人の心ってどんな時代でも一緒なんだろうなと思いました。好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌い、綺麗なものは綺麗なんです。
京子の“野呂が生理的に受け付けない”って気持ちがよく分かるんです。小鳥が死ぬときの目が一番好きなんです、なんて言える人間は暗いし気持ち悪いです。死に際を見守る野呂は優しいのかもしれません。でもその優しさが暗すぎる。それは女性に向ける優しさではないと思いました。
正直野呂は優しい人間というより、ただの鈍くさい奴に見えました。
あのタイミングで京子の前に現れて、結局京子の気持ちも考えずに自分の意見を通し切りました。考えずにというより想像もつかないんでしょうね。周りから見たら貧乏くじを引いたのに愛する女性に尽くす優しい男なのかもしれません。京子が望んだのはそんなことじゃなかったのに。切ないというよりやりきれないって感じかな。

0
2013年10月14日

Posted by ブクログ

カテゴリでエッセイとしているけどエッセイでもない。遠藤周作が小説家と教師という二足のワラジを履いていた頃に知り合った男子学生にスポットをあてて書いたエッセイ風の小説か、小説風のエッセイか……どちらかわからないけれど、とても好きな文章で何度も読んだ。

0
2012年05月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『父親』を読んで、良い作品だなぁと思ったので遠藤周作2冊目読んでみた。

真っ先に連想したのは、大好きな作品
『こころ』夏目漱石
『友情』武者小路実篤
この2作に似るものがあると思う。

男女間の三角関係(男2女1)のもつれの話。
こころも悲しいけど、これも相当に悲しい物語。

京子の人生が悲しすぎる。
この時代じゃなければ、野呂と結婚せずにシングルマザーになってたんやろな…赤ちゃんが無事に生まれたら。
時代だけやね。それが悲しすぎる。
一途にトンちゃんを思って、やのに野呂と結婚しても、野呂は優しいから余計つらかったやろうな。

読み進めていくうち、まさか野呂も自殺?と思ったけど、それはなかったからまだよかった。
誰一人、幸せになれない物語。
でも読んでよかった。
やりきれない気持ちになります。

0
2011年12月16日

Posted by ブクログ

「若きウェルテルの悩み」の激しさと「車輪の下」の暗さを併せ持ったような色合いの作品。さらば、夏の光よ。

0
2011年05月14日

Posted by ブクログ

【さらば、夏の光よ】 遠藤周作さん

お茶の水にある短期大学のB学院
遠藤先生はこの学校でフランス文学を教えていた。

その遠藤先生の講義を受けていた生徒の中に
背が低く小太りで女性にまったくもてない野呂という
生徒がいた。

善良で愚鈍な彼は人から頼まれたことには
嫌な顔せずどんなことでも引き受けてくれるので
いつも女性に利用されて、しかも感謝されないでいた。

彼には南条という親友がいた。
南条は野呂とは異なり、明るく快活な青年だった。

ある日野呂は南条に同級生の戸田京子が好きだと
打ち明けられた。

実は野呂も京子に恋心を寄せていたのだ。

しかし自分が女性に関心をもたれないコトを
自覚している野呂は気持ちを押し隠し南条の恋の成就に
協力し、やがて南条は京子の心をつかむコトに成功する。

南条に嫉妬しながらも、野呂は南条という人物を介して
京子に接点が持てることにささやかな幸福感を感じる。

南条は京子との親しみが増すにつれ、野呂との距離が
すこしずつ離れていく、野呂が自分から南条と京子に
気を使い身をひきはじめたのだ。

やがて京子は南条の子を身ごもり、彼と婚約するが
南条は結婚を前にして交通事故で亡くなってしまう。

傷心する京子に野呂は慰めの言葉をかけるが
野呂の想いに京子は応えられない。

野呂の気持ちはわかってはいても、彼を生理的に
受け付けることが出来ないのだった。

それでも野呂は献身的に京子に尽くし、彼女に結婚を
申し込む。

京子の父は世間体を何より重んずる人であったから
自分の娘が結婚前に子どもを孕んだ事実を恥じていた。

彼は野呂の申し込みを渡りに舟と感じ、娘にこの申し出を
受けるように説得する。

失意の京子は野呂の申し出を受けるが、いつも心の中には
南条が居た。

やがて京子は出産の時を迎えるが、子どもは生きて生まれては
こなかった。死産だったのだ。

野呂は善意と愛情で京子を失意から立ち直らせようと
一身に尽くすが野呂が京子に尽くすほど、京子の孤独は
深まっていくのだった。



一人の男が一人の女に懸命に尽くす。その誠意はいつか必ず通じる。
一人の男が一人の女を真心をこめて愛する。
その愛情はやがて彼女にもわかってもらえる。野呂はそう信じていた。

彼は彼女を幸福にするつもりだった。
しかし結果的にはかえって彼女を不幸にした。

男女の・・人と人との交わりは善意や愛情だけでは
どうにもならないコトがある。

わかっていることなんですけどね。

同じことをされても天に昇るような幸福感を味わえる場合と
嫌悪感しかもよおさない場合があります。

自分が好きになった人が、自分を生理的に受け付けない
そういう救いようのない場面も決して珍しくはない
ような気がします。。

哀しいですけど・・。

0
2010年01月23日

Posted by ブクログ

理性ではいい人だと分かっているが、生理的に受け付けられないことがある。
いかんともしがたい、不毛な人間関係を作ることがある。

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すぐ読み終えられたが、サラリと流せないような痛みが心の奥に残った。
善良であれば、善良であっても、善良だけでは、、、
3名はそれぞれに、一番欲しいものを手に入れられなかった。でも3名が選んできた道は間違っていないのだ。たとえ最良の選択でなくても、それを繰り返して人は生きている。

0
2019年09月30日

Posted by ブクログ

遠藤周作に限らず、例えば井上靖にも共通して感じるところですが、こういう恋愛小説を書かせると途端に時代を感じさせるというか、多分将来読まれないと推察される作品になってしまう良い作家が結構いるというのは結構興味深い現象だと当方思っております。
悪くないんですけどね、でも深くないんですよね、正直。そういう意味でこの手のジャンルがその後に深掘りされていると言えるのかもしれず。

0
2018年11月24日

Posted by ブクログ

ちょっと前に『海と毒薬』を読んで以来、遠藤周作のことが気になっていたので読みました。
古本屋で39円だったんです。
作中で野呂くんが「ノートルダムのせむし男はまさに僕だ」というようなことを言っていましたが、本を読んだり映画を観たりしているとたまにそういう感覚を覚えますよね。
南条くんみたいな良い人風なのに結局は自分のことしか見えてないやつっているよね。
野呂くんの周辺のことをなぜか見透かしてアドバイスをしてくる母親というのが妙に不気味に感じました。

0
2014年11月03日

Posted by ブクログ

青春。
いつの時代も人が感じることは一緒で、生理的に無理なものゎ無理だし、忘れたくても忘れられず愛おしいものゎ愛おしい。
今の時代でも親とか組織とかに逆らえない人ゎそうだし、私みたいに自由に感情のまま生きる人ゎそうだろう。
だいたい大まかに言うと、二者に分かれるんだ、何事にも。
そんなことを思わせるお話。

切ないね。
とても読みやすかったので、遠藤周作の他の作品も読んでみようと思った。

0
2013年09月30日

Posted by ブクログ

なんていうか…現実。
苦すぎる。
最悪のバッドエンド。

先生だけが全てを知ってるってのがよかった。
『好き』だけじゃだめなこともあるってこと。残酷。

0
2011年01月25日

Posted by ブクログ

背が低くて愚鈍な野呂。野呂が愛情を持っていた京子は親友の戸田が奪っていった。しかし戸田は妊娠中の婚約者京子を置いて事故死してしまう。京子の「杖」になりたい、時がいつかは解決してくれるのではないかと野呂は京子と結婚する。しかし、結婚生活でも野呂に対して愛情を抱けず、彼の不器用な優しさに苦痛だけを感じる京子は、戸田と死産だった子供の後を追う。

なんとも重い話。お互いが「いつかは・・」と思い続けても、結局どうにもならなかった運命。運命って言うのかな、その言葉だと重過ぎるかな、どうしようもないことってある。生理的嫌悪を感じながらも「便利」だから野呂を使う。理解できるだけに、哀しい女性の残酷さ。

0
2010年08月15日

Posted by ブクログ

京子と南条と野呂。
もしわたしが、。と考えてみても
どう振舞えるのかは答えられない。
「生理的に受け付けない」
中学や高校のときたしかに流行っていたことば。
わたしたちもくりかえすのかな

0
2009年10月04日

「小説」ランキング