無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
Posted by ブクログ 2011年06月01日
序盤、読み進めることに少し苦労した。何故ならば、主人公が中年以降の男性という設定であり、更に人生に多少の疲労感を持っていたり、どう頑張っても私の人生経験では想像してもし尽くせないほどの深みを秘めていたからだと考えられる。
日本の隠れ切支丹の「痛み」と「母なるものへの祈り」に触れて、隠れ切支丹の祈りを...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
エルサル旅行の友。私は遠藤周作さんの宗教観がとても好きで、日本人にとって宗教とはと考えるとき彼の考えが心にぴったり来る。それは自身が西洋のキリスト教に染まりきれなかった葛藤であり、切支丹の歴史を考え抜いた末の見解であり、亡くした母への後悔の念であり、それでも上手く伝えきれないもどかしさに、なんだかと...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年02月10日
日本のカトリックをテーマにした短編集。いずれも作者自身がモデルとしか思えない人物が出てくるので、私小説風な話ばかりである。『沈黙』などに代表される切支丹時代を舞台にした長編とかぶるテーマが多く、とても興味深く読めた。しかし巻末の解説が、仏教の経典を引用しつつ遠まわしにカトリックを非難する場違いとしか...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年11月13日
自身と母との関係、自身とキリスト教との関係、そして隠れ切支丹について描かれている。
隠れ切支丹は、今まで過去の一定の時期にのみ存在していたものだと思っていた。隠れとして独自に信仰が進化し、その後宣教師からの改宗を拒み苦悩した人達がいたという歴史を知らなかったので、考えさせらえれるものがあった。
また...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月29日
遠藤周作の短篇集。母なるものとは、母なる神、母なる宗教を指す言葉だろう。遠藤の宗教観である。遠藤の思想が端々にまで行き届いたものだと思う。長編のようにプロットを細かく気にしない分、短編は思想的になりやすいだろう。時代背景も、テーマも、人物に至るまで、ああ、遠藤だという感じである。解説は読んでいない。...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月18日
著者自身がモデルと思われる人物が登場する短編小説や、エッセイに近いスタイルで書かれた文章など、8編が収録されています。
本書のタイトルにもなっている「母なるもの」は、明治以降も正統なカトリックの教義にしたがうことなく、日本的に変質してしまった信仰を保ちつづけたかくれキリシタンの里を訪ねるという内容...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年09月10日
作者の信仰感を垣間見るような短編集。多くの作品で過去と現在を対比させながら展開する構成を採っており好ましく感じた。自分の母親を想わずにはいられない「母なるもの」、執筆当時でまだキリスト教が侮蔑されていたという驚くべき事実の「小さな町にて」、4人の留学生の紀行に興味を覚える「学生」、キリストの最後の地...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年08月15日
著者のキリスト教への思いを各々の短編集の主人公に重ねあわせる。関わり合いたくないのに捨てられない。それは「優しく許す」存在である母があるからなのか。
不誠実だった信者としての自身がかなり反映されていて、遠藤周作本人のことを書いているのかと思った。猿や九官鳥とか、『彼の生き方』『さらば、夏の光よ』に...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。