遠藤周作のレビュー一覧

  • 聖書のなかの女性たち

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    キリスト教については授業でやってたけど、こんな考えにまでは至らなかった。勉強になったと思うし、やっぱり遠藤さんの考え方というか、捉え方が好きだなぁと感じた。

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    2011年04月19日
  • 満潮の時刻

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    ネタバレ

    死の淵に立った男の人の話。
    人生万事が塞翁が馬っていうことばが常に頭から離れなかった。
    悪いことをすればどこかでしっぺ返しが来る。
    いいことをすればどこかで返ってくる。
    戦争から逃れたものは・・・という感じで。

    生きるか死ぬかの瀬戸際みたいなぎりぎりの状態ではなくて、水が地面にしみこんでいくようにじわじわと病に蝕まれていく。
    ひとつひとつの行動の意味を考えて、どうあるべきかを考えずにはいられない作品。

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    2011年03月31日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    ネタバレ

    「死なないで」彼女は引き絞るように叫んだ。「生きて。戻ってきて」+++
     高校で出された課題本は一部だけでしたが、二部も読んでみたいと書店へ走った記憶があります。一部はひたすらに胸が張り裂けるような本でしたが、この二部はサチ子のひたむきな愛情に泣かされっぱなしでした。
     そしてこの本を読んだ翌年の、高校三年の夏。キャンパス見学の帰りに、私はふと靖国神社にたちよりました。余りの暑さに辟易して、境内に涼を求めたのです。ついでだからと参拝しようとなんとなく思って拝殿に向かいました。
     拝殿でお参りが終わったときに、車いすのおじいさんとすれ違いました。そのおじいさんは本殿にたどりついた途端てぬぐいを握りしめて、はげしく慟哭しはじめたのです。震えるおじいさんの背中と、言葉にならない悲痛な叫び、五月蠅い程の蝉しぐれ。社会人になった今でも、まだ胸に焼き付いています。
     サチ子はラストで生き残った修平の友人を見つけます。彼は生き残り、教会でなにを祈ったのか。大戦で散った若いいのちはせつない形だけれど私たちのなかに息づいている。それを実感した一冊です。

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    2013年05月05日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    おじいちゃんとかおばあちゃんの若い頃の話を聞いてるみたい。
    自分のおばあちゃんは当然おばあちゃんになった後のおばあちゃんしか知らないけど、彼女にも私と同じくらいの年の時があったんだよね。
    そして、私もそう思われるようになるんだろう。

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    2011年02月22日
  • 夫婦の一日

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    ネタバレ

     5編を収めた短編集。『日本の聖女』が素晴らしい。修道士の独白体で細川ガラシャを描いている。
     謀反人・明智光秀の娘であり、秀吉が禁制とした切支丹である彼女の危険な立場は、夫との確執を生み、彼女は厭世観を強くしていく。キリスト教への信仰を深めていくように見えるガラシャだが、現世の苦悩(十字架)を背負おうとはせず、むしろ死による救済を願う姿に、修道士はキリストの教えとの根源的な差異を感じ取る。
     修道士はガラシャの死を「切支丹として死んだのではなく、日本人の宗教で亡くなったのだ」と語る。彼女の宗教観、人生観は本質的に変わることはなく、その死にいたるまで、極楽浄土を願う日本的な精神に支配されたままだった。

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    2012年01月18日
  • 彼の生きかた

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    いくら猿がすきでも ここまでは・・( ̄_ ̄∥) と最初は
    思っていたけれど こういう生きかたも「あり」なんだと
    読み終わったあと 不思議な勇気が湧いて来た作品。
    あとになって いろんな想ぃが じわじわ来ます。
    ヒトは 何を人生の主軸に持って来るかによって これほどまでに
    生きかたに こだわりを持てるんだなぁ・・と 考えさせられた感じ。

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    2010年12月22日
  • 夫婦の一日

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    表題作の「夫婦の一日」と「日本の聖女」が個人的に好きな作品。

    特に、「夫婦の一日」は、カトリック信者であるにもかかわらず、立て続けに起こった不幸から占い師を尋ね、その言葉に信心する妻の様子が印象的。カトリック信者なのだから、占い師の言葉など信じること自体おかしいと説く夫の気持ちも分からないでもなかった。けれど、夫が1年で亡くなるといわれ、それまで続いた不幸のことも考えると、たとえカトリックといえども何かにすがりなんとしても夫を助けたいと思ってかたくなに実行する妻の心情も理解できた。きっと女性ならではなのかもしれない。

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    2010年11月15日
  • 彼の生きかた

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    理想に生きる事と現実社会で生きる事の対比。
    一平のような生き方には憧れるけど、絶対に出来ない。ひたむきでどこまでも真っ直ぐでいつまでも純粋な人間って凄いと思った。

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    2010年10月14日
  • 満潮の時刻

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    人は死に近づくとき、普段の生活の中で何を考え、何を感じるのか。この作品は遠藤周作自らの体験を元に描かれているのだが、夫婦のつながりに関して涙した。遠藤周作が息を引き取るときも、妻の手を握っていたのがすごいと思った。

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    2010年10月06日
  • 父親

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    不倫の恋におちた娘と、戦争を生き抜いた父親との関係。「けじめ」を信条とする父親は娘の不倫に深く傷つき『父親』という存在を考える。

    なんだろ、泣けた。周りが見えなくなってしまって妻子ある人との恋愛に走ってしまう娘の気持ちもわかるし、それを許せない父親の気持ちもわかる。

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    2010年08月15日
  • キリストの誕生

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    「イエスの生涯」の続編。
    イエスの死からユダヤ戦争辺りまでの原始キリスト教団における使徒(主にパウロとペテロ)の心理を中心に描く。

    盲目的なキリスト賛美でなく、冷静に、人としてのキリスト教団を描いているので、非キリスト教徒の人間にもあまり抵抗なく読み進められる。

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    2010年08月11日
  • 砂の城

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    主人公の泰子の亡くなった母親が残した手紙に書いてあった言葉で
    最後まで何度も出てくる、「美しいものと善いもの」。
    それを求めて、行動する泰子の事をうらやまく思ってしまった。
    私も美しいものと善いものを探求する気持ちを心の奥に留めておきたいな。
    九州弁もとてもリアルでよかった。

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    2010年07月16日
  • さらば、夏の光よ

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    【さらば、夏の光よ】 遠藤周作さん

    お茶の水にある短期大学のB学院
    遠藤先生はこの学校でフランス文学を教えていた。

    その遠藤先生の講義を受けていた生徒の中に
    背が低く小太りで女性にまったくもてない野呂という
    生徒がいた。

    善良で愚鈍な彼は人から頼まれたことには
    嫌な顔せずどんなことでも引き受けてくれるので
    いつも女性に利用されて、しかも感謝されないでいた。

    彼には南条という親友がいた。
    南条は野呂とは異なり、明るく快活な青年だった。

    ある日野呂は南条に同級生の戸田京子が好きだと
    打ち明けられた。

    実は野呂も京子に恋心を寄せていたのだ。

    しかし自分が女性に関心をもたれないコトを
    自覚している野呂は気持ちを押し隠し南条の恋の成就に
    協力し、やがて南条は京子の心をつかむコトに成功する。

    南条に嫉妬しながらも、野呂は南条という人物を介して
    京子に接点が持てることにささやかな幸福感を感じる。

    南条は京子との親しみが増すにつれ、野呂との距離が
    すこしずつ離れていく、野呂が自分から南条と京子に
    気を使い身をひきはじめたのだ。

    やがて京子は南条の子を身ごもり、彼と婚約するが
    南条は結婚を前にして交通事故で亡くなってしまう。

    傷心する京子に野呂は慰めの言葉をかけるが
    野呂の想いに京子は応えられない。

    野呂の気持ちはわかってはいても、彼を生理的に
    受け付けることが出来ないのだった。

    それでも野呂は献身的に京子に尽くし、彼女に結婚を
    申し込む。

    京子の父は世間体を何より重んずる人であったから
    自分の娘が結婚前に子どもを孕んだ事実を恥じていた。

    彼は野呂の申し込みを渡りに舟と感じ、娘にこの申し出を
    受けるように説得する。

    失意の京子は野呂の申し出を受けるが、いつも心の中には
    南条が居た。

    やがて京子は出産の時を迎えるが、子どもは生きて生まれては
    こなかった。死産だったのだ。

    野呂は善意と愛情で京子を失意から立ち直らせようと
    一身に尽くすが野呂が京子に尽くすほど、京子の孤独は
    深まっていくのだった。

    ☆

    一人の男が一人の女に懸命に尽くす。その誠意はいつか必ず通じる。
    一人の男が一人の女を真心をこめて愛する。
    その愛情はやがて彼女にもわかってもらえる。野呂はそう信じていた。

    彼は彼女を幸福にするつもりだった。
    しかし結果的にはかえって彼女を不幸にした。

    男女の・・人と人との交わりは善意や愛情だけでは
    どうにもならないコトがある。

    わかっていることなんですけどね。

    同じことをされても天に昇るような幸福感を味わえる場合と
    嫌悪感しかもよおさない場合があります。

    自分が好きになった人が、自分を生理的に受け付けない
    そういう救いようのない場面も決して珍しくはない
    ような気がします。。

    哀しいですけど・・。

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    2010年01月23日
  • ユーモア小説集

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    遠藤さんの本にはまっているときに古本屋で手に入れたもの。どちらかというと罪、信仰、孤独というテーマに惹かれていたので、この本の前半に収められている短編は中途半端というか、阿部公房になりきれない作品に下ネタを加えたような印象で、かといって星新一のような短編の魅力に書ける・・・こんな作品も書いていたのかと衝撃だった。しかも残念な意味で古臭さを感じさせてしまう。でもこのなかで輝いてたのは「うちの親爺」と「昔の教官殿」いう作品かもしれない。特に、つい先日NHKで松本清張シリーズを見たが、その時代背景と重なるものもありつつ、もっとさりげなくていいなと思った。

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    2010年01月03日
  • 結婚

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    結婚にまつわる短編集。夫婦ということについて考えさせられる。結婚していろいろわかることがあった。読む世代や状況によっても捉え方が変わると思うので、また読み返したい。

    あと、結婚のあとの短編がとても切なかった。でも、すごく印象的だった。

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    2009年12月21日
  • 満潮の時刻

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    結核がまだ致命的な病であった時代、
    死の淵を彷徨い絶望と虚無に陥った男の心はどこへ向かったのか。
    生と死、信仰と救済。
    遠藤文学を貫くすべてのテーマが凝縮された感動の長編。
    (--紹介文より抜粋)

    もしも自分が死の淵に出くわしたとき
    それまでこういう本を一冊も読んだことがなかったのなら
    きっとあっさり気が狂うと思う

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    2009年12月15日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    憲法で宗教の自由が認められたにも関わらず、戦争が原因でなお言われなき差別の中にあるキリスト教徒たち。しかし、戦争と言う条件下では愛する男の無事を祈る気持ちは誰も同じです。戦争により多くを失った全ての女たちを、サチ子の一生が体現しています。

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    2025年08月11日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    幕末・明治の時代を生きたキクという1人の女性を通して、長崎は浦上のキリシタン迫害事件を描いた作品。名もなき男女の愛と悲しみの犠牲の果てに日本の国際化があることを、私たちは心に留めておかなければなりません。

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    2025年08月11日
  • 聖書のなかの女性たち

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    血ぬられたキリストの顔を布で拭ったヴェロニカ、マグダラのマリア、大司祭長カヤパの女中、ヨハネの首を得たサロメ、良妻賢母型のマルタ、ローマ総督ピラトの妻等、聖書のなかから11人の女性を選び、“苦しみの連帯感”ともいうべき人間論を展開。遠藤文学の基調音を奏でた、感動を呼ぶエッセイ。

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    2009年11月02日
  • 満潮の時刻

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    病院。生死。内なるもの。キリスト。遠藤周作のキーワードがしっかり出ている本。ただ、キリスト教あたりは無理やり突っ込んだ感が否めず、違和感があります。

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    2009年10月15日