遠藤周作のレビュー一覧

  • 父親

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    不倫の恋におちた娘と、戦争を生き抜いた父親との関係。「けじめ」を信条とする父親は娘の不倫に深く傷つき『父親』という存在を考える。

    なんだろ、泣けた。周りが見えなくなってしまって妻子ある人との恋愛に走ってしまう娘の気持ちもわかるし、それを許せない父親の気持ちもわかる。

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    2010年08月15日
  • キリストの誕生

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    「イエスの生涯」の続編。
    イエスの死からユダヤ戦争辺りまでの原始キリスト教団における使徒(主にパウロとペテロ)の心理を中心に描く。

    盲目的なキリスト賛美でなく、冷静に、人としてのキリスト教団を描いているので、非キリスト教徒の人間にもあまり抵抗なく読み進められる。

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    2010年08月11日
  • 砂の城

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    主人公の泰子の亡くなった母親が残した手紙に書いてあった言葉で
    最後まで何度も出てくる、「美しいものと善いもの」。
    それを求めて、行動する泰子の事をうらやまく思ってしまった。
    私も美しいものと善いものを探求する気持ちを心の奥に留めておきたいな。
    九州弁もとてもリアルでよかった。

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    2010年07月16日
  • さらば、夏の光よ

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    【さらば、夏の光よ】 遠藤周作さん

    お茶の水にある短期大学のB学院
    遠藤先生はこの学校でフランス文学を教えていた。

    その遠藤先生の講義を受けていた生徒の中に
    背が低く小太りで女性にまったくもてない野呂という
    生徒がいた。

    善良で愚鈍な彼は人から頼まれたことには
    嫌な顔せずどんなことでも引き受けてくれるので
    いつも女性に利用されて、しかも感謝されないでいた。

    彼には南条という親友がいた。
    南条は野呂とは異なり、明るく快活な青年だった。

    ある日野呂は南条に同級生の戸田京子が好きだと
    打ち明けられた。

    実は野呂も京子に恋心を寄せていたのだ。

    しかし自分が女性に関心をもたれないコトを
    自覚している野呂は気持ちを押し隠し南条の恋の成就に
    協力し、やがて南条は京子の心をつかむコトに成功する。

    南条に嫉妬しながらも、野呂は南条という人物を介して
    京子に接点が持てることにささやかな幸福感を感じる。

    南条は京子との親しみが増すにつれ、野呂との距離が
    すこしずつ離れていく、野呂が自分から南条と京子に
    気を使い身をひきはじめたのだ。

    やがて京子は南条の子を身ごもり、彼と婚約するが
    南条は結婚を前にして交通事故で亡くなってしまう。

    傷心する京子に野呂は慰めの言葉をかけるが
    野呂の想いに京子は応えられない。

    野呂の気持ちはわかってはいても、彼を生理的に
    受け付けることが出来ないのだった。

    それでも野呂は献身的に京子に尽くし、彼女に結婚を
    申し込む。

    京子の父は世間体を何より重んずる人であったから
    自分の娘が結婚前に子どもを孕んだ事実を恥じていた。

    彼は野呂の申し込みを渡りに舟と感じ、娘にこの申し出を
    受けるように説得する。

    失意の京子は野呂の申し出を受けるが、いつも心の中には
    南条が居た。

    やがて京子は出産の時を迎えるが、子どもは生きて生まれては
    こなかった。死産だったのだ。

    野呂は善意と愛情で京子を失意から立ち直らせようと
    一身に尽くすが野呂が京子に尽くすほど、京子の孤独は
    深まっていくのだった。

    ☆

    一人の男が一人の女に懸命に尽くす。その誠意はいつか必ず通じる。
    一人の男が一人の女を真心をこめて愛する。
    その愛情はやがて彼女にもわかってもらえる。野呂はそう信じていた。

    彼は彼女を幸福にするつもりだった。
    しかし結果的にはかえって彼女を不幸にした。

    男女の・・人と人との交わりは善意や愛情だけでは
    どうにもならないコトがある。

    わかっていることなんですけどね。

    同じことをされても天に昇るような幸福感を味わえる場合と
    嫌悪感しかもよおさない場合があります。

    自分が好きになった人が、自分を生理的に受け付けない
    そういう救いようのない場面も決して珍しくはない
    ような気がします。。

    哀しいですけど・・。

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    2010年01月23日
  • ユーモア小説集

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    遠藤さんの本にはまっているときに古本屋で手に入れたもの。どちらかというと罪、信仰、孤独というテーマに惹かれていたので、この本の前半に収められている短編は中途半端というか、阿部公房になりきれない作品に下ネタを加えたような印象で、かといって星新一のような短編の魅力に書ける・・・こんな作品も書いていたのかと衝撃だった。しかも残念な意味で古臭さを感じさせてしまう。でもこのなかで輝いてたのは「うちの親爺」と「昔の教官殿」いう作品かもしれない。特に、つい先日NHKで松本清張シリーズを見たが、その時代背景と重なるものもありつつ、もっとさりげなくていいなと思った。

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    2010年01月03日
  • 結婚

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    結婚にまつわる短編集。夫婦ということについて考えさせられる。結婚していろいろわかることがあった。読む世代や状況によっても捉え方が変わると思うので、また読み返したい。

    あと、結婚のあとの短編がとても切なかった。でも、すごく印象的だった。

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    2009年12月21日
  • 満潮の時刻

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    結核がまだ致命的な病であった時代、
    死の淵を彷徨い絶望と虚無に陥った男の心はどこへ向かったのか。
    生と死、信仰と救済。
    遠藤文学を貫くすべてのテーマが凝縮された感動の長編。
    (--紹介文より抜粋)

    もしも自分が死の淵に出くわしたとき
    それまでこういう本を一冊も読んだことがなかったのなら
    きっとあっさり気が狂うと思う

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    2009年12月15日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    憲法で宗教の自由が認められたにも関わらず、戦争が原因でなお言われなき差別の中にあるキリスト教徒たち。しかし、戦争と言う条件下では愛する男の無事を祈る気持ちは誰も同じです。戦争により多くを失った全ての女たちを、サチ子の一生が体現しています。

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    2025年08月11日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    幕末・明治の時代を生きたキクという1人の女性を通して、長崎は浦上のキリシタン迫害事件を描いた作品。名もなき男女の愛と悲しみの犠牲の果てに日本の国際化があることを、私たちは心に留めておかなければなりません。

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    2025年08月11日
  • 聖書のなかの女性たち

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    血ぬられたキリストの顔を布で拭ったヴェロニカ、マグダラのマリア、大司祭長カヤパの女中、ヨハネの首を得たサロメ、良妻賢母型のマルタ、ローマ総督ピラトの妻等、聖書のなかから11人の女性を選び、“苦しみの連帯感”ともいうべき人間論を展開。遠藤文学の基調音を奏でた、感動を呼ぶエッセイ。

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    2009年11月02日
  • 満潮の時刻

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    病院。生死。内なるもの。キリスト。遠藤周作のキーワードがしっかり出ている本。ただ、キリスト教あたりは無理やり突っ込んだ感が否めず、違和感があります。

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    2009年10月15日
  • あなたの中の秘密のあなた

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    結婚当初、お酒が好きで帰りも遅く、独身時代と変わりなく過ごす主人に腹が立ちしょっちゅうイライラしてました。そんな時に 恋愛と結婚生活はまったく違うものと教えてくれたのが この本でした。
    帰りが遅いだんなにも 海外ならホームパーティを開き準備して話題作りのために新聞などもチェックして大変な所を 外で飲んできてくれるのだから ありがたい位の気持でいましょう・・という章があります。
    なんて勝手な言い分だと思いましたが 今ではいないことにも慣れてしまって一人の時間も満喫!?です。

    理想ばかり追い求めて 不満がたまるよりは 発想を変えることも大切だと思いました。

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    2009年10月07日
  • さらば、夏の光よ

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    理性ではいい人だと分かっているが、生理的に受け付けられないことがある。
    いかんともしがたい、不毛な人間関係を作ることがある。

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    2009年10月07日
  • 反逆(上)

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    荒木村重、松永久秀、明智光秀・・・・たちの信長反逆SS。

    上巻は荒木を主人公にした感じで進みます。
    荒木の心情、行動を中心にしてるので
    信長がした事に関しては、淡々と冷酷に描写。

    信長には信長なりの行動の理由があったのかもしれないのですが、
    描写がないので信長がかなり残虐、冷酷、怖い人です。
    読んでるこっちもハラハラドキドキ・・・
    村重がんばって!毛利・・来たげて!
    とついつい応援。

    高山右近・・らの裏切りなんかも狐につままれたんじゃないかという感じでうまい事進みます。

    史実的にも・・・ if は入って作者の創作もあるんですが文章が引き込んでくれるので面白いです。

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    2009年10月04日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    ネタバレ

    第一部は幕末から明治にかけて長崎の商家に奉公に来ている娘キクを主人公にした作品です。


    キクは、キリシタンである男清吉に思いを寄せる。やがてキリシタン弾圧の手は清吉の元にも及び、彼は津和野に流され、惨いせっかんを受ける。

    清吉が信じている神さまは、清吉が苦しんでいるのになんでなにもしてやらんのん...そう思ったキクは教会の聖母マリア像にやるせない思いをぶつけるようになる。やがてキクは清吉を助けるために伊藤という男にいいくるめられ、身体を任せ、その後肺病を病み、マリア像のそばで息を引き取ってしまう、という話。


     第一部は私が小学校の頃に小泉今日子主演でドラマになっていたので物語の最初のほうだけなんとなく記憶がありました。そのドラマを見た時、子供心にキクさん可哀想やなぁと思っていました。
     時が流れてあらためて原作を読んで、ラストで伊藤が清吉に自分もまたキクに惚れとったと告白したところで胸がつまりました。こんな形でしか愛情を伝えられんかったのか、と思うと。。。。また、秀吉がキリシタン弾圧をしたころはかなり惨かったと歴史の時間にも習ったが、明治の世でもやはりひどい弾圧がなされていたのだということに驚きました。

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    2014年02月18日
  • イエスに邂った女たち

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    タイトル:イエスに逢った女たち
    著者:遠藤周作
    発行日:1990年
    出版社:講談社文庫
     イエスに関わった人物たちの話で、妹のマリアはもちろん、ヘロデという王様もでてきます。
    普段のイエスの話とは違った深い話が書いてあるのでとても興味深かったです。

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    2009年10月04日
  • 彼の生きかた

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    耳をすませばのお父さんのセリフを思い出した。


    人と違う人生を歩むことは・・・


    ってやつね。
    やっぱり好きな仕事に情熱注ぎたい。自分の信念を持って生きていきたい。本当にそう思えるようになる。だからこの本好きなんだよね。

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    2009年10月04日
  • 砂の城

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    クライシスには分岐点って意味もある。
    それぞれの人生を歩んでいくなかでそこには何とも越え難い壁ができてしまうこともある。周りからみた自分と、自分の知っている自分は違うし、そのどちらが正しいのかなんてわからない。それでも自分の人生を生きていかなければならない。これは本当に勇気のいることだ。

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    2009年10月04日
  • キリストの誕生

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    イエスを見捨てて逃亡した弟子たちが、なぜイエスをキリストとして信仰するようになったのかを描く『イエスの生涯』の続編。弱く優柔不断な弟子たちの、それゆえの人間らしさが光ります。

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    2025年08月11日
  • 聖書のなかの女性たち

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    カトリック信者である遠藤周作が、聖書の中に登場する様々な女性たちにスポットを当て、彼女たちの味わった深い苦しみや哀しみを紐解き、またそのときキリストが彼女たちに何をしたのかを解説しているエッセイです。私は今までキリスト教に関する知識が殆ど無く、何だか遠い存在のようにも感じられていましたが、この本を読んだことで、聖書に描かれている女性たちの中に、現在の私たちと通じる部分を数多く見いだすことが出来ました。信者にとってキリストがどのような存在であるのか、また、キリスト教が説く女性の本質とは何か、是非この本を通じて考えてみて下さい。

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    2009年11月30日