遠藤周作のレビュー一覧

  • 留学

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    三部作。最後の話やたら長い。本作も他の作品と同じく西洋文化キリスト教と日本の文化との対峙、本質的な相違について描かれている。
    主人公はもちろん遠藤周作ご本人がモデルなんだけど、しかし苦しい。なんでこんなに苦しまなあかんのか。時代ゆえなんか、芸術とか文学を志す者ゆえなんか、とにかく苦しい。文学者として、日本人して、クリスチャンとして、男として、人間としてと、いろんな、○○としての自分がのしかかってきて、押しつぶされている。重い。今時「私らしく」とかいう一言で済まされそうなもんなのに。重い重い。でもそんなものに縛られて必死に逃れようとしてまた何かに引っかかりけつまずき、劣等感を抱いたりプライドを傷つけられたり卑屈になったり、苦しんで苦しんで葛藤して、まさに「身を切り肉を切り」言葉を生み出して何かを伝えてきたのが日本の文士(この言い方は出てこないんやけど)なのかなと思える。私はサドよりそっちをベロベロ舐めたいわ。
    サドのことは全然知らんが、主人公が記したサドに関する考察はおもしろかった。しかし、サドの本が読みたいとはあんまり思わん。

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    2014年02月05日
  • さらば、夏の光よ

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    それぞれの立場に立って考えると、言い分もあって世の中うまく行かないなと思いました。
    南条は自分の気持ちにまっすぐに生きただけだし。京子は周りに流されながらも、運命のいたずらで自分の思いとは違う方向に行ってしまう。野呂は大切な人大切にしたがために、生き残り思い出とともに、苦しみの中で生きていくしかない。
    切ない話です。

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    2014年01月12日
  • 満潮の時刻

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    生を見つめる眼、沈黙の声。著者の訴えたいことが、じわりと伝わってくる。生活と人生は違う。なので日常から離れた入院生活で実感できたのだろう。14.1.8

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    2014年01月08日
  • 留学

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    著者自身の留学経験を下に書かれたであろう、留学経験者で有れば誰でも思わず頷く様な、現地での葛藤や苦労を描いた作品です。 現代社会とは少し違った感覚、古臭い側面も多々有りますが、時代は変わってもこういった気苦労やコミュニケ―ションにおけるもどかしさや歯がゆさは、いつの時代でも変らないみたいですね。 遠藤周作もこういう感情になっていたんだと思うと少し感慨深いものが有る今日この頃です。

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    2014年01月06日
  • キリストの誕生

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    聖書だけでは理解出来ないイエスが処刑された後の使徒たちの考え方や性格がとても分かりやすく説明されていた。賛否両論ある内容だとは思うが。遠藤氏はキリスト教徒のはずだがどこか覚めた視線をお持ちなので、非キリスト教徒が読んでもとっつきやすかった。

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    2013年12月01日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    学校の歴史の授業ではその名前だけがさらっと流される程度で奥深い部分を知る機会にとてもいいと思う。
    自分が学生の時に読んでいたら歴史の授業も面白くなったはず。
    華麗に贅沢に生きていただけと思っていたアントワネットの内面を冷静に見つめられる部分も面白い。

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    2013年10月29日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    史実通りではない部分も多いようですが、概ね史実に基づいて描かれている事もあり、これが現実に行われた事かと思うと胸が締め付けられる想いを感じる。
    フランス革命までの華やかなフランスの貴族社会やフランス革命さ中のフランス国内の情勢などは、日本の歴史の授業では第1次世界大戦の方に重点をおかれるのでなかなか詳しいことを知る機会がないので、こういう物語を通して歴史を知るいい機会になると思う。

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    2013年10月29日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    地に足が着いている感じの人のエッセイが好きだ。
    私が勝手にそういう本を読みたいときに選んでいる作家さんが
    須賀敦子さん、城山三郎さん、司馬遼太郎さん、谷川俊太郎さんなどだが、
    遠藤周作さんもそのひとりだ。

    日々感じたこと・考えたことを綴っている文章だけれど、
    そのまましっかりと一日一日を感じながら歩いていけばいいんだ、
    と言われているようで安心する。
    眠れぬ夜に、読みながら時を感じてみるのも良いと思う。

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    2013年10月24日
  • さらば、夏の光よ

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    なんか見事なほど誰も幸せになれなかった。切ないっていうのとはちょっと違う気がしました。
    初めて読んだのが高校の時だったからずいぶん前の話なんだけど、今さらながらにこの作品が自分が生まれるより前に出版された作品だってことに気づきました。
    もちろん昭和の香りが漂いまくっているんだけど、そんなに時代を感じさせないです。人の心ってどんな時代でも一緒なんだろうなと思いました。好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌い、綺麗なものは綺麗なんです。
    京子の“野呂が生理的に受け付けない”って気持ちがよく分かるんです。小鳥が死ぬときの目が一番好きなんです、なんて言える人間は暗いし気持ち悪いです。死に際を見守る野呂は優しいのかもしれません。でもその優しさが暗すぎる。それは女性に向ける優しさではないと思いました。
    正直野呂は優しい人間というより、ただの鈍くさい奴に見えました。
    あのタイミングで京子の前に現れて、結局京子の気持ちも考えずに自分の意見を通し切りました。考えずにというより想像もつかないんでしょうね。周りから見たら貧乏くじを引いたのに愛する女性に尽くす優しい男なのかもしれません。京子が望んだのはそんなことじゃなかったのに。切ないというよりやりきれないって感じかな。

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    2013年10月14日
  • 留学

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    仏蘭西に実際に留学して西洋文明の理解しようとつとめる日本人との間に存在している溝、それを解消しようとする苦悩が著者の小説の主人公を通じて、ひしひしと伝わってくる。異国情緒。そして絶望。でも、その感情の発露はある意味で正しく自然の成り行きなのかもしれないと感じた。

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    2013年09月13日
  • ぐうたら人間学 狐狸庵閑話

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    くだらないシモの話が楽しい。エピソードが程よく短くてサクサク読める。終盤になると自称が「わし」になって偏屈親父っぽいキャラクターになっちゃうの。可笑しい!

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    2013年09月12日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    遠藤周作の作品の中から厳選された文章を集めて、テーマ別にまとめた一冊。

    自分の心の中に抱えているモヤモヤがこれを読んで少しずつスッキリしていく感じがした。今の私に響いたのは、結婚や夫婦について、そして、教育についての幸福と不幸についての文章。

    きっと読む人、年代によって響く言葉が違って、これからの人生で壁にぶつかったときに読みたい一冊。

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    2013年09月02日
  • 愛情セミナー

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    1977年に初版された本なんて信じられないくらい、現代に生きる私の心にも響く「セミナー」でした。
    愛するということは、何も信じられないこの世の中で唯一彼だけは信じるという挑戦…私はまだ愛することに成功していないんだなぁと思い知りました。いつかそんなにも愛せるたった一人を見つけられたらと思います。

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    2013年08月07日
  • 留学

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    三部作中、小説として完成度が高いのは前二編のように思う。遠藤作品で繰り返し語られるカトリックと日本人とのテーマ。だが自分に一番響いたのは三編目「爾も、また」インテリとしての自負、だが実の所平凡で俗的な自分を自覚し欧州文化に押しつぶされていく主人公。サドを研究テーマとしながら自分とサドの接点などまるでないと悩む。真理を追究もできず表面的にうまく立ち振る舞うことも出来ない。
    その姿は、表現すべき中身を持たず、表現の場を得るために上手くコミュニケーションすることも出来ず、それなのに表現することを辞められない自分に酷似。つらい。
    時々こういう自分を突きつけられるような体験をするから読書はやめられない。

    二回目に城を訪れた時の、喀血と雪のコントラストが実に映像的で鮮やか。

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    2013年07月22日
  • 夫婦の一日

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    未読の遠藤の短編。「侍」から「スキャンダル」に移るその軌跡を見事に表している、とあとがきにあった。5つの短編からなる、短編集であるが、どれも心に響いた。晩年の遠藤は、人間の無意識に関心を非常に寄せており、そこに潜む悪とそこからの救いという観点から、宗教と信仰を深く見つめている。その辺の関心が、この五つの中にありありと描かれている。

    個人的には「日本の聖女」が一番響いた。細川ガラシャを遠藤流に描いている。

    13/7/9

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    2013年07月09日
  • 砂の城

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    ネタバレ

    思いきりメロドラマだけど、テンポよくすすみ、一気に読んでしまった。

    自分でもただしくない(=幸せになれない)と分かっていても、あえて社会的に間違った選択をしてしまう親友たちを、客観的に見つめる主人公。間違った選択をしても、なぜか鮮やかな生き方に見える彼ら。多種多様な生き方の選択が描かれている。

    そして風景描写がとてもうまく、目に浮かぶよう。
    長崎の素朴で美しい風景、神戸のかなしい裏びれた古いアパート街、インドの暑く不穏な空気。
    ストーリー展開ごとにマッチするオケージョンが、物語をひきたてる。

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    2013年07月07日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    遠藤周作・・・狐狸庵先生が他界されてからもう17年たちます。
    狐狸庵先生の作品は多く残されていますが、
    この本は、死後偶然見つかった未発表原稿をまとめたものだそうです。
    遠藤さんファンにとっては天国からの贈り物ですね。

    遠藤さんらしい作風でユーモアを交えて
    実にわかりやすく、主に手紙の書き方を書かれていました。

    「一寸したことですが・・・」で始まる文章は、
    お礼状からラブレターにいたるまで、
    手紙を送る相手をいつも気遣って書いてください。と、
    細やかな心遣いを、わかりやすく述べられていました。

    手紙をほとんど書くことのなくなった現代をみたら、
    狐狸庵先生は何と思われるでしょう。
    なにしろ、恋人同士の別れは、
    携帯メールで「好きな人ができたの」と送るだけですむ時代です。
    じっくりと文字を読んで
    書いた人の気持ちを思い浮かべるような情緒もゆとりもないのです。
    なんと、殺伐とした時代でしょう。

    ・・・なんて、偉そうにいう私も、
    確かに昔は筆マメで、よく友人に手紙を書いていたのに
    最近は乱筆ということもあり、手紙を書いていません。
    なんだか痛いところを狐狸庵先生にたたかれたような気がしました。

    すみません。狐狸庵先生!
    PCメールでもいいから、相手を想いやった文章を心がけます。
    十頁読んで面白かったので、最後まで読み
    あらためて狐狸庵先生の温かさがわかりました。

    手紙や人の交流の大切さを
    今一度噛みしめるのに最適な一冊です。

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    2017年11月09日
  • 遠藤周作短篇名作選

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    自分の中で、文学の匂いがする作家。人間の醜さとか愚かさを知っている作家。読んでいて、自分に当てはめて心がしんどくなる。でも、向き合うことの大切さも同時に感じる。

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    2013年05月26日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    『何ひとつ無駄なものはない』と言える境地に至った遠藤周作氏の目に見えないものへの境地、そこに生きる意味を微かに見いだすヒントがあるのではないか?

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    2013年05月20日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    フランス革命前夜。王妃マリー・アントワネットと娼婦マルグリッドの視点を中心とし、時代が傾き転覆するまでの交錯とすれ違いを匠に描写した作品。前編は「首飾り事件」によるフランス革命の始まりまで。

    13/5/15

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    2013年05月31日