遠藤周作のレビュー一覧

  • こころの不思議、神の領域

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    林義道って昔からいたんだ、知らなかった。遠藤は小此木とも対談してユング派とフロイト派双方とバランスを取ってるのかな。ユング派に近そうだけど。

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    2012年12月10日
  • 夫婦の一日

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    深層心理がうまく描かれている。行動と理性と感情のバランスが見事。日本文化を深く観察された遠藤周作の晩期らしい作品。

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    2012年11月30日
  • 第二ユーモア小説集

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    ネタバレ

    この表紙の女の人の話が個人的に一番印象に残った。ユーモアの中の底知れぬ哀しみ。和田誠氏のイラストが上手すぎる。

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    2012年10月28日
  • ぐうたら社会学

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    遠藤周作2冊目。
    やっぱりこの人文章上手いですね。

    なんというかリズムが良い、というか。

    と思いながら読んでたらその点ご自身で言及してました。


    『笑いというのは間でしょう、テンポでしょう、句読点の置き方でしょ。
    文章でいえば』
    『オレのぐうたらものなんてのも内容はなんにもおかしくないんだよ。
    句読点の置き方ですよ。これはずいぶん苦労してんだよ。
    少しここらで、いばらしてくれよ。なあ、いいだろ。』


    そう、これだ。句読点。これが本当にすばらしい。
    特に最後の酔談なんてもうね、最高です。

    こんな文章、書けるようになりたいなあ。

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    2013年03月03日
  • 怪奇小説集

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    せるさんのレビューから、何やら面白そうな小説。秋頃にでも読みたいなぁ。

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    読んだ読んだ、秋頃といわず冬まで掛かって読んだ!笑
    遠藤周作さんの小説を初めて読んだと思うのだけれど、なんというかじわじわと真綿で首を絞められるような文章だったりユーモア系の「なんじゃそりゃ!」ていうのもあったりで色々楽しみながら読めました。
    個人的にもうだめだ、となったのは「ジプシーの呪」と「鉛色の朝」でした。必要以上に想像してしまうのと心霊関係無くじわじわくる描写で息が

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    2013年01月06日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    ネタバレ

    「沈黙」に続く遠藤周作のキリスト教&長崎テーマの読書。

    作品自体は「沈黙」のほうが素晴らしい出来のように感じたけれど、キクという女の一生を通して、信仰や愛について描かれているだけに、より感じるものは多かった。

    キクの激しくも哀しい一生にはもちろん胸を打たれたんだけれど、伊藤とプチジャンの海辺での対話が圧巻。(むしろエピローグの津和野での懺悔が蛇足に感じた。勝手な感想だけど。)
    神は本藤よりも伊藤を愛すると。本藤のような人に神は必要ないのだというような。
    そうなのか…。本藤はすごく頑張ってるからこその成功なのにな、神様がその頑張りを見守ってくれて、幸運を与えてくれないと、割にあわなくない?な

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    2012年08月10日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    遠藤周作の小説,エッセイから内容ごとに分類したもの.実は人生には無駄なものもあるかもしれないが,この本では遠藤周作という一人の作家がどのように考えて生き,それを表現してきたかがよくわかるから素晴らしい.まさに生きるように書き,書くように生きてきた一人の人間の人生が詰まっている.

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    2012年07月21日
  • 結婚

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    鹿児島に左遷になった幸せな夫婦がすごく印象に残っている。周りの目やステータスなんかに振り回されずに、自分が心から幸せを感じられる形を見つけたい。
    みんなどこかしらに疑問を感じつつ、妥協しているのだと思った。
    『青い果実』もすごく印象に残っていて、夫婦生活と対照的だと感じた。

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    2012年07月04日
  • 留学

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    留学というタイトルにまとめられた三編。二つ目と三つ目が印象的であった。自身の留学体験をもとにして、日本と西洋の文化的、と言ったら表面的すぎるだろうか、心理の深層に流れるモノの根本的な差異を謳っている。これだけ読むとそれは混ざり得ないもののように描かれるが、基本的に遠藤の宗教的著作にはこの問題が底流にあり、それは時代をおうと共により「救い」として消化されていると思う。全体で一つの作品といっても言い過ぎではないのではないか。

    12/6/23

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    2012年06月23日
  • 狐狸庵 歴史の夜話

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    ・作家のおっさんが年取って書いた薀蓄本かと思ったら結構面白かった。特に転び伴天連の心理についてはとても興味深い。古本市で10円で買った。

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    2012年06月13日
  • 母なるもの

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    遠藤周作の短篇集。母なるものとは、母なる神、母なる宗教を指す言葉だろう。遠藤の宗教観である。遠藤の思想が端々にまで行き届いたものだと思う。長編のようにプロットを細かく気にしない分、短編は思想的になりやすいだろう。時代背景も、テーマも、人物に至るまで、ああ、遠藤だという感じである。解説は読んでいない。今更もういいだろうと、彼に関しては思う。

    12/5/29

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    2012年05月29日
  • ひとりを愛し続ける本

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    周作サロンを改題したら、ひとりを愛し続ける本になるってどういうことさ。嫌いじゃないけど、おひとりさまの生き方が書いてあるのかと思ってたけど、ひとりの(人)を愛し続ける策があるようにもとれるなと後から気付く。勿論中身は周作サロンだからいずれも違います(笑)

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    2012年05月27日
  • 反逆(上)

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    ネタバレ

    遠藤周作さんの作品はテーマの根底にキリスト教という視点があり、本作品も他の歴史小説にはない面白さ。絶対的権力であった信長に反逆心を抱く武将たち。現代にも通じる登場人物の心の動きは読みごたえありです。

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    2012年05月25日
  • 悪霊の午後(下)

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    上下巻、一気に読み終わりました。30年近く前に書かれたのに全然古くさくない。文章力があるので話にグイグイ引き込まれます。
    後半、魔女の印云々はどうかな、とも思いましたが面白かったです。

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    2012年05月21日
  • さらば、夏の光よ

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    カテゴリでエッセイとしているけどエッセイでもない。遠藤周作が小説家と教師という二足のワラジを履いていた頃に知り合った男子学生にスポットをあてて書いたエッセイ風の小説か、小説風のエッセイか……どちらかわからないけれど、とても好きな文章で何度も読んだ。

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    2012年05月13日
  • 反逆(上)

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    半藤一利著「日本史がたのしい」でお薦めの信長物の一冊。冷徹な信長に荒木村重が反逆を決意する。村重の周りの武将の裏切り、長き籠城経てなお襲う心の葛藤。12.5.3

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    2012年05月03日
  • それ行け狐狸庵

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    狐狸庵先生の好奇心の盛んなこと、いくつ読んでも飽きたりません。「禿げてカツラの緒をしめよ」ドリフのような日常を当たり前のように送っておられた昭和の風景が、生きたこともないのに目に見えるようにおもしろい。また特にささやかなビートルズファンとしては、実際に来日をした時に実物を見た先生の表現があまりにも愉快痛快、どんな時代にもジェネレーションギャップというものがあるのだとしみじみ思います。

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    2012年04月22日
  • 私にとって神とは

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    新興住宅街に住み、特に周囲に宗教を持つ人がいなかった私には、神様を信じるという感覚はとうしても呑み込めないものでした。
    それには、小学生のときに起きた地下鉄サリン事件で受けた「宗教」のイメージも手伝っているのかもしれません。
    それぞれの神様はその人にとっては強烈に正しくて、疑問を差し挟む余地はないのだろうと。何となく、触れてはいけないような気がして距離をとっていました。

    だから、この本のタイトルには心惹かれるものがありました。

    この本ではキリスト教を信じる著者が、信仰について率直に語っています。
    本当に神様なんて信じているのか?なぜ日本人なのに仏教ではないのか?など、質問を設定し、それに答

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    2012年04月09日
  • 留学

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    第三章『爾もまた』について

    ものすごいリアルで、designerの太刀川さんがおっしゃっていた「具体的且つ主体的なストーリーの共有」という話を思い出した。

    主人公の田中は非常に悲観的且つ内省的で、自己肯定の難しさを非常に感じた。そこにポイントを置くという事は私もそうだからなんだろうけどw

    遠藤周作も留学で苦労したって言ってたし、いちいち田中と遠藤周作を比較してしまう。
    主人公の設定をものすごいコンプレックスを持ち、妻以外と関係を持ったことのない、気の小さい不器用な「田中」が「サド」を研究テーマにしたところ、本人もそれを思案しているようにしたところが非常に面白かった。

    また、サドについて

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    2012年03月20日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    コルベ神父が1930年に長崎に来て、5年後にポーランドへ帰国後、アオシュビッツで惨殺される事を背景として、長崎を中心とした日本人男女の物語、原爆投下で終わる。信仰と戦争と言う永遠のテーマ。

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    2012年02月27日