遠藤周作のレビュー一覧

  • フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ
    若い頃の遠藤周作のエッセイ
    フランス留学後は、研究室に入ろうと思っていたが
    途中で観たり、体験したことから
    小説家として生きる決心をする
    結核でつらい思いもして、あと10年生かして欲しいと願った若き日々
    1650年から60年台の作品
    時代を考えさせられた。
    凄い人間性だ
  • 怪奇小説集 蜘蛛
    注! 一部ネタバレ



    ★4つは相当おまけ(^^ゞ
    今の基準に照らすならば、3つくらいが適当だろうw

    にも関わらず4つにしたのは、この時点ですでに現在の「実話怪談」と呼ばれるものの原型のほとんどが出来上がっているように感じたから。
    もちろん、某出版社から出ている「実話怪談」のように、実話怪談好き...続きを読む
  • 深い河 新装版
    河というのが、神聖だったり生死に対して繋がりが深いものというイメージは自分の中で形成されつつあったけど、これを読むと、ガンジス川はそういうイメージをある意味で残酷に表しているなと思った。
    最後まで、インドに来た彼ら日本人がそれぞれ抱えているものに光のさすような解決を分かりやすく見出すことはされなかっ...続きを読む
  • イエスの生涯
    キリスト教観がかなり変わった
    これでキリスト教観を変えられると言うのはまさに同作者の「沈黙」で言われた「沼地」のようなものだけれど
    それでも
  • 自分をどう愛するか<生活編>幸せの求め方 ~新装版~
    参考にしたい考え方が結構あった。具体的には、人には誰しも「ツキ」というものがあること。良いときも悪い時もある。好調な時が3年ごとにくる人もいれば、5年おきにくる人もいる。この考え方が今の自分の気持ちをラクにしてくれた。
    後半は内容が難しいところがたくさんあった。
    時間をおいてまた読みたい。
  • 善人たち
     2021年の冬に公開された未発表の戯曲3本「善人たち」、「切支丹大名・小西行長」、「戯曲わたしが・棄てた・女」。1970年代後半に書かれたとされる。新約聖書でペテロがイエスのことを知らない、といって嘘をついてしまう描写が何度か出てくるように、人間の弱さや信仰心について、日本人的な恥の感覚、どうして...続きを読む
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

    やるせない哀しみに満ちた作品。
    後期の遠藤周作はとにかく読み易い。が、だからこそ簡易な表現や作中の一節に引力がある。
    本作のイエス的人物であるガストン・ボナパルトの優しさ、暖かさから来る発言は特に印象的。
    読まなくても通読に支障は無いと感じたが、やはり『海と毒薬』は通った方が、主題の理解に深みを与...続きを読む
  • 王国への道―山田長政―
    タイの勉強として。600年前にアユタヤで日本人が力を持っていた、その様子を想像できておもしろかった。キリスト教徒が迫害されて、それでも信念をつら抜こうとする岐部についても。

    途中、長政にふきが体を触られるところ、キモい、サイテー、それ性的虐待、遠藤周作サイテー、時代錯誤もいいとこだ!と思っていたけ...続きを読む
  • 白い人・黄色い人

    遠藤周作は作を重ねる毎どんどん平易で読みやすい文章になっていくが、初期は通読にかなり体力が要る。
    イエスとは何か・キリストとは何かという永年の主題に一歩踏み出した意欲作だが、主人公が殊更露悪的なのも本作の特徴かもしれない。
  • 海と毒薬(新潮文庫)

    ボリュームは200pにも満たないが、非常に重い。
    取り扱う主題は宗教と異なれど、当時の閉塞感・救いようの無い疲労感は健在で、読後は充足と虚脱をしっかり味わえる。
  • 留学

    当時の留学の苦悩と孤独感が苦しく、重い。
    この救いの無さ、読後虚脱感の最高峰は『侍』だと思うが、他の名作の影に隠れた良い作品だと思う。
  • 深い河 新装版
    2023読書初め
    概念的な対比(秩序と混沌など)が各所に散りばめられていて、前者の視点を持つ者は後者へ痛烈な批判をし、後者を受容している者は前者へ違和感をもつという構造が簡潔な文体で表されている。
    しかし読んでて個人的に興味深かったのは、この二分法では割り切れるほど現実は単純ではないという点だ。

    ...続きを読む
  • フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ
    周作の知の深さを初期から感じる。戦後最初の公費留学生とは、なんと優秀な。数々の作品を送り出したその後を思うと、その経験は、何倍もの価値を生み出した。その価値観が独特かつ面白い。
  • 深い河 新装版
    生活と人生は根本的に違う
    生活のために交わった他人は多かったが、人生の中で本当にふれあった人間はたった二人
  • 新装版 海と毒薬
    一線を超えることで、人として非難される行為をした事にはなるが、当人は人として、何か変わるというのか。勝呂は人間らしく、戸田は非人間なのか。良心とはなんなのか。機会さえ与えられれば、誰もが非情な人間という烙印を押されるのではないか。
  • 王妃マリー・アントワネット(下)
    ベルばら展後、実家に昔からあるこの本を手に。ベルばらのマリーアントワネットとはまた少し違う印象でより我儘に感じましたがこちらの方が史実通りなのでしょうか。人物・場所など調べながら読むとより歴史に触れられて◎でした。
  • 王妃マリー・アントワネット(上)
    ベルばら展後、実家に昔からあるこの本を手に。ベルばらのマリーアントワネットとはまた少し違う印象でより我儘に感じましたがこちらの方が史実通りなのでしょうか。人物・場所など調べながら読むとより歴史に触れられて◎でした。
  • 深い河 新装版
    厳しい予後を告知されたあとの焼き芋の声と、ビルマでの壮絶な飢えと猛烈な雨と対比される小鳥の声。
    日常の変哲のなさ、世界は何も変わらず回っていることを痛感するあの感じは、その人が絶望や苦悩の中にあればあるほど対比される形で迫ってくる。孤独や恐れとして何度も迫ってくる。
    美津子の愛の真似事の描写は良かっ...続きを読む
  • 反逆(上)
    とりあえず、上巻のみ読み終えました。

    歴史小説は初めてだったので読み慣れるまで少し時間がかかりましたが、慣れたかどうか考える前に引き込まれていく面白さがありました。

    学校で日本史を習うだけでは知り得ない、また別の視点から戦国時代を知ることができます。

    今まで知らなかった歴史の一面を学ぶと同時に...続きを読む
  • 反逆(下)
    上巻が荒木村重の視点が多かったのに対し。下巻では明智光秀がメイン。

    日本人特有の感情や、礼儀、筋の通し方など巧く表現できないけれど、日本人を見直すことができる作品。

    また、戦争や争いについても現代のそれと比べて色々な考えを巡らせることができました。

    藤蔵や、だしの最期には思わず泣いてしまいまし...続きを読む