遠藤周作のレビュー一覧

  • 私にとって神とは

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    宗教に関心のない一般的な日本人を代表するような質問者に対して、わかりやすくキリスト者としての自身の考えのべている。

    神は存在ではなく、働きだという言葉がなぜかしっくりきた。

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    2021年10月01日
  • 怪奇小説集 共犯者

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    怪奇小説集と銘打ってるものの、実際は人間の心の暗さや闇をえがくようなサスペンスというほうが近いかな。
    強かな女性が多く出てきた印象。

    一番好きだったのは『偽作』。
    こういう女性は私は大好き。驚きもあって良かった。

    『ジャニーヌ殺害事件』、『共犯者』、『娘はどこに』あたりも好き。
    ジャニーヌ〜はかなり胸くそ悪い話ではあるけど…。

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    2021年09月28日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    ただただ、ミツの愛に生きる姿に対して理解に苦しんだ。これが隣人愛ってものなの?この物語で出てきた、「人生をたった一度でも横切るものは、そこに消すことのできぬ痕跡を残す。」というメッセージはずっしりきた。重い。

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    2021年09月09日
  • 反逆(下)

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     信長に叛逆した荒木村重と明智光秀を通して、戦国時代を描いている。遠藤周作は、きの叛逆と「決戦の時」と「男の一生」が戦国三部作と言われている。
     宗教家がが描く戦国時代は、残虐な信長に対して少なからずの武将は反発しているのだろうが、村重や光秀が期待した人たちは追随してくれなかった。正義を通すことより安全で得することに人はなびくのだ。
     我々は歴史上行われてきた残虐行為について、まるで英雄行為のように肯定しているが、本当の真実は反逆者の側にあったかもしれない。

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    2021年08月09日
  • 反逆(上)

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     鉄の首枷が面白かったので、メルカリで購入して読みました。かなり黄ばんだ本だったので新品を買うべきだったと後悔した。遠藤周作の歴史本は面白いことがわかった。というのも、宗教者としての見方から見ているので、事実の羅列にならない。
     たとえば信長の残虐さを擁護していないところが良いと思いました。

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    2021年08月07日
  • 侍

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    以前、映画が公開された事もあり沈黙を読んだ。切支丹禁制の中の重い考えさせる話だった。この侍という本は、キリスト教から行き着いたのではなく、メキシコ、バチカンまでの航海の方からたどり着いた。この本の解説によると支倉使節団については資料が少ないらしい。支倉が書いた日記も処分されてしまったらしい。もったいない。使節団として送り出されたのに状況が変わり、帰ってからの不遇。現代のサラリーマン社会にも通じるな。可哀想。ここでも沈黙同様、運命に翻弄されるキリスト教徒の信仰についての苦悩が語られる。航海の記録というより、こうした神をどう理解するかというところに主眼が置かれている。考えさせられる一冊。しかしこの

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    2021年08月04日
  • 死について考える

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    「死について考える」なんていうタイトルなので、死ぬことを哲学するような内容の本かと思うけれど、
    それよりは少し肩の力の抜けた、老年を迎えた作者が死や歳を取ることについて思うことを書いたエッセイである。


    カトリック信者の著者による本なのでところどころキリスト教について触れているところがあり、そうは言えども日本人でもあるわけなので、西洋と日本の死生観の違い、その辺を本人の中でどう折り合いをつけているのかなどが面白い。
    どちらかと言えばキリスト教から見た死と、日本人にとっての死との共通点を見出そうとしている感じである。ただ、カトリックと日本古来の信仰とは比較的近く、仏教(主に禅)はやや離れている

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    2021年07月27日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    困っている人を見ると助けずにはいられないミツと、自分の幸福のためなら他人を利用することを厭わない吉岡の視点が双方向から描かれていて面白かった。
    ぼくは完全に吉岡側の人間だけど、ミツのような人に憧れを抱くこともある。ミツは修道女や患者にとって忘れられることがないと思う。

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    2021年07月09日
  • 恋愛とは何か 初めて人を愛する日のために

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    性的なことから向き合う。
    執筆された時代だと、特にタブーとされてたことかもしれないけど、そういうところから目を背けない。
    恋愛とは何か、迷ったらまた読みたい。

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    2021年06月07日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    ■美しい魂が宿す悲しい運命が切ない。■

    疑うことを知らず、馬鹿がつくほど正直でお人好し、母性の塊のような女ミツ。彼女は誰かの不幸せが自分のことのように悲しく、自分を犠牲にしてまで助けてしまう。彼女はその美徳ゆえの悲しい性を背負って生きていくしかないのか。

    一方の吉岡は、勉強して大学に入り、背伸びしてちょっと世間を知ったつもりの男子学生。若者にありがちな見栄、傲慢さ、無責任さ、そして抑えがたい性欲を持つ。根っからの悪人というわけではない。
    誰しも(もちろん僕にも)思い出すのも恥ずかしくなるようなほろ苦い経験や深い悔恨がある。若気の至りってやつだ。

    吉岡はミツの性格を利用し、遊んだ後はボロ雑

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    2021年04月23日
  • 哀歌

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    ネタバレ

    病気、死、基督教、切支丹。
    名作長篇に繋がる短篇がまとめられていて、短くとも真髄に触れられる濃い内容。
    神の存在の描かれ方が印象に強い。生きている動物や人間に神の存在を見ているのが、自分の中にない感覚だった。
    人間の罪深さや弱さと対峙するのは心を抉るように辛いが、目を背けずに知りたいという欲求が勝る。

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    2021年04月19日
  • 彼の生きかた

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    著者のイメージはテレビで、ユーモアあふれる会話をする作家さんと言うものでした。間違いなく著者は日本の文壇で名前を残している方だと思います。ただ残念ながら、後世に読み継がれていくのかと思うと不安になります。私の杞憂かもしれませんが、「海と毒薬」「沈黙」「深い河」など。感銘を受けた作品が沢山あります。今回読んだ作品は彼の代表作とまでは言えない作品かもしれませんが、面白く読めました。著者の弱い立場の人に寄り添う姿勢が読み取れます。主人公の学歴に対するコンプレックスなどは著者に通じるものがあるのではないかと勝手に思っています。今度は、著者のエッセイを読んでみようと思います。

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    2021年03月09日
  • イエスの生涯

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    遠藤周作による聖書の解釈、キリスト教観がわかりやすく書かれた1冊。遠藤周作作品を読むためのバイブル。この作品を読んでから別の作品を読むとより一層楽しめると思う。

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    2021年08月02日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    昔のエリート――というほどではないが、二流三流とはいえ大学出の――男が、過去に残酷にやり棄てた女に対する懺悔や言い訳の入り混じった告白をする話かな・・・と思いきや、まあそうといえばそうだけど(いや懺悔はしてないな)、やはり遠藤周作だし、神の愛まで話は至った。

    田舎出の、愛情にも運にも恵まれなかった森田ミツという女性が、タイトルでいう「棄てられた」女なのだが、彼女が、人の苦しみを自分の苦しみと思い人のために尽くさずにはいられない人間で、ある価値観ではこれを「お人よしで損ばかりしている愚鈍なやつ」ととらえることもできるが、この本のテーマとしては彼女こそが神のいうところの「幼子のように素直に愛の行

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    2021年01月10日
  • 満潮の時刻

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    静かな気持ちになりました。
    静かに静かに進みながらも、気づけば最高潮に。まさに満ち潮のよう。感情の大波が訪れていました。

    生きることを見つめていく明石の、たった一人と九官鳥一話の深夜の対話。溢れる彼の涙。
    明石の心を捉えた、病室の夫婦。手を握り合った2人の情景が忘れられない。
    良書でした。

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    2020年09月13日
  • 生き上手 死に上手

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    延命医学に対する疑問は共感できる。
    ただ、自分が当事者になったとき、特に延命対象が自分自身ではなく、親や兄弟、子供が対象になったとき、「延命不要」と言えるか…。私は「命がある」ということに拘り、そこに望みを見出だしてしまうと思う。

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    2020年08月12日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    遠藤周作の小説は、読みやすいけど重い。
    タイトルからして明るい内容ではないだろうとは思って読み始めたのだけど、こういう流れと結末が待っていることは予想できなかった。

    大学生の吉岡努が2回目のデートで身体を奪って棄てた森田ミツは、不美人だけど無垢な、田舎生まれの苦労人の娘だった。面倒になった吉岡はミツとの連絡を断ち、月日は流れた。
    大学卒業後、吉岡は勤め先の社長の姪との結婚を決めた。一方ミツは、孤独で貧乏な生活に耐えながら、吉岡からの連絡を一途に待ち続けていた。
    そしてミツは、さらに過酷な運命に弄ばれてゆく。

    吉岡はエゴイズムの権化で、一方ミツは自己犠牲や愛の化身、という印象。ミツは容姿だけ

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    2020年04月23日
  • 死海のほとり

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    ネタバレ

    「イエスの生涯」の前に読んだ方がいいかも?
    同伴者としてのイエス
    「裏切り者」と遠藤、いや人類のオーバーラップ。

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    2020年04月23日
  • 口笛をふく時

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    戦前に灘中に通っていた父と、大病院で癌患者を担う息子。戦争と医局の力関係という、それぞれ大きな力の元、一人の女性によって人生が交わっていく。

    医療系で真面目な方の遠藤周作であるが、かなり読みやすい部類だと思われる。戦時中の灘中(今の高校)で、平目という同級生と出会い、成績不良で挫折し、戦争によって引き裂かれる。一方で、医者の上下関係によって、正しい治療法を見誤っていく。

    戦争の話は、かなり端折って軽く描かれている分、医局の異常さという部分が重くのしかかる文章となっているものの、難しい文章ではないため、理解しやすいだろう。展開としては、最後に大きくカタルシスがあるわけでもないので、最後の部分

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    2020年04月07日
  • 恋愛とは何か 初めて人を愛する日のために

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    文学考察として十分に面白い。
    性差別が少し乱暴な気もするが、時代だから仕方ないか。
    愛と情熱は別物らしいぞ。

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    2020年03月27日