遠藤周作のレビュー一覧

  • 王国への道―山田長政―

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    遠藤周作を読み漁っていたのは20年以上前。遠藤周作らしい宗教感と山田長政の生き様の交錯に週末の読書を満喫。

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    2025年05月25日
  • 母なるもの

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    異端の宗教として政府に抑圧され、拷問にかけられ、転んだとしても罪の意識に苛まれて苦しい生涯を送ることになってしまう
    そんな背景があるからこそ、厳格な父性よりも赦しと抱擁の母性を求めたのかもしれない

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    2025年05月22日
  • 新装版 海と毒薬

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    戦時下、捕虜を生きたまま解剖した実際の事件をモチーフにした小説。
    葛藤し続ける勝呂に対し、良心が咎めることを知らない戸田。
    決して戸田が悪いわけではない。勝呂が素晴らしいわけでもない。
    何を以て「正しさ」とするのかは時代によっても社会によっても人によっても違うので、絶対的な正しさなんてものはない。その中で、自分の信じるものを持てるか。自分の意志と信念を持てるのか。
    そういう問いの物語。

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    2025年05月21日
  • 深い河 新装版

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    人は死を前にしたとき何を思い、どう行動するか。本書は常に死の雰囲気をまといながら生きる人たちを描いている。彼らが行き着いたのはインドのガンジス川。生と死、聖なるものと汚れたもの、貧富、全てが混ざり合って存在するガンジス川。今まさに死に絶えようとしている人が目指す川。その光景をみた人たちは生きる意味を見つける。
    ガンジス川の情景を読み、人は無力だなと感じた。死に絶えようとしている人にできることは寄り添うことだけ。飢えをしのごうと必死で手を伸ばしてくる子供達にしてあげられることはない。その無力感を思うと、人の神なるものへの信仰心が生まれるのかもしれない。

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    2025年05月12日
  • キリストの誕生

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    ネタバレ

    「イエスの生涯」の続編のような本で、イエスの死から原始キリスト教団の成り立ちを使徒言行録を元にしつつ想像し書いている。原始キリスト教団についてはあまり本も読んでいないのではっきりとは言えないが、「イエスの生涯」よりはかなり現実的・学術的なラインに近づいている気がする。しかしここでもパウロやペトロ、ヤコブが神の沈黙のもとにみじめに死んだ、という想像に基づいた仮定が原始キリスト教団の試練として肝の部分になっており、またもやこのみじめさ、無力さという遠藤周作特有のテーマが大きく張り出してきている。
    サウロは啓示を受ける前から律法に対し疑念があったはずで、だからこそステファノを激しく憎んだのではないか

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    2025年05月10日
  • 怪奇小説集 恐怖の窓

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    遠藤周作の「こわい話」を集めた短編集。怖いと言ってもどストレートに幽霊が出てくるものはほとんどなく、好井まさおさん言うところの「ナニソレ」話が多いのだけど、サブタイトルにもなっている「恐怖の窓」をはじめ、めちゃくちゃ怖いと言うわけでもないけど記憶の隅に残ってしまうようなじっとりした話が多くて良かった。
    あと、「戦中派」という人たちがいたことが衝撃だった。簡単に言えば「戦時中の方がよかった」という人たちだと思うんだけど、まあ確かにそういう人もいたかもな…と思わされた。「平和(仮)」の世の中では自分を保てなくなってた人、結構いるのでは。
    私が子供の頃は、祖父をはじめ戦争に行った人たちが5-60代だ

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    2025年05月09日
  • 海と毒薬

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    ネタバレ

    某大学の某捕虜解剖事件を元にした小説
    淡々と進む グロテスクな要素はあまりない

    あらすじで物語全部解説しちゃってるじゃん! って思ったら全然違ったしあらすじはガチであらすじだった
    勝呂の読み方が全く覚えられなくて、出てくるたびに読み方を調べていた バカ

    「これ、俺じゃん......(自分が常々考えていることが、近しい形で出てきたという意味)」と思いながら読んでました

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    2025年05月14日
  • 深い河 新装版

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    印度に行ったこともないけれど、ガンジス河に思いを馳せながら、もしくは思いを馳せる教徒の心境を想像せずにはいられません。登場人物それぞれの“深い河”にもグッと引き込まれます。息苦しいですし重さもあります。それでも読んでよかった。…私の“玉ねぎ”って何なんだろうか。

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    2025年04月21日
  • 深い河 新装版

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    日本人にはジャストフィットしない西洋的なキリスト教観を絶対に自らの血肉にしてやるんだという泥臭いスタンスがよかった、あとインド行きたくなる

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    2025年04月12日
  • 怪奇小説集 蜘蛛

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    ホラー小説と思って読むと少し物足りないかも。
    遠藤周作の作品と思って読むべし。

    じんわりと漂う陰鬱な雰囲気、よくないことが起こりそうな気配を描かせたら右に出るものなし。

    細々とした情景描写ではなく、場面を伝える必要最低限の描写を淡々と入れてくる。
    心理もつらつら描いてるわけでもないのに、なんとも言えない「やな気持ち」が心に滲んでくるのはなぜだろう。こう言うところが遠藤周作は本当に上手いと思う。
    あと病院の使い方、描き方が本当に上手い。遠藤周作の病院は怖い。

    「初年兵」、「鉛色の朝」はそう言った遠藤周作の良さがよく出ている。
    「初年兵」の語り手の「ちょっと狡くて、でも悪いとまではいかない」

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    2025年04月06日
  • 私にとって神とは

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    神とは自分の中にある働き。

    「おまえの人生を通してわたしが語っているので、沈黙しているのではない」

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    2025年04月01日
  • 反逆(上)

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    個人的には、大河ドラマで田中哲司さんが演じていた荒木村重。
    あの外見(いかついんだけどなんか優しそうで頼りない感じ?)がすごくこの小説の村重像に合っていて、想像が捗りました(笑)

    本作は荒木村重という、最低の裏切りものとして名高い、めちゃくちゃ嫌われてる武将を主人公に据え、彼が抱く鬼上司信長への畏怖が不満となり、恨みに変わっていくところにドラマを見る作品です。

    そつなく仕事をこなしながらも、その過程で信長にはげしい逆心を燃やす過激派の松永久秀や、乱世を嘆きながら信長に従うキリシタンの高山右近、人を従える身ながら信長とは対照的な本願寺の顕如上人と出会い、関わることで葛藤し、変わっていく過程が

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    2025年04月01日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    ネタバレ

    面白かった。オーストリアから国の友好のために嫁入りした美少女マリー・アントワネットの、宮廷での人間らしい振る舞いは等身大で、ルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人に義憤を募らせるところや、小太りでうだつの上がらない夫ルイ16世への親愛と失望や、人間としてあるあるな心の動きが描かれていて理解しやすかった。悪気はないけどわがままで楽天的でチャラくて、それでもコミュ力はあって華やかなこういうギャルいるよなぁ。決して悪人ではなくて、スエーデン人のフェルセンを弟のように保護してあげようとする女心とか、無邪気なところとか、良いところも悪いところもひっくるめた人間アントワネットをそのまま描いていて好きだ。一方裏で

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    2025年03月21日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    奥川サチ子と幸田修平が育っていく過程を追いながら、戦時中の庶民の生活を丹念に記述することで、当時の空気をまざまざと感じさせる作品だ.アウシュビッツのエピソードも交えて、人間の残酷さを表現するとともに、神の存在を思索する人間の葛藤も示している.キリスト教の教えと戦争行為の矛盾に悩む修平.その中で特攻隊に志願して戦死する彼の思いをサチ子が遠くから紡いでいく過程が何とも言えないむなしさを覚えた.

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    2025年03月17日
  • 海と毒薬

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    戦時中の異様な環境と異常な振る舞いが生々しい。時代の大きな流れにただ飲まれるだけの絶望感の中に、立ち止まって孤立する主人公に自分もなれるだろうかと考えさせられる。

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    2025年03月13日
  • 砂の城

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    初めての遠藤周作さんの作品。
    昭和の時代を生きた若い女と男の話。
    同じ時間を共有してもいづれはそれぞれの道を歩んでいく。昭和の時代背景を書きながらも自身もどう生きていくのかを考えさせられる作品でした。

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    2025年03月08日
  • 侍

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    読んでいて、日本の迫害者への怒りとか、キリスト教の偉い方々への不満などを感じましたが、「それでも信仰するの?」という感想から「それでも信仰するよね!」という気持ちが少し出てきました。

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    2025年03月06日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    某所読書会課題図書:明治維新直前の長崎で、当時禁制の切支丹たちが体制の惨い仕打ちに耐え忍んでいく壮絶な物語だが、キクの生き方を中心に当時の農民の生活、都市に住む人々の暮らしなどをリアルに描いており、非常に楽しめた.プジジャン神父が隠れ切支丹を探す過程で当時の長崎の日常が克明に描写されており面白かった.切支丹への拷問は卑劣なもので読んでいてあまり気分は良くなかったが、それに耐えて信仰を守る信念は素晴らしいと感じた.役人たちの行動も容赦ないもので、特に伊藤清左衛門のそれは見苦しいものだったが、最後の場面での告白は小説として最高のエンディングだと思った.

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    2025年02月17日
  • 深い河 新装版

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    亡き妻の最後の言葉に応えるように、妻の生まれ変わりを探し求める磯辺。学生時代にからかったクリスチャンの大津という男がヴァーラーナシーにいると聞いて会いに行く成瀬美津子。病気で死にかけた自分の身代わりになってくれたと考えている九官鳥を思い、インドの保護区に九官鳥を放しに行く童話作家の沼田。インパール作戦に参加した木口。
    それぞれ異なるものを抱えた人々がインド仏跡ツアーに参加する群像劇。
    ツアー参加者ではないが、神学校に通いながらも善悪をはっきりと分ける考え方に馴染めず悩んでいる大津の人生が特に印象的だった。

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    2025年02月15日
  • 深い河 新装版

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    学生時代に友人から「是非読んでみろ、インドに行きたくなるから」と言われていた本。先日インド出身の方と飲む機会があり、故郷の話で盛り上がったので、勢いに任せて読んでみた。
    もっと魂が揺さぶられるのかと思っていたが、そうでもなく、ただ普通に読み物として面白かった。

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    2025年02月14日