遠藤周作のレビュー一覧

  • 深い河 新装版

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    何年か前に買って、棚に眠っていた一冊。つまり、積読本。
    ここまで感想が書き辛くて、私にとって共感性も低い本だったとは思いもしなかった。書き出すほどに支離滅裂になりそうで、正直戸惑っている。それでも手探りしながら、書き終わりというゴールを目指そうとは思うけど。
    ちょうど、それぞれの目的を果たすため、インド行きを決行した登場人物たちみたいに。

    長年連れ添った妻を癌で亡くした磯辺。学生時代に弄んだ男の行方を追う美津子。動物とのふれあいを、唯一の拠り所とする沼田。「旧日本軍 史上最悪の作戦」と称されるインパール作戦で奇跡的に生還した木口。
    本書のテーマを一言で述べるとしたら、「信仰」になるだろう。登

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    2025年08月30日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    マルグリットという架空の女の子がいることで、物語、市民らに共感でき、読みやすいと感じた。

    マリー・アントワネットは、「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」の印象しかなかったから、首飾り事件などもっととんでもないことをしているとは驚きだった。
    そんな中で、可愛げがあるところがたまらない、王宮にはやはりロマンがある。そう思わされる一冊だった。
    トリアノン、ヴェルサイユ宮殿いきたくなる。
    実際、訪れてみると広すぎて、もう行きたくない^_^

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    2025年08月29日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    結末がわかっているが故に、読み進めるのが荷が重く感じる。

    マリー・アントワネットの美しさは、どこか価値観が王妃らしい、危ういところにあるのではないかと思う。

    たくさんの人の前で、祝福されて受け入れたれたのに、

    結末は、投獄されて処刑される運命は悲劇すぎるし、人間の恐ろしく、愚かなところが見え隠れしているのではないか。

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    2025年08月29日
  • 深い河 新装版

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    理路整然としている戦後の資本主義社会と、混沌としていて陰を残したインド社会との対比。
    そんなインドにおいて来るもの全てを拒まないガンジス川だからこそ、そこには神の力が宿る。

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    2025年08月26日
  • 沈黙

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    信仰の在り方というテーマ。形の上だけ信仰を捨てるということがあり得るのかどうか。信仰は心の救いはもたらしても物理的な救いはもたらさないことを明確にした上で、形にこだわらずに神を信じる道は示されていると思う。

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    2025年08月14日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    適当に手にした小説だったが、名作が過ぎる。そう思って後を見ると2008年第92刷発行て。初版が1972年とあるので、やはり長年人々の心を惹きつけてきたのかしら。

    セックスをするためだけにミツに近づき一晩で棄てた男。なんのことはない、どこにでもあるありふれた一幕だと思う。でも読んでて苦しい。それは相手がミツだからだろう。
    私は、純朴ゆえ生きるのが下手なミツが愛おしい。そして歯痒い。
    ミツのような人間が近くにいたのなら、あるいは私の人生感も変わっていたに違いない。

    当時の時代背景などもあるが、フェミニスト系の人には受け入れ難いかもしれない。

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    2025年08月11日
  • 沈黙

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    新潮文庫夏の100冊からチョイス。書き出しが好みでした。

    テーマは信仰心とエゴイズム。信仰を巡っての"強きもの"と"弱きもの"の対比。400年前に本当にこんな事があったなんて信じられないです。歴史の教科書を読むだけじゃ伝わって来ない迫力が有りました。

    同時にキリストとユダの関係性を巡る逡巡は、俗世間に塗れた自分には到底たどり着けない境地なんだろうな、とも思いました。

    圧倒的なのは9章。信仰を巡る問答が求道的に過ぎて言葉にならなかった。主が回答を与えず沈黙を貫き通すのは、自己内省を促す為であったのだ。そうゆう意味じゃ基督教ってなんて残酷な宗教なんだろ

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    2025年08月07日
  • 白い人・黄色い人

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    〝理想モデル“を持つ人間は、現実と理想の差を悔い改める事ができる。神の存在は、その理想づくりに役立つ。必ずしも神である必要はない。無神論者が、人目さえなければ常に悪事を働くという事もない。自らの道徳観に照らして善行を行おうとするのは教育だけではなく、本能でもあり、他者との関わりも善行の動機にはなるだろう。

    「白い人」では、ナチス協力の過去を持つ男が、自らの罪と向き合い続ける姿が描かれ、その姿勢は西洋的な「個人の良心」の象徴として浮かび上がる。一方、「黄色い人」は戦後の日本を舞台に、集団の中で責任を曖昧にして生きる人々を描き、作者はここに日本社会に根差した構造を見たのではないか。

    「白い人」

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    2025年08月04日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    ネタバレ

    本編の主人公・サチ子は第一部の主人公キクの遠い親戚(祖母のいとこがキク)。
    舞台は第二次世界大戦ごろの長崎。やはり切支丹が題材。

    正直作者が取り込みたいエッセンスを全部一つの小説に入れ込むタイプの小説は好きではない。今回で言うと原爆、学徒出陣、特攻、アウシュビッツという要素がそれに当たり、山崎豊子の二つの祖国を読んだときにも同じような感想を持ったことがある。

    一方で作者は人間の弱さ、強さ、汚さ、美しさ等あらゆる側面を捉えているため、惹き込まれる。
    色々詰め込み過ぎかなと思う一方、色んな人が色んな立場で現実に向き合ったんだなと思わせる1冊でした。

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    2025年07月31日
  • 海と毒薬

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    ネタバレ

    人は、信仰を持たないと罪の意識も持てないのだろうか。
    信仰の有無とは違う、という感覚は覚えるけれど、それならばどうやって裁きを受け入れるのだろう。反省して罪を償おうと思えるのだろう。

    “信仰”で捉えるのも二元論的なのかなぁ。
    無理…と押し潰されてしまう勝呂も、良心の呵責を期待して果たせなかった戸田も、両方とも読んでいる自分から距離はありませんでした。
    上田看護婦すら、わからなくもない…という存在。
    特にこの3人の心情がひしひしと生々しく伝わってきます。
    そして、終わらない空襲と敗戦の予感の、疲労と諦念があれば、わたしも容易に傾いていきそうという怖さがあります。

    加えて、F県在住なので、移転

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    2025年07月30日
  • P+D BOOKS おバカさん

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    大人のためのお伽話です。
    ガスさんに癒されました。
    これからは、悪い心を持った時は、心の中でガスさんが「ノン、ノン」と止めてくれるかもしれません。
    イヌさんの運命が悲しかったです。
    肺病の殺し屋が“遠藤”という名前だったのは、作者の意図を推測せずにいられないです。

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    2025年07月26日
  • 満潮の時刻

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    遠藤周作の作品をいくつか読んだ上で、この作品が完成度の高い作品とは思わなかったものの、病気を通じて人生の悲哀を感じるという感覚は、現状健康な自分は持ち合わせていないので良い読書体験。

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    2025年07月07日
  • 留学

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    短編集と知らずに読んでしまい、一章と二章の繋がりを何とか探そうとしてしまった。。
    三章で独立した短編とわかり読み続けたけど、三章長い!!!
    とはいえ、遠藤さんらしい男の暗くイジイジした表現が素晴らしいです(笑
    さいごの『爾もまた』の一言。。
    綺麗な締めです

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    2025年07月05日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    「革命」という言葉の持つ高揚感や疼きを、じゃあ実際どうなのって史実ベースで語ると常軌を逸している。身体の奥底から湧き上がる、滾ってくる激情が、正義だの平等だの権利だのお題目を無視て破壊衝動のみを連れてくる。理性的な生き物がただの獣に戻る。「民衆」という、数のみが頼みの存在は、しかし一度でもその武器を振るうと、制御が効かなくなり暴徒と化す。

    エネルギー。それはしかしもしかすると、今の時代に求められている力なのかもしれない。

    マリー・アントワネットが悲しいだとかというよりも、フランス革命がいかにありえないことだったのかが伝わってきた。

    「ありえない」なんて事はありえない

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    2025年06月30日
  • 私にとって神とは

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    遠藤周作が語る、宗教とは、神とは、信仰とは、の話し。

    いちおう対談形式になってはいるが、質問者の質問はほとんど意味をなしておらず、雑で安易な質問ばかりしている印象でした。(架空の対談かもしれないが)
    おそらく初心者や無神論者に対する配慮として、簡単で専門的ではない質問にしているのだと思いますが、もう少し質の高い質問や議論があっても良かったかなと思いました。

    ただ、序盤は世俗的で浅めの思想で始まりますが、中盤から終盤にかけて少しずつ深くなっていく思考の流れが良かったです。

    本人も言っているとおり、2世信者として、意味もあまりわからずに幼少期に受洗しているので、西洋人に近い、生活に根付いた信

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    2025年06月24日
  • 深い河 新装版

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    ネタバレ

    善の中に悪があり、悪の中に善がある。
    東洋思想と西洋思想の違い。
    一神教と多神教の違い。
    普段、自発的に考えることのないテーマに目を向けさせてくれた作品。

    私は、シンプルに楽しく生きることを理想としてきたが、この本には、「深い河」に魂の救いを求める人々や、神に人生を捧げて「僕の人生は...これでいい」という大津が登場する。自分には無い価値観に触れて、心が揺さぶられた。

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    2025年06月21日
  • イエスの生涯

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    この本を読んで安心した。

    「超然」。キリスト教に限らず、宗教やスピリチュアル的なものに感じること。理解を阻むもの、受け入れがたい何かがある。理解を超えてしまっている。理解しようと努めるというよりも、そういうものであるというふうに落とし込む方がいいのかもしれない。この本を読む前まではそう思っていた。

    遠藤周作の描くイエスを読む。そうしたイメージからは程遠い悩む一人の人間がそこにはいた。人々から期待され、担がれても、自分という存在以上になれないと悩む一人の人間であった。

    弟子たちだってそうだ。一枚岩では決してない。今自分が信じているこのイエスを信じなくなることで、自分を自分たらしめている拠り

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    2025年06月21日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    大学生の吉岡が軽い気持ちで無垢な娘・森田ミツの体を奪い、棄てる。その後の人生を2人の視点から描いたストーリー。

    スール・山形の手紙の「もし神が私に1番、好きな人間はときかれたなら、私は、即座にこう答えるでしょう。ミッちゃんのような人と。」が印象的。

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    2025年06月20日
  • 深い河 新装版

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    遠藤周作の最晩年の作品らしい。ブックオクで目に留まり購入。情報無しになにげに読み始めたら止まらなかった。こちらは一気読み。
    インド観光ツアーに参加する人々の過去や事情から、生きる意味、神を信じるとは?転生などの深いテーマが描かれる。
    後半には混沌としたインドの空気が文字から溢れ、目の前に紅茶色の荘厳なガンジス河の風景が広がってくるから圧巻である。 
    聖なる大河に安らぎを求めて集まるヒンズー教徒達。心と身体を洗い清める者、死して流されるために河を目指して歩み続ける老人。遺体や遺灰を流す横で同時に沐浴が行われる。生と死に境目は無く、祈りが存在するのみ。
    キリスト教もヒンズー教も仏教も境目は無い。全

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    2025年06月14日
  • 彼の生きかた

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    一平ほど純粋じゃないけれど、器用に世渡りなんかもっての他、人並みになんとかやっていく(振り)で精一杯の私にはよく分かる部分が多かったです。その分、読んでいて加納や朋子の考えや行動からも、一平が軽んじられることがつらかったです。この生き方しかない、できないという人種もいるのです…。

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    2025年06月11日