遠藤周作のレビュー一覧

  • 沈黙

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    友達から勧められた本。
    ほんとに辛いけど、遠藤先生の視点の分け方(解説にも載っている)が繊細かつ、計算されていて最後まで読めた。神はいないのかと自問自答しながらも信じ続けようとする葛藤は正直理解し難いけど、だからこそ、信仰心というものの力の大きさを感じた。宣教師が居場所も失い、命の危機も迫るほど、いろいろな景色、匂いなどの描写がすごく丁寧で細かくなっていったから面白かった。

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    2025年10月12日
  • 反逆(下)

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    ネタバレ

    有岡城陥落。荒木村重に関係した女性や幼子、使用人までを殺す信長。秀吉と光秀の心理的競り合いを楽しむ信長。反逆の囁きから解き放たれた光秀。生き残った村重と高山右近の人生。

    村重の妻だしの最期と村次と離縁され明智秀満と再婚したさとの最期が悲しい。高山右近の苦悩とか村重の人生など色々思わされる良い作品。

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    2025年10月10日
  • 反逆(上)

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    ネタバレ

    己の力に寸分の疑いを持たず神をも恐れぬ信長への憎しみ、恐れ、コンプレックス、嫉妬。荒木村重、明智光秀、羽柴秀吉の心に揺らめく反逆の光。

    上巻は荒木村重が中心。遠藤周作の歴史小説は雰囲気が良くて好き。信長の存在が不気味で怖い。

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    2025年10月09日
  • 海と毒薬

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    勝呂は一番欲しかった普通の生活を得ることが出来なかった。特に言及はないが戸田も所謂、普通の生活は出来なかったのではないかと思う。どういう状況であれ、後の歴史が証明してくれることを信じて不本意なことはしないように生きたい。
    看護長と上田の対比については幻想を持つこととニヒリズムに支配されることは現実を見てないという点で同じだと思う。何事も距離感が大事。

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    2025年10月21日
  • 新装版 海と毒薬

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    大きな環境の津波に流されてしまう人々を観させられた。
    いわゆる良くない言葉が使われているけど雰囲気が出て良いな。

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    2025年10月07日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    倫理観は、個人の中に生まれるものではなく、世間が作り出すものだと再認識した。それでも私は人が悪魔なのではなく、戦争が人を悪魔に変えてしまうだけと信じたい。



    最初は利己的な戸田は純粋で不器用な勝呂のことを馬鹿にしてると思っていたが、生い立ちを知って見方が変わった。小説のセリフを用いるなら、勝呂にとってのおばちゃんのように、戸田にとっては勝呂が運命から自由にしてくれる神に見えていたんだと思う。それは、残された「良心」の部分であったに違いない。


    後味の悪さが残る話だったが、読むことができてよかった。本書はあくまで創作なので「九州大学病院解剖事件」の経験者が書いた本も読み、もっと事実を確かめ

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    2025年10月06日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    調度良い長さ、かつ文体も読みやすかった
    勝呂医師の非情な過去が明らかになるかと思ったが彼は年老いても良心の呵責に苦しんでいて、本当の化け物は戸田だった
    誰もが戸田のような一面と勝呂のような道徳を持ち合わせているものだと思う。2人ともに共感できる部分があった。

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    2025年09月25日
  • 彼の生きかた

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    ネタバレ

    吃りのあるニホンザル研究者の話。
    主人公一平は吃りのため弱気な性格。昔から動物に心惹かれ、恩師の言葉もあり、動物の研究者となる。
    小学校からの幼馴染朋子に恋をするも、大学進学してから縁遠くなっていた。
    ニホンザル研究者として猿の餌付けに従事するも、ホテル建設問題や新しく来た研究所長との関係悪化により退所。
    その後別の山で研究を進めるも、以前の研究所でホテルを建設した加納専務の邪魔が入る。加納の秘書は朋子であった。
    朋子は専務の部下である夫がいたが、途中で夫が飛行機事故により死亡。朋子と一平、加納との三角関係や、汚れた人間の世界と自然に生きる猿たちの世界が描かれる。

    今回はキリストには触れられ

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    2025年09月18日
  • 海と毒薬

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    日本人の精神性を追求する」といった解説もあるけれど、罪の意識や良心は国籍や宗教に規定されるだろうか。むしろ先天的な資質の影響が、環境や教育など後天的な影響より大きいと感じる。時代や国境を越えて読み継がれているのも納得の一冊。

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    2025年09月14日
  • 深い河 新装版

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    前回の聖書読書会でおススメされたので、有名な「沈黙」とあわせてバリューブックスさんでポチった。

    実はわたしにとっては初の
    遠藤周作作品。
    聖書に興味を持つ前からいつか「沈黙」は読みたいと思っていたが、おススメしてくれた方が、
    「それなら是非こちらの方から」と教えてくれたので、「深い河」から読み始めた。

    小説の時代背景は1984年…なので、
    少し古い時代ではあるが、
    歴史ものというわけでもなくとっつきやすい。

    バブル経済が始まる少し前の、日本の景気が上向きで、かと言って戦争の生々しい記憶も留めている世代がいる頃。
    ちょうど今の時代から振り返ると、40年前、アジア太平洋戦争からは40年後の世

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    2025年09月12日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    捕虜の生態解剖がテーマと聞いていたからどれほど解剖や付随した描写があるのかと思ったけど、そういうわけじゃなかった

    海のように寄せては引いていく非人道的な事柄や勝呂自身ではどうしようもない患者の容体云々に対する勝呂の葛藤が見てとれた

    生態解剖は医学的な観点からは正に傾くし、人道的な観点からは負に傾くが、、、という感じ

    25.09.0.9-10

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    2025年09月11日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    良心とは社会的な恥からこそ生まれるものなかのか。本当は、罪の意識や道徳的なものから生まれてくるのが良心ではないのか。人は社会的な評価がもしなくなってしまえば良心はなくなるのか。そういったことを考えさせられるほんだった。

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    2025年09月11日
  • イエスの生涯

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    遠藤周作が四つの福音書を引用し、解釈するイエス像。

    人智を超越した・圧倒的な希望の象徴・神の子イエスではなく、人間イエス・同伴者イエス。
    人間の苦しみに嘆き悲しみ、「愛」を持って寄り添おうとするイエスの姿が強調されている。
    人間が一番辛いのは貧しさや病気ではなく、貧しさや病気による孤独や絶望。
    人間に必要なのは「愛」であり、一時的な効果を産む「奇蹟」ではない…とイエスは苦悩する。
    奇蹟は起こらず人々に失望され、やがて十字架に向かう、無残なイエス。
    しかし、イエスはその死さえも理解していた、人間の苦しみを理解する為の「愛」によるものだった…。


    本来の全能の救世主のイメージからかけ離れた、人

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    2025年09月10日
  • 沈黙

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    扱われている事件や人物の大方は史実に基づいているとのこと。日本潜入を敢行した3人の司祭も、モデルがいる。フェレイラ司祭が棄教するはずがないと信じるロドリゴ(主人公)と、棄教して彼らに常について回るキチジロー。やっと会えたフェレイラとの衝撃の結末。すごく勉強になった。

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    2025年09月08日
  • 沈黙

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    「幕府はキリスト教の警戒心を強め、絵踏みを行わせて信者を摘発した。」くらいに、社会の授業でサラッとしか触れられないキリシタン弾圧。弾圧の様子の絵を教科書等で目にしたこともあるけど、あまり実感を持ったことはありませんでした。
    ですが今回その内容の重大さに触れられました。
    私の不勉強さ未熟さが大きい気もしますが(-_-)
    さくらももこのエッセイで遠藤周作の人物像が出てきた際に気さくな人という印象を持ったけど、その印象とは180度異なる内容。
    テンポがほどよいしページ数も多くないので中高生でも読みやすいとも思います。

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    2025年09月05日
  • 深い河 新装版

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    何年か前に買って、棚に眠っていた一冊。つまり、積読本。
    ここまで感想が書き辛くて、私にとって共感性も低い本だったとは思いもしなかった。書き出すほどに支離滅裂になりそうで、正直戸惑っている。それでも手探りしながら、書き終わりというゴールを目指そうとは思うけど。
    ちょうど、それぞれの目的を果たすため、インド行きを決行した登場人物たちみたいに。

    長年連れ添った妻を癌で亡くした磯辺。学生時代に弄んだ男の行方を追う美津子。動物とのふれあいを、唯一の拠り所とする沼田。「旧日本軍 史上最悪の作戦」と称されるインパール作戦で奇跡的に生還した木口。
    本書のテーマを一言で述べるとしたら、「信仰」になるだろう。登

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    2025年08月30日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    マルグリットという架空の女の子がいることで、物語、市民らに共感でき、読みやすいと感じた。

    マリー・アントワネットは、「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」の印象しかなかったから、首飾り事件などもっととんでもないことをしているとは驚きだった。
    そんな中で、可愛げがあるところがたまらない、王宮にはやはりロマンがある。そう思わされる一冊だった。
    トリアノン、ヴェルサイユ宮殿いきたくなる。
    実際、訪れてみると広すぎて、もう行きたくない^_^

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    2025年08月29日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    結末がわかっているが故に、読み進めるのが荷が重く感じる。

    マリー・アントワネットの美しさは、どこか価値観が王妃らしい、危ういところにあるのではないかと思う。

    たくさんの人の前で、祝福されて受け入れたれたのに、

    結末は、投獄されて処刑される運命は悲劇すぎるし、人間の恐ろしく、愚かなところが見え隠れしているのではないか。

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    2025年08月29日
  • 深い河 新装版

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    理路整然としている戦後の資本主義社会と、混沌としていて陰を残したインド社会との対比。
    そんなインドにおいて来るもの全てを拒まないガンジス川だからこそ、そこには神の力が宿る。

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    2025年08月26日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    適当に手にした小説だったが、名作が過ぎる。そう思って後を見ると2008年第92刷発行て。初版が1972年とあるので、やはり長年人々の心を惹きつけてきたのかしら。

    セックスをするためだけにミツに近づき一晩で棄てた男。なんのことはない、どこにでもあるありふれた一幕だと思う。でも読んでて苦しい。それは相手がミツだからだろう。
    私は、純朴ゆえ生きるのが下手なミツが愛おしい。そして歯痒い。
    ミツのような人間が近くにいたのなら、あるいは私の人生感も変わっていたに違いない。

    当時の時代背景などもあるが、フェミニスト系の人には受け入れ難いかもしれない。

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    2025年08月11日