遠藤周作のレビュー一覧

  • 周作塾

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    好奇心旺盛な先生はどうでもいいことを書いておいて、実は密かに何より無意識という観念に結構時間をかけて語っている。でもメインはためにならない話だけど。

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    2026年01月29日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    キリスト教、戦争、虐殺、男女の恋愛という重奏のベクトルを通じて宗教観や人間観を表現した作品。作中に幾度となく登場する『人、その友のために死す。これより大いなる愛はなし』を多層的に描写して、愛の深みや広さを表現したかったのかなと思った。
    サチ子と修平の心の動きもリアルで、苦しさと切なさと愛おしさを一緒に感じながら読み進めた。特に、2人が詩でつながる様子に、人を本当に愛することの意味を感じた。鎮魂歌の章はこの作品の核心。「そして、それから」との対比が重い。
    長崎必ず行こう。

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    2026年01月28日
  • 深い河 新装版

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    多くの感想に「インドの情景が浮かんだ」とありますが、本当にその通りです。
    私自身の良き本の基準として「ページをめくる手が止まらないほどおもしろい」「読後自分が本の世界ではなく現実世界に生きていることを実感する」の2つがあり、本作は後者。頭に思い描く''インド''にどれほど没入していたか、読後、本から離れて気づかされました。
    頭の中に(すごく)情景が浮かぶ、(すごく)没入できる、これだけで読む価値のある本だといえるのではないでしょうか。

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    2026年01月24日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    罪の意識、自責を期待したが何も感じられない戸田と、所々で迷いや後悔の念が見える勝呂の対比が良かった。

    上田の回想にも戸田の回想にも「面倒くさい」という表現が出てきたので、彼らは思考を途中で放棄してしまったが故に生体解剖の場に立ち会うことになってしまったのではないかと思った。

    海の描写がしばしば出てきたが、その描写が登場人物の感情を繋げてる?

    解説にあった、「罰は恐れながら罪を恐れない日本人の習性がどこに由来しているか、を問いただすために生体解剖という異常な事件を、ひとつの枠組みに利用した形跡がある。」とはどういうこと?▶︎行為の善悪よりも損得で動くから、罪の意識が育たず、倫理観の空白とし

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    2026年01月23日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    ネタバレ

    悲しみの歌

    著者:遠藤周作
    発行:1981年6月25日
    新潮文庫
    初出:週刊新潮1976年1月1日号~9月2日号『死なない方法』
    書籍化:1977年1月、新潮社

    遠藤周作の初期の代表作といえば、戦争中、九州大学でアメリカ兵捕虜を殺した生体実験という犯罪を描いた小説『海と毒薬』。その続編と考えられる作品。『海と毒薬』では、若い助手時代に生体実験を手伝った医師・勝呂が、企業村のような殺伐とした郊外都市で開業している変わり者の開業医という設定だったが、この小説では舞台を新宿にしている。勝呂は、戦犯のその後を追う新聞記者の折戸から取材を受ける。自分はもう裁判も受けたし、あの時は断れなかったんだ、書

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    2026年01月20日
  • イエスの生涯

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    遠藤周作による聖書の読み方の本.
    本当かどうかはさておき、遠藤周作作品の底に流れる愛と孤独と、切なさ悲しさの源流がわかった

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    2026年01月11日
  • 深い河 新装版

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    ・3年前は挫折したけれど、好きな人達が好きな本だという事実で何とか読み切れた。成長した。
    ・純文学ってこういうことかと知った。文章が美しい。
    ・人々の心の拠り所になって、でも争いを世界中で引き起こし続けて、宗教の不思議さに思いを馳せた時間になった。

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    2026年01月06日
  • 影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)

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    5よりの★4!!
    やはり遠藤さんの小説は面白い。
    自伝を読んでるのか、小説を読んでるのか、
    展開によって今までの作品の登場人物にも重なり、過去の作品を再読せんといかんか?
    と思わせてくれる作品でした。

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    2026年01月04日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    別に寝る前に読まなくても十分面白い。若い人を奥さんにもらうと大変だ、という話は笑いました。エピソードトークだと思って読むとスラスラ読めます。

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    2026年01月03日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    今年から感想残そうと思う!

    年明け早々、読むものではなかった...
    プロローグがあったのは、戦争では人を殺すことだということが強調したかったのかしら。
    全員の解剖に至るまでの背景に迫っていて、誰にも共感は出来なかったけど、日本人特有の「みんなしているから」、「今更断れないから」などの同調圧力がずっと隠れてる感じがした。

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    2026年01月02日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    遠藤周作 2冊目。
    信仰をもつもの、もたざるもの。
    戦争が次々に人間の命を奪い、倫理観は麻痺していく。
    医学の発展を免罪符にした人ならぬ行為。
    「やがて罰せられる日が来ても、彼等の恐怖は世間や社会の罰にたいしてだけだ。自分の良心にたいしてではないのだ」
    思想・信条をもつことで良心の呵責から逃れる、という生き方を選んだ私にとって、この作品が投げかけてくる問いは重く深い。
    はっきりとした感想が書けないけれど、人生を通して考え続けるテーマをもらった気がする。
    続編とよばれる「悲しみの歌」もぜひ読んでみたい。

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    2025年12月30日
  • 海と毒薬

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    生体解剖実験に携わった人たちの話。
    罪への向き合い方、命そのものについて深く考えさせられた。自分の罪を責める人の苦しい心情が伝わってきて読んでいて苦しくなることもあったけれどいい学びになったと感じた。また読みたい

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    2025年12月02日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    圧巻。素晴らしすぎる。
    戦争下という特殊な環境において、善良な市民がごく一般的に倫理観を壊していく様を見事に描ききっている。
    文章は平易だが情景描写に重みがあり澱んだ空気が広がっている。特に流される海音を聞き、人間として流動的に流されていく、というメタファーは怖しい。
    勝呂に主眼は置かれているものの、序盤の「私」の平凡な日常の描写、上田の女性的な嫉妬の描写、戸田の人間失格に通ずるような描写、その全てが人間の愚かさを表現していて没頭した。
    アーレントの「凡庸な悪」を想起しながら読んだ。
    しかしこのような倫理観の欠落という問題を、単に日本人の無宗教的価値観のみと結びつけて論ずることは短絡的だと思う

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    2025年11月28日
  • 夫婦の一日

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    遠藤さん作品は読みやすい。
    とは言え読みやすかっただけで、お茶漬け本として最高の本だったということです。
    内容については遠藤さんの晩年って、こんなこと考えてたんだ!!
    という新しい発見もあり、面白いなあという感想。

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    2025年11月24日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    桜庭一樹の読書日記に載ってたし『ラビリンス・サーガ』で日本軍の話が出てきていたので読んでみました。淡々と進む物語。ガソリンスタンドの主人など戦争中に人を殺していた人々が平凡に暮らすという話、戦争中の病院、読んでいて怖かった。戦争中だからあり得た話という気がしない、もしかしたらちょっとしたキッカケで今の世の中でも起きるかも知れない。遠藤周作が凄い、『沈黙』といい『海と毒薬』といい凄い。なんか色んな事を感じたけど上手く感想が書けない。

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    2025年11月23日
  • 深い河 新装版

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    平和な時代の日本に生まれた私にとってこの物語はあまりにも未知の世界で、自分の未熟さや無知を感じた。
    「神」「愛」「転生」。
    これらはすべて繋がっているように思えて、ひとりひとりにそれぞれの形があって、その形が誰かの心の中で影響を与えながら受け継がれていくものなのだろうと感じた。

    物語の最後の、あっけない終わり方に驚いた。
    ひとつの神を信仰することも凄いと感じる一方で、大津の生き方は、宗教が対立や紛争を生むこの世界への問いかけのようだと思う。

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    2025年11月22日
  • 死について考える

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    中年に入り、自分よりも親が先に逝くのだろうと思うけど、考えるのを避けられなくなってきた『死』について。
    『老いる』すら(しばらくはいいか…忙しいし)と深く考えずに、『命の結末と向き合う』ことを先延ばしにしているのは、わたしもそう生きているなと思いました。
    準備して置かなければ、いざその時にやってしまうかもしれない…それは、特に先輩の文豪たちをみてきた小説家の心に深く残ったことでしょう。

    狐狸庵先生はクリスチャンですが、仏教にも造詣が深くて、キリスト教至高!みたいなところが好き。

    しかし、キリスト教の「運命は神に委ね、罪は神に判断してもらい、人はそれを粛々と受け入れる」というのは相容れないで

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    2025年11月22日
  • 満潮の時刻

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    あらすじを見て、読んでみたいと思った作品。
    テーマは興味深いのだが、「導入」「起承転結」「終わり方」「題名」がそれぞれ別の方向を向いているような、長編なのにチグハグさを感じた一冊で、
    一つ一つのものはとても興味を持てるのに、全てを線で繋げられていないような不安定さを感じた。
    しかし遠藤周作自身が伝えようと思ったテーマはしっかりと書かれており、読み進めることで考えさせる本だったと思う。

    チグハグさを感じたが、それは逆にいえば全てを集中して記憶するように読まなくても楽しめるということなので、病院内のことが多く明るくはない内容だが興味がある人は手に取ってもらいたい一冊。

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    2025年11月17日
  • 深い河 新装版

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    ネタバレ

    深い河

    著者:遠藤周作
    発行:2021年5月20日
    講談社文庫(新装版)
    1996年6月刊行の講談社文庫を改訂
    初出:1993年6月、講談社より刊行

    あるエッセイが読みたくて、ついでに数冊まとめて買った遠藤周作の古本も、これが最後の1冊。若い頃になんとも思わなかった作家が、妙に心に優しい。書いてあることは結構きびしく、人間の弱さや自己矛盾などをついているが、どうしてかそれが優しく響いてくる。文法的にはあまり正しい日本語とは言いづらいけど、とても読みやすく気持ちがよくなる文章にも惹きつけられる。人柄だろうか、文体だろうか。

    解説によると、深い河は、著者が病気を抱えながら必死で書いた小説だと

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    2025年11月09日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    再読、借りた本。

    生体解剖に目が行きがちだが、今回は登場人物それぞれの向き合い方に引き込まれる
    冒頭のマネキンを眺める勝呂、何もない生活の幸せへの言及。
    海への考察は解説で深まった
    作家に断罪する権利はなく、関わった人達からの抗議に苦しんだとのことだが、私にも断罪する意図は見えなかった
    捉え方は立場が変われば無限にある
    終わった後の教授の佇まいがそれを物語っていると思った

    留学、沈黙で三部作と捉えられるようで、こちらも改めて再読しようと思った
    一緒に読んだ中3娘はやはり生体解剖に焦点をあてていた

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    2025年11月09日