遠藤周作のレビュー一覧
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死にざまは美しくなければならないか
私がこの本を読んで1番よく考えた事です。
彼は、その美しさを保つ自信がないと言い、
神は死に際、冷静さを装ったもしても
その深層を見抜けるのだから
じたばた死んでも良いのだと教えてくれる。
私は例え神であっても私の深層を覗けないだろうと
そういう種類の傲慢さがあり、美しく死にたい。
特に、生活をするための自分(社会的な自分)は
地上に残していくかたみのようなものだ
というセリフにはグッときたし、
尚更綺麗なまま残していきたいと思ってしまった。
また、カトリックで自殺が良くない
とされている理由は自分の人生への愛がないから、
という理由にはかなり納得してしま -
Posted by ブクログ
ネタバレ罪の意識、自責を期待したが何も感じられない戸田と、所々で迷いや後悔の念が見える勝呂の対比が良かった。
上田の回想にも戸田の回想にも「面倒くさい」という表現が出てきたので、彼らは思考を途中で放棄してしまったが故に生体解剖の場に立ち会うことになってしまったのではないかと思った。
海の描写がしばしば出てきたが、その描写が登場人物の感情を繋げてる?
解説にあった、「罰は恐れながら罪を恐れない日本人の習性がどこに由来しているか、を問いただすために生体解剖という異常な事件を、ひとつの枠組みに利用した形跡がある。」とはどういうこと?▶︎行為の善悪よりも損得で動くから、罪の意識が育たず、倫理観の空白とし -
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ネタバレ悲しみの歌
著者:遠藤周作
発行:1981年6月25日
新潮文庫
初出:週刊新潮1976年1月1日号~9月2日号『死なない方法』
書籍化:1977年1月、新潮社
遠藤周作の初期の代表作といえば、戦争中、九州大学でアメリカ兵捕虜を殺した生体実験という犯罪を描いた小説『海と毒薬』。その続編と考えられる作品。『海と毒薬』では、若い助手時代に生体実験を手伝った医師・勝呂が、企業村のような殺伐とした郊外都市で開業している変わり者の開業医という設定だったが、この小説では舞台を新宿にしている。勝呂は、戦犯のその後を追う新聞記者の折戸から取材を受ける。自分はもう裁判も受けたし、あの時は断れなかったんだ、書 -
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ネタバレ圧巻。素晴らしすぎる。
戦争下という特殊な環境において、善良な市民がごく一般的に倫理観を壊していく様を見事に描ききっている。
文章は平易だが情景描写に重みがあり澱んだ空気が広がっている。特に流される海音を聞き、人間として流動的に流されていく、というメタファーは怖しい。
勝呂に主眼は置かれているものの、序盤の「私」の平凡な日常の描写、上田の女性的な嫉妬の描写、戸田の人間失格に通ずるような描写、その全てが人間の愚かさを表現していて没頭した。
アーレントの「凡庸な悪」を想起しながら読んだ。
しかしこのような倫理観の欠落という問題を、単に日本人の無宗教的価値観のみと結びつけて論ずることは短絡的だと思う -
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中年に入り、自分よりも親が先に逝くのだろうと思うけど、考えるのを避けられなくなってきた『死』について。
『老いる』すら(しばらくはいいか…忙しいし)と深く考えずに、『命の結末と向き合う』ことを先延ばしにしているのは、わたしもそう生きているなと思いました。
準備して置かなければ、いざその時にやってしまうかもしれない…それは、特に先輩の文豪たちをみてきた小説家の心に深く残ったことでしょう。
狐狸庵先生はクリスチャンですが、仏教にも造詣が深くて、キリスト教至高!みたいなところが好き。
しかし、キリスト教の「運命は神に委ね、罪は神に判断してもらい、人はそれを粛々と受け入れる」というのは相容れないで -
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あらすじを見て、読んでみたいと思った作品。
テーマは興味深いのだが、「導入」「起承転結」「終わり方」「題名」がそれぞれ別の方向を向いているような、長編なのにチグハグさを感じた一冊で、
一つ一つのものはとても興味を持てるのに、全てを線で繋げられていないような不安定さを感じた。
しかし遠藤周作自身が伝えようと思ったテーマはしっかりと書かれており、読み進めることで考えさせる本だったと思う。
チグハグさを感じたが、それは逆にいえば全てを集中して記憶するように読まなくても楽しめるということなので、病院内のことが多く明るくはない内容だが興味がある人は手に取ってもらいたい一冊。