遠藤周作のレビュー一覧
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教徒でない自分からして、切支丹が何故そうまでして信仰を捨てなかったのかと現代の感覚で考えてしまう。当時の現実でいえば、生活があまりに悲惨過ぎて、何かに縋っていないと、現世は苦しい。パライソではせめて穏やかで幸せでありたいと祈らなければやっていられない、ということなのだろうか。金属板に描かれた人の姿を踏むという行為は、人理的に躊躇われるのはある。しかし、宗教的行為における冒涜という意味合いでは納得しかねる。バチ当たりというニュアンスなら多少受け付けるか。拘り、拘泥と言ってしまうと、かなりセンシティブか。岸辺露伴的なジャンプ漫画主人公の意地だとすれば多少入ってくるか。とはいえ、ロドリゴは神が赦され
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ネタバレ1部の孫の世代のお話で、また違う重さがある内容だった。
戦争へと向かっていくにつれ、キリスト教そして信者に対する風当たりが強くなる描写は、1部を彷彿とさせるものがあり、胸が痛かった。
しかし、2部はそれよりも、せまりくるすさまじい戦争といかに向き合うかに焦点が当てられていた。サチ子は、途中本文中にもあったが、ミツと似ているところがあり、自分がどう生きるか。誰を愛するかを自分で決めたい強い女性であった。最後まで修平を思い続け、祈りを捧げ続ける姿には心を打たれた。また、文学を愛し、サチ子にも次第に愛情を感じはじめる修平の精神的な成長にも、心を揺さぶられた。それとともに、あらゆる思いがある中で特攻隊 -
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ネタバレ例え神がいなくても、日本で布教したキリスト教が屈折して日本人に伝わったとしても、殉教した日本人信徒たちは決して滑稽でもなければ無駄でもない。
転ぶ・転ばないが、問題じゃないと思う。大事なのは自らの信念を貫いたかどうかであって、それは殉教のみが正解ではなく、主人公のように愛する信徒のために自らの信念を曲げることもまた愛なのだと受け取った。
かといってキチジローを悪くいうつもりもない。誰も彼を責める権利はないし、その弱さは人間そのものだし、毎回悔やむ姿は希望とも受け取れる。なりたい自分になることを諦めなければいいんだよ。
何かを信じる人は最強だし、誰かのための行いは愛で尊いと思う。その「何か -
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遠藤周作は読んだことなかったけど、"死に上手"という言葉が目につき、手にした一冊だった。
死に様こそ、その人の生き方の集大成な気がして、死に上手って何だろうと思って。
結果読んでみて、理解はできたものの深い共感までは得られなくて、まだまだ死からはほど遠い場所にいるんだなぁと感じた。
一方、深く頷きながら読んだのは"生き上手"の部分。(生きる、死ぬを切り分けて書かれてるわけではないし、何なら切り分けられないものだと思うけど、あえて切り分けた)
その中から特に印象に残った感じたことを記したいと思う。
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呼びかけても、そこには沈黙しかないこと。
で -
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毎年8月になると終戦○年という特集が組まれる。今回はその流れでこちらの本を手に取った。
太平洋戦争中に実際にあった米軍捕虜解剖事件をもとに執筆された本作は、戦争という非常事態が人間の倫理観に与える影響を教えてくれる。
医療の発展という一見正しそうな理由をつけて米軍捕虜の解剖を正当化する登場人物たちの描写はとても生々しい。
敵と味方、彼らと我々の関係で支配された戦時中の感覚では、米国人などもはや人間ではなかったのかもしれない。戦争が人々の視野をどれだけ狭めるか、心の貧しさにつながるかを改めて考えることができた。
とはいえ、人間の残酷さというのは戦争中でなくても常に社会に露出している。極端 -
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一部のキクの従姉妹、ミツの孫にあたるサチ子のお話。サチ子の幼なじみの修平との話と長崎の教会にいたあとポーランドに戻ったコルベ神父の話とが並行して描かれています。
五百ページを超える長編に様々な登場人物の関わりが細やかに描かれていて、非常に読みやすい文章ではあるものの、苦しくて途中から涙が止まらなくて休み休み読み終えました。
ひとたび戦争が始まると殺すことを命じられる苦しさ。
見下ろす港がキラキラとして綺麗で、美しい教会、坂道、緑多い山々。
あんな悲惨なことがこの美しい長崎で暮らした普通の人たちに起こったということがあまりにも苦しく切ないです。