あらすじ
本当の恋愛とは一人を愛し、それを倖せにしようとすること――。様々な愛のかたちを描き続けた作家が、自身の体験や古今東西の文学をひもときつつ、恋人たちや夫婦が直面する問題を、時に厳しく、時にユーモラスに指南する。愛を持続させるためには。本当の誠実とは。はたまた失恋の特効薬や性のタブーについて。恋に堕ち、愛に悩む男と女に救いの手をさしのべる、深い含蓄に満ちたエッセイ集。
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Posted by ブクログ
遠藤周作の選集「人生には何ひとつ無駄なものはない」の中で度々この本の内容が引用されていて、とても惹かれる内容だったのでこの本を先に読んでしまいました。
読んでいる最中から、出会えてよかったと思えるほどの珠玉の言葉の数々。
45年も前に書かれた本なので、現代の価値観とは少し相容れないような表現もありましたが
クスッと笑えるような話も交えつつ、真摯に男女の愛の本質に近づいていく。
解説で述べられていた
「追いつめることは、たぶん子どものすることなのだ」という言葉のように、著者は追いつめることはせず
人間を見つめている。
「君の孤独は孤独のためにあるのではなく、孤独から抜け出て信頼のためにあるのだ。」
こんなことを言ってくれる人がいるのか...
この言葉に出会えてよかった。
「不完全だからこそ意味がある」という逆説的な表現に、希望を感じました。
この本に出会えてよかった。
これからも大事にしていきたい本です。
Posted by ブクログ
私は愛は修行だと思っている(笑)
優しくて楽しい修行ね。
愛はいつでも蜜月ではない。
恋に落ちるだけならサルにでもできる(笑)
性にタブーは必要で、やっぱり秘密は隠しながらジリジリ近づいていく感がないと喜びは少ない。
信じることができないものづくしの世界で信じるものを持つことの美しさ。
Posted by ブクログ
改めて読んだけどやっぱいいなぁこれ。すごくためになるし、心に刺さる言葉がいくつもある。
この人と結婚したいなと思える人がいたら是非とも読んで欲しいと思う本。
結構毒が強くて、ネットのブログなんかだと炎上しかねないようなテンションなので、著者の偏見と冗談を笑ってスルーできる女性には勧められるけど、いらっとくる人には激おこぷんぷん丸程度じゃ済まないかもしれないので、注意して読んで頂きたい。
Posted by ブクログ
遠藤周作先生による恋愛というか男女のあれやこれやに関するエッセイ
前半はまぁ大体納得できる
「情熱」と「愛」の違いとは?
「信じる」とはどういうことか?
「嫉妬」とはなにか?
愛とは信じる事
「裏切られた」「女は信用できない」という言葉は、まず「信じる」ありきということ
心に残った部分
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現代において女とたくさん寝ることは易しい。
青春の論理としてむつかしい行為を選ばねばならぬ。むつかしい行為とはなにか。それはこの地上でたった一人の女を選び、その女を愛するように努力 することである。ひとりの女を選んだならば、それを生涯、棄てぬことである。これはやさしいことではない。やさしいことではないから、青春にいる諸君は やってみるべきではないか。
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今ならなおさらこの難しさがわかる
生涯を共にする伴侶を選ぶという行為
そしてそれを実践する難しさ
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情熱が冷めたその後に、どれだけ相手を慈しむことができるか
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この言葉も身にしみてよくわかる
今読んだからこそ感じるものですね
ただ、後半の男女の違いに関しては現在の価値観とはかけ離れているのではなかろうか?
とは言え、夫婦喧嘩のルールというか、子供を巻き添えにしないとかってところはそうだよね
両親の醜い争いを嫌悪する子になるか、「いい加減にやめなよ」と仲裁の言葉を投げかける子になるかも両親の喧嘩の内容次第
あと、解説が江國香織だったのが思いがけない幸運だったな
Posted by ブクログ
めっちゃ笑った。遠藤周作めっちゃお茶目やん。読者に「諸君」とか「奥さん」などと呼びかけたり、(反対する人は反駁してみい)なんて挑発したり、嫉妬への対処法が「⚪︎⚪︎⚪︎もウンコする」と歌ってみたまえ、やったり。かいらしなあと頬が緩む。
「初手から甘やかしておくと、女はすぐつけあがると先輩が教えてくれたからだ。だから結婚して一カ月目から女房を張り飛ばすことにした。」とかむちゃくちゃやん。奥さんがなかなか強い女性で安心したわ。
昭和の漢らしい価値観が随所に現れているけど、不思議と嫌な気分にはならない。愛と情熱は違うこと、結婚に結晶作用は必要ないこと、女が与えすぎることの危険、忍耐の末「愛」や「信じること」を知れること。むしろ、現代にも通ずる言葉が詰まった珠玉のエッセイだった。
Posted by ブクログ
1977年に初版された本なんて信じられないくらい、現代に生きる私の心にも響く「セミナー」でした。
愛するということは、何も信じられないこの世の中で唯一彼だけは信じるという挑戦…私はまだ愛することに成功していないんだなぁと思い知りました。いつかそんなにも愛せるたった一人を見つけられたらと思います。