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Posted by ブクログ
遠藤周作の選集「人生には何ひとつ無駄なものはない」の中で度々この本の内容が引用されていて、とても惹かれる内容だったのでこの本を先に読んでしまいました。
読んでいる最中から、出会えてよかったと思えるほどの珠玉の言葉の数々。
45年も前に書かれた本なので、現代の価値観とは少し相容れないような表現もありましたが
クスッと笑えるような話も交えつつ、真摯に男女の愛の本質に近づいていく。
解説で述べられていた
「追いつめることは、たぶん子どものすることなのだ」という言葉のように、著者は追いつめることはせず
人間を見つめている。
「君の孤独は孤独のためにあるのではなく、孤独から抜け出て信頼のためにあるのだ。」
こんなことを言ってくれる人がいるのか...
この言葉に出会えてよかった。
「不完全だからこそ意味がある」という逆説的な表現に、希望を感じました。
この本に出会えてよかった。
これからも大事にしていきたい本です。
Posted by ブクログ
めっちゃ笑った。遠藤周作めっちゃお茶目やん。読者に「諸君」とか「奥さん」などと呼びかけたり、(反対する人は反駁してみい)なんて挑発したり、嫉妬への対処法が「⚪︎⚪︎⚪︎もウンコする」と歌ってみたまえ、やったり。かいらしなあと頬が緩む。
「初手から甘やかしておくと、女はすぐつけあがると先輩が教えてくれたからだ。だから結婚して一カ月目から女房を張り飛ばすことにした。」とかむちゃくちゃやん。奥さんがなかなか強い女性で安心したわ。
昭和の漢らしい価値観が随所に現れているけど、不思議と嫌な気分にはならない。愛と情熱は違うこと、結婚に結晶作用は必要ないこと、女が与えすぎることの危険、忍耐の末「愛」や「信じること」を知れること。むしろ、現代にも通ずる言葉が詰まった珠玉のエッセイだった。