沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 春に散る(上)

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    かつて世界を目指したボクサーたちが、40年の時を超えて再び集まり、共同生活を行う物語でした。まだ、広岡の過去に謎が多く、今後の展開が気になります。ただ、人生の終盤に信頼できるかつての仲間と集まれることは、素直に羨ましかったです。

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    2024年03月15日
  • 敗れざる者たち

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    『深夜特急』が面白いので(まだ読みかけ)、他のジャンルも読んでみたくなって寄り道してみた。

    スポーツ・ノンフィクションの草分け的な作品。

    1. ボクシング カシアス内藤
    2. プロ野球 (長島にポジションを取られた)難波、土屋
    3. マラソン 円谷幸吉
    4. 競馬 競走馬イシノヒカルの馬手、調教師、騎手
    5. プロ野球 榎本喜八
    6. ボクシング 輪島功一

    表題通りの内容なのだけど、本当に敗れることなく勝ち切った、という意味では、ラストの輪島功一のリターンマッチ最終ラウンドKO勝ちが、唯一カタルシスを得られる作品。

    他の主人公は、『まだ、負けてないぞ』と足掻き続ける、ある意味、『見苦し

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    2024年02月25日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    沢木氏の代表作「深夜特急」は間違いなく面白いが、海外経験が乏しいと実感が持ちにくい部分もある。
    その点、本書は旅先が日本国内なので海外経験の有無は関係なく読める。
    観光案内ではなく、旅先での出来事が主観的に綴られているのだが、不思議と現地に行ってみたくなる。
    沢木氏の原点とも言える「東北一周の旅」に関する一連の文章が強く印象に残り、学生時代に訪ねた龍飛崎にもう一度行きたくなった。

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    2024年02月18日
  • 一瞬の夏(下)

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    体力的な衰えだけでなく精神的な持続力も翳りを見せてきたカシアス内藤。その彼が対戦を望む韓国の柳選手との試合を実現させようと東奔西走する作者の前に様々な問題が立ちふさがる。
    困難があっても簡単に諦めるのではなく、どうすれば実現できるかと考えながら行動することが大切だ。
    カシアス内藤のその後を知りたいと思った。

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    2024年02月10日
  • 作家との遭遇(新潮文庫)

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    ネタバレ

    思えば、沢木幸太郎の本を読んだことってほとんどなかった。
    今回読んだのは、いろんな作家のことで、紹介分には作家論とある。あとがきを読むと、文庫の解説を集めたものだという。
    どれもこれも、するどく個性的だと思った。もちろん、作家それぞれが個性的であるわけだけれど、この本を読むと、登場する本たちも読んでみたくなる。
    特に印象的なのは、向田邦子。読み進めていくうちに、あれこれは?と思い、やはり、そうだったか、とはっとする。書かれた年月をじっと見る。

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    2024年02月03日
  • 一瞬の夏(上)

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    一度は引退したボクサー、カシアス内藤の復帰戦までのプロセス。
    カシアス内藤だけでなく、自分や関係する人々の心理まで丁寧に掘り下げていると感じた。

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    2024年02月03日
  • 春に散る(下)

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    元世界チャンピオンの夢に敗れた4人(広岡、藤原、佐瀬、星)が暮らす家(チャンプの家)にふとした喧嘩で知り合った翔吾が一度は諦めたボクサーとして教えを乞う為訪れる。4人は翔吾にテスト課題を与え帰らすが、数ヶ月後課題をクリアした翔吾が現れる。そこから4人に翔吾が加わり、その後佳菜子と野良猫が加わり共同生活が始まる。4人は翔吾に才能を感じて夢を託して其々の得意技を伝授していく。その過程で佳菜子の不運の過去を知る事になり其々が過去に傷を持って生活する。翔吾は着実にボクサーとしての技術&体力を向上させて東洋チャンピオン、4人が果たせなかって世界チャンピオンに登り詰める。然しその代償で翔吾はボクサ

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    2024年01月30日
  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版

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    五色沼 私も以前近くまで行ったけど、太陽が出ていないから美しく見られないだろうと諦めたことがある。翡翠。どんな天気でも見えるものだとしたら、、あの時見ていれば。沢木さん的にはこうゆう感情が次回の旅の動機になるのだろう。
    全てが計画通りの旅もいいけれど、たまたまの偶然に遭遇するための、ちょっとした隙を作るのも悪くないと思った。

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    2024年01月21日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    トルコに辿り着いて、ギリシャに入る。ついに欧州側に入り、旅の終わりを意識しだす。第三便は旅の16年後に書いたそうなので、自身も大分成熟してから書いたからか、これまでの旅の勢いとは少し違う。旅で起こる反応もアジアとは大分違う。これが西から出発してアジアに入るルートだとそれはそれでまた違った感情だったのだろう。トルコまでが刺激的だったから、落ち着いて物価も高い西洋社会は刺激に乏しいのかな。それでもトルコやギリシャは行った事がなく、ぜひ訪れてみたい。ギリシャのこうした素朴な街並みや日本に行った船乗りは今でも会えるのかしら?トルコの親日ぶりは今でも体感できるのかしら。食事も美味しそうだ。次はいよいよ最

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    2024年01月18日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    インドから移動してパキスタン、アフガニスタン、イランと移動。イランってペルシャだからアラブとは違うみたいだけど、バリバリのイスラム教。昔は入れたんだな。この70年代はまだ少しは親米だったのかしら。インドから西に移るに連れ、値段が高くなって行くと言うのは面白い。確かにこれがヨーロッパに入ったらお金なくて恐怖だな。パキスタン、アフガニスタンと今でも入れるのかしら。アフガニスタンは無理そうだな。やはり行ける時に行っておくというのは大事なんだな。しかしペルシャは行ってみたい場所だな。巻末の対談は難しかった。

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    2024年01月15日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    旅行してるみたいで楽しかった。
    沢木さんの本を他にも読みたくなった。
    現地に行って自分で感じること。
    最後の小さな失敗をする機会を失うのはもったいない、と言うことに共感した。

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    2024年01月13日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    時間とお金を考えなくていい旅に行きたくなりました。余裕を持つために会社を変わったのに時間は窮屈になってしまい、旅行もせいぜい2泊まで。去年はコンサートにかこつけてホテルに1泊するだけがほとんど。コロナで次々にダメにしたヨーロッパに行きたいなぁ…

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    2024年01月13日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    年末旅行の移動中に読んだ。移動手段と宿だけ押さえた他はノープラン、せめて飯屋くらいは調べておいた方が良いだろうかと悩んでいたが、却って本書で無計画旅行のモチベーションに油を注いだ結果になった。トランヴェールの連載エッセイだからと忖度するわけでもなく、旅先で感じたことが率直に書かれており、各章ごとに一期一会の旅の醍醐味を感じた。
    津軽地方について書かれた章は特に、少し前に太宰治の津軽を再読していたので、二人の感じ方の違いが見られて興味深く読んだ。

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    2024年01月07日
  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版

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    「旅のつばくろ」の続編。
    旅に生きる?著者のエッセイから紡がれる小話は生き生きとしており、まさに旅に出たいと思わせる内容となっている。
    深夜特急しかり、彼の文体に潜む「旅への渇望」が垣間見えたのかもしれない。それを解き明かすという意味でも、エッセイ本としてはとても読み応えのある一冊。

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    2024年01月28日
  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版

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    作者による外国への放浪の旅ドキュメント「深夜特急」が好きで、実際に旅には出向かずとも心の何処かで旅へのあこがれを抱き続ける自分にとって本書はスケールは違えども醸し出す旅へのあこがれに共通するものを見出す。纏まった日数を要する海外旅行ではなく国内旅行を題材としてくれているのでより旅への動機付けをしてくれる。
    作者の言う「黄金刻」を見つける旅にでかけたいものだ。ただ、それには作者のような深い知識、経験、好奇心を持つことが必要だとも思うが、これが難しそうだ。結局、作者の提示する本を手に取ることがとても気楽な旅行気分を楽しむことかな、とも思う。

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    2024年01月06日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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     ペルシア帝国は、アッシリア帝国に次ぐ世界で一番古い帝国なのであるが、ギリシアとの戦争に負けたり、アレクサンドロス大王にあっけなく滅ぼされたこともあって強大な国というイメージはないのだが…
    この本を読むと旅心が掻き立てられる。それにしても行っていない国が多すぎる。こんなに面白くて肩の凝らない旅行記は他にないと思う。

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    2024年01月01日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    思っていた以上に面白かった!
    最後のあとがきで、食べログで調べて地元の名店を探す方法もありだけど、それは旅先だからできる失敗の経験をするチャンスを失うということなのだと。自分は結婚してからは、旅行に行くときはいつもカミさんが段取りしてくれて行くから、この沢木さんのいうチャンスをずっと失ってきたのだなと思う。別に残念では無いけれど、この本を読んでたら、日本に住んでいるのに、この本に出てくるところを全然知らないなと思い、今住んでるところと会社の近辺しか知らない人生はかなりつまらないのかもなとしみじみ感じた。まぁ、こういう名文のエッセイを読めば、そこに行った気にはなれないこともないから、読むだけでも

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    2023年12月22日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    70年代の若者は小田実の『何でも見てやろう』に衝撃を受け、80年代は沢木耕太郎の『深夜特急』に触発され、バイトをしてはバックパッカーとして世界中を貧乏旅行していた。

    大学4年間ろくすっぽ授業に出ず、世界をリュック担いで世界を巡っても卒業できて社会人に…ある意味では戦後日本の高度成長と繁栄の象徴のひとつだったという見方もできる。

    方や今の学生は入学して息つく間もなく就活が口を開けて待っており、ボランティアに資格取得にと社会に巣立つ前の『武装』が求められる時代だけに。

    さて本書。その世界中をひとり巡った著者による初の国内旅エッセイ。旅のスタートは東北。沢木耕太郎にとって、東北は『深夜特急』の

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    2023年12月06日
  • 夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―

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    読み応えあり。著者のすごい読書量。
    残念ながらこの中で出てくる作家の中で読んだことがあるのは向田邦子、村上春樹、カズオ・イシグロ、群ようこくらい。
    山本周五郎に沢山頁を割いてたけど、読んでないのでとばしてしまった。
    色川武大とは懇意にしてたみたいだけど、最近亡くなった
    伊集院静とは同年代だし面識なかったのかな。
    なんか真逆のタイプかも。
    女性にモテて、旅好きというとこは同じだけどね。
    (ウィキペディアで調べたら沢木耕太郎の方が3歳上だった)長生きして欲しい〜。

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    2023年12月03日
  • 春に散る(上)

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    映画になった様だが観ずに先ずは原作を読む。。
    年老いて40年ぶりに出逢い且つ、同じ屋根の下で暮らす事になる深い絆で結ばれた男4人がちょっと眩しくもある。
    昔ボクシングジムで四天王と呼ばれながら共に世界チャンピオンを目指した4人(広岡、藤原、佐瀬、星)が夢に破れ其々の道を歩み年月を重ねる。米国から帰国した広岡は、昔の友3人との再会を果たし其々の生活の苦境から一つ屋根の下で暮らし始めるまでの話。後半どう言った展開になるのか?非常に楽しみ。。

    広岡はボクサーを世界チャンピオンを目指しながら米国に渡るも夢に破れ引退しそのまま米国でホテル経営をしていたが病を患い手術を迷いキーウエストに1人旅行に出かけ

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    2023年11月18日