沢木耕太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
沢木耕太郎が言うところの…〈作家との遭遇〉は2つあり、ひとつは酒場。もうひとつは文庫の解説を書く機会と…あとがきに記す。
ひとたびその機会を得られると、著書は〈ひとりの作家について学ぶためのチャンス〉と見なし、全作品を読み通し、自分なりの『論』を立ててみようとする。
通常の文庫解説は400字×10数枚。意気込み溢れる沢木耕太郎にはそんな紙幅には収まらず、最低でも20〜30枚、時に40枚程になることもあり、文庫解説のレベルをはるかに超えた労作となる。
その創作を振り返り、大学の卒論『アルベール・カミュの世界』執筆時と同じ昂揚感を覚えたと坦懐。
本書には19名〈井上ひさし・山本周五郎・田辺 -
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沢木耕太郎(1947年~)氏は、横浜国大経済学部卒のノンフィクション作家、エッセイスト、小説家。『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞(1979年)、『一瞬の夏』で新田次郎文学賞(1982年)、『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞(1985年)、菊池寛賞(2003年)、『凍』で講談社ノンフィクション賞(2006年)、『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞(2013年)等、数々の受賞歴あり。また、1986~1992年に刊行された『深夜特急』は、バッグパッカーのバイブル的な存在となった。
私は、最も好きな書き手は誰かと問われれば、迷わず沢木氏の名前を挙げるファンであり、多分の例に漏れず、『深 -
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旅気分
収録された作品が新幹線とかでよく見かける車内旅行誌に連載されていたことを思い浮かべると、まさに自分がその見知らぬ土地に旅行しているかのような錯覚が、作者沢木の独特な表現描写によって思い起こされる感じがします。関東を舞台にした作品は印象に残りました。
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購入済み
武士と職人の江戸情歌
沢木耕太郎の選んだ周五郎作品集(I)「おたふく」が良かったのでこの(II)を購入しました。直木賞を辞退した周五郎のような、意地っ張りの武士、職人の男伊達が巧みに描かれております。「情」たっぷりで、演歌のような情感を感じました。でてくる男性よりも女性の方が魅力的だとの見方もあるようですが、読み方次第ですね。「おたふく」も是非お読みください。(完)