沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 春に散る(上)

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    ネタバレ

    前半のラスト10ページくらいまでボクシングは無し。それでも期待を込めつつスラスラと読めたのは筆者の力量か。映画は、未見も広瀬は佐藤浩市のイメージとは少し違うし、佐瀬と藤原が鶴太郎と哀川翔って違和感しか無い。

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    2023年09月05日
  • ポーカー・フェース(新潮文庫)

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    沢木さんの短編エッセイ集。過度に気取らず、さりとて平凡でなく。旅先や仕事、家の近くの公園で会った人、著名な人との関わりなど、人生における様々な小さな出来事から、話を膨らませるのは素晴らしい才能。旅先で読むにはちょうど良い内容と分量。

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    2023年08月29日
  • ポーカー・フェース(新潮文庫)

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    チェーンスモーキングを読んだのは何年前だったろう?
    本書もほぼ変わらない筆致で、こんなスマートな文章あるんだ、という軽いショックを受けた感覚を思い出した…

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    2023年08月12日
  • 春に散る(下)

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    ネタバレ

    NHKFMドラマと若干違った、ラジオの方は余りにもドラマチック過ぎた。あのドキュメンタリーの旗手である著者が最近創作物を書くことが増えている様に感じるが、あのキレキレのドキュメンタリーの方がやはり好きだ、本作も決して悪くはないんだけれども、若干予定調和感を感じるしラノベ感もあり文学ではなく読み物って感じてしまう、だが映像化するにはちょうどいいのかも知れない。ついこの間読んだ「天路の旅人」も素晴らしかったので是非ドキュメンタリー作家を貫いて欲しい。

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    2023年06月23日
  • 敗れざる者たち

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    面白いを超えている。
    素晴らしい取材力。

    特に面白かったのは
    長距離ランナーの遺書という円谷幸吉の話

    なぜ自殺してしまったのか。
    鋭い洞察力だ。引き込まれた。

    それと次の文章。

    燃えつきる

    この言葉には恐ろしいほどの魔力がある

    正義のためでもなく、国家のためでもなく、
    金のためでもなく、
    燃え尽きるためだけに
    燃え尽きることの至難さと、それへの憧憬。
    あらゆる自己犠牲から、可能な限り遠いところにある自己放棄。

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    2023年06月17日
  • 春に散る(下)

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    60代男性たちが若者に夢を託す♪
    自分にはまだ共感できない部分もあるかなぁと
    おもったけど〜
    途中ハラハラドキドキ…
    最後まで読むと気分爽快〜
    どんな人生でもいいから、最後まで夢を持ちたい!

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    2023年05月25日
  • 旅の窓

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    写真付きの旅エッセーである。沢木作品はテロルの決算に始まり、深夜特急と王道を読んできたが、最近は軽いエッセーが多い。叙情あふれる文章にこころがホットする。

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    2023年05月24日
  • 一瞬の夏(下)

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    沢木耕太郎の一瞬の夏を読みました。
    ノンフィクションで落ちぶれてしまったボクサーを、もう一度チャンピオンにするために援助して頑張るのですが、最後はタイトル通りと言う感じです。
    淡々と話が流れる感じで、後半盛り上がり中々面白かったです。

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    2023年04月12日
  • 春に散る(下)

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    色々な世代の登場人物がクロスして面白い作品になっていたと思います。大人の友情物語といった感じでした?

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    2023年04月02日
  • 作家との遭遇(新潮文庫)

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    ネタバレ

     少女は小説を書く愉しみを覚えた。それは、『しんこ細工の猿や雉』の中の「おとなしい子に御褒美」という言葉を借りれば、物語を愛し、物語の力を信じた少女に、物語の神様が「御褒美」としてひとつの美しい手鏡を与えた、ということと同じであったろう。そこに映せばどのようにでも姿かたちを変えることができる、という美しい手鏡だ。少女は、思うがままに変容させつつ、そこに自分を映し、外界を映していく……。
     だが、小説を書くという行為には、たとえそれがどれほど幼くつたないものであっても、どこかに「自らを視つめる」という契機を避けがたく含んでしまうところがある。手鏡は自惚れ鏡にもなりうるが、鏡台の前に座った少女には合わせ鏡にもなりうるのだ。合わせ鏡として自分の見たくない自分を見せてしまうことがある。虚構に夢を織るということを覚えてしまった少女は、好むと好まざるとにかかわらず、常に合わせ鏡で自分を見ているような、自己相対化の視線を持たざるを得なくなる。
     ここに「距離の感覚」の萌芽を見出すことはそう難しいことではない。
     少女は虚構という手鏡に映すことで自分を見つめることに慣れていったにちがいない。やがて少女は成長するが、しだいにその手鏡なしに自分を見ることができにくくなる。大阪文学学校に入学し、生活記録を書けといわれて戸惑うのは、虚構という仕掛けなしに自分を書く、詰まり手鏡なしに自分を見ることを要求されたためではないか、と思われるのだ。いや、自分だけでなく、外界に対してもその手鏡を通して眺める癖が抜けなくなってしまったのではないか、という気さえする。

    『生家へ』の中に、受賞第一作を書こうとして、「夏には水をガブガブ呑む。それが弥助の健康法である」という一行を書いただけで行きづまってしまう挿話が出てくる。その一行から推測するかぎりでは、彼は自分から離れた外部に物語を作り出そうとしていたかに見える。だが、『黒い布』が力のある作品になったのは、父親という圧倒的なモデルが存在していたからであり、もしそれに匹敵するものを書こうとすれば、当時の若い彼にとっては自分自身を素材とする以外はなかったはずである。父親と同じかそれ以上に綿密に見つづけている存在がいたとすれば、それは彼自身しかいなかったからである。しかし、彼の視線は内に向かわず外に向かった。多分、若い色川武大には自分自身を書く準備ができていなかったのだろう。準備とは、自分をどう書くかという方法を探り当てることであり、それ以上に、曖昧なままで済んでいる周囲の人間との関係を明確にしていく覚悟を決めることである。陽の光にさらされた「関係」は、自分だけでなく他人をも傷つける。当然それは現実の生活の中で返り血を浴びることにもなるのだ。『黒い布』では、父の視点から自分を見させることで自身の内面の表白を巧みに避け、しかもそれが卓抜な自己批評にもなっているという効果を上げることになったが、真正面から自分を書こうとすれば、どういう形であれ内面が露出していき、「関係」に新たな緊張を加えることになる。だが当時の彼は、生活自体が極めて流動的であり、「関係」を明確にすることで自分が座らなければならない位置をはっきりさせてしまうことを、どこかで恐れていたのではないかという気がする。とにかく《爾来十六七年、私は小説というものから逃げるようにばかりして来た。小説ばかりでなく、あいかわらず、自分自身からも遠ざかろうとしていた》(『生家へ』)のである。それが色川武大としての筆を鈍らせた。

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    2023年06月18日
  • 春に散る(下)

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    かつて世界チャンピオンを目指した仲間たちと、『チャンプの家』で暮らし始めた、広岡仁一。

    才能あふれたプロボクサー・黒木翔吾が4人に教えを求めてくる。

    翔吾とともに、世界を目指すことを決めた、広岡、藤原、佐瀬、星の4人。

    佳菜子の過去も明らかに…

    翔吾も世界タイトルマッチへと進むが…

    広岡も自らの病気を隠し、翔吾のタイトルマッチへと向かう…

    広岡、いい人すぎる…
    まさに名前の通り、人につくしている。
    何が彼をそこまでさせるのか…
    もう少し、この先が見たかった…

    春に散る…

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    2023年02月19日
  • 春に散る(上)

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    かつて世界チャンピオンを目指したボクサーだった広岡仁一。
    60歳を超え、自分の残り少ない人生を想い、40年ぶりに日本に戻る。

    かつて所属していたジムの会長はなくなり、その娘が引き継いでいた。

    かつて、ともに合宿所で暮らし、世界チャンピオンを目指した仲間たちを訪ねるが、それぞれに孤独な人生を送っていた。

    やがて、広岡ら4人はともに暮らし始める。かつてジムの2階の合宿所で暮らしたように。

    世界チャンピオンになれなかった元プロボクサーたちが、これからどう生きていくのか。

    佳菜子も何か訳アリのようだが、彼女の過去に何があったのか…

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    2023年02月18日
  • テロルの決算

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    読むのに時間がかかり疲れた
    間違いなく読み応えはあるが
    時代も古いし
    正確に認識できていない言葉が出てくると
    例えば
    安保闘争ってなんだっけ?
    とググったりを繰り返した

    テロは誠に手前勝手な迷惑行為であるが
    その全てを否定することも難しいのではないかと思ってしまう

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    2023年02月06日
  • テロルの決算

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    沢木耕太郎(1947年~)氏は、横浜国大経済学部卒のノンフィクション作家、エッセイスト、小説家、写真家。著者が1974~5年に香港からロンドンまでを旅した記録『深夜特急』(発表は1986~92年)は、当時のバッグパッカーのバイブル的存在としてあまりにも有名。本作品で大宅壮一ノンフィクション賞、『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、『凍』で講談社ノンフィクション賞、その他、菊池寛賞等を受賞。
    本書は、1978年に出版、1982年に文庫化されたものを、2008年に新装版化したものである。
    私は、1980年代にバッグパックを背負って海外を旅し、沢木の作品はこれまでに、上記の各賞受賞作をはじめ、『敗れざる者たち』、『流星ひとつ』、『キャパの十字架』、『旅の窓』、『チェーン・スモーキング』、『世界は「使われなかった人生」であふれてる』、『旅のつばくろ』、『作家との遭遇』、『あなたがいる場所』など幅広く読み、最も好きな書き手は誰かと問われれば迷わず沢木の名前を挙げるファンなのだが、本書はこれまで未読だった。
    本作品は、1960年10月12日に日比谷公会堂で開催された自民党・社会党・民社党3党首演説会で、17歳の右翼少年・山口二矢(おとや)が、壇上で演説中だった社会党委員長・浅沼稲次郎を刺殺した事件を、二人がそれまでに辿った人生を含めて描いたものである。
    読み終えて、改めて沢木がなぜこの作品を書いたのかを考えてみると、あとがきに、「最大の動因は、私自身の、夭折者への「執着」に近いまでの関心にあったような気がする」と書かれているのだが、それは、二矢が、浅沼を刺し殺したときに「完璧な瞬間」を味わい、完璧な時間を生きたこと、そして、その直後に自死し、「もし生きていたら」というような仮定を鋭く撥ね返してしまう、宿命としか言いようのない人生を完結したことに、強く心を動かされたということなのである。
    そして、そのような二矢の明確で直線的な人生に対し、浅沼の、よろめき崩れ落ちそうになりながらも決して歩むことを止めなかった、愚直な人生が、強烈なコントラストを為していることが、作品により明確な形を与えることになった。
    私は、事件当時はまだ生まれておらず、その頃の社会主義運動の広がり(と、それに対する右翼的運動の先鋭化)についての肌感覚がないのだが、そのため、二矢に対しても浅沼に対しても、また、(当時の)右翼に対しても社会主義者に対しても、思想的・感情的な思い入れはないし、また、沢木もどちらかに肩入れしたような描き方は一切していない。
    尚、このタイミングで読むと、否応なく昨年の安倍元首相銃撃事件が思い出されるのだが、沢木は、どうしたら政治テロが避けられるかという視点では、ほとんど何も書いていないので(そもそも、同事件は“政治”テロではないが)、そうした内容を期待する向きは肩透かしを食らうことは付言しておきたい。
    (2023年1月了)

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    2023年01月14日
  • 天路の旅人 無料お試し版

    購入済み

    西川一三と沢木耕太郎

    西川一三と沢木耕太郎。時代も旅程も全く違うが旅する二人に共通する「匂い」を感じることができる。小説ではなくドキュメンタリー ルポルタージュなのだが、主人公西川一三の歩みがあまりにも壮大なので、その迫力は凡百の小説を遥かに上回っている。

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    2023年01月06日
  • 敗れざる者たち

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    本質は何かを突き詰めたくていろいろ考え行動し得られたものが綴られている。
    本質がよくわからなくてもそこに至る過程で得られることは近いものがあるのではと思わせる。

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    2022年12月23日
  • テロルの決算

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    私はテロという暴力を肯定しない。しかし加害者である個人を否定しない。その尊厳を守るべき社会は、私たちが担う責任の集約でもあり為政者はその代表となる。民主主義社会の過渡期に起きた暗殺事件、被害者の政治家・浅沼稲次郎と加害者の右翼思想青年・山口二矢、ふたりは面識もなく現場となった日比谷公会堂で初めて対峙する。偶然が重なった警備の穴にするりと足を踏み入れた山口の決意はどれほど熟成されたものなのか、それとも当日の新聞朝刊に載った記事による衝動的な狂騒だったのか、夭折となった山口の本心は知る由もないが、最後の章で垣間見せる人情に感嘆する。彼は狂人ではない、思想の違いがこれほど常軌を失わせてしまう悲劇なのだ。その後の日本や世界の動向を知れば山口は嘆くのだろうか。ひとりの力で変革はできないが、声をあげる非暴力な “さざなみ” はやがて歴史を変える “濁流” へとつながるかもしれない。山口は焦った、その先の理想へ早く辿り着きたかった。答えは出なくてもいい、考える過程こそ大切であり、無関心でやり過ごすノンポリは愚行だと断言する。

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    2022年12月09日
  • 天路の旅人 無料お試し版

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    帰れないつらさ

    母国の事情もわからず終わりの見えない旅を永遠に続けようとしていた主人公が、やがてたどり着いた先で出した答えにグッと感じるものがあります。祖国に帰りたい気持ちはきっとあるのでしょうが、なかなか難しいところがあったそうです。作品を書くためにインタビューまでしたという著者の強い思いもあって、読む者の心を揺さぶる作品と言えます。

    #切ない #深い

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    2022年11月01日
  • 作家との遭遇(新潮文庫)

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    憧れの作家を挙げろと言われたら、沢木耕太郎さんを挙げるだろう。彼の書くものは、小説を除いて、ほとんど読んでいるかもしれない。本書は、以前単行本として刊行された23人の作家論だが、文庫化にあたり外国人作家が割愛され19人の日本人作家論となっている。

    沢木さんの作家論を読んで、その作家について学ぼうと思う人はそうはいるまい。沢木さんの作家論を読む人は、おそらく沢木耕太郎がその作家をどう語るかを知りたいのである。

    沢木さんの手にかかると、作家たちの人生は何か壮大な運命に絡め取られているかのように感じられる。お堅い作家論にはない、鮮やかなドラマがそこにある。そのように書くと全てが沢木さんのイマジネーションから生まれた論評であるかのようだが、そうではないことは明らかだ。本書を読んでいると、これらの作家論ないし、作品論を書くために、沢木さんがその作家の全作品を読み込んでいるらしいことがわかる。緻密な取材に基づいて書くノンフィクションライターらしい論評となっている。

    印象に残るのは、向田邦子、近藤紘一。あとは、作家論としては取り上げられていないにも関わらず、おそらく本書で最多登場の作家である司馬遼太郎か(笑)。海外作家編も文庫化予定らしいので楽しみに待ちたい。

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    2022年10月15日
  • 若き実力者たち

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    「沢木耕太郎」が、自らが選んだ道をひたすら疾走する十二人の胸に秘められた情熱の旋律とロマンの軌跡を描いたルポルタージュ作品『若き実力者たち 現代を疾走する12人』を読みました。

    『危機の宰相』、『テロルの決算』に続き「沢木耕太郎」作品です。

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    「尾崎将司」、「唐十郎」、「河野洋平」、「秋田明大」、「安達瞳子」、「畑正憲」、「中原誠」、「山田洋次」、「市川海老蔵」、「小沢征爾」たち十二人とともに酒を酌み、ともに旅して探った、現代を現代的に生きる人物紀行。

    「小沢征爾」、「市川海老蔵(現・団十郎)」、「唐十郎」、「山田洋次」、「尾崎将司」…。
    1970年前後に華々しく登場し、常に時代を騒がせ、リードし続けた12人。
    彼らの多くは、今も輝きを失っていない。
    デビュー間もない20代の著者が彼らの実像に迫り、新たな人物ノンフィクションを確立した画期的作品。
    この40年の意味を今また問い直すために―。
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    『月間エコノミスト』の1972年(昭和47年)6月号から連載が始まったシリーズを収録した作品、、、

    連載時、デビュー間もない「沢木耕太郎」は24歳~25歳… 当時、若かった「沢木耕太郎」が、同じく若かった各界の実力者12人に迫る人物紀行です。

     ■巨象の復活 ― 尾崎将司
     ■廃墟の錬夢術師 ― 唐十郎
     ■疾駆する野牛 ― 河野洋平
     ■過ぎ去った日々でなく ― 秋田明大
     ■華麗なる独歩行 ― 安達瞳子
     ■面白がる精神 ― 畑正憲
     ■神童・天才・凡人 ― 中原誠
     ■錨のない船 ― 黒田征太郎
     ■望郷・純情・奮闘 ― 山田洋次
     ■人魚は死んだ ― 堀江謙一
     ■十二人目の助六 ― 市川海老蔵
     ■沈黙と焔の祭司 ― 小沢征爾
     ■あとがきⅠ
     ■解説 沢木耕太郎への依頼 井上陽水
     ■あとがきⅡ
     ■主要参考文献

    40年以上前に描かれた作品なので、知らない人も多かったですね… 知っているのは、、、

    「尾崎将司」、「河野洋平」、「畑正憲」、「中原誠」、「山田洋次」、「堀江謙一」、「小沢征爾」の7人でしたね。


    子どもの頃、ゴルフ選手といえば「ジャンボ尾崎」を含む「尾崎三兄弟」がイチバン有名だったような… 元野球選手ってことは微かに記憶にありましたが、詳しくは知らなかったので、なかなか興味深かった。

    政治家は、あまり興味ないですが、「河野洋平」といえば「新自由クラブ」のイメージか… 子ども心に政党名に「クラブ」って名前が付いていることが珍しくて印象深かった記憶があります。

    「畑正憲」は、本名よりも「ムツゴロウさん」という呼称の方がイメージ強いですね… 特に観たいと思ってはいなかったけど、何気なくテレビで『ムツゴロウの動物王国』シリーズを観てましたね。

    棋士のことは良く知らないですが… 「中原誠」は、将棋よりも後々の女流棋士「林葉直子」との不倫事件の印象が強過ぎて、過去の栄光を塗りつぶしてしまった感じがします。

    「山田洋次」は、未だに好きな映画監督のひとり… 『男はつらいよ』シリーズは日本人の心とも言える作品だし、個人的には『息子』が大好きです。

    「堀江謙一」は、海洋冒険家でヨットで単独太平洋横断航海を成功させていたよなぁ… その後もヨットで世界一周とかしていたような、程度のことしか知らず、その人なりって、全く知りませんでした。

    「小沢征爾」は、日本を代表する指揮者ということは知っていましたが、裕福な家庭に育ち、財力があったので海外で勉強できて… と勝手に思い込んでいました。


    という程度の稚拙な知識と勝手に抱いたイメージしか持っていなかったのですが、本書を読んで皆さんにスミマセンって感じです、、、

    特に「小沢征爾」はイメージとの隔たりが大きかったですね… 決して豊かではない家庭環境の中で育ち、勝手なイメージと違いスポーツが得意で学生時代はラグビーもフロントローとしてプレーしていたとのこと、イメージが大きく変わり、もっと知りたくなりました。

    「小沢征爾」は自分の抱いていたイメージと実際が異なっていた、最も顕著な例ですが、、、

    他の人々についても、多かれ少なかれイメージが変わりましたね… メディアに露出する一瞬の言動や、記者や解説者等の第三者のフィルターを通じて抱いているイメージ、勝手に創り上げた人物像って、あてにならないならないものだということを改めて感じました。


    そして、本作品の驚くべき部分はルポライター「沢木耕太郎」の実力、、、

    本書に登場する若き実力者たちって、有名人だけに警戒心も強いだろうから、ルポライターに対して、直ぐに心を開いて自身をさらけ出すわけはないと思うのですが… 本書を読んでいると、若き「沢木耕太郎」が、取材される側の警戒心を解き、二人の距離感を心が通じ合うまで、互いの体温が感じられるくらいまで縮めていることに凄さと驚きを感じましたね。

    若き実力者たちの一人ひとりが凄いことは勿論ですが… その12人を取材対象として冷静に見詰め、心を通わせることで本心を吐露させたうえで、生い立ちから家庭環境や性格までを知り、その個性に合わせた語り口で表現する「沢木耕太郎」のルポライターとしての力量を感じました、、、

    「沢木耕太郎」に尋問されたら、何でもしゃべらされるんじゃいないかなぁ… と思っちゃいます。


    本書の出版後、「沢木耕太郎」は、本書の印税と有志からのカンパを軍資金に、1974年(昭和39年)3月から1975年(昭和40年)4月ごろにかけて、約一年の海外の貧乏旅行(香港を出発点とし、ほとんどのルートをローカルバスで乗り継ぎ、タイ、マレーシア、シンガポール、カルカッタから始まるインド、西アジア諸国、イスタンブール、ギリシャ、イタリア、ポルトガルを経てロンドンへ到着)に出て、その内容を『深夜特急』という小説に描きます、、、

    久しぶりに『深夜特急』を読みたくなりましたね。

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    2022年10月08日