沢木耕太郎のレビュー一覧
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ベルリンオリンピックのドキュメンタリー
戦後ナチに協力したと糾弾されたレニ・リーフェンシュタールの
五輪ドキュメント映画「オリンピア」を軸に描いている。
だがはっきりとは書かれていないがレニへのインタビューは大失敗だったみたいだ、
構想ではもっとレニの話を掘り下げる予定だっただろうに最初と最後でちょっと触れているだけ。
なのでナチスやレニについての新事実のようなものを期待するとガッカリするだろう。
だが、そのかわりに描かれている五輪に出場した多くの日本人の話はどれも面白い。
この人一人の話だけで一冊書けるんじゃないかと思えるような話ばかりだ。 -
Posted by ブクログ
浅沼稲次郎刺殺事件の写真を初めて見たのは、小学生に入った頃だったか。その時はただただ浅沼が可哀想で山口は憎むべき殺人犯としか思えなかった。
それからしばらく経って実家近くのホテルで写真展があり、そこには同じ写真が飾られていた。最初に抱いた思いはその時も変わらなかったが、父がふと山口にどこか共感するような一言を呟いた。殺人犯に例え部分的にでも共感するなんて何て人だ、と思ったが、実の親子とはいえ考え方なんていくらでも違うものだ、という事を初めて教えてくれたきっかけの一枚だった。
父も亡き今、あの時の呟きの真意を確かめる術もないが、或いは山口と同世代であった父は同世代だからこそ抱く共感があったのかも知れない。本人の政治思想はどちらかというとリベラル寄りだと見えたのだが。
今の自分が山上被告を単なる殺人犯と切り捨てる事が出来るだろうか。
くまざわ書店ヴィアあべのウォーク店にて購入。 -
Posted by ブクログ
周りのいろんな人がおすすめしていて、合宿中に後輩も好きって言っていたのでついに読む!
その場で予約しようとしたら飛び飛びで貸し出されていて諦めかけたが、順番に読まなくても楽しいと思いますよって言われたからある分を全部借りた。
というわけで私の一作目はマレーシンガポール。若干旅の最初の出来事にはついていけなかったがそんなのはどうでもいいくらいに楽しめた。くろちゃんがこれ読んで世界一周行きたくなったっていうのも納得できるわ。
ちょうど読む前の昨日の昼、ワイシャツとスカートを履いていて、シャツアウトして「これシャツアウトするとタイとか東南アジアの学生って感じするよね」って家族と話して「わかるー!!」と言われたところだった。ほぼ同じような描写があって個人的にアツかった。筆者のことは存じ上げないが、彼が何歳くらいの時に書いた(行った)ものなんだろう。そもそも読んでる中で、時代が今と違いすぎると思う場面が多々あった。今やバンコクの物価は全然高いよ!!と思う。、
電車のエピソードとかがおもしろかった。 -
Posted by ブクログ
バックパッカーのバイブルだと聞き読破。
私は2年前にインド・香港・マカオに訪れたことがあったので、ドミトリーあるあるや具体的な地名などを聞いて懐かしいという気持ちになった。
主人公に共感できる部分も多く、旅を終えた人にもおすすめできる1冊。
印象に残っている部分(すごいと思った・共感できる)
・相部屋をしようと言われ「I don't」と答えられる
・予定を立てるのが億劫
・場違いな服装なのにホテルにとりあえず入る
・見栄を張らず、「お金が無い」とはっきり言える
・「縄跳び遊びに入れて」と言える
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私は「海外に行くからには有名なところを回りたい!」と思い忙しなく移動をしていた。世界遺産を見たいのではなく、"なんとなく見ておいた方が良さそう"という理由から義務感で訪れていた。主人公のようにぼーっと周囲を観察する時間も心の余裕もなかった。同じ地域に留まることやホステルで何泊もするのがもったいないと思い次の街へ次の街へと駆り出していたが、やはり"何もしない"時間をつくるのが大切だったと今振り返って強く思う。
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あ、あと、"スマホのない時代の旅"って冒険感があって良いな〜〜。人に話しかける口実にもなるしワクワク感が違うんだろうなあ・・・ちょっと羨ましい(ないものねだり) -
Posted by ブクログ
沢木耕太郎『夢ノ町本通り 文庫版』新潮文庫。
沢木耕太郎の30年間の軌跡を凝縮したエッセイ集で、本に関する様々なことや映画についても触れている。文庫化にあたり、再編して2割ほど内容をカットしたようだ。
読んだことのある本も何冊か描かれていて、嬉しくなった。
表題作の『夢ノ町本通り』というエッセイから始まる。確かに仕事場や家の周りに新刊書店や古本屋、食べ物屋が揃った町は理想である。自分の今住んでいる所は田舎のポツンと一軒家で、周りに本屋はおろか店や自販機など無い。それでも静かな環境があってこそ、ゆっくり本を読めるのだ。
沢木耕太郎が読書家だということは認識していたが、仕事に関連する本だけでなく、多種多様様々なジャンルの本を読んでいることに驚かされる。
さらに沢木は情け容赦なく、かなり厳しい目で本を読んでいるようだ。原尞の『それまでの明日』を読み始めると、主人公の探偵である沢崎が馴染みの警部と強盗が入った部屋の金庫を検分するシーンで違和感を感じ、今度は別の刑事が沢崎を重要参考人の男の部屋に入れるシーンで読むのを止めてしまうのだ。警察が例え探偵であろうと民間人を事件現場に入れる訳は無いということなのだ。自分なんかは久し振りの原尞の新作ということで違和感も感じず、最後まで読んでしまった。
沢木が『凍』を書く切っ掛けとなったジョー・シンプソンのノンフィクション『死のクレパス』はいつか読んでみたいものだ。
また、沢木は本ばかりでなく映画についても書いている。キアヌ・リーブス主演の映画『ハートブルー』『スピード』についても触れているが、『ハートブルー』は波乗りもテーマの1つとしているアクション映画で、バスを使ったカー・アクションが売りの『スピード』の方が有名かも知れない。
本体価格670円
★★★★