沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 一瞬の夏(上)

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    スポーツノンフィクションの中でも傑作中の傑作と思われる。なによりもココまで取材対象の懐にはいれる沢木さんがすばらしいです。
    主人公であるかカシアス内藤氏の写真集が発売になりました。

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    2009年10月07日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    私はこの巻が1番好きだった。インドや香港の目まぐるしいイベントたちも読んでいて楽しかったけど、私は人が何を考えているのかを知るのが楽しいから、これらのイベントを経て作者が今考えていることを知ることができて楽しかった。

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    2025年11月30日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    密偵としてモンゴルからインドまで旅を続け、日本人ということを隠すため、ラマ教徒と偽る。
    西川さんの行動力や努力は計り知れない。
    未開の地で生きていくのに、現地の言葉を覚え、托鉢をして僅かな食糧を得て、殆んどが野宿。
    ヒマラヤに近い地域の峠を何度も登り降りし、匪賊
    の脅威にさらされながら集落に着くと、軒を借りながら次の地を目指す。

    読んでいて、西川さんの8年に渡る経験を疑似体験
    したような感覚だった。
    人生には、生きながらえるための食糧と寝床さえ有ればあとは何も要らないといった人生観を養えたのは、あの体験があったからなのか。
    この小説に出会わなければ、このような日本人がいたと分からないままだっ

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    2025年11月28日
  • 暦のしずく

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    講釈師が江戸時代を通して唯一死罪に処せられた事件をもとに創作された沢木耕太郎の初めてのフィクション。

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    2025年11月24日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    沢木耕太郎の国内(主に東北・北陸)旅エッセイ
    旅先についてだけでなく、所々にまぶされている著者の人生論が興味深い

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    2025年11月18日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    長い旅には人生と同じように、幼年期、少年期、青年期、壮年期があり、移ろい変わるのかもしれないという言葉にピンときた。私は一時期旅だけをして生きていきたいと思っていたことがあったが、何が目的なのか考えていくうちに、旅だけをする人生はつまらないと感じてしまった。でも、これは人生と旅を一緒に考えたからであって、歴史を勉強してから行ったり、どうしても経験してみたいことなど何か目的を持って行ったら素晴らしい経験になるのではないかと思う。作者の見てきた長旅をしている者たちは疲労で好奇心が摩耗し、外界に対し興味がなくなっている。そしていつ崩れるかわからない危うさと隣り合わせで旅の目的すらなくただシルクロード

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    2025年11月18日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    自分も旅をしている気分で読めたし、その土地をゆっくり楽しんでいる感じがして心地よかった。
    インスタ映えの風景を探したりネットでおいしい店を探すのではなくてゆっくり歩いてその土地の空気を吸って旅をしてみたいものだ。

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    2025年11月18日
  • 暦のしずく

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    本の売り上げランキングには入っていないが、間違いなく読む価値のある本。主人公の文耕は歴史に埋もれてしまった人物であるが、男性にも女性にもモテる魅力的な人物。どういう経緯で獄門という重罪を負うことになるのか、辿っていくスリル。いつの間にか主人公の生き方に共感している自分。筆者の代表作になりうる大作である。

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    2025年11月17日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    戦中に中国大陸に密偵として従事した西川一三。
    未知の地域を旅する過程は生やさしいものではなく
    激寒の環境、匪賊の脅威、慣れない駱駝

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    2025年11月16日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    心身が健康じゃないと他人の親切が鬱陶しくなるのは日本にいる私にもすごく共感できた。こんなふうに感じる自分が嫌で、余計に病んでいく。作者は自分なりに克服していたからすごい。
    この旅行が終わり帰国してから元の生活に戻れるのかという不安は、リアルだなと感じた。スケールが違うが、夏休みが終わって学校が始まると、いくのが億劫になるのと似ているかもしれない。
    3巻まで少しずつ失速していった感じがあったけれど、4巻からは動き出した気がする。5巻からが楽しみだ。

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    2025年11月12日
  • 暦のしずく

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    沢木耕太郎さんの、初の時代小説ということで
    読んでみる。この分厚さ‥読めるだろうかと、
    内心思ったが、読み始めると意外なほどにこの小説にすんなりと入り込め、一気に読み終えた。

    獄門を申し渡された講釈師・馬場文耕は長い
    日本の芸能史において、ただひとりだけ
    芸によって死刑に処せられることになった芸人。
    彼は今でいう、ジャーナリスト。
    彼が書いていたものは、主として江戸に生きる
    人々についての「町のうわさ」時には、
    時の最高権力者である、九代将軍家重に
    ついてさえ、過激な噂話を書いたらしい。

    当時は御法度である、幕府が隠そうとする真実を、講談によって世間に広めることは今の報道機関と
    同じ役割。

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    2025年11月11日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    大学生の今、この冒険を読めてよかった。今はもうインドも発展して当時のような凄まじい風景が見られることは少ないだろうけど、これを経験できたらこの先何があっても大したことないと思えるだろう。今まで私が思っていた旅の仕方は、表面的にその国に触ることしかしていないことに気付かされた。その国の人と会話や交渉をしたり、日常の風景に溶け込むことでこそ異文化を感じられる。私は体が強い方じゃないから、作者のような旅をするとしたら、確実に1国につき1回は病院に行くことになりそうだが、20代のうちにこのような旅をしてみたい。大学を卒業したら何をしたいのか全く想像がつかない私にとって、良い刺激となった。

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    2025年11月10日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    これからがめちゃくちゃ気になる。
    ページ数少なめで、もっと読みたい!と思わせられる分量。
    この生活できる人すごいなって思うし、楽しそうだと思うけど、自分にはできないな〜と思う。
    でもめちゃめちゃ一人旅したくなった!

    ギャンブルハマっていく様子がリアルだった!

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    2025年11月10日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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     貧乏旅で地元民の助けを借りながら安いホテルをとったり、電車やバス、タクシーに乗ったりするのだが、声をかける人が大体いい人で、マレー半島やシンガポールにはそこまでヤバい人はいないのではないかと思った。私も無計画に、地元の人の情報だけを頼りに旅がしたくなってきた。あと、香港で感動して他の国にもそれを求めちゃうのはとても共感できた。私の場合はタイが良すぎてインドネシアが物足りなかったから。深夜特急の3〜6が楽しみだ。

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    2025年11月06日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    香港から始まって寄り道続きの沢木氏の旅も、ようやくデリーを発って本番に。
    4巻では街中よりもバスでの移動中の描写が多く、どうやら『深夜特急』の表題通りの内容になってきた。「青春発墓場行」のバスがいい。

    パキスタンからアフガニスタン、そしてイランへ。どれも今ではそうそう行けない国だ。もちろん僕自身はいずれにも行ったことはないが、読んでいるうちに何となく、トルコとインドを結んだ線分の中にきちんと収まっている土地という気がしてくるから不思議なものだ。乱暴な言い方だがどだい同じユーラシア、やはりどこか似たところがあるのかもしれない。

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    2025年11月06日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    26歳のバランス感覚がしっくりくる。自分の海外旅行の体験と異なってはいるが物事の捉え方が似ていて、懐かしい気持ちになった。

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    2025年11月01日
  • 暦のしずく

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    沢木耕太郎さんが時代小説をと思ったが
    事実を調べ、それに沿った想像を書いた内容に感服しました。
    ちょっと私には読みづらかった。
    家内は3日で読破していたが、頭の差かなと思う。

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    2025年10月31日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    私はタイとインドネシアにそれぞれ教育のボランティアで行ったことがあるが、その時の異国の生活が思い出された。観光客として世界遺産などの観光地を見て、美味しい名物を食べ、買い物して…という旅もたまにはいいが、現地の生活に溶け込むことでしか見えないものがあり、それが描かれていたのがとても良かった。あとお金の心配というのは長旅あるあるだから、いくらお金があっても足りなくて節約旅になっているのがなんともいい味を出していた。マカオの大小では、読んでいるこっちからしたら、「もうやめておきなよ」と思ってしまったが、落ちるとこまで落ちるという決心は潔くてこういう旅にも憧れた。

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    2025年10月28日
  • 暦のしずく

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    江戸の中期に活躍した講釈師、馬場文耕の話。面白かったです。
    この本を読んで、馬場文耕その人と、重なる時代に登場した田沼意次等の有名人物、そして、現在の日本橋や吉原の地理を知ることができました。講釈師、今では、講談師とよばれる職が当時に存在し、百姓、租税を巡る社会問題に由来して、従来の講釈師のスタイルから徐々に変容していく様が描かれています。
    馬場文耕の実際のキャラクターは当然わからず、田沼意次においてはこれまで持ったイメージとかなり異なる人物でしたが、文中の言葉を引用すると、これこそ文耕のスタイルを踏襲した拵えものだと捉えられます。
    義理や人情があちこちに現れて、時代劇の映画を見ているような面

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    2025年10月25日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    大戦中の中国の奥地、チベット、そしてインドへと過酷な、しかしその苦難を楽しむと言っては語弊があるが、味わいながら?旅を続ける西川一三の姿が描かれる。

    同行者との出会いと別れ、同じ釜の飯を食う、共に苦難を乗り越える。冷たい川を渡るシーンは読んでいてこちらも足が痛くなるような思いがした。そして、西川一三自身の飽くなき、旅や未知への渇望の渦に引き込まれるようにして一気に読み終えた。

    私の、旅や未知への渇望をくすぐる、そんな面白い、読み応えのある本でした。

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    2025年10月22日