沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版

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    会社員時代の出張で新幹線を利用していると、トランベールっていう冊子に連載されていたのを駅弁の紹介コーナーと並んで楽しみに読んでました(今も連載されてるのでしょうか?)。本の大きさといい重さといい手触り装丁が紙の本として旅のお供にぴったり。電子書籍も荷物にならなくていいけどこういう感じの本だと紙の方がいいなぁと思ってしまいます。一気に読むのでなく一編一編味わって少しづつ読むのが楽しかった。それにしても心にしみる文章です。完璧な予定を立てて滞りない旅行よりも思いがけないものとの遭遇の方が感動が上回るエピソードは実感します。コロナ後の自由になってきた世の中でまた用心しつつ、思いがけないものとの出会い

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    2024年01月30日
  • 敗れざる者たち

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    年末年始を海外旅行で過ごすことにし、旅行の友に選びました。私も30年前、「深夜特急」に影響を受け、アジアへ一人旅にでた若者の一人ですが、今回久しぶりに手にした筆者の作品。
    私にとっても馴染みのない野球選手、ボクサー、ジョッキー、ランナーにも関わらず、45年を経ても胸に迫るものがありました。時代が変わっもの変わらないもの、もしかして失われつつある愚直さ。生き方を問いかけられるようでした。自らの旅と等価以上の興奮を与えてくれる作品でした。

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    2024年01月02日
  • テロルの決算

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    社会党委員長の浅沼稲次郎が渋谷公会堂で行われた立会演説会の演説の最中にテロリストの若者と交錯した場面はテレビ映像で何回か見たことがあった。
    この本は17際の少年がなぜ暗殺に及んだのか、また、その時現場にいた多くの人たちが何を見て何を感じたのか克明に描いている。
    当時の政治情勢含めて詳細に描かれた秀作だと思う。

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    2023年12月15日
  • テロルの決算

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     社会党政治家が右翼少年に刺殺された事件がテーマとなったノンフィクション作品。二人の過去を辿りながら、社会党政治家側の視点、右翼団体の視点、そして、テロ至るまでの経緯が丁寧に描かれている。
     戦争、安保闘争、学生運動、その時々の人々の考えが伝わってくる、とても学びの多い作品だった。それぞれの転換期にどちらに世の中が傾いたか。世代間の考え方の違いは、歴史の積み重ねであることを感じた

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    2023年11月13日
  • 春に散る(下)

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    こういう晩年もいいな。
    未来のために現在をないがしろにしたり、犠牲にしたりする「生き方」「死に方」ではなくて、今この瞬間を慈しむ「在り方」という表現が刺さった。

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    2023年11月03日
  • 将監(しょうげん)さまの細みち 山本周五郎名品館IV

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    沢木耕太郎氏が選んだ山本周五郎作品を含む。中でも「深川安楽亭」は宮部みゆき氏のエッセイ「平成お徒歩日記」でも紹介されていた味わい深い作品。悲しみを抱きながら月夜に独り酒を飲む男の描写が印象的で、この部分を何遍も読み返した。

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    2023年11月03日
  • 作家との遭遇(新潮文庫)

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    いつもながら、沢木さんはズルい。
    この本を読むだけでも
    人それぞれ何かしらと並行しているのに
    読んだ後にはこの本にある著者の
    何某かの本を探す運命に駆られる

    沢木耕太郎に出会い
    深夜特急を次世代に渡してなお 自身がこれほどまで沢木耕太郎に翻弄されるとは
    毒な良薬
    この意味が理解できたら
    貴方も立派な沢木耕太郎中毒

    広がる世界を遡るもよし
    この後に馳せるもよし

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    2023年10月23日
  • 春に散る(下)

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     上巻の最後、老齢の4人は才能を秘めた若者・黒木と出逢いました。下巻は、この黒木が4人からボクシング指導を仰ぐ場面から始まり、物語の展開スピードが増していきます。

     「孤独」「陰」のイメージの上巻、下巻は「陽」の印象が強まり、ゆっくり流れていた4人の共同生活は、次第に活力がみなぎり、変化していきます。
     自分たちの経験と技を黒木に伝えようと指導に注力していく様は、新たな目標をもった人間の潜在的なパワー、伝える熱意の凄みさえ感じます。
     まるで、自分たちが果たせなかった夢を追い求めるように‥。

     不動産屋の佳菜子は、陰ながら重要な役割を果たしていますが、彼女の過去等少々盛り過ぎ感が‥。
     ボ

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    2023年10月07日
  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版

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    新幹線の車内誌などに掲載されている「旅の
    つばくろ」エッセイ集の続編です。

    コロナ禍でのマイクロツーリズムを実践する
    国内旅行の紀行文集です。

    とは言っても、有名観光地を巡るのではなく
    沢木氏の過去の経験から「心に引っかかった
    地」をぶらり訪れる内容です。

    それなのに、その「引っかかり」の理由も解
    明されなかったり、そもそも最終目的地に辿
    り着けなかったりと、割と「テキトー」なの
    です。

    しかしそれが「旅」なのだと著者は言います。

    沢木耕太郎がそう言うと、非常に説得力があ
    ります。

    そう、旅は「テキトー」でいいのだと納得す
    る一冊です。

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    2023年10月05日
  • 春に散る(上)

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     主人公は、かつてボクシングで将来を嘱望されるも、不公平な判定負けを契機に渡米した広岡仁一。米国で再起を目指すも叶わず、ホテル経営で成功し40年が過ぎていました。病を抱えながら、ふと唐突に帰国するところから物語は始まります。

     ここから広岡は、自分の目的も判らないまま、記憶を辿り過去をなぞり、導かれるように動きます。かつて試合をした後楽園ホール、ジム、更に四天王と呼ばれた仲間たちを訪ねて‥。

     上巻は、このようにボクシング場面がほとんどなく、沢木さんが得意とする放浪の旅に近い旅情を誘う描写が多く、情景が目に浮かぶようです。
     また、登場人物の描き分けが素晴らしく、それぞれ個性的で人間臭さが

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    2023年10月05日
  • テロルの決算

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    もともとノンフィクションは好きだが、文章が上手く、緻密で広い関係者からのヒアリングに基づきストーリーが作られた秀作。戦後に個人主義が進み、今は人間関係が薄い時代になっているが、まだまだ人間の濃さが残っていたのを感じる。

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    2023年09月23日
  • 旅の窓

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    文章がとにかく美しい。
    写真もポストカードのよう。
    写真一枚からあそこまでのストーリーを紡ぎ出せるのが凄い。
    人を観察する視線がちょっと気障で、その感じが大好きです。

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    2023年09月14日
  • 春に散る(下)

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    ネタバレ

    映画は未見も、キャストがチラつきながら読んだ。キャストの違和感は半端なかったが、ボクシング描写もほどほどで重くなく良かった。長編だがスラスラと読みやすかったが、内容が薄いのか?あまり記憶に残らず、ラストもちょっと安直か。でも面白かったよ。

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    2023年09月05日
  • 春に散る(下)

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    4人の元ボクサーが翔吾に自分の必殺技を伝授し世界チャンピオン目指して育てていく姿に感動した。ボクシングの試合の描写がリアルで目に浮かんで来る。

    心に残った言葉
    ・真拳ジムのなくなった会長は、なぜボクサーがトレーニングをするのか、それはリングの上で相手より自由になるためだ、と常に言っていた。
    ・そう、料理もアイロンかけも、ボクシングのトレーニングと同じだ。家事が難なくできれば、日常というリングで自由に振る舞えるようになる。
    ・自分はまともにやらなかったが、勉強というやつも同じなんだろう。家で勉強しておけば、教室で自由に振る舞えるようになる。何でもそうだ。トレーニングというやつは、そこで輝きたい

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    2023年08月04日
  • 春に散る(上)

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    かつて同じボクシングジムで四天王と呼ばれた4人の元ボクサーが40年ぶりに再会して一つの家で共同生活を始めるところが面白い。元ボクサー4人の絆がひしひしと伝わって来る。これからの展開が気になって下巻を読むのが楽しみになった。

    心に残った言葉
    ・本物のボクサーは、ボクサーであることをやめても、元ボクサーとしてしか生きていけない。
    ・老いをどのように生きたらいいのか。つまりどのように死んだらいいのか。たぶんそれはどのように人生のケリをつけたらいいのかということにつながるものなのだろう。

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    2023年08月04日
  • 春に散る(下)

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    上巻での広岡仁一と黒木翔吾とのボクシングの師弟関係と熱い仲間達とのチャンピオンを目指す共同生活と支え合い。
    みずみずしい文体、情景を思い浮かばせる表現、登場人物のキャラクターが素晴らしい!
    後書きの作者の広岡の生き方、在り方についての描写にも愛を感じた。

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    2023年06月21日
  • 敗れざる者たち

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    当時まだ若いはずの著者の円熟みが凄まじい。取材対象にここまでコミットできる/させてもらえるのかと驚く。

    動きの激しい場面においても、盛りを過ぎた、「いつか」を逸してしまったアスリートの機微がひしひしと伝わってくる。ルポルタージュの客観性を保ちながら小説の没入感を味わえる稀有な著作だった。

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    2023年06月21日
  • 春に散る(上)

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    ネタバレ

    NHKラジオドラマを聴いて面白かったし、映画化もされると知って読んでみた。ルポルタージュの旗手とも言える著者であるが最近は小説も出版しておりKHKラジオでドラマ化もされている。本作は著者の得意分野であるボクシングが主題であるが、これまでのルポでチャンピオンになれなかったボクサーの晩年の凋落が我慢ならなかったも知れない、元ボクサーのシェアハウスを作って老後を安らかに過ごして欲しいと言う著者の夢を小説にしたような作品、ラジオで先に聴いているので結末は題名のとおりなってしまうが、文はスムーズで大変読みやすい。

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    2023年06月18日
  • 春に散る(上)

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    かつてボクシングでチャンピオンを夢見たボクサ広岡仁一が主人公である。不公平な判定で負けた後アメリカへ渡り、40年ぶりに帰国した元ボクサー・広岡仁一は、かつてともにジムで世界を目指した仲間達を訪ねていく。上下巻に分かれ、上巻では下巻への盛り上がりを作る大事な役割をなす。

    沢木耕太郎さんの小説は初めて読んだが、みずみずしい文体と情景を思い浮かべる構成、人間臭い登場人物。全てに感服した。やはり作家や小説との出会いは一期一会!

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    2023年06月17日
  • 作家との遭遇(新潮文庫)

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    稀代のエッセイスト、沢木耕太郎が著名作家との遭遇、というよりも作家評を纏めたものである。とは言え、私は沢木耕太郎や列挙された作家達をほとんど触れてこなかったので、作家紹介本として読み進めた。

    私は沢木耕太郎の見識の深さと広さ、そして作家に対する真摯で純粋な姿勢に夢中にさせられた。紹介された作家に心惹かれたのはもちろんだが、それよりも評者に興味が湧いてしまったのである。これは本書が読者に提供しようとしたものとは異なるかもしれない。しかし、それほど沢木耕太郎自身に惚れてしまったのである。

    これは著者のエッセイをさらに読まなければと思い、私は書店に駆け込んだ。『深夜特急』を探したが見つからず、諦

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    2023年05月28日