沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 心の窓

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    沢木耕太郎さんのフォトエッセイ
    「旅の窓」の続編
    どの写真もその風景に溶け込んだ人々が
    何気なく写っている
    これらを見ると
    どんな国であれどんな環境であれ
    人は変わらず
    生きている
    ことがよくわかる
    心が落ち着いたり、せつなくなったり、
    楽しくなったり
    見るものにいろんな感情を与えてくれる

    今もなお争っている国のトップの方々に
    このフォトエッセイを送りたい
    きっと何か感じてくれるはず
    人類はみな同じなのだから
    傷つけて良いはずがないのだから

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    2025年06月15日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    「国家なき民族の末路は現世の地獄だななどという感想を抱いたことを思い出した。しかし、いま、自分がその国家を失おうとしている。戦争に敗れ、連合国軍の占領下にある日本は国家としての存続が危うくなっている。もはや日本という国家の庇護を受けることはできない。どうしたらいいか。」西川一三が敗戦を確信したときの記述部分。私は、ここを読んだとき、ある老紳士から諭されたことを思い出した。「海外でパスポートを無くしたとき、自分が何者であるのか証明するのは至難の業。国家が自分の存在を証明してくれている。」と。当時の私は外国への憧れが強かった。そしてなんとなく日本を軽視していたと思う。所属している国家のことを真剣に

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    2025年06月09日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    西川一三の旅。山口の地福出身。帰国後、盛岡で暮らした理由はたまたまとあったが、腑に落ちなかった。「困難を突破しようと苦労しているときが旅における最も楽しい時間なのかもしれない。困難のさなかにあるときは、ただひたすらそれを克服するために努力すればいいだけだから、むしろ不安は少ない。」恐れていては一歩も踏み出せなくなり、踏み出して努力すれば、いずれゴールに辿り着くことができる。旅に失敗はつきもの。旅をすることは前向きになることなのかもしれないと想う。

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    2025年06月09日
  • 夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―

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    書物を巡るエッセイ集。多くの小説の紹介の中で、今回もメモをとり読みたいものが増えました。
    新刊と古書の書店を大切な思いで求められてる著者、日常も垣間見れて読者としてほっこりします。
    多くの小説を読んで、文章から思いの巡らせる感じと、どの部分がどうご自身に影響されたか伝わります。
    新聞小説の良さの章で、先日読んだ「氷点」があり、「蔵」と共に紹介されていました。

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    2025年06月04日
  • 敗れざる者たち

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    マラソン選手の円谷さんの遺書がとても印象的でした。
    大切な人たちへ書き綴った最後の言葉。文学知識のない私ですが川端康成さんの感想 悲しい響きという表現 にしんみりしてしまいました。
    過去の動画や人物を検索しながら読み進める。円谷さん、内藤さん、難波さん、土屋さん、榎本さん、イシノヒカル 色々なスポーツ界の方々の活躍を知ることができました。プロ意識や、ハングリー精神、人知れぬ努力。
    ラストの「ドランカー」では、ボクシング輪島対「クレイになれなかった男」に登場した柳さんとの試合、もしかしてカシアス内藤さんも登場するのでは!と…
    誰もが勝つとは信じていなかった試合に勝利を収めた輪島さん。
    P242

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    2025年06月01日
  • 旅の窓

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    かつて「深夜特急」で衝撃を受け
    大好きになった沢木耕太郎さん
    が、しかし
    それ以来あまり作品に触れてこなかった
    深夜特急がすべてでそれ以上はないと
    勝手に思っていたから

    「旅の窓」はそんな
    深夜特急の一コマを見ているようで
    ひとつひとつの言葉と、写真が
    “すっっと“気持ちに入ってくる
    沢木ワールドに久しぶりに癒される
    もう少し沢木耕太郎さんの本に
    触れてみたくなった

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    2025年05月18日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    何年も前にこの巻だけ読んで、それっきりにしていたのを再読。改めて読むと、旅それ自体の魅力と同じかそれ以上に、著者の感傷やイマジネーションが旅を彩っていることに気付かされる。
    もちろんそれは著者の文筆家としての力量やデリケートなな感性によるものだろうが、巻末の対談「出発の年齢」を読んで、当時26歳という著者の年齢にも思うところがあった。

    沢木氏と対談相手の山口文憲氏いわく、26歳ではじめて海外に行くのが一番いい。26歳というのは、一応の世間知がついた上で最後のぎりぎりの自由な年齢なんだとか。
    2人ともが26歳ではじめて海外に行ったということから冗談半分で提唱された説だが、当時の2人とそう変わら

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    2025年05月21日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    「自分はラマ僧だ」という大きな嘘を守るため、全身全霊で僧としてふるまう。信仰を「様式」から学ぶうち、人の恩や信頼に応えようという気持ちが自ずと湧いてくる。それ自体は信仰ではないとしても、「善く生きる」という、他でもない信仰のめざすところなのではないか。
    人は様式を作り、その中に魂を落とし込むものだと思う。魂に触れるまで様式を模倣すれば、それは真理になるのかもしれない。

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    2025年05月13日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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     第二次大戦末期、敵国である中国大陸の奥深くまで潜入した「密偵」西川一三の旅と思考の記録を、晩年の西川と交流があった著者が、その冒険を追体験するように綴っていくというノンフィクションです。ひとつの人生を描く「ストーリー」の導入として、これ以上、完璧な導入はないというほどの美しい冒頭が特に印象的でした。

     大変失礼ながら、私はこの作品を読むまで、西川一三さんという方を知らなかったのですが、こんな魅力的な人物の謦咳に接したとしたならどうしても書きたいとなってしまうだろうなぁ、という著者の想いが伝わってくるような作品でした。

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    2025年05月12日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    15年前に出会って以来、ずっと私の宝物だった本。異国の地で再読することで、極めてシンプル、だけど大切なことを幾つも思い出させてくれたと思う。
    ただひとつ分かることは、分からないということ。分からなくていいということ。
    行くことを目的とせず、そこに吹く風を、流れる水を、降り注ぐ光を、そして行き交う人をどのように感受するか。
    シンプルだけど難しい。とくに情報過多の現代では。この先の人生、旅中であろうが定住地であろうが、一瞬一瞬を楽しみながら生きていきたいな〜。

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    2025年05月10日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    この本が執筆された1986年から、インドは著しく成長したのだろうなあ。コテンラジオのインド深掘り回を聞いて以降、インドの複雑さディープさに興味を持っていたので、時は遡るものの当時のインドの様子がわかるこの巻は読んでいてとっても興味深かった。
    あと巻末に収録されている此経さんとの対談がとても良い。

    再読を通して、15年前に読んだ時と全く違う感想がポンポン出てくる。当たり前っちゃ当たり前なのだが、自分の見てきたもの経験してきたことが、沢木さんの経験談とリンクする部分ができたからなのだろうな。沢木さんも今の私とほぼ同い年で旅していたのだもんな〜。中学生の頃は、浪漫感じる最高の旅行記!って感じで読ん

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    2025年05月08日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    第二次大戦末期、中国から蒙古チベット、インドを密偵として旅した西川一三さんを追った旅行書。
    圧倒的な旅人のチカラ。
    面白い

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    2025年04月29日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    バンコク!スラタニ!ソンクラー!いづれも出張でよく行った町だったので読んでいてとても楽しかった。とくにスラタニは今でも超田舎町で、出張で訪れた海沿いの水産工場やレストランから見えるサムイ島がとっても綺麗だったことを覚えている。もう長老だった工場長補佐が連れて行ってくれたマーケット、そこで食べたチマキみたいなおにぎりや、大量に買ってくれたカレー用の香辛料が懐かしい。長い出張からの帰国後、香辛料が腐ってないことを祈りながら作ったグリーンカレーは人生で食べたグリーンカレー史上最高に美味しかった。

    ベトナムやインドネシアのビジネスマン曰く、タイのビジネスは彼らの二歩先を進んでいるらしく、バンコクのビ

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    2025年04月28日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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     この巻ではインドからパキスタン、アフガニスタン、イランと旅を続けていくが、特に中央アジアから中近東にかけての日本と文化的にかなり異なる地域を歩いており、紙面からカオスな感じの臨場感が伝わってくる。アラブ商人との日常的な買物でも生じる値段交渉や発展途上国の衛生環境の劣悪さ、衛生環境の悪さに伴う病気の発症等の描写がリアルで、自分がこの地域を歩いて非日常感を味わっているような一体感を感じられた。バックパッカー旅行ルポルタージュの金字塔といわれる理由が分かる本であった。

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    2025年04月07日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    最後まで面白かった

    最後はどう終わるのかと思ったら、まさかの
    「俺たちの旅はまだまだ終わらないぜ!!」的な

    それも良いけど、出来れば帰国するまで書いて欲しかったかな

    巻末に載っている対談
    他の巻みたいに、旅の途中で会った方とかなら未だしも
    今回唐突に井上陽水(恐らく当時の付き合い等があったんだろうけど)

    それでもこの本に関する事や、旅の話を中心にしてくれるなら未だしも
    井上陽水氏の人生観とか語られても、余り興味持てない

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    2025年03月17日
  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版 無料お試し版

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    昔を思い出す

    この作者の本は昔を思い出せたりするので好きでこの本もとても昔のことを思い出せて懐かしい気持ちになれたので私のおすすめの一冊です

    #ほのぼの

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    2025年03月08日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    ついに完結。
    ヨーロッパに行った事がない自分としては、イタリア、スペイン、ポルトガルに行ってみたい気持ちになった。
    海外旅行に行きたい欲が爆上がり。

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    2025年03月05日
  • 心の窓

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    ネタバレ

    長女が次女にプレゼントした本をちょいと拝借した。
    南沢奈央さんがラジオで紹介していた本だという。
    沢木耕太郎さんと言ったら、私の世代にとっては、バックパッカーのバイブルともいうべき「深夜特急」の著者。イメージは大沢たかおさん。
    スマホの写真ではない。重たいカメラで撮った写真とエッセイ。「世界にはつまらない場所などない。」と語る沢木さんはカメラで、文化を歴史を自然をそして人の内面を切り取る。ひとつひとつの写真とエッセイに慈しみを感じる。
    お気に入りはいくつもあるけど、「真剣勝負」かな。ひとりの女子学生が、老人から何かをレクチャーを受けている光景。彼がホノルルに滞在していた1ヵ月半の間、朝の9時か

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    2025年02月06日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    アジアを抜けヨーロッパに入り、日本のような近代化した土地になり、絵が想像しやすくなった一方、インドや香港などで感じたような「非常識感」は薄れていった。作者も、そういった非常識な刺激がなくなった分、考え事をしたり、内省している時間が増えたようだ。
    イスタンブールは久しぶりに作者が気に入った土地だったようで、読んでて心地良かった。もっと長い期間滞在すればいいのに!と思ってしまった(笑)

    アジアではヒッピー達からお金を巻き上げようという人たちが多かったけど、ヨーロッパに近づくにつれヒッピー達に対して純粋に好奇心をあらわにして近づいてくる人が増えた気がする。物質的に豊かになっているからだろうか?もち

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    2025年02月05日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    沢木耕太郎さんも今年で78歳か。「深夜特急」はいまだに自分の中で生涯ベストの作品です。本書は初の国内旅エッセイだそうです。海外の旅と同じスタンスで、自由に旅をして人と出会う。文体も若いころのまま。旅に出たくなる良書でした。

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    2025年02月05日