沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 危機の宰相

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    ネタバレ

    池田勇人元首相の評伝というよりは、所得倍増計画の誕生秘話。誕生に大きな役割を果たした池田元首相と二人のブレーンがルーザー<敗者>であったことや、多くの学者、官僚、政治家が否定的であったことなど、初めて知ったことばかり。非常に興味をそそられる内容でした。

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    2017年02月08日
  • 旅の窓

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    疲れた時にすっと心に隙間風のように入って来る言ノ葉たち、そしてさり気ない旅先の写真。他のこの方の書籍も手に取って読んでみたくなった、そんな一冊。
    但し諸事情にて幻冬舎の書籍は以後読まないと決めたので、他の出版社からリリースされている書籍に限りますが、この本は常にバッグに入れて持ち歩きたい一冊になりました。

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    2016年09月04日
  • 「愛」という言葉を口にできなかった二人のために

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    [口にできない、したくない]家族、恋人、夫婦、そして友情......。形は異なれど、「愛」という言葉を最後まで口にできなかった人々が描かれる映画の数々を評した作品。著者は、評者が最も好きな書き手の一人である沢木耕太郎。


    著者の個人的なエピソードなどが評文の冒頭に置かれ、その後に映画のあらすじが語られるのですが、この冒頭部分が簡潔ながらもとにかく秀逸。自然と、それでいてグイッと映画の世界の入口へと読者を誘ってくれること間違いなしです。


    本書で取り上げられた映画は、予め評することを決めて鑑賞したものではないようなのですが、どれも思わず見たくなってしまうから不思議。少し変わった角度から書かれた映画評論の本書を片手に、実際に映画を手にとって印象を確かめてみるのも良いのではないでしょうか。

    〜おそらく、これからも、「愛」という言葉を口にできない二人が登場する映画はいくつも作られることになるだろう。見る人の心の奥に、「自分もあのとき口にできていたら……」という甘美な記憶が眠っているかぎり、いつまでも。〜

    ......同感です☆5つ

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    2016年04月20日
  • 一瞬の夏(上)

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    才能があるのに努力しないボクサーが5年のブランクを経て再帰する物語。
    若干29才で年を取っていると言われてしまうボクシング界。
    人生経験や試合経験よりも、瞬発力、運動神経、目の良さ、そして絶対に勝つ気迫が重要な要素だ。
    若いときに自分の才能に気づき、それに溺れることないように努力させるには、本人の性格もあるが周りの協力者の力が非常に重要だ。
    沢木さんは一度見捨てたボクサーの再帰を知り、ふたたび力を貸すようになる。
    主人公が練習に打ち込めるよう環境を整えたり、試合をスケジュールするが、ボクシング界の背後には腹黒い人間や、欲深い人達が渦巻き、一筋縄ではいかない。

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    2015年12月14日
  • テロルの決算

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    著者がまだ若いときに出版されたもので、著者が真実に迫ろうとする、真摯でまじめな姿勢がうかがえる。

    まず、取材先の数が膨大である。
    自分のなかの疑問を少しでも解き明かすため、著者はあらゆる関係者の声を聞きたかったのだろう。そのころはまだ大作家ではなく、おそらく自分でアポをとり、自分で取材趣旨を説明し、自分で話を1件1件聞き、自分でルポにまとめていたのだろう。全体の完成度からみれば後の作品のほうが良いだろうが、著者が構成力を、取材を丁寧かつ時間をかけて積み上げることによってカバーし、結果として読者がよりよく真実を見極められる材料を提供している。

    さらに、山口二矢の関係者と、浅沼稲次郎の関係者と、二極からの取材による手法も、著者の真実に対する貪欲な姿勢を感じさせる。

    あくまでルポルタージュなので、著者の視点は本来入るべきではない。しかし全体を通しての真摯な姿勢が、読者に「では著者はどう感じたのか、最後に知りたい」と思わせる。傑作。
    (2006/1/24)

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    2015年11月10日
  • 一瞬の夏(上)

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    [丁半の定め刻]圧倒的な才能を有しながらも、ボクシングに本気になれず、その世界から惨めな敗北とともに脚を洗ったカシアス内藤。そんな彼が4年ぶりに復活するという話を耳にした著者は、引退前の彼に取り憑かれたときのように、またジムへと訪れ、彼の再起をその眼で見たいと願うのであるが......。男たちの一世一代の賭けを追ったノンフィクション。著者は、私がもっとも好きなライターの1人である沢木耕太郎。


    人生で一度は震えの起こるような勝負をしてみたいと思ったことがある方なら、本書を読んで間違いなく震えが走るはず。ボクシングに「かたをつける」ためにリングに上がるカシアス内藤、その内藤に形容し難い夢を見る沢木氏、そして内藤で自らも一花咲かせたいと思うトレーナーのエディ......。1人1人の「これが最後」が弾け飛ぶ見事な作品だと思います。


    本書の事実上の準主役となっている沢木氏自身の心模様が、筆遣いにも若干の影響を与えているところに読み応えがあります。竹を割ったようなすっきりとした話ではないのですが、それ故に勝負の面白さ、不思議さ、蠱惑さにハッとさせられます。自身が仕事でも生活でも守りに入りつつあると感じる今日この頃、それ故に余計に胸動かされる作品でした。

    〜いい博奕よ……これはいい博奕よ……〜

    沢木さんの文章はいつ読んでも良い☆5つ

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    2014年11月10日
  • オリンピア ナチスの森で

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    [巫女の誘うベルリン、1936]ヒトラー率いるナチスの下で開催された1936年のベルリン・オリンピック。その記録映像で世界的な名監督として祭り上げられ、戦後はその作品の故にナチスに加担したとして世の中から疎まれ続けた「巫女」、レニ・リーフェンシュタール。五輪の映像として史上最高とされている彼女の『オリンピア』を縦糸に、その大会にまつわる数々のエピソードを記した作品です。著者は、日本のノンフィクションといえばこの人、沢木耕太郎。


    やはり沢木氏、人生の「峰」と「谷」を切り取るのが抜群に上手い。本作においても、レニ・リーフェンシュタールの、ベルリン・オリンピックに参加した日本選手たちの、さらには彼女を世界に押し上げたヒトラーの人生のトップとボトムを見事に、自然に対比させながら鮮やかにオリンピアの明暗を浮かび上がらせています。ベルリンのその後を描き、氷の宮殿と題された第八章を読んでいるときには、冗談ではなく人生の奇異さと時代のわがままさに戦慄すら覚えました。


    沢木氏の作品で好感が持てるのは、世の中の評価をいったん棚に上げ、それとは違うベクトルから対象物を覗き込み、誰も気づかなかった側面を眼前につきつけてくるところ。例えば、レニに対して「あなたは(ヒトラー)に魅かれていませんでしたか」と切り込み、それを発端としてレニのヒトラーに対する本音の一端をつかみとっていくところなどは、沢木氏の真贋を見抜く能力が研ぎすまされていることを示す証左なのではないでしょうか(そして、私はそういう人間に憧れと畏怖の念を覚えます)。

    〜『オリンピア』は、レニの用いた言葉を使うとすれば、ベルリン・オリンピックの「デュープ」などではなく、「ブロマイド」だった。しかも、極上の「ブロマイド」……。〜

    歴史に乗り、同時に翻弄された人生がここにありました☆5つ

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    2013年08月17日
  • 一瞬の夏(上)

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    沢木耕太郎は、人物を題材をゆっくりと選ぶ作家だ。
    主人公である『カシアス内藤』に少しづつ自分を重ねてゆき、覚悟を決めて同行していく。
    自分とうまく折り合いが付けられず、
    何か「やりきれなさ」を抱えたまま終盤を迎える。

    著者の作品を読んでいると、せつなさが込み上げてくる。独自の視点で何処か天邪鬼で、必ずしも読者の期待に応えなくて。

    若い頃の著者は、いつも答えのないものと格闘していた。
    それがもしかしたら「青春」なのかもしれない。

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    2013年03月05日
  • オリンピア ナチスの森で

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    1936年に行われたベルリンオリンピックの映画と日本人選手の活躍を描いたノンフィクション。
    オリンピック映画を撮影したレニ・リーフェンシュタールへのインタビューと映画を基に、日本人の活躍と当時のオリンピック熱を描く。
    オリンピックになると、日本中が大騒ぎになっていたのは今も昔も同じだったようです。日の丸を背負って、ベルリン大会に出場した選手には大きな期待が掛けられ、栄光を掴み取った選手もいれば、力及ばず敗退した選手もいました。勝った選手、負けた選手それぞれの生い立ちから、出場までの経緯、競技の内容、オリンピックのエピソードやその後の人生など、緻密に取材されていて大変面白かった。
    レニ・リーフェンシュタールへのインタビューでは、映画を撮影する至った経緯や、撮影中の様子、ヒトラーとの関係、映画がもたらした影響など、これまで語られて来なかった内容が含まれている。
    オリンピックのドキュメンタリー映画も、実は創作(再現)部分があり、当事者に演技してもらった映像が含まれていたというのは意外だった。確かに撮影機材が進歩していなかった当時は、気象条件や日没などの不確定要素が影響し、少ない機材で一回限りの競技を確実に撮影するのは難しかったのだろう。当時の映画関係者の苦労も理解できる。
    また、当時の日本でのラジオ放送は、時差の関係で生中継できず、録音技術も無かったことから、100m走の中継はアナウンサーが見たことを、さも生で見ているかのように実況する放送だったらしい。たかだか10秒で終わる競技が、架空の実況だと30秒も掛かってしまうようなおかしな放送になったというエピソードは面白かった。陸上に限らず、水泳などでも同じような事が起きていたらしい。著者によるこのオリンピック映画の謎解きがテーマのひとつだが、それよりもベルリンオリンピックに関わった人達の、さまざまな人生ストーリーや失敗談のほうが面白かった。

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    2012年11月23日
  • 危機の宰相

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    日本近代史に詳しくないので知らないことだらけでした。
    高度経済成長の始まりにいた池田内閣の話。
    人として政治家として応援したくなる人物たちですが、今もこういうマジメな政治家がいるんだろうか。

    経済学や経済学者がどんな働きをしているかも、少しわかってきた。

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    2012年10月23日
  • テロルの決算

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    1960年10月12日。東京の日比谷公会堂では自民党・社会党・民社党の
    3党首による立会演説会が行われていた。

    民社党委員長の西尾末広の演説が終わり、社会党委員長の浅沼稲次郎
    が壇上に立つ。

    会場の右翼からは凄まじい怒号とヤジが飛ぶ。警戒する警備陣の
    隙をつくように、ひとりの少年が壇上に駆け上がった。その手には
    鈍く光る刃物が握られていた。

    演説中の浅沼委員長に体当たりするように、手にした刃物で刺殺した
    犯人は山口二矢。当時17歳。

    60年代安保の国会突入の際に亡くなった樺美智子が学生運動の象徴に
    祭り上げられたように、二矢はこの暗殺事件を起こしたことで右翼の
    なかで英雄として祀られることになる。

    本書はテロの対象とされた浅沼稲次郎と、テロリストとなった山口二矢
    のふたりの生い立ちから事件に至るまでを綿密に描いている。

    「万年書記長」と呼ばれた政治家と右翼少年。立場も思想もまったく
    異なるふたりだが、根底には愚直なまでの信念があったのではないか。

    何故、殺されなければならなかったのか。何故、殺さなければならな
    かったのか。61歳と17歳の人生は、「死」によって交錯した。

    テロは憎むべきものである。しかし、本書で描かれている二矢には
    少年期特有の青臭さはあるもの、憎しみが湧かない。それは彼が彼
    なりに、この国を思った真っすぐさが感じられるからだろう。

    そして、一方の浅沼稲次郎には救われなさを感じる。私を滅し、庶民の
    為、党の為に尽くした政治家。与党からも、右翼からも個人としては
    「善人」と評価された人は、その死によって惜しまれるどころか党内
    からは死んでくれてよかったとまで思われる。

    弾圧の時代の浅沼の軌跡は壮絶である。加えて2度にわたる発狂を経て、
    やっと手にした委員長の座にありながら凶刃に倒れなくてはならなかった
    とは。これが「運命」と言うならば、浅沼の運命は哀し過ぎる。

    どちらがいいとか悪いとか、著者は一切の判断を下していない。
    ふたりの人生を積み重ね、事件の背景を描き出したノンフィクションの
    名作である。

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    2017年08月17日
  • 危機の宰相

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    高度経済成長とは何だったのか・・・
    所得倍増とは何だったのか・・・

    この閉塞感漂ういま、日本が輝いていたと思われる時代が、
    いったいどういったものなのかを知りたかった。

    それにあたり、本書を読んでみたのだが、
    やはり、60年代というのは、輝いていたのだと思った。

    もちろん、テーマは政治であるが、
    いかんせん、下村治の異色ぶりに感嘆させられる。
    キーワードは大蔵省だ。関係している人たちの出自が大蔵省。

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    2012年04月29日
  • 危機の宰相

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    ネタバレ

     “GOOD・LOSER”(良き敗者)だった三人の男たちが、キャッチコピー「所得倍増」のもと、日本の経済成長(ゴールデン・シクスティーズ)を演出する。
     半世紀後の現代、日本経済はピークアウトして久しく、むしろ六重苦に悩む。この困難な時代にこそ、悲観と楽観、夢と現実等、対極のバランス感覚が必要でなかろうか。
     「世界の静かな中心であれ」。筆者が語るよう、三島由紀夫の一文が身に染みる。

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    2012年01月11日
  • 世界は「使われなかった人生」であふれてる

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    私は大勢で集まって大騒ぎをするのも決して嫌いではないが
    一人きりでいるのも大好きだ。
    が、
    大勢でいると、しんどく感じる時もあるし、一人でいると寂しいな…と感じる時もある。
    一体どうなんだろう?
    この我儘な自分の心を満足させてくれそうな記事がここにあった。

     >一人でいることは必ずしも寂しい事だけでは無く
    楽しみや喜びにも繋がるものだ。
    『単独』は『孤独』と同じ事では無い。
    しかし
    「ひとりきり」でいる事が「楽しみ」を生み出す為には
    その状態を側面から補ってくれるものが必要となる。
    それは、
    離れて住んでいるとしても、どこかで繋がっている家族の存在であり、
    会おうと思えば、いつでも会える友人の存在であり
    いざと言う時、助けてもらえる隣人の存在であろう。
    このうちのひとつかふたつの存在さえあれば、
    「ひとりきり」が「楽しみ」につながる可能性は充分にあるのだ。

    本書は映画評であるが
    いい映画を観た後はしばらく席を立ちたくない。
    あの余韻に浸っている時に心の底のほうから湧いてくる言葉のように心地よく読みやすい本だった。

    いつかGETしなくては。

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    2011年12月23日
  • 一瞬の夏(上)

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    沢木氏の著書では「深夜特急」よりもこちらの方が、私の中では思い入れが強い。
    未読の方は「敗れざる者たち」を先に手にされた方が、カシアス内藤氏の物語を時系列で読むことができるでしょう。

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    2011年11月27日
  • 一瞬の夏(下)

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    血沸き肉躍る話。

    これを読んだのは大学生のころだったと思う。
    いま改めて読み直して、自分が当時のカシアス内藤と沢木耕太郎の年齢にあることを知った。
    なんとなく沢木耕太郎が読み直したくて手にしたのだけれど、そのことに気づくと、呼ばれたような気がした。

    自分が何者にもなれていなくって、何かをしなければという焦燥感に駆られる。そいうのって、この年代にはつきものなのかなとも思う。
    そして、そのタイミングで、夏が訪れた、夏を作り出せた彼らは幸せなのだと思える。

    ひとつの目標に向かってみんながまとまっていく姿、現実の生活というものを目の前にして、亀裂が生じ、誰もがそのことに気付きながら、翻弄され崩壊していく様、そのすべてがノンフィクションで、だからこそ美しい物語だった。

    当事者だからこその葛藤と、傍観者だからこその諦念。
    沢木さんの傍観者としての線引きは、ある面で正しく、だからこそもどかしい。

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    2011年07月18日
  • 若き実力者たち

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    沢木耕太郎25歳のときに発表された初の著書。当初の売れ行きは絶望的なものだったらしいと後に沢木自身が語っていますが、内容は絶品。河野洋平、畑正憲、中原誠、山田洋次、堀江謙一、小沢征爾といった分野の違う12人の「若き実力者」を取り上げたルポルタージュ。

    1人につき1ヵ月の猶予しかない中での取材・執筆によって生まれたこの作品を読むにつけ、沢木耕太郎=「若き実力者」のひとりだよと感じさせられます。

    巨匠の復活 尾崎将司
    廃墟の錬夢術師 唐十郎
    疾走する野牛 河野洋平
    過ぎ去った日々ではなく 秋田明大
    華麗なる独歩行 安達瞳子
    面白がる聖心 畑正憲
    神童 天才 凡人 中原誠
    錨のない船 黒田征太郎
    望郷 純情 奮闘 山田洋次
    人魚は死んだ 堀江謙一
    十二人目の助六 市川海老蔵
    沈黙と焔の祭司 小沢征爾

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    2011年07月13日
  • 一瞬の夏(下)

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    初めて読んだノンフィクション。そして何度も読んだ。ここまで他人に関わりのめり込める作者がうらやましい。そりゃ旅にも出たくなるさ。

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    2010年11月04日
  • 一瞬の夏(上)

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    初めて読んだノンフィクション。そして何度も読んだ。ここまで他人に関わりのめり込める作者がうらやましい。そりゃ旅にも出たくなるさ。

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    2010年11月04日
  • オリンピア ナチスの森で

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    1936年のベルリン・オリンピックの全貌を、関わった人々(レニ・リーフェンシュタールや日本人参加選手等)への膨大なインタビューをもとに長編ノンフィクションとして編み上げた作品。

    勝者に限らず敗者にも(というか、むしろ敗者に)焦点をあてているところが沢木耕太郎的。臨場感と同時にそれぞれの参加選手の熱い想いが伝わってきて、泣けます。

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    2009年10月04日