沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 危機の宰相

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    ネタバレ

     “GOOD・LOSER”(良き敗者)だった三人の男たちが、キャッチコピー「所得倍増」のもと、日本の経済成長(ゴールデン・シクスティーズ)を演出する。
     半世紀後の現代、日本経済はピークアウトして久しく、むしろ六重苦に悩む。この困難な時代にこそ、悲観と楽観、夢と現実等、対極のバランス感覚が必要でなかろうか。
     「世界の静かな中心であれ」。筆者が語るよう、三島由紀夫の一文が身に染みる。

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    2012年01月11日
  • 世界は「使われなかった人生」であふれてる

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    私は大勢で集まって大騒ぎをするのも決して嫌いではないが
    一人きりでいるのも大好きだ。
    が、
    大勢でいると、しんどく感じる時もあるし、一人でいると寂しいな…と感じる時もある。
    一体どうなんだろう?
    この我儘な自分の心を満足させてくれそうな記事がここにあった。

     >一人でいることは必ずしも寂しい事だけでは無く
    楽しみや喜びにも繋がるものだ。
    『単独』は『孤独』と同じ事では無い。
    しかし
    「ひとりきり」でいる事が「楽しみ」を生み出す為には
    その状態を側面から補ってくれるものが必要となる。
    それは、
    離れて住んでいるとしても、どこかで繋がっている家族の存在であり、
    会おうと思えば、いつでも会える友

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    2011年12月23日
  • 一瞬の夏(上)

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    沢木氏の著書では「深夜特急」よりもこちらの方が、私の中では思い入れが強い。
    未読の方は「敗れざる者たち」を先に手にされた方が、カシアス内藤氏の物語を時系列で読むことができるでしょう。

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    2011年11月27日
  • 一瞬の夏(下)

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    血沸き肉躍る話。

    これを読んだのは大学生のころだったと思う。
    いま改めて読み直して、自分が当時のカシアス内藤と沢木耕太郎の年齢にあることを知った。
    なんとなく沢木耕太郎が読み直したくて手にしたのだけれど、そのことに気づくと、呼ばれたような気がした。

    自分が何者にもなれていなくって、何かをしなければという焦燥感に駆られる。そいうのって、この年代にはつきものなのかなとも思う。
    そして、そのタイミングで、夏が訪れた、夏を作り出せた彼らは幸せなのだと思える。

    ひとつの目標に向かってみんながまとまっていく姿、現実の生活というものを目の前にして、亀裂が生じ、誰もがそのことに気付きながら、翻弄され崩壊

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    2011年07月18日
  • 若き実力者たち

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    沢木耕太郎25歳のときに発表された初の著書。当初の売れ行きは絶望的なものだったらしいと後に沢木自身が語っていますが、内容は絶品。河野洋平、畑正憲、中原誠、山田洋次、堀江謙一、小沢征爾といった分野の違う12人の「若き実力者」を取り上げたルポルタージュ。

    1人につき1ヵ月の猶予しかない中での取材・執筆によって生まれたこの作品を読むにつけ、沢木耕太郎=「若き実力者」のひとりだよと感じさせられます。

    巨匠の復活 尾崎将司
    廃墟の錬夢術師 唐十郎
    疾走する野牛 河野洋平
    過ぎ去った日々ではなく 秋田明大
    華麗なる独歩行 安達瞳子
    面白がる聖心 畑正憲
    神童 天才 凡人 中原誠
    錨のない船 黒田征太郎

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    2011年07月13日
  • 一瞬の夏(下)

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    初めて読んだノンフィクション。そして何度も読んだ。ここまで他人に関わりのめり込める作者がうらやましい。そりゃ旅にも出たくなるさ。

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    2010年11月04日
  • 一瞬の夏(上)

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    初めて読んだノンフィクション。そして何度も読んだ。ここまで他人に関わりのめり込める作者がうらやましい。そりゃ旅にも出たくなるさ。

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    2010年11月04日
  • オリンピア ナチスの森で

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    1936年のベルリン・オリンピックの全貌を、関わった人々(レニ・リーフェンシュタールや日本人参加選手等)への膨大なインタビューをもとに長編ノンフィクションとして編み上げた作品。

    勝者に限らず敗者にも(というか、むしろ敗者に)焦点をあてているところが沢木耕太郎的。臨場感と同時にそれぞれの参加選手の熱い想いが伝わってきて、泣けます。

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    2009年10月04日
  • オリンピア ナチスの森で

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    ベルリンオリンピックのドキュメンタリー

    戦後ナチに協力したと糾弾されたレニ・リーフェンシュタールの
    五輪ドキュメント映画「オリンピア」を軸に描いている。

    だがはっきりとは書かれていないがレニへのインタビューは大失敗だったみたいだ、
    構想ではもっとレニの話を掘り下げる予定だっただろうに最初と最後でちょっと触れているだけ。

    なのでナチスやレニについての新事実のようなものを期待するとガッカリするだろう。


    だが、そのかわりに描かれている五輪に出場した多くの日本人の話はどれも面白い。
    この人一人の話だけで一冊書けるんじゃないかと思えるような話ばかりだ。

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    2009年10月04日
  • オリンピア ナチスの森で

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    “オリンピックイヤー”だからこそ…ある意味で今日の型の原点になっている1936年のベルリンのお話しは新鮮な感じがした!!

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    2009年10月04日
  • 一瞬の夏(下)

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    「やはり、それでも勝たなければならないのだ…。」

    再起を賭ける天才ボクサー・元東洋ミドル級王者カシアス内藤と、彼の夢に関わる人々の力強くも儚い物語。熱いタイトルが秀逸すぎの、沢木耕太郎による私ノンフィクション作品。

    カシアス内藤の内面から発せられる言葉の数々には、正直心打たれます。その分、最終話に向かって徐々に崩壊していくそれぞれの想いと繋がりは、読んでいて辛い。自分の生きかたに躓きかけたとき、再読すべき本のひとつだと僕は思います。

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    2009年10月04日
  • 一瞬の夏(上)

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    「やはり、それでも勝たなければならないのだ…。」

    再起を賭ける天才ボクサー・元東洋ミドル級王者カシアス内藤と、彼の夢に関わる人々の力強くも儚い物語。熱いタイトルが秀逸すぎの、沢木耕太郎による私ノンフィクション作品。

    カシアス内藤の内面から発せられる言葉の数々には、正直心打たれます。その分、最終話に向かって徐々に崩壊していくそれぞれの想いと繋がりは、読んでいて辛い。自分の生きかたに躓きかけたとき、再読すべき本のひとつだと僕は思います。

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    2009年10月04日
  • 一瞬の夏(下)

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    ボクサー「カシアス内藤」こと内藤純一と、そのトレーナー、そして彼らに夢を見る作家とカメラマン。彼らの夢である世界王者はすぐ目の前にあるが、運命と偶然が絡み合う。

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    2009年10月04日
  • 一瞬の夏(上)

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    ボクサー「カシアス内藤」こと内藤純一と、そのトレーナー、そして彼らに夢を見る作家とカメラマン。彼らの夢である世界王者は手に入れられるのか。秀逸な作品。

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    2009年10月04日
  • 一瞬の夏(上)

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    スポーツノンフィクションの中でも傑作中の傑作と思われる。なによりもココまで取材対象の懐にはいれる沢木さんがすばらしいです。
    主人公であるかカシアス内藤氏の写真集が発売になりました。

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    2009年10月07日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    旅文学の新たな旅、という言うべきか。

    偉大なる冒険家"西川一三"との出会い、
    そして西川がどのようにチベット、ラサに至るのか。

    その道中をこれまでかと表現し尽くし、
    西川自身の想いやそれぞれの地で出会う蒙古人、あるいはタングート人、チベット人など、それぞれが持つアイデンティティや文化にも触れていく。

    それはまさに我々自身が旅に出ているかのような、
    そんな高揚感を与えてくれる冒険そのもので、
    ラサに至るまでの道を文字通り同行させてもらった、
    そんな思いを綴らざるを得ない。

    西川の度胸やここぞの運、また旅を俯瞰することでわかる偶然の産物などは我々が旅をする際にも起きてい

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    2025年12月20日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    旅に出る理由なんて、逃げでいいのだ。
    その先も別に知らなくていい。
    深夜特急を読むと、旅の不安が軽くなる。

    大層なお金がなくても、旅先の人たちとのやり取りが楽しそうだな。当時とはかかるコストも違うけど。

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    2025年12月17日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    「第二次大戦末期、ひとりの日本の若者が、敵国である中国の、その大陸の奥深くまで潜入した。彼はラマ教の巡礼僧に扮した密偵だった。しかし、彼は日本が敗れたあともなおラマ僧に扮し続け、実に足掛け八年に及ぶ旅を続けることになった。彼、西川一三の旅も長かったが、その彼を描こうとする私の旅も長かった。・・・発端から終結まで二十五年かかったことになる。・・・本格的に執筆に取り掛かったこの七年余りにおいても、飽きるということがなかった。ここにこんな人がいたという驚きから出発して、その人はこのような人だったのかというもうひとつの驚きを生んでくれることになった。」 と沢木があとがきで書く。

    「この戦争で、日本軍

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    2025年12月15日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    コロナ禍、どこにも行けないけど脳内だけでも旅したい!と年末年始に不眠不休で没頭して全巻読んでしまった。

    香港・マカオから東南アジアの旅路の描写は、バックパッカーが感じる『この国あうわー/いやなんかあわないな』を筆者が文字化してくれてるよう。沢木さんのポイントはここかぁ、自分はここをもっと掘り下げたいなぁ、と自分が旅してるような感覚で読めた。

    さすがバックパッカーのバイブル!

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    2025年12月04日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    私はこの巻が1番好きだった。インドや香港の目まぐるしいイベントたちも読んでいて楽しかったけど、私は人が何を考えているのかを知るのが楽しいから、これらのイベントを経て作者が今考えていることを知ることができて楽しかった。

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    2025年11月30日