沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    ついにインド。強烈だった!
    どのくらい強烈かわかるエピソードを一つ選ぶとするならば、街に巣食うドブネズミにピーナッツを投げて暴れさせ、それを鑑賞させることがちゃっかりビジネスになっているところ。
    たとえば日本でも鯉にあげるための餌を売っている公園とかはあるけども、相手は野生のドブネズミだし、そのドブネズミを見世物にしようという発想が、びっくり。
    そしてそれを楽しむ人たちがいることにも、びっくり。

    他にも、印象深かったことを箇条書きで。
    ・胸が痛くなる子供たちの生活(売春、病気、物乞い等)
    ・電車の特等席は荷物置き
    ・ブッダガヤとアシュラムでの生活。ここで出会った日本人たちもまあパワフル。後書

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    2025年01月27日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    ネタバレ

    有名な観光地や観光スポットを巡るわけではなく、自分の直感や旅で出会った人から情報をもとに訪れる地を決めていく。当然失敗することもあるし、思いがけない経験をすることもある。

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    旅の目的が単に「行く」ことだけになってしまっているのではないかということです。大事なのは、「行く」過程で、何を「感じ」られたかということであるはずだからです。目的地に着くことよりも、そこに吹いている風を、流れている水を、降り注いでいる光を、そして行き交う人をどのように感受できたかということの方がはるかに重要なのです。
    6巻 p275より
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    2025年01月27日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    今回も面白かった。2巻はいろんな出会いがあった。仲良くなったと思っていたバンコクの女子学生や、日本語を勉強中の若者と、後味悪く終わったのが寂しかった一方、ペナンのヒモたちとの会話や、チュムポーン行きの列車で出会った若者たちの親切心など、良い出会いもたくさんあったようだ。香港ほどの熱気を感じられなかった著者だが、たしかに街にはそうかもしれないけど、人々との出会いは熱いものもあったように思えるけど...
    3巻も楽しみ。

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    2025年01月19日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    大陸横断なんて好奇心をこんなにも刺激される機会はそうないように思うが、渦中にいると好奇心が摩耗されて命さえ粗末に思えるようになるものなのかと意外だったが、読み進めていると意味が分かるような気もする。この本が単に旅先のレポートではなくて、旅を通してうつろい変化していく筆者の内情を辿ることができるのが面白いのかなと思った。

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    2025年01月07日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    また面白くなってきた!
    中東を日本人がこんなにふらっと横断できた時代があったのかとか(知らないだけで実は今もできるのかもしれないが)、タリバンの名前も出てこないアフガニスタンではこんな穏やかな時間もあったのかとか、中東の現代史を知りたいなと思わされた。

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    2024年12月28日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    ネタバレ

    マレー半島を寝台列車で縦断することになり、同じような旅行をしている人のブログとかを読み漁っていた。そこでたまたま知ったこの本を、寝台列車の中で読んだ。知らなかったのだが、実はかなり有名な紀行文のようで、バックパッカーブームの生みの親らしい。読んでみると確かに同じような旅をしたいと読者に思わせるような旅行記だった。

    一巻で訪ねた香港やマカオと比べると、バンコクもクアラルンプールもシンガポールも、作者にとってはどうもイマイチだったらしい。自分と同じような旅程がテーマということで手に取った本であるが、行く先々のほとんどの街が物足りないと言われていたのには、正直笑ってしまった。でも、作中の作者は僕と

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    2024年12月29日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    先に4と5を読んでしまっていてけっきょく順番がめちゃくちゃになってしまったけれどじゅうぶん楽しい。インドは多くの旅人が言うように、やっぱり一味違う場所なんだろうなあ。

    自分では絶対に真似できない旅をこうして読めるなんてありがたいことだと思う。

    こうした体験をすると人はどう変化するものなんだろう。気になる。でもやっぱり怖くて自分で行こうとは思えない。

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    2024年11月26日
  • 一瞬の夏(下)

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    いろんなことを思う作品だったな。
    人を導いたり教えたり託したりする事のもどかしさ。
    カシアス内藤さんには弱点があったのかもだけど、それもなんとなくわかる気がするものだったな。

    ボクシングに魅せられ翻弄された人たちのお話。

    やるならしっかり悔いない様に。

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    2024年11月26日
  • 春に散る(下)

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    物語を通して、人との繋がりや、相手への思いやりが丁寧に描かれていました。老人たちが集団で生活する、いわゆるネガティブな生活感のようなものはなく、素敵な年の取り方をしている大人の集まりに憧れを感じます。
    料理のシーンが個人的には特に好きで、定番のメニューを丁寧に作る描写からは、生活に丁寧に向き合っている大人の余裕が感じられます。
    著者はきっと執筆が楽しかったのだろうな、と勝手に感じています。きっと主人公のように丁寧な生活を楽しみ、その時その時を一所懸命に生きてこられた方なのだろうなと想像を膨らませています。

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    2024年10月20日
  • 春に散る(上)

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    登場人物の台詞や細やかな気遣いから、人間への愛が感じられます。裏切りや妬みなど人の嫌な部分はなく、安心して心地よく読書を楽しめる、そんな小説だと感じました。
    不動産屋や小料理屋など、ふとした他人とのふれあいのシーンがとても素敵で、踏み込みすぎず、でも互いに良い印象を持つコミュニケーションが自分なんかにはまだまだ真似のできない大人を感じさせる振る舞いです。
    年を重ねることに不安を感じることが多い中、この小説からは希望を感じます。おじさんの夢が詰まっているとも言えます。
    上巻の後半からは登場人物も増え、テンポも上がってきており、下巻を読むのがとても楽しみです。

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    2024年10月16日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    マカオ編を読んでから気づいたら5年とか経ってしまっていた、、びっくり

    自分が数ヶ月前に初めての一人旅をしたからか、旅行先で人の優しさに触れて温かい気持ちになったり、逆にぞんざいに扱われて寂しい気持ちになったり、そういうひとつひとつの心の動きがリアルに感じられてとてもよかった。
    一人旅は考え事をする時間が多いから、というかずっとぼんやり考え事をしてるみたいな状態で知らないものをたくさん目にするから、突然自分の埋もれていた感情や思考に気付ける瞬間があることが好きなんだよな〜と改めて思った。
    そういう描写、共感しすぎてにやにやしてしまった。
    まさに旅の追体験ができる、その素晴らしさを一冊めを読んだ

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    2024年09月11日
  • テロルの決算

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    沢木耕太郎の二矢という少年への強い思いが伝わってくる。普通の17才の「素直さ」「狂気」「儚さ」が見事に伝わってくる作品となっている。近年では安倍晋三の銃撃事件があったが、あの事件で、頭をよぎったのは、この「テロルの決算」だった。

    まだ、読み終えていなかったこの小説のあとがきは、二矢が「生きていたら」という、言葉が胸を打つ。二矢を引き立てるために、他の人物を事細かく書くことで、二矢に寄り添いそして二矢を追ってきた沢木耕太郎にとってさらに思い入れの強い人物となっていたのだろう。

    私にとっては、とてもいい作品であった。

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    2024年09月05日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    面白いよなあ、やっぱり。
    自分の知らない外国の世界を見せてくれるのと、独特の(ちょっと気どった)詩的な叙述が最高。
    旅の流れが途切れない程度に感想や内省など旅と関係ない話が出てくるのも良い!飽きさせない工夫なのかな

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    2024年08月27日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    マカオからタイをへてシンガポールへ
    タイにもシンガポールにももう一つのめり込むところがないような感じ
    沢木さんはどこに1番魅力を感じるのか?
    旅行する前の経緯も書いてあった。

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    2024年08月23日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    インドはなかなか刺激的な国なんだなあ。
    タイやシンガポールのときよりも沢木さんのテンション高いのが伝わった。

    俺にはインドはきついかなあ。

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    2024年08月06日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    ロンドンまでの旅の最終話。
    旅が終わりに近づくにつれて、読者も「from youth to death」を感じる。
    スマホがある現代では、全く同じような旅を実現することはおそらく困難であるが、人生で一度は味わってみたい魅力的な旅であった。

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    2024年06月28日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    旅で自らの自意識やエゴイズムを脱却できた人は、すでにこの世にいない。現実を生きながらえている人は、必ず何かのエゴイズムを抱えて生きている。それを「我到着せず」

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    2024年06月21日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    山本周五郎の描く女性は、解説の沢木さーと同様感銘する
    沢木選「名品館」は全部で四巻
    残すところ三巻
    楽しみだ

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    2024年06月04日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    長い旅を通して著者の旅論を随所に見ることができる。
    終わりが決まっていない旅を人生と重ね合わせることで20代の心の揺れ動きに共感が持てる。
    ヨーロッパに入り、アジアほどの刺激は無くなってきているが、それも著者自身の感じ方が変わってきたことも影響している。

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    2024年06月02日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    深夜特急2
    マレー半島・シンガポール編。
    ニューヨークからシンガポールへ渡ってきて、移住することになってみて、やはり読みたい、という衝動に駆られたのがこの本。シンガポールの記憶は、Zoukというクラブ、暑くて、訳わからず歩いた道、カジノでは短パンで入るのを断られ、小さなマーライオンを見ながらため息をついていた。20年以上前だろうか、でも、暑くて、熱気のあるこの国で戦っていくために、自分の原点の一つを読み直した。
    本作は、東京から香港からマレー半島に渡った後の沢木耕太郎のシンガポールまでの旅である。バンコックからペナン、そしてマレーシアの田舎町を経由して、KLへ。そしてそこからシンガポールへ渡る

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    2024年06月01日