沢木耕太郎のレビュー一覧
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ネタバレやはりインドはインドだった。
香港のそれとは違う、インドも唯一無二の存在を放つ国なんだろう。
コルカタでの洗礼が凄まじかった。
ブッダガヤのエピソードひとつひとつが大好きで何度も繰り返した。
ヘアピンをくれた幼女のことが心に深く残る。
此経さんの本もいつか探して読みたい。
カトマンズ編はなぜ手紙のように書かれているのだろう。
急に「北の国から」みたいになって不思議だった。
インドの旅の合間の、雨の降り続くカトマンズだから書き方を変えてみたのだろうか。
テニスプレイヤーの彼とは結局会えず仕舞いだったのかな。
陰鬱な感じが逆に印象に残った。
ガンジス川に遺体が流れていることは知っていたけど、そのまま流される人と焼かれる人があるのは知らなかった。
川を流れるそれを鳥が突くのも自然に還るという意味では理解できるのだけど、やはりカルチャーショックを受ける。
生も死もすべてを受け入れるガンジス川はやはり聖なる川なんだと改めて感じた。
インドはレベルが高すぎてとても行ける気がしないけど、もっとインドのことを知りたいと思った。
3巻まで読んで、まだ本来のスタート地点デリーなんだけど、この先があっさりしそうな予感しかない。 -
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面白かった!
後半は木村の存在感が増していき、西川の孤高の旅人な姿と木村の嫌な奴で終わらない味のある人間味で対比され、いい味だしてると思った。ノンフィクションだけどね
当時、ましてや徒歩での旅がメインだと、実際は人に語る事も起こらない退屈な「移動時間」が大半だったと思う。だけどそこに旅の真骨頂があって、西川の価値観を、西川という旅人を生み出したんじゃないかなあ
公共交通機関が発達してお金で時間を買えるようになると、つい効率を求めて旅先でも遠すぎる場所は控えたり、移動時間=無駄の感覚が当たり前になってたけど、そうじゃないんだよね
〇〇に辿り着くことが目的じゃなくて、そこまでの過程で得た体験やみた景色、考えたこと含めて全部が目的になるんだよね
きっと人生における旅もそうなんだろーな
前半では西川の大志や至誠が印象的だったけど、後半あまり感情が出なくなるのも、(ダレないためもあるだろうけど)色んな物が削ぎ落とされ、どんどんシンプルになっていった結果じゃないかしら。空の概念といいますか、、、
面白かったなーでもきっと、この人が何万人に一人の経験をしたから面白い人生だったんじゃなくて、一人一人がこれと同等の価値を持つ面白い人生を歩んでるんだと思ったの
だって奥さんも娘さんも気になるし、道中共に旅をした人も亡くなった人の人生も気になるもん
今はただただ後世に残してくれてありがとうと感謝の気持ち
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Posted by ブクログ
この本の存在は昔から知ってはいたけど、そのタイトルから列車旅だと思っていた。
まさかのバス旅とは。
いやー素晴らしい!
あの頃の香港を文章でこんなにも感じられるなんて。
音も匂いも味も風も五感で体験している気になった。
その土地で生きている人の息づかいが聞こえてくるようで没頭してしまった。
胡弓を引く盲目の老人がとても印象的だった。
光と陰のコントラストが香港を物語っている。
マカオ編はほぼギャンブルかよと思ったけど、カジノの中の出来事と言うより、主人公の心理描写と考察が凄まじく息を飲む緊張感だった。
私なら最初に決めた金額を擦ったら止めてしまうし、負けた分を取り戻そうとして更に負けたらそういうもんだと止めてしまうのでこんな経験は絶対に出来ないので、擬似体験できてよかったけど、ギャンブルの魔力は恐ろしいとも思った。
そしてまさかこのマカオ編でこの旅の本質を問うことになるとは思いもしなかった。すごい。
若い頃はヨーロッパにしか興味が無かったので、もっと早くに読んでいたら人生変わっていたかもしれない。
続きも楽しみ。 -
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「貧乏人は麦を食え」、私が子供の頃池田勇人という総理大臣がこんな発言をしたという事で色々な批判を浴びたことを覚えています。
彼の看板となった「所得倍増」のスローガンもこの時代のいわば流行語。
巷の人々もこの言葉を口にしない、耳にしない日は無かったはず。
わけもわからずこの二つの言葉を口にさえしていた小学生の私は、今本書を読んでタイトル通りの危機の時代、山口二矢のテロや大きな鉄道事故、三井三池炭鉱のガス爆発事故、そして安保、ケネディ大統領暗殺、さらにはドルショック、オイルショックという動乱のあの時代に池田勇人という人がいなかったら日本は経済だけでなく世界での立場が2流以下になってしまったのではないかと思えるほど新鮮な知識が入ってきた。
時代というのはその時に必要な人物を炙り出すのかもしれない。 -
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ローマで知人のツテで訪ねた未亡人から、旦那の形見であるコートを貰うシーンが印象的でした。
未亡人にとってコートは旦那への想いが詰まった大切なものであろうに、たかだか数日もてなしをしただけの旅の若者に託してしまう。
それは筆者が自分の胸の内を正直に話したことで、心の距離が近づいたからかなと思いました。
筆者はアンカラで未亡人の旦那の愛人を訪ねていた。アンカラでのことをわざわざ正妻に話すこともないと躊躇していたが、お世話になっている相手に隠し事をすることに耐えかねて結局は話してしまう。ただ、未亡人は心の整理がついているようで、反応があっさりしていた。
むしろ女癖の悪いエピソードが旦那を深く思い出すきっかけになり、嬉しさも感じていたのではないでしょうか。そして胸の内を明かした筆者はただの共通の知人がいる客人から、大切な身内へと変わり、厳しい冬へと向かうこれからの旅路を案じて、大切なものを託したのではないかと思いました。
この未亡人とのやりとりをローマの休日に重ねて表現していて、とても美しいと感じました。筆者にとってもこのローマ滞在は一生美しい記憶として残るのでしょう。
深夜特急では全編共通して、旅を通して出会う人との触れ合いに厚みをもたせていることが魅力的です。自分も現地人との触れ合いが記憶に残る旅をしたいと感じさせてくれました。
追記:
あとがき代わりの井上陽水氏との対談「森の少女とカジノの男」も本編に負けず面白いです。2人はタイプの違う旅人で、されど共通点もあって、端から見れば酔狂な夢を大真面目に追求している、だからこそ日々の中にドラマを見出せるのだというメッセージ性がありました。 -
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今更、本当に今更だけど読み終わった。
そして、もっと早く、出来るなら学生時代に読みたかったと後悔。
作者のロンドンまでの旅行記の始め、香港・マカオ編。ありきたりの場所をまわるのではなく、赴くまま、流されるままにその日の宿を求め、地元民との会話で行く先を決め、決してゴールへは急がない。カジノの熱に侵され散財した場面とか、自分の過去がフラッシュバックし共感(するべきではないのだけど)したり、ページをめくる手が止まらなかった。
この本には、外国に行くなら26歳ごろとあったが、今からじゃ遅いかな?とか思う50代、、、
最近活字離れしかけてたところだったので、また本の熱が再燃してくれれば、と思わせる一冊でした。続きも読みたいが、まだ積読が、、、 -
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沢木耕太郎『旅のつばくろ、ふたたび』新潮文庫。
既に4月刊行の新刊文庫にも手を出しているのだが、ようやく3月に刊行された新刊文庫の最後の1冊が読み終わる。それにしても、今どき550円の文庫本というのは、かなり安く感じてしまう。
今や文庫本は1冊900円から1,000円とかなりの贅沢品になってしまった。海外翻訳作品の文庫本などは無理矢理、上下巻に分冊され、平気で1,700円とか2,000円とか驚くばかりだ。
『旅のつばくろ』の続編の沢木耕太郎による国内旅エッセイである。文庫版あとがき『敵か、味方か』が新たに収録されている。
沢木耕太郎の文章には自身の経験を正確に伝えようとする慎重さが窺える。ノンフィクションという分野は、嘘をついたり、間違った情報を伝えた瞬間にフィクションになってしまうのだから、その慎重さは大切だと思う。
沢木耕太郎が紹介する最初の旅は福島県であった。新幹線で郡山まで移動し、磐越西線で猪苗代まで移動し、バスで裏磐梯の五色沼などを巡る旅である。自分も裏磐梯には何度かドライブに行っているが、その度にツキノワグマを目撃している。
沢木耕太郎はさらに会津若松や須賀川にも足を伸ばし、円谷幸吉について語る。大学時代に沢木耕太郎の『敗れざる者たち』を読み、円谷幸吉という五輪のマラソン選手の存在を知った。その後、高倉健主演の映画『駅』で円谷幸吉の遺書がナレーターにより語られたのを覚えているが、非常に印象深かった。円谷幸吉は五輪で銅メダルを獲得し、次の五輪も期待されていたのだが、知人や親族への感謝を綴った遺書を遺し、自殺してしまったのだ。当時の五輪選手はお国のためという意識が強かったのだろう。
夜行列車の旅についてのエッセイでは車窓の風景を楽しめなかったと昼間の列車旅にしなかったことを後悔している。自分が初めて夜行列車に乗ったのは高校3年生の2月に大学受験で盛岡から上京した時だ。確か夜の10時頃に盛岡駅を出発したのではなかろうか。学生服にハーフコートを着て、デイパックを背負い、4人がけの椅子に座っていると途中から乗車した若い美女が自分の向かい側の椅子に座って来た。さらに暫く進むと途中の駅でスキンヘッドにサングラスでさらには毛皮のコートを着た明らかにその筋の男が乗車し、こちらに来るなと思ったが、願いは虚しく、若い美女の隣りに座ってしまった。自分は眠ろうと努力したが、美女とスキンヘッドが気になり、なかなか眠れなかったが、途中でスキンヘッドは何処かに行ったので、安堵した記憶がある。
沢木耕太郎が盛岡に取材に通う話もあったが、『天路の旅人』というノンフィクションの取材であろう。『天路の旅人』は第二次世界大戦末期に敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した日本人である西川一三の8年間の軌跡に迫るノンフィクションで、沢木耕太郎は盛岡に住む西川一三にインタビューを行ったのだ。
本体価格550円
★★★★★