沢木耕太郎のレビュー一覧
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日本から遠く離れたチベットで日本の敗戦を知った西川一三。
その真偽を確認すべくカルカッタへ。
途中、カリンポンでかつての同僚・木村と出会い、木村と共に、東チベットの中国側の状況を探索することに。
西川は密偵としてではなく、自分の知らない世界を知るために、旅を続ける決心をするが…
その旅は突然終わりを迎える…
長かった…
過酷な旅だった。
ただ何か淡々と。
本当に周りの人々に助けられた旅だった。
西川の周りには本当にいい人ばかりだった。
西川の誠実さがそうさせたのだろう。
帰国後も生きるために黙々と淡々と仕事を、元旦を除く、364日こなしていく。
まるでラマ僧の修行のように。
強制送 -
Posted by ブクログ
ボクシング+人生の生き様の物語。
ベタベタのストーリかと思いきや、静かなそして心に残るストーリ展開でした。
でもやっぱり最後は目頭熱くなりました。
下巻です。
いよいよ才能あふれる青年ボクサーの翔吾と出会います。
翔吾もボクシングをやめようとしていた矢先、広岡と知り合い、再びボクシングに目覚めます。
そして、4人に教えを乞うように!
4人は翔吾にボクシングを教えるようになります。
翔吾に教えることで、自分たちも救われている感じがします。
ボクシングシーン、目白押し(笑)
そして、翔吾は世界チャンピオンを目指します。
明らかになる佳菜子の過去。
広岡のアメリカでの生活。
広岡の心臓発作は? -
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ボクシング+人生の生き様の物語。
ベタベタのストーリかと思いきや、静かなそして心に残るストーリ展開でした。
でもやっぱり最後は目頭熱くなりました。
上巻では、
ボクシングの世界チャンプを目指し、挫折した広岡。
心臓発作の爆弾を抱えたまま40年ぶりに日本に帰国。
この広岡の今の生活ぶりがこの時点ではよく分かりません。
自分が所属してたジムを訪ねるとともに、当時の仲間3人と会いに行きます。
藤原、佐瀬、星。
それぞれのボクサー人生の後の生活が悲しく、寂しい。
みな、60代ということだと思います。
それぞれが、寂しい人生を送っています。
でも、現実はそうなんでしょうね。
そんな仲間たちに、 -
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【宝暦八年、日本の芸能史においてただ一人、死刑に処せられた人物、その名は馬場文耕。かつての士分を捨て、貧乏長屋に住まい、軍記物を講釈し― その生涯のほとんどが謎に包まれた男を、豪胆な想像力と端正な文章で、誰をも魅了する主人公として鮮やかに描き出す】・・・帯説明より
とあるように江戸中期に実在した講釈師、馬場文耕の話だ。
今も講談はひそかなブームだが、その昔、娯楽の少なかった江戸時代でも多くの人たちを楽しませたようだ。
はじめは古くからある軍記物を語っていた分耕だが、人に頼まれたりやむなき事情で、廓の話や、市井の人々の話をたまにすると、人々の食いつきの違いに気づく。
そして聞き手にとって、身 -
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☆☆☆2025年8月☆☆☆
1945年8月。日本の敗戦。
西川一三はこれで密偵としての任務を失ったことになった。
しかし、西川の未知への情熱。まだ見ぬ土地への好奇心は衰えることがなかった。西川はチベットのさらに向こう、ミャンマーやインドへも足を向ける。ヒマラヤを数度往復するその体力とサバイバル能力は恐るべし。
いくつか、心に残った部分を抜粋する。
P32
しかし、西川の心はむしろ奮い立っていた。托鉢をして、一日に得られるに二椀分のツァンパとお茶だけで命をつない、野宿をしながらインドに向かうというこの新しい旅の在り方が、自分を鍛えてくれるように思えたからだ。
P62
確かに密偵の西川一三