沢木耕太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ沢木さんのテンションがなかなか上がらないマレー半島編。
国によって相性もあるんだろうかと読み進めていくこちらもなかなかテンションが上がらない。
タイってもうちょっと良い国のイメージなのにな。
描かれた当時はそんなもんだったのかな。
ペナン島だけが唯一楽しそうだった。
最初に訪れたのが香港だったから、やっぱり物足りなさを感じるのかな…でもその国にはその国の良さがあるよ…いつまで香港引きずるんだろう…と思っていたけど、シンガポールで気付いてくれてよかった。
いろんな人と出会って、いろんなことに気付いていく26歳の青年の成長を見届けているようでとても楽しい。
ニュージーランドの若者に先輩風を吹かせているのが微笑ましく感じた。
さぁ次はインドだ。
巻末のエッセイに自分の幼い頃のおつかいの風景を思い出してとても心に響いた。 -
Posted by ブクログ
沢木耕太郎氏による、日本国内の旅エッセイ。
JR東日本の新幹線の座席ポケットに入っている「トランヴェール」というフリーペーパーの連載をまとめたもので、行先も東北・甲信などが多め。そして、飛行機にはほぼ乗らない(笑
さすがの筆致で、旅情を感じる1冊です。
個人的には、旅に出ること=非日常の自分を楽しむことでもあり、普段では生まれない新鮮な思考や感覚に出会う機会だと思っています。
本著は、日常に戻ると埋没してしまうそれを呼び起こしてくれて、エピソードを読みながら「〇〇に行った時こんな気持ちになったな」とか、眠っていた"旅脳"が刺激される感覚です。
「点と線と面」の旅を通じて土地の解像度が上がっていく感覚や、文庫版あとがきの失敗に関するくだりもとっても共感でき、また旅に出たい…と思わされました。
また、本著では、旅で出会った風景等を、過去の著者の印象深い思い出に結び付けていくシーンが多く見られます。青森の竜飛崎に行って、過去著者が高倉健さんにインタビューした際に、青函トンネルの映画のロケで長期滞在した際のコメントが出てきた…等。
そこを読んでいて感じたのはこの2つ。
①旅をより楽しむために、自分の日常での思い出の蓄積は重要なのではないか(著者の場合はこの思い出が鮮やかすぎて圧倒されますが…)
②その思い出の先に、自分なりの点線を延ばしていけるか。著者は高倉健さんの途切れた言葉の続きに思いを巡らせていましたが…
最近、一人旅ができていないなぁ。。(いや、出張の往復なんぞは大体一人なのですが…旅を目的とする旅というのは贅沢ですね。。)
最後に、本著を読んだことでやろうと思ったリストをメモとして記載させてください。
・吉村昭『戦艦武蔵』を読む
・太宰治を再?読
・『方丈記』を読む
・北海道新幹線開通前の小樽に泊まる
・軽井沢の雲場池の紅葉を見る
・無計画な一人旅をする -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔手を付けて途中で終わっていた本作。ちょうど半分位の所まで読んでいたらしくて、当時の印象は「なんか汚くて嫌だな」という皮膚感覚だった。そこで手を止めてもう数十年、放置していた気がする。
開いた所はマカオのカジノのシーンだった。何度も負け続けていくのに、著者が興奮して面白さに引けなくなっていることが伝わってくる。見ているこちらはハラハラして、それがギャンブルなんだよ、そんなのにハマったら大変なことになるよ、と思いながらページをめくる。
次の目的地に行く費用にまで手をつけそうになって、さすがにその場を離れる著者。その姿に安心するのものの、著者はそんな安全圏に逃げ出そうとする自分に気付いて恥ずかしくなる。何を怖がっているんだ。仮に負けて香港に行けなくなったからそれがどうだと言うんだ。大口叩いて出てきた分、恥ずかしいかもしれないが、それだけの話だ。日本に帰る旅費も無くなるかもしれない? それが一体何だ。
人が良く言う「ギャンブルは怖い」「しない方がいいよ」という言葉なんて著者だって全部分かっている。それでもこの興奮を、その面白さの本質を味わいきらないで帰れるか。経験しないで逃げ出すことこそが自分にとっての「失敗」だ。
そして著者はホールに戻る。多くの負けを経て、若いディーラーの出目と音の関係に気付いた所で著者は勝ち始める。ポケットが札で膨れ上がり、当初の負けを随分減らした所で著者は切り上げる。
そのまま香港行きの船に乗って香港に戻ると、部屋では若い男女が睦みあっていた。どうやら不在の間に彼らにまた貸しされていたらしい。ベッドのシーツは精液のようなもので汚れていた。けれどとにかく疲れていたので、シーツの上にバスタオルを敷いて、そのまま眠りに落ちた。
このあたりの生々しさが、彼の無駄のない文章から皮膚感覚を持って伝わってくる。若い時はその生々しさ故に気持ちが悪くてハマらなかったけれど、今になってみると彼の文章は本当に読みやすい。飾りのない、自分が本当に体験したことを書いている文章。だからその分、読んでいるこちらは自分が匂いのするほんのり濡れたシーツに横たわることまで感じてしまうのだ。
これは言葉だけの「ディレッタント臭」に比べるとどちらがいいのか。今となっては沢木氏の文章の方がありがたい。生々しく匂いたつような、「命」を感じる。 -
Posted by ブクログ
久しぶりにお気に入りのページの端を折りながら読みました。
沢木耕太郎さんは仕事に真面目な人のようで、そんな人の文章は説得力と面白みがあって私の中にスイスイと入ってきました。
・縁は気に入ったなら大切にしたい。筆者のように大切に思ってくれる人の縁は大切にしたい。
・旅の無計画は大変だと思うから、些細なきっかけを掴んで旅に出るのが好奇心も持てて楽しいだろうな。
・最後の文庫のあとがきがぶっささった。国内における短期の旅でのささやかな失敗は容易に回復できる数少ない機会。失敗したくないという思いでお店選びをネットで調べていくのは失敗をする経験を逃すことでもありもったいない。失敗に慣れておくこともできるし、失敗後にどう気持ちを立て直すかの術を体得できたりもする。他の本でもあった現代人の失敗したくない感覚は今やいろんな人が考えている問題であり、案外簡単な話ではなさそう。 -
Posted by ブクログ
この夏もどこかに旅に行きたいな〜という思いが湧いてくるエッセーだった!
自分は、いつもはガチガチにどの電車にのるとかバスに乗るとか計画していたけど、もう少しラフな、流れに身を任せる旅をしたい。(さすがにホテルは押さえておきたいが。)
電車旅好きだから、兼六園など、行ったことある所も出てきたし、奥入瀬など行ってみたいと思っている所も出てきた。
兼六園に関しては去年の9月に人生2回目の訪問したけど、このエッセーに書かれている背景を知ってから行きたかったなとちょっと思った。
他にも、もうひとつの絶景に出てきた老婦人から教えてもらったことも旅の醍醐味なんだろうなと。
観光地とは違うけど、そういえば私も旅の途中、電車で隣になった見知らぬ方に「その本面白そうですね。写真撮っていいですか?」と話しかけられたことがあったな〜。あの方はその本を読んだんだろうか?