沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 一瞬の夏(下)

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    ノンフィクションだけに、展開がドラマチックというわけにはいかない。
    全てがもどがしい。
    小説ならば、この後はこうなるのに、という感触が残る。
    生の人間とはこういうものなのか。
    当たり前のことだけれど、そういう感想を持った。

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    2021年07月03日
  • オリンピア1936 ナチスの森で(新潮文庫)

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    ネタバレ

     東京オリンピック2020の直前ということもあって、それを強く意識した感想を書きます。

     ヒトラーのオリンピックとも呼ばれる1936年ベルリンオリンピックについて、当オリンピックの傑作記録映画を作成したレニ・リーフェンシュタールへの取材と、当時の日本人選手の証言をもとに書き出した、読むオリンピック。

     レニへの取材にそれほど紙幅を割かれているわけではなく、ナチスによる影響を克明に描いているわけでもない。出場選手についても、誰かに焦点を当てているわけではなく、オムニバス形式である。このため、どこかぼやけた印象があることは否めないが、80年以上前のオリンピックを日本人がどのように迎えたのか、そ

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    2021年06月19日
  • 旅の窓

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    旅の一コマを切り取り、エッセイに写真を添えたもの。まあ、なんちゃない内容ではあるが、こうしたなんちゃない出会いなんかも今や得難いものになっている。あー旅に出たいなあ。そう思いながらページをめくった。

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    2021年06月10日
  • テロルの決算

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    社会党 浅沼委員長刺殺事件のノンフィクション作品。
    受賞作だけあり 引き込まれる。
    若い世代にも一度読んでほしい。
    テロでは解決できない問題 社会問題 にどう立ち向かうか。

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    2021年05月09日
  • オリンピア ナチスの森で

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    オリンピックに興奮する事がなくなって久しい。

    何故か。その一つに結果や映像がすぐに容易く見聞きできる、つまり情報が多すぎるからである。
    4年間を待ち遠しく感じた幼い頃から、電子情報機器の発達はめざましい。
    情報は有難いが、多すぎると本番までにお腹いっぱいになってしまう。

    最も私自身が冷めた目で見る癖があるため、皆で感動するという言葉に嘘くさいものを感じてしまうのだが。


    レニ・リーフェンシュタールというドイツ人女性を初めて知った。是非次は映像を観たい。

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    2020年10月17日
  • 旅の窓

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    「旅」にふさわしい、一コマとそれに添えられたエッセイ。見開きでワンシーン。読みやすく、自分も旅をした気になる。旅行ではなく、旅。なにがない一コマが何故かとても印象に残ることはよくあることだ。観光ではなく、自分やそこに見える人々の一挙手一投足が。
    新型コロナによってなかなか外出できなくなっているから余計に、こういう旅に憧れがつのっているのかもしれない。

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    2020年10月14日
  • テロルの決算

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    読むのに時間がかかったが、すごい胸に残るものがあった。1960年に起きた元社会党党首だった浅沼稲次郎氏が壇上で演説中に刺殺された事件。犯人は17歳の少年。2人の生い立ちを振り返り、あの時に2人の時間が重なり合う。最後のほうは胸がドキドキしてた。あの瞬間をとらえた写真は確かに有名。出版されたのが自分の生まれた年ってのもなんだか感慨深い。しかし、思想の違いで人を殺すのはよくないが、訪中して中国帽をかぶって飛行機から降りてくるというパフォーマンスであおった事は事実かなと思った。第10回大宅宗一ノンフィクション賞受賞作。

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    2020年08月26日
  • 旅の窓

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    本当ならロンドンに連れて行った本でした。イタリア、ロンドン、パリ、沖縄と2月からキャンセルの連続。コロナのバカやろう!

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    2020年08月15日
  • 春に散る(下)

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    ボクシングの話ではあるのですが、元ボクサーたちのその後のような、
    少しネタバレになりますが、あるボクシングジムで昔、四天王と呼ばれていた4人のボクサー、誰も世界チャンピョンのタイトルを取ることなく引退して、月日は流れ、それぞれ老齢となった4人が、昔ジムの寮で暮らしたようにシェアハウスで暮らし始めます。
    それぞれいろいろな事情は抱えているものの、気心の知れた者同士同じ屋根の下での生活、役割分担や、取り決めや、必要なものをそろえたり・・・・
    それだけでこちらまでワクワクしてしまいます。
    そんな4人の前に現れたのが、若きボクサー。もう読めてしまうのですが、4人はこのボクサーを育てて、自分たちが果たせ

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    2020年04月12日
  • 危機の宰相

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    ▼1960年の安保闘争の終盤。首相だった岸信介さんは、私邸をデモ隊に何重にも包囲されてしまいました。そして、防衛庁長官の赤城宗徳さんを呼びつけ、自衛隊の出動を要請。しかし、赤城さんがこれを断固拒否。「日本人同士を戦わせて、流血するわけにいかない」。▼沢木耕太郎さんは、この時に自衛隊が首相を守るため、という大義名分でデモ隊と戦っていたら、その後の政治は決定的に変わっていただろう、と述べています。恐らく自民党政権は遠からず倒れ、所得倍増計画も無かったことになります。ちなみに岸信介さんは、弟が佐藤栄作首相。娘婿が安倍晋太郎首相。孫が現在の安倍晋三首相。うーん。身分制度?歌舞伎?▼「危機の宰相」沢木耕

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    2020年03月09日
  • 寒橋(さむさばし) 山本周五郎名品館III

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    沢木耕太郎セレクション「山本周五郎名品館3」.

    人情裏長屋が傑作.映画化する場合の主人公を演じるのは,沢木耕太郎のお勧めは大友柳太朗だが,35歳ぐらいの仲代達矢がいいかなあ.

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    2020年03月01日
  • 世界は「使われなかった人生」であふれてる

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    ネタバレ

    『暮らしの手帖』の編集から沢木氏が頼まれて
    書かれた映画評。書名でもあり導入部に書かれた
    「使われなかった人生」というフレーズに惹かれました。

    映画は見たい見たいと思いつつ腰が重くなっている
    ことのひとつなので、少し映画に近づくために
    読みました。

    見たくなった映画は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」
    「タクシー・ブルース」「恋々風塵」「オリヴィエ・
    オリヴィエ」「ワンダーランド駅で」

    沢木氏にかかると映画評も一つの短編のように
    味わい深いものでした。

    編集から頼まれて始まった連載でしたが
    「沢木さんが書かないと映画欄がなくなることになります」
    (P316)というのはなかなかの脅し文句で

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    2020年01月21日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    沢木耕太郎セレクションの山本周五郎短編集.帯に「周五郎短編はこれを読め」とあるが,まさにその文句にふさわしい,女性に焦点をあてた9編が収めてある.半数近くは他の短編集(新潮文庫)で既に読んだことのある話だったが,この短編集は山本周五郎入門として最適だろう.

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    2019年12月22日
  • 危機の宰相

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    池田勇人を支えた人物にも焦点をあてたドキュメントです。
    池田総理の所得倍増計画と田中角栄の日本列島改造って夢がありましたよね。

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    2019年11月27日
  • 世界は「使われなかった人生」であふれてる

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    タイトルに惹かれて。内容は、『暮らしの手帖』に掲載された映画評。映画を観てこれだけ何か人生に響くメッセージを読み解けるのって、実はすごいと思う。「使われなかった人生/ありえたかもしれない人生」「老いについて」「他者のことを理解することは可能か、そもそも自分自身をどのくらいわかっているか?」沢木さんの文章にはいつも自分を重ねやすいので、没入するように読んでしまいました。

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    2019年11月04日
  • 危機の宰相

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    池田勇人、田村敏雄、そして下村治。三人の人生が交差して戦後最大のキャッチーな政策「所得倍増」が誕生した。旧大蔵省という超エリート組織のLoserである三人が不思議な縁で結びつき、高度経済成長という経済主導の「新しい形の『強い国家像』」を牽引することになったのは歴史的必然なのだろう。池田内閣が組閣された1960年は安保改定という戦後脱却のエポックメイキングがあり、退陣した1964年は東京五輪開催の年であった。まさに時代の変革期にうまく日本国を成長軌道に乗せた、と振り返って今思う。

    沢木耕太郎氏の俊逸な取材力を文章力には毎度驚かされるが、本作品では下村治の再発見が特筆すべき点だろう。安定成長路線

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    2019年07月08日
  • 将監(しょうげん)さまの細みち 山本周五郎名品館IV

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    「山本周五郎名品館Ⅳ 将監さまの細みち」山本周五郎 (編:沢木耕太郎)

    山本周五郎の短編集。相変わらずのクオリティ。
    この1冊で好きなのは「ひとごろし」。臆病で弱虫な侍が、剣の達人に向かってどう立ち向かうか、という一編ですが、なんとこれはユーモア小説です。クスッと笑える、エバーグリーンなユーモア小説なんだけど、その奥にちょっとぞっとするような人間観というか世界観があって、さすが。
    実はこれ、臆病者=松田優作、剣の達人=丹波哲郎という魅力的なキャスティングで映画にもなっていて、これが実はまだ未見なので先々の楽しみ。

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    2019年03月23日
  • 裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館II

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    「山本周五郎名品館Ⅱ 裏の木戸はあいている」山本周五郎 (編:沢木耕太郎)

    山本周五郎の短編集。
    相変わらずのクオリティ。
    「ちいさこべ」。火事に焼かれて家屋敷と両親を失った大工の若棟梁。同じ火事で行き場を失った孤児たち、その面倒を見る娘さん。
    三つ巴それぞれの事情が描かれるだけなんですけれど、こういうお話しが染みてくるのは、世界には理不尽な都合で孤独になったり死んでしまったり不遇になったり、自力でどうにもならないことが多くある、まあつまり人生は運不運次第の受け身なゲームである、ということが感じてくる年齢以降なんだろうか、改めて思いました。
    「ちいさこべ」は何度もドラマにもなっているらしく、

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    2019年03月23日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    山本周五郎の名作短編9篇が、沢木耕太郎によって選ばれている。江戸期の武家や商人達とその妻や女性が温かい人情を示す。短編の中にその情を浮き立たせてくれる。昔の人はこんなに情が深かったのか、と半分疑いながらも楽しく読める。でも、人情は貧しいところに集まるのか?衣食足りて礼節を知る、という言葉もあるが、人情とは、礼節と次元の異なるものなのだろう。

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    2018年12月09日
  • 波の音が消えるまで―第1部 風浪編―(新潮文庫)

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    皆が怖くて、でも憧れる「果ての果て」に、私たちの代わりにいってくれた話。
    解説を読んで、さらに面白かったと思えた。
    最初のほうはかなり飛ばしてしまったけど、また機会があったら読み直してみようと思う。

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    2018年04月10日