沢木耕太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ボクサー、カシアス内藤の復活をめぐるドキュメンタリー。ドキュメンタリーなのだが、小説かと錯覚させるなめらかな展開で、全く押し付けがましくない。
実のところ、この前半部の途中までは、架空の話だとばっかり思って読んでいた(紹介などは読まずに読み始める質なので)し、小説にしてもなかなか良く出来た話ではないかと思う。
カシアス内藤の復活のために尽力する作者が、カシアスの名前の由来にもなった、モハメド・アリの復活戦を見にアメリカへ渡る。このへんが小説なら「なんでよ?」となるわけで、そこで調べてドキュメントだとわかったわけです。
全体に、ボクシングと関係のない部分が語られることが多く、やきもきしたり、逆にホッとしたりする。アメリカに渡ってからも、割とどうでもいい話がたくさん書かれる。
しかし、最終的にダメだったんじゃないのかな?というのが透けて見えてくるので、長く引っ張られるのは、救いが有るのではないのかな?と思われる。 -
Posted by ブクログ
『所得倍増計画』を「どのように」誕生させたかではなく、「なぜ」誕生するに至ったのかを書いている。
つまり、「実行・実現」のプロセスではなく、「構想」の段階のプロセスが主題になっている。
そのため、『所得倍増』が実現していくうねりのような臨場感はこの本では再現されていない。
時系列をあまり意識していない章立てにも原因はあるのかもしれない。
かといって、面白くないわけではなく、国政の内幕に触れたことが無い身としては、政策どのように生まれるかが分かって新鮮だったし、政治家や官僚の志というものも分かって、もっと政治というものを前向きに捉えようと思えるようになった。
また、構想をまとめあげ、それを政策として実行する者としての「政治家」、その政治家に具体的な案を出し、策を作り上げる存在としての「ブレーン」という、国政における役者の立ち位置や存在意義が分かったので、これから投票に臨む上での一つの立脚点のようなものが見つかったのも大きな収穫だった。
それから、物語の本筋とはあまり関係がないが、「永遠の正論」というワードチョイスと事象の捉え方には、著者・沢木耕太郎の持つ視点の凄みが見えた気がする。 -
Posted by ブクログ
そう、高校の受験のときに感じた違和感が
わかる本だった。
池田勇人の内閣時代に所得倍増計画という
経済面がキューにくるんだよね。
ここでの設備投資という背景での経済大国化の
実現はすばらしい。これがなければ今の日本は
ないかもね。だって隣の韓国をみれば日本が
世界第2位の経済力なのは、違和感というか
不思議だもん。
最後のブレーンである下村治が言ったらしい
高度成長からゼロ成長へとオイルショックで転換
していく話は示唆がある。
そことは別に今の日本は別の意味でのひずみを
産業構造の変換ととらえ政策転換、実行できる
政治家がいれば更なる経済規模の拡大と
この本で言う「静かなる世界の中心」=
王道をすすめるはず。