沢木耕太郎のレビュー一覧
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沢木耕太郎が40年以上前に当時の若手のキレ者的な人々について書いたもの。世に出てきた頃の沢木さんの筆力を感じるのも面白い。さすがに随所で若さを感じる。自ら「人物紀行」と銘打っているけど、確かに人物評というわけではない著者のうるささがあまり入っていないのはいい。とはいえ、取り上げる人を選んだのは、唯一の女性である安達瞳子を除けば沢木さん自身であり、好みや興味が寄る人を取り上げていることにはなる。
取り上げているのは、尾崎将司、唐十郎、河野洋平、秋田明大、安達瞳子、畑正憲、中原誠、黒田征太郎、山田洋次、堀江謙一、市川海老蔵、小沢征爾という面々。45年くらい前に世に出てきた方々を、40年以上を経た現 -
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沢木耕太郎 「テロルの決算」
山口二矢によるテロル(自分と異なる政治信条は認めず、殺すことで決着を図る)の前後を再現し、被害者の浅沼稲次郎の実像も含めて 総括した本
著者が読み手に伝えたかったのは 次のことではないか
*二矢が若くして、テロルを単独決行し、自決したことの是非を問うた
*ニ矢伝説の真偽を検証して、伝説は 事実を粉飾している と結論づけ、粉飾意図を問うた
二矢伝説とは
「ニ矢の刀を 護衛の刑事が掴み、ニ矢は 刑事の手を守るため 刀を手放し 自決を断念したという伝説」
この伝説により 二矢は 英雄視され、浅沼は テロリストに殺された社会主義者としての栄光を手に入れた
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山口二矢の父は、生きるため、稼ぐためにさまざまな職を転々とした
家庭用インターネットなど影も形もない時代
二矢少年は転居のたびに友人関係のリセットを余儀なくされ
新たな人脈の構築に苦労するハメとなった
それでも、お父さんが働いてくれているから生きていけるんだと
そんな思いで押し殺した鬱屈が
やがて政治的な感情にすり替わっていったのではないか
お国あってこそ我々日本人は生きていかれるというのに
左翼の連中はわがまま放題、好き勝手なこと言いやがって
許せん
だがそんな二矢を、父もまた全面的に理解してくれるわけではなかった
その寂しさが彼を先鋭的に駆り立てていった
二矢の幼い頃、父は農地改革や投資 -
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ボクサー、カシアス内藤の復活をめぐるドキュメンタリー。ドキュメンタリーなのだが、小説かと錯覚させるなめらかな展開で、全く押し付けがましくない。
実のところ、この前半部の途中までは、架空の話だとばっかり思って読んでいた(紹介などは読まずに読み始める質なので)し、小説にしてもなかなか良く出来た話ではないかと思う。
カシアス内藤の復活のために尽力する作者が、カシアスの名前の由来にもなった、モハメド・アリの復活戦を見にアメリカへ渡る。このへんが小説なら「なんでよ?」となるわけで、そこで調べてドキュメントだとわかったわけです。
全体に、ボクシングと関係のない部分が語られることが多く、やきもきしたり