沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 暦のしずく

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    江戸時代に唯一芸人でありながら獄門となった市井の一講釈師にスポットを当てて長編小説と仕立てたという一見地味な主人公の物語であるのに、いつものように引き込まれるような沢木耕太郎の書きっぷりに読後の満足感を味わっている。
    松平右近将監、田沼意次という登場人物から、大河ドラマの石坂浩二と渡辺謙の顔を思い浮かべたのは私だけでは無かったのではと思う。
    68という齢となりまだ仕事をさせてもらっているが、人生の最後に悔いなく生きたと思えるよう残された人生を大切にしたい。
    また、静岡にいる間に田沼意次が治世した相良の地を訪ねてみたいという思いを改めて強くさせてくれた。

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    2026年01月10日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    言わずと知れた名著を今更ながら読む。久々に時間を忘れて一気読みした。面白い。前に手に取った時は、数ページで何となく読み進める気が起きず、そのままになっていたが、もっと早く読めば良かった。或いは、仕事でもプライベートでも現実逃避したいのかもしれない…。しかしながら、いつになってもこういう旅の仕方、時間の使い方は憧れるなぁ。スケールは全然違うけど、ちょっとした旅行でも、明確な目的も地図も持たずに気の向くままに過ごしたい方なので、疑似体験のようで楽しかった。博打にハマっていく描写がリアルだった。

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    2026年01月04日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    沢山の人に読まれている沢木耕太郎さんの『深夜特急』。

    外見も中身もかっこいい沢木耕太郎さんの価値観での「貧乏旅」。言えるのは「最高かよ」ってこと。シェアしてくれてありがたい。

    沢木耕太郎さんなら、どんな価値観で旅をするのか。それを知れることが本当に嬉しい。

    スマホがない時代だからこその旅ってのはもちろんあって、でも沢木耕太郎さんがもし、今旅をするとしたらどうするのかも、とても気になりました。

    スマホを置いていくのだろうか。笑

    印象的だったのはカジノでのシーン。
    頭が良い人、知的な人のカジノでの遊び方はこうなるのかと驚き。手に汗握りながら読んでました。

    『深夜特急』は6まで出ているの

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    2025年12月31日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    西川一三とは、如何なる人物なのか。
    そして我々にとって、旅とはなんたるものなのか。

    西川という人物を世間は、あるいは読者は、
    そして実際に関わりを持った多くの人々は
    どのように評し、何を思うのだろうか。

    "真面目" "勤勉" "奇人" "頑固"
    "偉大" "勇敢" "一途" "寛大"

    良いものもあれば、それは悪いものもある。
    この作品に触れれば当然、その勇敢さや目標への遂行力の高さに自然と目がいくだろう。

    だが、しかしどうだろう

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    2025年12月29日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    何度読んでも心が踊る。バックパックひとつ持って旅に出たくなる本。旅本としての情報は古いが、旅に出たいという気持ちを奮い立たせる効果は何年経っても色褪せない。

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    2025年12月14日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    さすがは沢木耕太郎さん。素晴らしい作品でした。
    ネパールのエベレスト街道トレッキングした経験があるのでその時の記憶が蘇ったりしてとてもよかったです。

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    2025年12月13日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    パキスタン、アフガニスタンあたりは、こんな時代があったのか、と生まれてこのかたこの地域の平和を知らぬ自分としていたたまれない気持ちになりながら通過。ここでの人の暮らしや人々の様子が見えてあたたかい気持ちになった。

    この巻がいちばん好き。

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    2025年12月04日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    長い旅が終わった。
    1巻から読み通して間もあけつつ約半年、いやもっと言えば、1巻だけ読んで投げてしまったのは4年も前だったか。

    きわめて個人的な話だが、僕は続き物の本が苦手だ。司馬遼太郎なんかはいろんなシリーズの1巻だけを読んで放っておきどおしだし、そもそも複数巻というだけで尻込みして手を出せてすらいない本も多くある。
    それでいて(元は3巻本とはいえ)6巻に及ぶこの小説を読み通せたのは、やはりデリーからロンドンへ、という地理的なタテ軸が明確にあったがゆえだろう。

    いずれにせよ、長い「積ん読」を経て、僕の中の沢木氏もようやくロンドンに到達した。
    感化されてアテのない旅に出るにはいささか手遅れ

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    2025年11月29日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    2025年44冊目『深夜特急1』
    旅好きは読むべきと聞いて、読み始めた深夜特急シリーズ一作目。
    私は、有名スポットを効率よく回るタイプだったけど、沢木さんの旅はまるで逆。
    気の向くまま歩きながら、頭の中に“自分だけの地図”を作っていく。
    同じ香港・インドでも、見える世界ってこんなに違うんだ…と思わされた。

    普段は本をザーッと読みたくなる私も、
    この本だけは一つ一つ情景を思い浮かべながらゆっくり読みたくなった。

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    2025年11月23日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    旅エッセイ。
    さらっと読めるから寝る前や出先での読書にピッタリ。
    旅先で出会う人たちとの交流が味わい深い。
    そしてマカオにてギャンブルの底なし沼に落ちていく描写の面白さと恐ろしさよ…笑

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    2025年11月13日
  • 暦のしずく

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    沢木耕太郎初の時代小説。
    なぜ自分はこの人物を主人公に時代小説を書こうと思ったか、が初めに語られる。

    「長い日本の芸能史において、ただひとりだけ芸によって死刑に処せられることになった芸人」講釈師、馬場文耕が主人公。

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    2025年11月12日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    これは簡潔に感想を書きます。

    人によってはわかりにくいかもしれないけれど、それは『読んでみて』と言いたい。



    凄まじい人生を観た。

    自身の生活や目標、大きく言えば価値観にとても影響する読書体験でした。

    『自己』を大切にしたいと本気で思えました。

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    2025年11月11日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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     海外へ旅がしたい、それもプランを立てずに。

     そう思わせてくれる小説。

     
     中国編からマカオ編に変わった時、「なんだよ~もっと中国の続き聞かせてくれよ~」と思ってしまう自分がいたが、マカオもこれまたよくて、どんどんその世界に引き込まれていった。
     黄金宮殿に泊まりたい。カジノをしてみたい。
     とにかく、好奇心を沸かせられた。

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    2025年10月28日
  • テロルの決算

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    鮮烈なルポルタージュ
    『テロルの決算』

    1.概要
    沢木耕太郎氏の『テロルの決算』は、1960年の「浅沼稲次郎暗殺事件」という戦後史の暗部を抉り出した、魂を揺さぶるノンフィクションの金字塔です。

    単なる事件の記録ではなく、その裏に隠された一人の17歳の少年の孤独な思想と、彼を取り巻く時代の空気が、読者に重くのしかかります。

    2.事件の真相
    事件の発端は、社会党・浅沼委員長が中国訪問で語った「アメリカ帝国主義は、日中共同の敵」という強烈なスピーチでした。

    この言葉は当時の右翼勢力に激しい怒りの火をつけ、事件の引き金となります。

    これに触発された少年、山口二矢の思考が、本書の核心です。彼は

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    2025年10月17日
  • オリンピア1996 冠〈廃墟の光〉(新潮文庫)

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    古代オリンピックが消滅したようにこの近代オリンピックみ衰退の一途を辿っているのではないか。
    沢木氏の近代オリンピックに対する視点は批判的で。
    古代、勝者が得るものは栄誉とオリーブの冠だけだったオリンピックがあからさまな商業主義の生贄となってしまった。
    彼の非難は大会をそんなものにしてしまったサマランチ会長に限らずスポンサー、選手自身、それを許してしまっている世の中の人々にも向けられている。
    特にこの作品で取り上げられているアトランタ五輪に関しては近代オリンピックがアテネで始まって100年目という記念すべき大会であるにもかかわらず何故アテネでなくアトランタなのか。
    まさしく巨大スポンサーであるア

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    2025年10月05日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    ザダル・ストリート!
    ダシャシュワメード・ガート!
    懐かしい青春時代の地名に心が踊った。

    ガヤで野宿したくだりの描写が美しすぎて、私もまた、旅に出たいという思いが強烈に湧いてきた。

    いつかまたインドに戻りたい!

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    2025年09月29日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    独特のユーモアと、カラッとした湿度の低い気まぐれな冒険心、どこか自分に対しても突き放したところがある文体が妙に心地よくて面白く読めた。

    -欲望はなかった。しかし、奇妙な使命感が体を熱くした。(本文104p)

    -《われわれはツーリストを大いに歓迎する一一ただしヒッピーは除く》
    だが、残念なことに、ツーリストとおぼしき人物は、私を含めてすべてがヒッピー風だった。(本文121p)

    -旅に出て鈍感になっただけなのかもしれないが、それ以上に、またひとつ自由になれたという印象の方が強かった。(本文180p)

    怪しげな安宿、深夜到着の心もとない旅程、衛生的に不安が残る露店のジュースなど、リスクより冒

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    2025年09月27日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    多分20歳の時に読んで、いてもたってもいられなくなって香港行き航空券を取った思い出。いい一人旅やった。熱量ある文章は割と本当に人を動かすと思う。
    旅の適齢期は26歳らしい。気づいたら超えてた。

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    2025年09月27日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    読売文学賞を受賞した圧巻のノンフィクションでした。

    読み終わった今もじんわりと熱を帯びた余韻が残っています。
    西川氏と共に旅をしたような……
    でもそれも、雪の降り荒ぶ中、自転車を引いて歩き去る西川氏と共に霞んでいくような…

    そんな読後感を噛み締めています。

    要約じゃこの良さは味わえません。

    ぜひ多くの方に読んでほしいです。

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    2025年09月22日
  • 旅の窓

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    SNSを開くと、良くも悪くも“綺麗”な写真が、留めなく押し寄せてくる昨今。

    そんな時代の中で、著者が切り取る一瞬は、世界の旅先の、ほんの些細な日常の一コマ。

    旅の醍醐味は、観光地の景観の美しさや、その土地の美味しい料理を堪能することだけでなく、

    そこに生きる人たちの息遣いを、感じることなのだろうと思わせてくれた。

    あぁ、旅に出たくなった。

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    2025年09月22日