沢木耕太郎のレビュー一覧
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一瞬の夏 上
ノンフィクションということで、事実に基づいた小説であることから、実際に登場するボクサーを知ってるか読みはじめたところ、世界のヘビー級元チャンピオン・ジョージフォアマンやモハメッド・アリそして、日本の具志堅用高、輪島功一など誰もが知っているボクサーが出てくるので、難なく入り込めた。主人公の登場人物カシアス内藤は記憶が無いが黒人との混血ボクサーということで興味深い。四年ぶりの復帰戦は勝利を納めたが、何となく勝っただけでは観客は納得しない。圧倒する強さを求めていた。自分的には負けないで良かったと思っていることから、後編が如何に闘うのか気になるところである。早く読みたくなった。 -
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ネタバレ・あらすじ
第二次世界大戦末期、8年かけて中国奥地からインドまでラマ僧に扮して潜入した西川一三。
彼の旅路を西川自身の著作とインタビューから描き出す。
・感想
西川さんは本当に稀有な人物。
こういう姿勢で自分を生きることが出来る人ってそうそういないと思う。
「自分を生きる」って自分勝手とか身勝手とかではなく西川さんの様な人のことを言うのかもなって思った。
「日本のため」という口実と目的、本人の気性と行動力が噛み合って実現した8年間の旅路は西川さんだけのもの。
私には彼の様な生き方は到底不可能なので、本になることでその8年間の旅路の一欠片でも感じることができて、とても楽しかった。
「自分を -
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旅文学の新たな旅、という言うべきか。
偉大なる冒険家"西川一三"との出会い、
そして西川がどのようにチベット、ラサに至るのか。
その道中をこれまでかと表現し尽くし、
西川自身の想いやそれぞれの地で出会う蒙古人、あるいはタングート人、チベット人など、それぞれが持つアイデンティティや文化にも触れていく。
それはまさに我々自身が旅に出ているかのような、
そんな高揚感を与えてくれる冒険そのもので、
ラサに至るまでの道を文字通り同行させてもらった、
そんな思いを綴らざるを得ない。
西川の度胸やここぞの運、また旅を俯瞰することでわかる偶然の産物などは我々が旅をする際にも起きてい -
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「第二次大戦末期、ひとりの日本の若者が、敵国である中国の、その大陸の奥深くまで潜入した。彼はラマ教の巡礼僧に扮した密偵だった。しかし、彼は日本が敗れたあともなおラマ僧に扮し続け、実に足掛け八年に及ぶ旅を続けることになった。彼、西川一三の旅も長かったが、その彼を描こうとする私の旅も長かった。・・・発端から終結まで二十五年かかったことになる。・・・本格的に執筆に取り掛かったこの七年余りにおいても、飽きるということがなかった。ここにこんな人がいたという驚きから出発して、その人はこのような人だったのかというもうひとつの驚きを生んでくれることになった。」 と沢木があとがきで書く。
「この戦争で、日本軍 -
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密偵としてモンゴルからインドまで旅を続け、日本人ということを隠すため、ラマ教徒と偽る。
西川さんの行動力や努力は計り知れない。
未開の地で生きていくのに、現地の言葉を覚え、托鉢をして僅かな食糧を得て、殆んどが野宿。
ヒマラヤに近い地域の峠を何度も登り降りし、匪賊
の脅威にさらされながら集落に着くと、軒を借りながら次の地を目指す。
読んでいて、西川さんの8年に渡る経験を疑似体験
したような感覚だった。
人生には、生きながらえるための食糧と寝床さえ有ればあとは何も要らないといった人生観を養えたのは、あの体験があったからなのか。
この小説に出会わなければ、このような日本人がいたと分からないままだっ -
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長い旅には人生と同じように、幼年期、少年期、青年期、壮年期があり、移ろい変わるのかもしれないという言葉にピンときた。私は一時期旅だけをして生きていきたいと思っていたことがあったが、何が目的なのか考えていくうちに、旅だけをする人生はつまらないと感じてしまった。でも、これは人生と旅を一緒に考えたからであって、歴史を勉強してから行ったり、どうしても経験してみたいことなど何か目的を持って行ったら素晴らしい経験になるのではないかと思う。作者の見てきた長旅をしている者たちは疲労で好奇心が摩耗し、外界に対し興味がなくなっている。そしていつ崩れるかわからない危うさと隣り合わせで旅の目的すらなくただシルクロード