沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    マニラ旅行を経験し、異国の空気が鮮度を保っているうちに読めた。香港での沈没と、マカオでのギャンブル体験が物凄い粘度で書かれていた。後半の描写は恐怖を覚えるほど生々しかった。喉が渇いた。
    30代の今だからこそ自分の軸で読めるけど、20歳そこそこでこれを読んだら人生が変わっていたのかもしれない。

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    2025年07月05日
  • 旅の窓

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    1枚の写真に1枚の文章。
    「感じる写真館」
    ずっとアルバムをめくりながら、
    お話を聞いているみたい。

    「どのようなところでも人間は生きているし、
    また生きていける」
    世界を見てきた沢木さんが放つ説得力。

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    2025年07月03日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    旅慣れたり、ラマ教に対する意識がより真摯になったりと上巻とは旅に対する向き合い方が変わってきたように感じたが、旅は相変わらず過酷。謀略やドンパチがあるような派手な展開ではないものの、ページをめくる手が止まらなかった。

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    2025年06月27日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    深夜特急以来、超久しぶりの沢木耕太郎。
    上巻は内蒙古からチベットのラサまでの旅。迫力のある文章で情景がリアルに想像できる。過酷な旅の途中の美しい風景、人との繋がり、あたかも自分も一緒に旅をしているような錯覚に陥いる。凄く面白い。下巻が楽しみ。

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    2025年06月25日
  • キャラヴァンは進む―銀河を渡るⅠ―(新潮文庫)

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    沢木氏の文章は沁み入ってくる。
    不思議と引き込まれる。

    旅に関する経験値が豊富で現地の温度や湿度、空の色や埃まで感じ取れ、あたかもディープな疑似旅行を体感させてくれる。
    スポーツへの造詣も深く当事者はさることながら見守る著者の心理も対比され、こちらも引き込まれる。

    タイトルにもなっている文中にあるアラブの諺、「犬は吠える、がキャラヴァンは進む」は自分も心に刻んでおきたい。
    読点「、」を打つ位置でこの諺の真理が伝わる。

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    2025年06月22日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    戦争が終わって密偵としての使命を失ってからも、チベットからインド、ネパールへと未知の秘境への旅は続く。
    過酷としか言いようがないのに、苦難を乗り越えることに喜びを得る。
    慈悲深い西川さんの人柄が淡々と刻まれていました。
    楽しい出来事がほとんどなくて、読むのがしんどくもありましたが、その姿が仏陀が悟りを開く姿のように思えてくる。
    未知の秘境を見てみたいという好奇心は人間のロマンでもあります。
    『深夜特急』に歓喜した少年が、大人になって読むのにぴったりですね。

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    2025年06月21日
  • 春に散る(下)

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    上巻で出会ったボクサーの翔吾がシェアハウスで一緒に暮らすことにする。他のシェアハウスの仲間もみんなでボクシングのパンチを教えた。そしてついにチャンピオンの座を勝ち取った!ラストは広岡が路上に倒れ意識を失った。

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    2025年06月14日
  • 春に散る(上)

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    世界を目指していたボクサーの広岡。理不尽な判定負けをし、失意のままアメリカに渡る。40年後に帰国し昔の仲間とシェアハウスで暮らす事を思いつく。ラストでは若者との出会いがあった。

    *おはよう、おやすみ、いただきます、ごちそうさま、行って来ます、ただいま、ありがとう、ごめんなさい。この8つで人との生活は円滑にいきます。

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    2025年06月14日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    第二次大戦末期、中国大陸奥地まで密偵として潜入した日本人、西川一三。彼の足跡をたどる8年に亘るドキュメンタリー。匪賊の襲撃を乗り越え、飢えに苦しみながらも、中国北部からインドまで気の遠くなるような長い道を歩き続けた十三。彼は極限の状態でありながらも精神は限りなく自由で、心躍る大冒険を続けてゆく。本当の豊かさとは何なのか?読者の心に問いかけるノンフィクションである。

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    2025年06月10日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    41編の短編集。
    東北中心の旅のエッセイ。
    Googleマップで予め行きたい場所やお店を決めて行くのではなく、気ままに行き当たりばったりで旅がしたい。

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    2025年06月07日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    バックパッカーのバイブル書をやっと読み始めた!面白いです、これは自分が同じような年にバックパッカーしてたからかな?電子版で読んだけど後半の対談部分は要らなかったな、続きが楽しみ。

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    2025年05月19日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    作者が若い頃訪れた時は津軽のお国訛りが全く理解できなかったのに、今回の旅では…。理由は沢木さんの方言の理解度が高まったのではなく、方言が標準語に近づいてきたからでちょっと残念そう。私も京都の町なかで「もっと京都弁がききたい」って思ってしまう。それは旅する者のわがままだろうか。

    数ヶ月前にたまたま著者の代表作「深夜特急」に触れる機会があり沢木耕太郎を知った。
    私にとっては深夜特急の装丁がちょっとワイルドすぎて手に取ることすら敬遠していたけど、読んでみると心やさしい旅人の旅の話を聞かせてもらっているみたいだった。旅のつばくろは国内の旅だし深夜特急より大分後から書かれたものなので年齢的にも親しみが

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    2025年05月18日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    沢木耕太郎『天路の旅人 下』新潮文庫。

    第二次世界大戦末期に敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した日本人、西川一三の8年間の軌跡に迫るノンフィクション。

    下巻を読み進めば、著者の沢木耕太郎の言うところの極めて稀有な旅人の姿が浮かび上がってくる。

    密偵というのは資金集めの口実に過ぎず、あくまでも西川一三の未知なる地への探究心こそが苛酷な旅の理由だったのではないだろうか。何しろ、8年間の潜入で日本に情報を送ったという描写は一度しか無い。

    あの時代に現地人に成りすまし、辺境の地を漂うことは容易ではなかったことだろう。

    3年掛けて中国北部からチベットへと辿り着いた西川一三は、インドへ向かい

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    2025年05月08日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    沢木耕太郎『天路の旅人 上』新潮文庫。

    第二次世界大戦末期に敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した日本人、西川一三の8年間の軌跡に迫るノンフィクション。

    著者の沢木耕太郎は東京から冬の盛岡へと向かう。本作のテーマとなる人物である西川一三本人にインタビューすることが目的であった。定期的に酒を酌み交わしながら、インタビューを続ける沢木であったが、やがてその交流が途絶えてしまう。西川の軌跡をノンフィクションに仕立る道を模索するうちに時は過ぎ、ある日、西川の訃報を目にする。

    まさか盛岡に、このような凄い人物が暮らしていたということを知らずに驚いた。また、中公文庫から全3巻に及ぶ『秘境西域八年の

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    2025年05月08日
  • 旅のつばくろ 電子オリジナル版 無料お試し版

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    さすがは紀行文の名手

    さすがは紀行文の名手 深夜特急の作者だけのことはある。なんでもない旅の一場面一場面の描写が、しみじみと心に染みてくる。優れた紀行文を読むとそこへゆきたくなるとよく言われるが、行った気になる という雑誌のオーナーのJRにとっては副作用もあるのではないと思ってしまう。スッキリとした表紙絵も良い。

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    2025年05月03日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    前半同様引き込まれるように読んだ。
    しかし木村の描かれ方により、少し陳腐なフィクション(主人公を善・ヒーローとする)のようになっている箇所もあり、少し興醒めした。

    そしてラストシーン。
    自己陶酔的というか偽善的というか。
    作品としてきれいにまとめたのだろうが、80代の高齢者がいつまでも元気なわけない現実に目を瞑って突然連絡を絶ったくせに、と却って思わされてしまい、読後感はあまりよくなかった。

    反省してこれから母にLINEします。

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    2025年04月29日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    沢木耕太郎が、20代の頃の海外放浪経験を記したシリーズの、第6巻です。

    ギリシャから船に乗って、イタリアに渡った沢木。
    「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、バスに乗って旅をする」という、自らが決めたルールに沿って、ローマへ移動しようとします。

    「ヨーロッパに入れば、楽に移動できるだろう」と考えていた沢木ですが、長距離バスが少ないイタリアで思わぬ苦労を味わいます。

    当初の想定以上に、月日を要したこの旅。
    宿代を値切るなど倹約はしてきましたが、旅の資金も残りわずかとなっています。

    沢木は、自分が設定したルールで、この旅を終えることができるのか。
    イタリアから、旅を終了するまでの

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    2025年04月28日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    作家の沢木耕太郎が、自らが20代後半で経験した海外放浪の旅を記したシリーズの、第5巻です。

    バスを使って、ユーラシア大陸を横断している沢木青年。
    想定以上の月日を要しましたが、第4巻からは移動のペースが上がってきました。

    第5巻では、沢木がトルコとギリシャで過ごした日々が、記されています。

    長く滞在した「アジア」から、「ヨーロッパ」の玄関口へと移動した沢木。

    トルコでは、沢木が日本人であることを知って、彼に親切にする人が複数、登場します。
    そして、直近では移動優先で旅をしていた沢木が、イスタンブールにはしばらくの間、滞在します。
    イスタンブールの街の情景や人々との交流について書かれ

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    2025年04月07日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    長く旅を続けないと感じることのできない感情があるんだなとおもった。
    なんとなく無感動になる、どこに向かうのか、どう終わるのかという気持ち。
    人生も一緒で、というのもわかる気がする。
    同じことをしても若い頃とは感じ方が何か違う。貪欲さとか飛び込んでいく勢いとか。

    長く外国にいると食べ物より日本語の本が恋しくなるというのは本当に共感した。

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    2025年04月01日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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     世界一カオスといわれるインドを当てもなく歩くというルポであるが、インドのカオスさがリアルに伝わってきた。旅に求める目的とは一般には非日常の実感であると思われるが、日常からかけ離れたインドのカオスな非日常がリアルな追体験のように伝わる本書から、筆者の行動力と描写力を感じた。

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    2025年03月31日