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Posted by ブクログ
上巻の最後、老齢の4人は才能を秘めた若者・黒木と出逢いました。下巻は、この黒木が4人からボクシング指導を仰ぐ場面から始まり、物語の展開スピードが増していきます。
「孤独」「陰」のイメージの上巻、下巻は「陽」の印象が強まり、ゆっくり流れていた4人の共同生活は、次第に活力がみなぎり、変化していきます。
自分たちの経験と技を黒木に伝えようと指導に注力していく様は、新たな目標をもった人間の潜在的なパワー、伝える熱意の凄みさえ感じます。
まるで、自分たちが果たせなかった夢を追い求めるように‥。
不動産屋の佳菜子は、陰ながら重要な役割を果たしていますが、彼女の過去等少々盛り過ぎ感が‥。
ボクシングが題材なので、ストイックな毎日や過酷さと共に、男たちの友情を前面に打ち出した物語と思ったら、いい意味でちょっと違ってました。
結末は伏せますが、広岡が起点・中心となった夢破れた者たちの生き様、そのもがきながらも清廉な生き方に、清々しさを覚えました。人生経験を多く積んだ人ほど、響く物語と感じます。
自分の今この日々を、どう大切に過ごすべきか、自問しなければと思わされました。
生きている限りは、自身の人生に真剣に向き合わないといけないということ、その心構えが大切であること等、まさに人生哲学・晩年を生きる美学が詰まった一冊でした。
Posted by ブクログ
4人の元ボクサーが翔吾に自分の必殺技を伝授し世界チャンピオン目指して育てていく姿に感動した。ボクシングの試合の描写がリアルで目に浮かんで来る。
心に残った言葉
・真拳ジムのなくなった会長は、なぜボクサーがトレーニングをするのか、それはリングの上で相手より自由になるためだ、と常に言っていた。
・そう、料理もアイロンかけも、ボクシングのトレーニングと同じだ。家事が難なくできれば、日常というリングで自由に振る舞えるようになる。
・自分はまともにやらなかったが、勉強というやつも同じなんだろう。家で勉強しておけば、教室で自由に振る舞えるようになる。何でもそうだ。トレーニングというやつは、そこで輝きたいと思っているリングで自由になるためにするんだ。
Posted by ブクログ
【春に散る】
2020年2月に文庫本で発売された著書を、ある知り合いからお薦めいただき読み始めました。
人生を豊かに生きるための心構えのようなものを教えていただいた感覚が残る小説でした。
かつてはボクシングの頂点を目指した4人の仲間が、それぞれの人生を歩みながら40年ぶりにまた共同生活を送ることになるのですが、そこにはそれぞれの役割だったり、お互いを思い遣る言葉遣いや振舞いがとても心温まるものです。
『俺は今、生きているか?』
『果たせなかった夢をふたたび手に』
単なる人生の終盤を迎えた男たちの物語ではなく、今をどう生きることに意味があるのかを問いかけられた気持ちになる著書でした。
主人公の広岡仁のような男になって、一人の男として意味のある生き方を考えたいです。
#春に散る #沢木耕太郎
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