沢木耕太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
沢木耕太郎が、海外放浪経験を記したシリーズの、第4巻です。
「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、バスで移動する」という(自分なりの)ルールで旅をスタートした、26歳の沢木青年。
香港、バンコクを経由した航空チケットを選んだこともあり、スタート地点のデリーまで、かなりの日数を要します。
そんな沢木も第3巻の最後になってようやく、デリーに到着しました。
立ち寄った土地にしばらく滞在し、人とふれあい、街の空気を味わうという旅を続けてきた沢木。
しかしデリーに着いてからは、目的地であるロンドンに向けて移動することを、意識するようになります。
そんな沢木の、中央アジアから中東にかけての道中が、この第4巻には記されています。
パキスタン、アフガニスタン、そしてイラン。
交通・情報のネットワークが発達した現在でも、日本人の自分には遠くに感じられる、イスラム教徒の国々。
これらの国で沢木が経験した出来事は、足を踏み入れたことがない自分には新鮮に、魅力的に感じられました。
東南アジアで沢木が出会った人々や、経験したこと比較すると、退廃的な人が少ない、規律が守られた土地柄のように、感じられました。
また、ここまでの旅でもたびたび書かれていましたが、宿泊や食事、物の購入において、沢木が値段の交渉をするシーンが多く登場することも、印象に残りました。
ここまできたら最後まで、沢木の旅を見届けたくなりますね。
引き続き第5巻も、Audibleで聴いていこうと思います。
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Posted by ブクログ
スポーツを見ることはなぜ面白いのか。
残酷なようだが、そこにアスリートの命がけを見、それをショーとして外野で楽しみ、時には自分の不可能性を彼らの可能性に託すことで現実によりもたらされるストレスを発散したいという願望があるのではないか。
この本においては、その命がけのショーにおいて、まさに自分の人生を賭けて、アスリート的な栄光は掴めずとも、その日陰の中で足掻いて足掻いて、足掻き続ける者達の姿が描かれる。
我々にとってはショーの脇役としても、演者にしては人生そのものである。
スポーツの、勝ち負けが生じる戦いの残酷さ、諦めないことへの賛美というよりは、悲哀とでも言うべきか、儚く寂しく、されど美しく感じるものを読んでいて感じたところである。
昔の試合や競走であるが、迫真さがあって、ものすごく読み応えがありました。 -
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Posted by ブクログ
スポーツ界にあって優秀な成績を残しながらあと一歩突出できず満開の花を咲かす事ができなかった人々がいる。何故なのか?
著者は彼等を「敗れざる者たち」と呼びその対岸に大輪の花を咲かせたヒーロー、長嶋茂雄さんをおいて両者違いを見ているのだと思う。
ボクサーのカシアス内藤をはじめとして6人の敗れざる者たちの苦闘が著者によって語られる。
その中でマラソンランナー円谷幸吉を描いた「長距離ランナーの遺書」は胸に沁みる。
実際に彼が走る姿を見、自死の知らせをオンタイムで知った身だからという事もある。
しかし彼が生きた当時の生真面目にあらねばならないという考え、日の丸や応援者の期待に背いてはいけないという命懸けとも言えるトップランナーの辛さが著者の筆でヒシヒシと伝わったからだろう。
近年のオリンピック選手は大会に臨んで「楽しんできます」というような言葉をよく口にする。
それはそのまま本心ではなく心の中には辛さも責任感も緊張もあるに違いない。
けれどもそう口に出せることは彼等にとっては良いことに違いないと思う。
もし世の中に円谷選手がそんな言葉を出すことをためらわない雰囲気があったなら彼と彼を取り巻く人々の人生は変わっていただろうな。
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Posted by ブクログ
1936年、大戦前のベルリンオリンピックのドキュメンタリー。記録映画を作ったレニ・リーフェンシュタールへのインタビューに向かうところから始まる。
各種目の詳細な描写、日本人選手の苦悩に満ちた心持ち。この大会では日本は非常に活躍した。私も知っている「暁月の超特急」吉岡隆徳や金メダリスト田島直人たち。一番印象的だったのは前畑ガンバレ!の前畑秀子。異常な期待によるプレッシャーに押し潰されそうになりながら掴んだ金メダル。ちょっとうるっときてしまった。彼らはこの後おこる大戦で戦死したり、寿命ですべて亡くなっている。それほど昔の話なのだ。
しかし、そんな古い記録映画と位置付けられていたレニの撮った「オリンピア」は単なるブロマイドの映画でなく、レニの意志が反映した極上の「ブロマイド」だった。