沢木耕太郎のレビュー一覧
-
購入済み
さすがは紀行文の名手
さすがは紀行文の名手 深夜特急の作者だけのことはある。なんでもない旅の一場面一場面の描写が、しみじみと心に染みてくる。優れた紀行文を読むとそこへゆきたくなるとよく言われるが、行った気になる という雑誌のオーナーのJRにとっては副作用もあるのではないと思ってしまう。スッキリとした表紙絵も良い。
-
Posted by ブクログ
『深夜特急』が面白いので(まだ読みかけ)、他のジャンルも読んでみたくなって寄り道してみた。
スポーツ・ノンフィクションの草分け的な作品。
1. ボクシング カシアス内藤
2. プロ野球 (長島にポジションを取られた)難波、土屋
3. マラソン 円谷幸吉
4. 競馬 競走馬イシノヒカルの馬手、調教師、騎手
5. プロ野球 榎本喜八
6. ボクシング 輪島功一
表題通りの内容なのだけど、本当に敗れることなく勝ち切った、という意味では、ラストの輪島功一のリターンマッチ最終ラウンドKO勝ちが、唯一カタルシスを得られる作品。
他の主人公は、『まだ、負けてないぞ』と足掻き続ける、ある意味、『見苦しさ』の美学を体現していて、殆どのひとの人生はこっち側だろうと思った。沢木耕太郎さんは、こっち側の目線で描くひとなんだなあ、と更にファンになった。
-
Posted by ブクログ
元世界チャンピオンの夢に敗れた4人(広岡、藤原、佐瀬、星)が暮らす家(チャンプの家)にふとした喧嘩で知り合った翔吾が一度は諦めたボクサーとして教えを乞う為訪れる。4人は翔吾にテスト課題を与え帰らすが、数ヶ月後課題をクリアした翔吾が現れる。そこから4人に翔吾が加わり、その後佳菜子と野良猫が加わり共同生活が始まる。4人は翔吾に才能を感じて夢を託して其々の得意技を伝授していく。その過程で佳菜子の不運の過去を知る事になり其々が過去に傷を持って生活する。翔吾は着実にボクサーとしての技術&体力を向上させて東洋チャンピオン、4人が果たせなかって世界チャンピオンに登り詰める。然しその代償で翔吾はボクサーとしては致命的な網膜剥離になってしまう。翔吾は引退して佳菜子とアメリカに渡る事を広岡に相談するも広岡は翔吾の網膜剥離治療入院を見舞った後の帰り道で持病の心臓病で倒れるとこで終える。
うむ〜翔吾、佳菜子等チャンプの家の人達のその後が気になる。
一度は別れた老齢の4人の人生が、次世代のボクシング指導を通して一つに交わり、生き甲斐となり、若い翔吾もボクサーとしての技量に加え4人との生活で成長する姿は読んでいて気持ちが良かった。 -
Posted by ブクログ
映画になった様だが観ずに先ずは原作を読む。。
年老いて40年ぶりに出逢い且つ、同じ屋根の下で暮らす事になる深い絆で結ばれた男4人がちょっと眩しくもある。
昔ボクシングジムで四天王と呼ばれながら共に世界チャンピオンを目指した4人(広岡、藤原、佐瀬、星)が夢に破れ其々の道を歩み年月を重ねる。米国から帰国した広岡は、昔の友3人との再会を果たし其々の生活の苦境から一つ屋根の下で暮らし始めるまでの話。後半どう言った展開になるのか?非常に楽しみ。。
広岡はボクサーを世界チャンピオンを目指しながら米国に渡るも夢に破れ引退しそのまま米国でホテル経営をしていたが病を患い手術を迷いキーウエストに1人旅行に出かけその過程でふとやり残した事があるのでは?との自問から手術をキャンセルして40年ぶりに日本に帰国する。ふとしたきっかけで滞在ホテル近くの後楽園ホールに足を運びボクシングの試合観戦をし昔お世話になったジムで後を継いでいる令子と再会する。その再会がきっかけでジムの近くで不動産屋の進藤と事務員佳菜子の世話になりアパートを借りる。特にやる事も無く昔四天王と呼ばれていた友に遭う事を思い立ち先ず令子から聞いて刑務所に収監されている藤原に面会に出向く。藤原はもう直ぐ出所と聞きアパートに来る様伝え佐瀬の居場所を聞く、藤原との再会後、早々に東北の田舎に住むと言う佐瀬に逢いに探して再会するも厳しい生活を送っていた。佐瀬にも良ければ一緒にと誘い、毎年米を送って夫婦で飲み屋を営んでいると言う星の居場所を聞く。横浜の星の飲み屋を探し出し、飲み屋2階住居を訪ねるも奥さんを亡くしたばかりで悲しみに暮れる星と再会する。星にも良ければ一緒の暮らしを誘うも良い返事も無く戻る。藤原の出所前に手狭なアパートから広い家を佳菜子に相談して進藤から広い曰く付きの一軒家を紹介される。恐さ慣れしている元ボクサーなので家賃も安く気に入り契約して藤原の出所後、一緒に住み始める。そこに佐瀬が誘って来て星と共に訪ねて来て4人での生活が始まる。4人での生活の門出を佳菜子を交えて居酒屋で祝っていると若い4人に絡まれる。揉め事を嫌い店を出るも4人が後を付けて来て喧嘩を売られ返り討ちにするも中のボクサーらしき1人が対峙した広岡のパンチで頭を打ち寝込む。パトカーのサイレンが聞こえ逃げるものびている若者を置いて行けず抱えてタクシーに乗り病院に行くところで終える。
年老いた四天王のこれからの生活。。
広岡の体調。。
ボクシングとの関わり。。
後半色々な点で気になる展開だ。
-
Posted by ブクログ
ベルリンオリンピックの事なんも知らないから単純に好奇心を満たせてよかった。当時すでにマラソンの世界記録は2:30切ってたとか、高跳びにはまだベリーロールもなかったとか、バタフライが平泳の一種として取り扱われてたとか、面白い。マラソンで優勝した日本の選手が朝鮮人なのもすごく興味があるのでこのあたりについてももっと知りたい。戦前なんて大昔のような気がしてたけど、使われてたテクノロジーとかも思ったより近代的で驚いた。オリンピア二部作の監督のレニ・リーフェンシュタールにインタビューして迫る部分は価値があると思う。タイミング的にもこの時でないと書けないようなものを沢木耕太郎はよくものにすると思う。
-
Posted by ブクログ
シンプルにまとめられてて読みやすかった。
無駄がなく、誰かの過去を想起する際も、だいぶ凝縮されて書かれており、しんどさを感じなかった。
終盤、ちょっと押し込んだようにいろんな内容が詰め込まれてたのが残念。
駆け足に読ませられる印象を持ってしまった。
やっぱりボクシングの取材がしっかりされてて、根拠があるなと唸らされる。
広岡がカッコ良すぎて、キャストに佐藤浩一って合ってるなーと関心しながら読めた。
嫌悪感抱く人物もおらず、終盤、嫌と思っても仕方ないエピソードもあるが、それまでも美しく描かれてるので嫌な気持ちもしない。
爽やかな青春スポーツ小説だった。