沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 敗れざる者たち

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    『深夜特急』が面白いので(まだ読みかけ)、他のジャンルも読んでみたくなって寄り道してみた。

    スポーツ・ノンフィクションの草分け的な作品。

    1. ボクシング カシアス内藤
    2. プロ野球 (長島にポジションを取られた)難波、土屋
    3. マラソン 円谷幸吉
    4. 競馬 競走馬イシノヒカルの馬手、調教師、騎手
    5. プロ野球 榎本喜八
    6. ボクシング 輪島功一

    表題通りの内容なのだけど、本当に敗れることなく勝ち切った、という意味では、ラストの輪島功一のリターンマッチ最終ラウンドKO勝ちが、唯一カタルシスを得られる作品。

    他の主人公は、『まだ、負けてないぞ』と足掻き続ける、ある意味、『見苦し

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    2024年02月25日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    沢木氏の代表作「深夜特急」は間違いなく面白いが、海外経験が乏しいと実感が持ちにくい部分もある。
    その点、本書は旅先が日本国内なので海外経験の有無は関係なく読める。
    観光案内ではなく、旅先での出来事が主観的に綴られているのだが、不思議と現地に行ってみたくなる。
    沢木氏の原点とも言える「東北一周の旅」に関する一連の文章が強く印象に残り、学生時代に訪ねた龍飛崎にもう一度行きたくなった。

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    2024年02月18日
  • 一瞬の夏(下)

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    体力的な衰えだけでなく精神的な持続力も翳りを見せてきたカシアス内藤。その彼が対戦を望む韓国の柳選手との試合を実現させようと東奔西走する作者の前に様々な問題が立ちふさがる。
    困難があっても簡単に諦めるのではなく、どうすれば実現できるかと考えながら行動することが大切だ。
    カシアス内藤のその後を知りたいと思った。

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    2024年02月10日
  • 作家との遭遇(新潮文庫)

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    ネタバレ

    思えば、沢木幸太郎の本を読んだことってほとんどなかった。
    今回読んだのは、いろんな作家のことで、紹介分には作家論とある。あとがきを読むと、文庫の解説を集めたものだという。
    どれもこれも、するどく個性的だと思った。もちろん、作家それぞれが個性的であるわけだけれど、この本を読むと、登場する本たちも読んでみたくなる。
    特に印象的なのは、向田邦子。読み進めていくうちに、あれこれは?と思い、やはり、そうだったか、とはっとする。書かれた年月をじっと見る。

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    2024年02月03日
  • 一瞬の夏(上)

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    一度は引退したボクサー、カシアス内藤の復帰戦までのプロセス。
    カシアス内藤だけでなく、自分や関係する人々の心理まで丁寧に掘り下げていると感じた。

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    2024年02月03日
  • 春に散る(下)

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    元世界チャンピオンの夢に敗れた4人(広岡、藤原、佐瀬、星)が暮らす家(チャンプの家)にふとした喧嘩で知り合った翔吾が一度は諦めたボクサーとして教えを乞う為訪れる。4人は翔吾にテスト課題を与え帰らすが、数ヶ月後課題をクリアした翔吾が現れる。そこから4人に翔吾が加わり、その後佳菜子と野良猫が加わり共同生活が始まる。4人は翔吾に才能を感じて夢を託して其々の得意技を伝授していく。その過程で佳菜子の不運の過去を知る事になり其々が過去に傷を持って生活する。翔吾は着実にボクサーとしての技術&体力を向上させて東洋チャンピオン、4人が果たせなかって世界チャンピオンに登り詰める。然しその代償で翔吾はボクサ

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    2024年01月30日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    年末旅行の移動中に読んだ。移動手段と宿だけ押さえた他はノープラン、せめて飯屋くらいは調べておいた方が良いだろうかと悩んでいたが、却って本書で無計画旅行のモチベーションに油を注いだ結果になった。トランヴェールの連載エッセイだからと忖度するわけでもなく、旅先で感じたことが率直に書かれており、各章ごとに一期一会の旅の醍醐味を感じた。
    津軽地方について書かれた章は特に、少し前に太宰治の津軽を再読していたので、二人の感じ方の違いが見られて興味深く読んだ。

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    2024年01月07日
  • 夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―

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    読み応えあり。著者のすごい読書量。
    残念ながらこの中で出てくる作家の中で読んだことがあるのは向田邦子、村上春樹、カズオ・イシグロ、群ようこくらい。
    山本周五郎に沢山頁を割いてたけど、読んでないのでとばしてしまった。
    色川武大とは懇意にしてたみたいだけど、最近亡くなった
    伊集院静とは同年代だし面識なかったのかな。
    なんか真逆のタイプかも。
    女性にモテて、旅好きというとこは同じだけどね。
    (ウィキペディアで調べたら沢木耕太郎の方が3歳上だった)長生きして欲しい〜。

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    2023年12月03日
  • 春に散る(上)

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    映画になった様だが観ずに先ずは原作を読む。。
    年老いて40年ぶりに出逢い且つ、同じ屋根の下で暮らす事になる深い絆で結ばれた男4人がちょっと眩しくもある。
    昔ボクシングジムで四天王と呼ばれながら共に世界チャンピオンを目指した4人(広岡、藤原、佐瀬、星)が夢に破れ其々の道を歩み年月を重ねる。米国から帰国した広岡は、昔の友3人との再会を果たし其々の生活の苦境から一つ屋根の下で暮らし始めるまでの話。後半どう言った展開になるのか?非常に楽しみ。。

    広岡はボクサーを世界チャンピオンを目指しながら米国に渡るも夢に破れ引退しそのまま米国でホテル経営をしていたが病を患い手術を迷いキーウエストに1人旅行に出かけ

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    2023年11月18日
  • 夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―

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    沢木耕太郎さんの30年にわたる数々のエッセイの中から、本にまつわるものをまとめた本。30年とはいえ、本のエッセイだけでもこの厚さ。作家でもあり読書家でもあるベースがあるからこそのボリュームだろう。

    「本を買う」の章では、大阪の天神橋筋商店街を巡った話が中心になっている。この商店街は、書店が減少している時代であっても、古書店や新刊書店が何軒も見られるという。
    商店街を行きつ戻りつしながら書店巡りをして、店内の棚を見、また次の店に行き、本を決めて購入し、近くの喫茶店(カフェではなく)で読み始める。こうした行動が淡々と書かれている。なんだかこちらも一緒に書店巡りをしている気分になってくるのが不思議

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    2023年11月17日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    ネット以前のアナログ旅紀行として 懐かしい思いで読みました。
    かつてはネットがなく、紙の情報、現地での情報のみ。
    醍醐味がたくさんあった。

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    2025年12月18日
  • 若き実力者たち

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    沢木氏の若かりし時の作品。
    登場する「若き実力者」の中にはわたくしの知らない方も。

    沢木氏が実力者と評するだけに、みなさん様々な境遇や葛藤を乗り越えギラギラした悟りのようなものを感じた。

    まだユーラシアへ旅立つ前、深夜特急が世に出る前の作品だが、自ら「人物紀行」と評されていることに共感した。

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    2023年11月04日
  • 夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―

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    三島由紀夫、モハメッド・アリ、向田邦子、山本周五郎……。未知の人物との遭遇が、心躍らせる物語への熱中が、いつだって私を豊かにしてくれた。幼少期から現在に至るまで、無数の本との出会いを綴る豊潤な36編。『深夜特急』の直前、26歳の時に書いた単行本未収録のエッセイ「書店という街よ、どこへ?」も初収録!

    巻頭で著者が言及していた書店は、以前の勤務先に近く、私もしばしば訪れていた。業種が変わってしまった時はがっかりした。街から書店がなくなるのは、悲しい。一方で40年前の梅田の大型書店のルポには驚かされた。ここまで混雑していたとは。
    山本周五郎を今度、読んでみたい。

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    2023年10月18日
  • オリンピア ナチスの森で

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    ベルリンオリンピックの事なんも知らないから単純に好奇心を満たせてよかった。当時すでにマラソンの世界記録は2:30切ってたとか、高跳びにはまだベリーロールもなかったとか、バタフライが平泳の一種として取り扱われてたとか、面白い。マラソンで優勝した日本の選手が朝鮮人なのもすごく興味があるのでこのあたりについてももっと知りたい。戦前なんて大昔のような気がしてたけど、使われてたテクノロジーとかも思ったより近代的で驚いた。オリンピア二部作の監督のレニ・リーフェンシュタールにインタビューして迫る部分は価値があると思う。タイミング的にもこの時でないと書けないようなものを沢木耕太郎はよくものにすると思う。

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    2023年10月08日
  • 春に散る(上)

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    ボクシング小説なのに、ボクシングの話が全然出てこず、上巻が終わる。
    すごい試みやなと思う。
    しかし、上巻で丁寧に人物描写してくれてるおかげで、入り込めたのは間違いない。
    無駄に長く同じ言葉ばかり並べる作者もいるけど、沢木耕太郎は本当にさっぱりとしたシンプルな文面でサクサクと読める。

    かつて四天王と呼ばれたボクサーが歳をとり、将来有望なボクサーと出会い、それぞれの必殺技を伝授しながら成長させていく。
    男が好きそうな物語。
    よくボクシングのことも取材されてるなーと分かるボクシング小説だった。

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    2023年09月21日
  • 春に散る(下)

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    シンプルにまとめられてて読みやすかった。
    無駄がなく、誰かの過去を想起する際も、だいぶ凝縮されて書かれており、しんどさを感じなかった。

    終盤、ちょっと押し込んだようにいろんな内容が詰め込まれてたのが残念。
    駆け足に読ませられる印象を持ってしまった。

    やっぱりボクシングの取材がしっかりされてて、根拠があるなと唸らされる。
    広岡がカッコ良すぎて、キャストに佐藤浩一って合ってるなーと関心しながら読めた。
    嫌悪感抱く人物もおらず、終盤、嫌と思っても仕方ないエピソードもあるが、それまでも美しく描かれてるので嫌な気持ちもしない。

    爽やかな青春スポーツ小説だった。

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    2023年09月21日
  • 春に散る(上)

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    ネタバレ

    前半のラスト10ページくらいまでボクシングは無し。それでも期待を込めつつスラスラと読めたのは筆者の力量か。映画は、未見も広瀬は佐藤浩市のイメージとは少し違うし、佐瀬と藤原が鶴太郎と哀川翔って違和感しか無い。

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    2023年09月05日
  • ポーカー・フェース(新潮文庫)

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    沢木さんの短編エッセイ集。過度に気取らず、さりとて平凡でなく。旅先や仕事、家の近くの公園で会った人、著名な人との関わりなど、人生における様々な小さな出来事から、話を膨らませるのは素晴らしい才能。旅先で読むにはちょうど良い内容と分量。

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    2023年08月29日
  • ポーカー・フェース(新潮文庫)

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    チェーンスモーキングを読んだのは何年前だったろう?
    本書もほぼ変わらない筆致で、こんなスマートな文章あるんだ、という軽いショックを受けた感覚を思い出した…

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    2023年08月12日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    一巻から六巻のうちの五巻に突入しました
    旅も終盤となると、ちょっと淋しい気持ちになります
    今回は、沢山の世界遺産や有名地が出て来るので、私もネット検索しながら一緒に旅した気分に浸りました

    トルコ(エルズルム、トラブソン、アンカラ、イスタンブール)から始まり
    ギリシャ(アテネ、ペロポネソス半島のミケーネ、スパルタ、ミストラ、オリンピア、パトラス)
    そして、地中海船旅でイタリアを目指します

    トルコでは、ちょっとだけ贅沢をして、著者お気に入りのブルーモスクと海が見える部屋に泊まります
    そして日本で頼まれていた事があり、それを果たしにアンカラに行きます
    今まで、厳しい経済的な状況とその時の気分で動

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    2024年07月24日