沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 寒橋(さむさばし) 山本周五郎名品館III

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    「山本周五郎」の短篇時代小説集『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋(さむさばし)』を読みました。
    『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』に続き、「山本周五郎」の作品です。

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    生涯、膨大な数の短編を遺した「山本周五郎」。
    短編選集決定版の第三巻(全四巻)

    武士の、同輩への友情と、許婚への断ち切れない愛情との葛藤を描く『落ち梅記』。
    浪人の、赤ん坊に対する人情が愛情に変わっていくプロセスを描く『人情裏長屋』。
    長屋住まいの一家の、究極の人情ともいうべきものを描く『かあちゃん』。
    亭主への、また父の娘に対する「情」の交錯がドラマに複雑さを与える『寒橋』。

    ほか、『

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    2024年01月04日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    「山本周五郎」の短篇時代小説集『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』を読みました。
    久し振りに時代小説を読みたくなったんですよね。

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    生涯、膨大な数の短編を遺した「山本周五郎」。
    没後五十年を経た今なお、読み継がれる作品群の中から、選びに選ばれた名品。
    短編傑作選の決定版!(全四巻)

    第一巻に収録するのは、「周五郎」が日本女性の最も美しく貴い姿を集約させたともいえる『松の花』、その対極にある自らの性に翻弄される女『おさん』、酔っ払いだが腕のいい職人の父親を描く人情ものの傑作『ちゃん』、ほか『あだこ』、『晩秋』、『おたふく』、『菊千代抄』、『その木戸を

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    2024年01月04日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    以前「トランヴェール」で読んだ「水で拭く」というエッセイがとても印象的だった。今回文庫として手元に置けるようになり歓喜!
    更に、「旅先に沢木耕太郎を持って行ったらとても情緒ある雰囲気を醸し出せるはず」と帯同させたのだが、結果旅先で折れ曲がったり表紙が破れたりでぼろぼろに…それもまた味…

    そもそも『深夜特急』も全く読んだことがないのに…ミーハー極まり無い…


    ちなみに「水で拭く」のはお墓参りのエピソード。花も線香も持たず布で一心にお墓を拭く姿に、澄み切って凛とした空気と、相手へのあたたかな思いを感じた。
    旅先での不思議な縁や、共に過ごしてきた人との思い出や。沢木さんほどになれば、日本全国に結

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    2023年11月26日
  • テロルの決算

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    沢木の処女作で代表作。最初の単行本刊行は1978(昭和53)年のことで、それからもう45年も経った。最初の文庫化も1982(昭和57)年、やはり40年以上が過ぎた。新装版も2008(平成20)年、それから15年も経った。
    山口二矢という右翼少年による浅沼稲次郎暗殺事件は、1960(昭和35)年のことで、それからもう60年以上も経った。だが、内容は今なお、色褪せてないように思う。

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    2023年10月06日
  • 旅の窓

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    たまには写真集もいいですね。この本は、それぞれの写真にそえてある文章が短すぎず長すぎず、私の好みでした。何となく手元に残しておきたくなるのも「写真集」かもしれません。お勧めはアメリカのニュージャージー州のある町の写真と文章。「名もない町」などというものはない。手にとって見て読んでいただきたい。

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    2023年10月01日
  • 夢ノ町本通り―ブック・エッセイ―

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    私も古本屋と新刊の書店のふたつが近くに欲しい…!
    本好きの人が住める住宅街を作り、近くに本屋専門のデパートがあるといいのになと思わず夢想した。

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    2023年09月05日
  • 春に散る(下)

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    ネタバレ

    本作の主人公、広岡仁一は著者、沢木耕太郎の「夢の存在」であると、あとがきで語られている。野球に傾倒した少年時代、志半ばで第二の道へ進むも、そこで魂を燃やすことのできなかった沢木耕太郎にとって、広岡は「夢の存在」であるという。
    そう聞くと、合点がいく場面もいくつかある。
    しかし、そうであればもっと主人公が何を考えているかの描写を増やしてほしかったように思う。
    沢木耕太郎作品の特徴は主人公の感受性にあると思う。声には出さずとも頭の中で考える内容に興味を惹かれるからだ。
    実際、ラストシーンはすごく良かったがそれは広岡の考えがダイレクトに伝わってきたからかと考える。

    いずれにせよ、映画化は楽しみであ

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    2023年07月15日
  • 春に散る(上)

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    沢木耕太郎の書籍が映画化されることを知り、本作を購入した。
    沢木耕太郎の小説は何冊か読んだが、これまでの小説と比べて会話量が多く、すごく読みやすくなっている。これまでの小説の主人公にはどこか沢木耕太郎本人のような要素を多分に感じたのだが、今回はまた新しいキャラクターのやつに感じた。下巻が楽しみだ。

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    2023年07月01日
  • 春に散る(下)

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    ストーリーとしては素晴らしいんだけど、何しろ長い・・・。「一瞬の夏」のスピード感がほしかった。超能力者、佳菜子は要らなかったかな。

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    2023年05月31日
  • テロルの決算

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    昨今の政治家襲撃に関連して紹介されていたので手に取った作品

    恥ずかしながら全く知らない事件であり、こうも大きな事件が知られずにいたものかと自分の無知を棚に上げておもったりなどした。

    テロに至る若者の頑なさと被害政治家の愚直さが辛かった

    起こるべきテロなんてものはないけれど、それにしたってどうしてと思わずにはいられない。

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    2023年05月26日
  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版

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    ガイドブックやネットに頼らず、駅前の地図を頭に入れて歩き出しわからなけらば人に聞く。そういう旅を著者は続けている。そして思いもかけなかったものとの遭遇やそれに纏わる思索を端正な文章で世に送り出してくれる。

    P181
    行くか、行くまいか、迷ったときは行くにかぎる。なぜなら、すべては移動によって始まるから、だ。

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    2023年04月10日
  • 一瞬の夏(下)

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    元東洋チャンピオン・カシアス内藤と東洋チャンピオン・柳済斗との再戦の実現に向けて、動き出す。

    柳サイドとの交渉に奔走する『私』。
    柳とのタイトル戦が何度も延期となり、生活のために、トレーニングを犠牲にして、働くカシアス内藤。
    そんなカシアス内藤に苛立つエディ・タウンゼント。

    柳済斗との再戦へのそれぞれの想いにずれが生じ始める…

    『オトシマエ』をつけることはできるのか…

    ノンフィクションだから、ドラマティックなものを求めるべきではないのか…
    なんだかもどかしい…
    何かもの足りない…

    カシアス内藤に何か共感できないものがある…
    もっとやれるだろって、感じる…
    何かどこかで逃げているような

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    2023年03月26日
  • 一瞬の夏(上)

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    強打をうたわれた元東洋ミドル級王者カシアス内藤。

    当時駆けだしのルポライターだった『私』は、カシアス内藤の選手生命の無残な終りを見た。

    そのカシアス内藤が、四年ぶりに再起する。再び栄光を夢みる元チャンピオン・カシアス内藤、手を貸す老トレーナー・エディ・タウンゼント、見守る若きカメラマン・利朗、そしてプロモーターとして関わる『私』。

    一度は挫折した悲運のボクサーのカムバックに、男たちは夢を託す。

    淡々と進んでいく、物語。
    ドキュメンタリーだからだろうか…

    カシアス内藤の再起戦はどうなるのか…

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    2023年03月25日
  • 一瞬の夏(上)

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    かなりの長編だったけど飽きずに読めた。もの凄くドラマティックな展開と言うのでは無く、自分の印象としては淡々と物語が進む印象だったけど悲哀とかうらぶれた感じがアクセントになっていて印象深い一冊たった。
    つくづく思うのは、ボクサーと言う職業はスポットライトを浴びているのはほんの一握りでほとんどは内藤のような底辺でギリギリやっているような人たちが多数なんだろうな。

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    2023年03月20日
  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版

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    コロナ禍から徐々に移動が緩和されてきた中での、旅にまつわるエッセイ。海外の印象が強い筆者だが、旅先が国内であっても真っ直ぐににヒトや物事に向き合う姿勢は一貫しており、それが予期せぬ発見や感動を見出すことに繋がっていると思う。筆者がインタビューで話していた「自由へのこだわり」を思い起こした。

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    2023年03月11日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

    ネタバレ 購入済み

    旅の終わりとは

    どこかの巻にに旅の終わり方が難しいと書いてあったが、そのとおりだと思う。
    ロンドンにはついたものの、いつどうやって帰国の途に着いたのかがわからない。終わり方が気になる旅なんてなかなかないので、そういう意味で新鮮な気持ちにさせられた。わかったようでわからない。旅とは何か、旅に暮らすとはどんなことなのか、とりとめもなくそんなことを考えさせられた。

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    2022年12月31日
  • 作家との遭遇(新潮文庫)

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    少年の頃に開いた書物の森で、あるいは「学校」のようだった酒場の片隅で、沢木耕太郎が心奪われるように出会ってきた作家たち。山本周五郎、向田邦子、山口瞳、色川武大、吉村昭、吉行淳之介、小林秀雄、瀬戸内寂聴など、書くことが即ち生きることだった19人の作家に正面から相対し、その本質を描き出す。誰も知らなかった顔に辿り着き、緊張感さえ孕むスリリングな刺激あふれる作家論!

    高峰秀子のエッセイを並行して読んでいたので、その偶然に少し驚く。

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    2022年11月05日
  • 波の音が消えるまで―第3部 銀河編―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    元サーファーで元カメラマンの主人公がマカオでバカラ賭博の必勝法を求めるフィクション。1970年当時のマカオの喧騒が、バカラ賭博の熱と共に伝わってくる。主人公の師ともいえる劉さんが、死ぬ間際にバカラの必勝法に辿り着き、主人公に伝えたのは「波の音が消えるまで」。サーファーの主人公はバカラ賭博の庄間のツラ目、戻り目を波と捕らえ、最終的には自分自身が波となる。冷静で聡明そうな主人公も最終的には劉さんのように暗雲とした人物像に変化していく。

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    2022年09月07日
  • 旅の窓

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    深夜特急を読んだことがあれば沢木耕太郎がほとんど写真を残さない旅をしていたことは知っている

    そんな彼の、旅とはおよそこういうもの、と思わせてくれる写真とエッセイ

    旅したくなる

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    2022年09月05日
  • 危機の宰相

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    難しかった。
    上昇期の日本。向かっていく方向をハッキリ示せるリーダーと、優秀なブレーンがいたということか。

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    2022年07月28日