沢木耕太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2巻はバンコクから始まるマレー半島縦断の旅、そしてシンガポール。
著者自身が「香港の幻影ばかり追い求めていた」と書いており、どうやら東南アジアはもう一つピンと来なかった模様。
どちらも(当時の)発展途上国だが、香港では逞しさやエネルギッシュさといった明るい面がもっぱら描かれ、東南アジアではその暗部がフィーチャーされている。タイのチュムポーンで出会った性病の子持ち娼婦のあたりはちょっとしんどい。
そうした悲哀への著者の向き合い方も、結局は上から目線の憐憫、先進国に暮らす者の驕りなのではと思わないでもない。でも同時に、自分自身も沢木氏の立場だったらきっと同じようなことを考えるんだろうな、とも思 -
Posted by ブクログ
印象的だったのは、著者がニュージーランドの若者二人組とシンガポールで出会った時の話です。
期限はあまり気にせず、何年かかけて世界を見て廻ろうとする若者二人組。
旅は期限ありきで考えがちだけど、時間や資金に余裕があるなら、彼らみたく心ゆくまで旅をしようと考えるのも清々しくて良いなと思いました。
それから、世界を旅する中で好きな国に出会えるのは良いことだけど、その国を出発した後もそのイメージを求めてしまうと、せっかくの海外を放浪する旅の面白さが減ってしまうことにも繋がるのかなと思いました。
一つ一つの国はそれぞれ異なった文化や歴史があって、その違いを楽しめるのが深夜特急のように海外を放浪する旅の