沢木耕太郎のレビュー一覧
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「所得倍増」を産み、実行していった三人の男の物語。
しっかりと政治を行うためには、政治家のぶれない意志と、これを方向付け、支えるブレーンが欠かせない。また、そのブレーンが生み出す政策も、大局観に立っており、未来を見据えている必要がある。そんなことを改めて感じさせる。
現代に置き換えて、過去ほど分かりやすい目標が失われてしまっていることを考慮しても、政治家・ブレーンともに、日本を預けるに値する者が見いだせないでいる。それは、偶然世に出ていないだけだという指摘があるかもしれないが、結果が出せていない以上、そのように結論付けるほかない。
現代のリーダー待望論はまさに、そのようなチームを国民が熱 -
Posted by ブクログ
おそらく、この本を手に取った全読者は「ベルリンオリンピック」の記憶や思い入れは皆無であろう。
戦前の・・しかもドイツでのオリンピックの話なので、それは無理もないことなのかもしれない。
本書はオリンピック記録映画を芸術の域にまで高めた「レニ・リーフェンシュタール」の生きたインタビューからはじまり、出場選手(おもに日本人)たちの生い立ち、動機などバックグラウンドから、手に汗握る試合状況まで、非常に卓抜した構成で成り立っています。
そのため読者は、記録としてではなく「生きた記憶」として「ベルリンオリンピック」の再燃を、その手で実感することができるという素晴らしい良書です。
スポーツドキュメン -
Posted by ブクログ
映画評です。
いや、著者は「批評ではないのは無論のこと、・・・感想文ですらない」と書いているので、普通に映画評ではないですね。
映画を題材にして、まあ、大げさに言えば彼の哲学(?)、人生観(?)を語るような内容でしょうか。
取り上げられている映画は多種多様、ほとんど観たことのないものばかりでしたが、彼独自の視点で解きほぐされていて面白かった。
学生時代には毎日のように観ていた映画。
この本を読んで、またいろいろな映画を観たくなりました。
そう・・・行ったことも、行くこともないかもしれない国に触れ、旅をするように。
そして、使われなかった人生を辿り・・・ありえたかもしれない人生を追憶するよう