沢木耕太郎のレビュー一覧
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作家の沢木耕太郎が、自らが20代後半で経験した海外放浪の旅を記したシリーズの、第5巻です。
バスを使って、ユーラシア大陸を横断している沢木青年。
想定以上の月日を要しましたが、第4巻からは移動のペースが上がってきました。
第5巻では、沢木がトルコとギリシャで過ごした日々が、記されています。
長く滞在した「アジア」から、「ヨーロッパ」の玄関口へと移動した沢木。
トルコでは、沢木が日本人であることを知って、彼に親切にする人が複数、登場します。
そして、直近では移動優先で旅をしていた沢木が、イスタンブールにはしばらくの間、滞在します。
イスタンブールの街の情景や人々との交流について書かれ -
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沢木耕太郎が、海外放浪経験を記したシリーズの、第4巻です。
「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、バスで移動する」という(自分なりの)ルールで旅をスタートした、26歳の沢木青年。
香港、バンコクを経由した航空チケットを選んだこともあり、スタート地点のデリーまで、かなりの日数を要します。
そんな沢木も第3巻の最後になってようやく、デリーに到着しました。
立ち寄った土地にしばらく滞在し、人とふれあい、街の空気を味わうという旅を続けてきた沢木。
しかしデリーに着いてからは、目的地であるロンドンに向けて移動することを、意識するようになります。
そんな沢木の、中央アジアから中東にかけての道 -
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沢木耕太郎が、自らの海外放浪の経験を記したシリーズの、第3巻です。
「インドのデリーから、イギリスのロンドンまで、バスで移動する」という目標を立てて旅をスタートした、20代後半の沢木青年。
航空チケットの都合で、香港とバンコクを経由して、デリーに至るルートを選びます。
香港およびマカオでの経験を第1巻、バンコクおよびマレー半島での経験を第2巻に記した沢木ですが、2巻の終盤で突如、「(インドの)カルカッタに行こう」と決めます。
予定変更にともなうゴタゴタを経て、カルカッタに着いた彼は、空港で立て続けに、二人の日本人に話しかけられます。
話の成り行きで、二人と行動を共にすることになった沢木。 -
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20代後半の沢木耕太郎が、自らの海外放浪の旅を記したシリーズの、第2巻です。
旅のスタート地点と定めていたのは、インドのデリー。
しかし、航空チケットの関係で、香港とバンコクを経由して、沢木はデリーへと向かうことにします。
第1巻の香港編に続き、この第2巻では、タイのバンコクに到着したところからスタートします。
今回も、初日の宿も決めずにバンコクに移動してきた、沢木青年。
現地で出会った親切な人に助けられながら、なんとか、初日に泊まるホテルを確保します。
しかしそのホテルで彼は、ホテルのボーイから「女を買わないか」と、しつこく勧誘されます。
「金が無い」と断る沢木ですが、ボーイの言葉か -
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スポーツを見ることはなぜ面白いのか。
残酷なようだが、そこにアスリートの命がけを見、それをショーとして外野で楽しみ、時には自分の不可能性を彼らの可能性に託すことで現実によりもたらされるストレスを発散したいという願望があるのではないか。
この本においては、その命がけのショーにおいて、まさに自分の人生を賭けて、アスリート的な栄光は掴めずとも、その日陰の中で足掻いて足掻いて、足掻き続ける者達の姿が描かれる。
我々にとってはショーの脇役としても、演者にしては人生そのものである。
スポーツの、勝ち負けが生じる戦いの残酷さ、諦めないことへの賛美というよりは、悲哀とでも言うべきか、儚く寂しく、されど美しく -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
インドでの列車移動の過酷さ、カースト制度の根強さ、死の扱い方などカルチャーショックを感じる内容が多く引き込まれた。
また旅先で病気になり体がきつくなったときの描写もハラハラした。
後書きで、
だんだん肉体的な疲労がたまってくると人を拒絶するようになって、その果てに、人に対しても自分に対しても無関心になって、どうでもいいじゃないか、例え死んでもかまわないじゃないか、と思うようになってしまう。
そう思っていても、肉体的疲労が癒されると前へ進もうと思える。
と書いてあって、なるほどそうかもと思った。海外に長くいると日本のカレーや醤油ラーメンが恋しくなる、というのはすごく共感した。 -
Posted by ブクログ
スポーツ界にあって優秀な成績を残しながらあと一歩突出できず満開の花を咲かす事ができなかった人々がいる。何故なのか?
著者は彼等を「敗れざる者たち」と呼びその対岸に大輪の花を咲かせたヒーロー、長嶋茂雄さんをおいて両者違いを見ているのだと思う。
ボクサーのカシアス内藤をはじめとして6人の敗れざる者たちの苦闘が著者によって語られる。
その中でマラソンランナー円谷幸吉を描いた「長距離ランナーの遺書」は胸に沁みる。
実際に彼が走る姿を見、自死の知らせをオンタイムで知った身だからという事もある。
しかし彼が生きた当時の生真面目にあらねばならないという考え、日の丸や応援者の期待に背いてはいけないという命懸け