沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    作家の沢木耕太郎が、自らが20代後半で経験した海外放浪の旅を記したシリーズの、第5巻です。

    バスを使って、ユーラシア大陸を横断している沢木青年。
    想定以上の月日を要しましたが、第4巻からは移動のペースが上がってきました。

    第5巻では、沢木がトルコとギリシャで過ごした日々が、記されています。

    長く滞在した「アジア」から、「ヨーロッパ」の玄関口へと移動した沢木。

    トルコでは、沢木が日本人であることを知って、彼に親切にする人が複数、登場します。
    そして、直近では移動優先で旅をしていた沢木が、イスタンブールにはしばらくの間、滞在します。
    イスタンブールの街の情景や人々との交流について書かれ

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    2025年04月07日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    長く旅を続けないと感じることのできない感情があるんだなとおもった。
    なんとなく無感動になる、どこに向かうのか、どう終わるのかという気持ち。
    人生も一緒で、というのもわかる気がする。
    同じことをしても若い頃とは感じ方が何か違う。貪欲さとか飛び込んでいく勢いとか。

    長く外国にいると食べ物より日本語の本が恋しくなるというのは本当に共感した。

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    2025年04月01日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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     世界一カオスといわれるインドを当てもなく歩くというルポであるが、インドのカオスさがリアルに伝わってきた。旅に求める目的とは一般には非日常の実感であると思われるが、日常からかけ離れたインドのカオスな非日常がリアルな追体験のように伝わる本書から、筆者の行動力と描写力を感じた。

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    2025年03月31日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    沢木耕太郎が、海外放浪経験を記したシリーズの、第4巻です。

    「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、バスで移動する」という(自分なりの)ルールで旅をスタートした、26歳の沢木青年。

    香港、バンコクを経由した航空チケットを選んだこともあり、スタート地点のデリーまで、かなりの日数を要します。
    そんな沢木も第3巻の最後になってようやく、デリーに到着しました。

    立ち寄った土地にしばらく滞在し、人とふれあい、街の空気を味わうという旅を続けてきた沢木。
    しかしデリーに着いてからは、目的地であるロンドンに向けて移動することを、意識するようになります。

    そんな沢木の、中央アジアから中東にかけての道

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    2025年03月24日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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     タイからマレー半島を経てシンガポールに至る旅が本編の舞台である。現地の生々しい生活や現地人との交流がリアルで、自分がバックパッカー旅行を行っているような臨場感を感じる。現地の連れ込み宿の癖のある宿主やタクシー、バス運転手との値段交渉、衛生観念の全くない屋台での食事等、実体験に裏打ちされた一つひとつの描写がリアルであった。

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    2025年03月20日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    沢木耕太郎が、自らの海外放浪の経験を記したシリーズの、第3巻です。
     
    「インドのデリーから、イギリスのロンドンまで、バスで移動する」という目標を立てて旅をスタートした、20代後半の沢木青年。
    航空チケットの都合で、香港とバンコクを経由して、デリーに至るルートを選びます。
    香港およびマカオでの経験を第1巻、バンコクおよびマレー半島での経験を第2巻に記した沢木ですが、2巻の終盤で突如、「(インドの)カルカッタに行こう」と決めます。

    予定変更にともなうゴタゴタを経て、カルカッタに着いた彼は、空港で立て続けに、二人の日本人に話しかけられます。
    話の成り行きで、二人と行動を共にすることになった沢木。

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    2025年03月17日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    旅をすること。旅をしていると、土地の人に親切を受けることがよくある。親切は心からありがたいことなのだが、実は旅をしていること自体が贅沢なことだというのを忘れてはならない。
    そして、旅先で出会う人々を警戒しすぎないほうがいい。彼らとの関わりは、新しい世界への扉かもしれないからだ。そのあたりのリスクを嗅ぎ分けるスキルは、実際の旅先でしか身に付かないものだと思う。

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    2025年03月11日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    20代後半の沢木耕太郎が、自らの海外放浪の旅を記したシリーズの、第2巻です。

    旅のスタート地点と定めていたのは、インドのデリー。
    しかし、航空チケットの関係で、香港とバンコクを経由して、沢木はデリーへと向かうことにします。

    第1巻の香港編に続き、この第2巻では、タイのバンコクに到着したところからスタートします。

    今回も、初日の宿も決めずにバンコクに移動してきた、沢木青年。
    現地で出会った親切な人に助けられながら、なんとか、初日に泊まるホテルを確保します。

    しかしそのホテルで彼は、ホテルのボーイから「女を買わないか」と、しつこく勧誘されます。
    「金が無い」と断る沢木ですが、ボーイの言葉か

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    2025年03月10日
  • 春に散る(上)

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    簡単なあらすじは、元ボクサーの中年男性が、くすぶってる若いボクサーに出会い、自分の夢を託しボクシングを教え、世界一を目指すという物語。

    ちょうど読み始めた際に、映画化が決まり、役柄が僕の好きな佐藤浩一と横浜流星ということを知ったので、頭の中では2人が演じてました。

    中年になっても、何か満たされないものがあり、もがき続ける佐藤浩一演じる広岡に感情移入してしまい、何回か泣けました。オススメの小説です。(上下巻あります)

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    2025年03月04日
  • 敗れざる者たち

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    スポーツを見ることはなぜ面白いのか。
    残酷なようだが、そこにアスリートの命がけを見、それをショーとして外野で楽しみ、時には自分の不可能性を彼らの可能性に託すことで現実によりもたらされるストレスを発散したいという願望があるのではないか。

    この本においては、その命がけのショーにおいて、まさに自分の人生を賭けて、アスリート的な栄光は掴めずとも、その日陰の中で足掻いて足掻いて、足掻き続ける者達の姿が描かれる。
    我々にとってはショーの脇役としても、演者にしては人生そのものである。
    スポーツの、勝ち負けが生じる戦いの残酷さ、諦めないことへの賛美というよりは、悲哀とでも言うべきか、儚く寂しく、されど美しく

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    2025年02月26日
  • 天路の旅人 無料お試し版

    購入済み

    感動します

    私はこのお試し版で本編を読み母国へ辿り着こうとしていた主人公がたどり着いた答えを知った時にとても感動しましたとてもこの作品はおすすめです

    #感動する

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    2025年02月26日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    旅を続ける上での筆者の悩みがつづられていく回。
    これまで物乞いには一切の恵みも渡さなかったが、同じバスに乗ったヒッピーが自分も他の旅人に残り物をねだるほどお金がないのに、子供になけなしのお金を渡す姿をみて、筆者は自分の旅での目的を見失ってしまう。
    人の温かさが伝わってくるエピソードが多かった。

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    2025年02月18日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    ☆インド編
    インドのカースト制が私たち日本人からするととても奇妙で意味のないものに思えるが(神の子)と呼ばれる最低カーストに属する人々との交流も描かれておりカースト制によって保たれている物も多いということが伝わってきた。
    インドに行くと人生観が変わるという言葉はよく聞くが意味がよくわかっていなかった。しかし日本の充実した暮らしに浸かっている自分には信じることのできないような体験ばかりで、自分もそんな体験をしてみたいと感じた。

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    2025年02月18日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    深夜特急1よりも個人的に興奮した。それは人との関わりがより深く描写されているからであろう。自分もこのような旅がしたいとウズウズした。

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    2025年02月13日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    インドでの列車移動の過酷さ、カースト制度の根強さ、死の扱い方などカルチャーショックを感じる内容が多く引き込まれた。

    また旅先で病気になり体がきつくなったときの描写もハラハラした。

    後書きで、
    だんだん肉体的な疲労がたまってくると人を拒絶するようになって、その果てに、人に対しても自分に対しても無関心になって、どうでもいいじゃないか、例え死んでもかまわないじゃないか、と思うようになってしまう。
    そう思っていても、肉体的疲労が癒されると前へ進もうと思える。
    と書いてあって、なるほどそうかもと思った。海外に長くいると日本のカレーや醤油ラーメンが恋しくなる、というのはすごく共感した。

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    2025年02月02日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    本人が言うように香港ほどの熱気に溢れている感じがしない場所だからか、1巻に比べると穏やかである意味では退屈なパートなのかもしれない。次巻にも期待。

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    2025年01月26日
  • 敗れざる者たち

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    スポーツ界にあって優秀な成績を残しながらあと一歩突出できず満開の花を咲かす事ができなかった人々がいる。何故なのか?
    著者は彼等を「敗れざる者たち」と呼びその対岸に大輪の花を咲かせたヒーロー、長嶋茂雄さんをおいて両者違いを見ているのだと思う。
    ボクサーのカシアス内藤をはじめとして6人の敗れざる者たちの苦闘が著者によって語られる。
    その中でマラソンランナー円谷幸吉を描いた「長距離ランナーの遺書」は胸に沁みる。
    実際に彼が走る姿を見、自死の知らせをオンタイムで知った身だからという事もある。
    しかし彼が生きた当時の生真面目にあらねばならないという考え、日の丸や応援者の期待に背いてはいけないという命懸け

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    2025年01月24日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    あっという間に、
    読み終えてしまいました。

    4巻目も、
    読もうと思いました。

    とっても面白くて、
    本当にあっと言う間でした!

    さてさて、
    4巻をポチりします!


    面白く、
    興味深い本との出会いに感謝。

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    2025年01月07日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    JR東日本の車内誌の連載をまとめたもの。なので、北への旅に関するエピソードが中心。
    ふらりとその土地に行って、出会いを楽しむ。目的はあるようでない、そんな旅を疑似体験できた。
    深夜特急を寝食忘れて読んだ学生時代、世界に飛び出して行くことを教えてくれた沢木さんが、今度は日本の良さ、面白さを紹介してくれた良エッセイ。

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    2025年01月05日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    著者のはじめてのひとり旅は16歳の時の東北。歳も経験も重ね同じ土地を旅する。

    有名無名に関わらず、ひととの出会い、エピソードに心が暖まる。

    特に現地で偶然目にした人々の様子、何気ない会話に惹きつけられる。

    「失敗」の考え方にも共感できる。

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    2025年01月03日