沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    第二次世界大戦末期、8年かけて中国奥地からインドまでラマ僧に扮して潜入した西川一三。
    彼の旅路を西川自身の著作とインタビューから描き出す。

    ・感想
    西川さんは本当に稀有な人物。
    こういう姿勢で自分を生きることが出来る人ってそうそういないと思う。
    「自分を生きる」って自分勝手とか身勝手とかではなく西川さんの様な人のことを言うのかもなって思った。

    「日本のため」という口実と目的、本人の気性と行動力が噛み合って実現した8年間の旅路は西川さんだけのもの。
    私には彼の様な生き方は到底不可能なので、本になることでその8年間の旅路の一欠片でも感じることができて、とても楽しかった。

    「自分を低い場所に置くことができればどこでだって生きていける」
    「多くのものを貰いすぎ、背中のウーグルに溜め込みすぎるということは荷を重くすることであり、前に進む歩みを辛くする事でもある。それは拓鉢においてのことだけでなく生きていく上での大事な事なのかもしれない」

    たくさん心に残った文章はあるけど特にこの二つが沁みた。
    欲望にはキリがないからもっともっとと求めてしまう。
    社会の発展には人類のそういう性質は必要不可欠なんだけど、進み続ける、上り続けるって疲れることでもあるよなって思う。

    行動力と好奇心と忍耐力を持ちすぎて、生物として純粋に強く肉体的にも精神的にも恵まれてるのでどこでだって生きていける。
    ただ西川さんの様な人は現代日本のような情報管理社会には適正はない人なんだと思う。
    それでも晩年の様にこうと決めたら淡々とした日々を過ごすこともできるんだろう。
    そこが彼の「強さ」なんだと思った。

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    2026年01月18日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    これまでの話で1番凄まじかった。
    自分では絶対に行かなそうなところだけど、だからこそすごく面白かった。
    貧しい国だからこその楽しみ方や文化があって、興味深かった。
    やっぱり旅人も人間だから、生活環境が一気に変わると体調壊すんだなと思った。

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    2026年01月17日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    最後のオチには思わず笑ってしまいました。旅は人生と同じで、思うようにならず、それでいて永遠に続くようなものだと思いました。イタリアのパスタが美味しそう、パリの街並みを歩いてみたい、などなどやはりヨーロッパは観光地として魅力的なのだなと改めて感じました。

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    2026年01月05日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    深夜特急三冊目。 旅情に富んだ味のある文章で、アジアの現実を(かつての)よく表している面白い旅行記、エッセイ。

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    2026年01月01日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    沢木耕太郎氏の深夜特急4。 面白かった。 高速バスのチキンレース、ホテルで体調の悪い客との関係、ヒッピーの乗るバスでのトラブル、日本人の知り合いが泊まるホテル探し、ペルシアで懐中時計を何日もかけて値切り続けるやりとりなど。 それぞれのエピソードがそれぞれ興味深く面白かった。

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    2026年01月01日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    トルコをあとにし、ようやくヨーロッパへ。アジアの喧騒から離れ、ついにヨーロッパ、ギリシアへと渡る。そこではどのような旅が、出会いが待っているのか。 旅は見るものではなく、出会いを通じて感じるもの、触れるものなのだなぁ。

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    2026年01月01日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    沢木耕太郎氏の「深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン」を読み終える。  シリーズ最終巻。  アジアからヨーロッパ、ロンドンまでの旅がついに完結。しかし、未だ旅は終わらず、という形で締めくくられる。 長い旅だった。そして、おそらくはかけがえのない宝物のような出会いに満ちた旅だったろう。 このような旅に憧れてしまう。

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    2026年01月01日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    インドの体験談は強烈でした。火葬場の話、カースト制度に根づく人々の差別意識など、面白いが自分には耐えられそうにありません。反面、ネパールにはいつか行ってみたいと思わされました。

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    2026年01月01日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    旅文学の新たな旅、という言うべきか。

    偉大なる冒険家"西川一三"との出会い、
    そして西川がどのようにチベット、ラサに至るのか。

    その道中をこれまでかと表現し尽くし、
    西川自身の想いやそれぞれの地で出会う蒙古人、あるいはタングート人、チベット人など、それぞれが持つアイデンティティや文化にも触れていく。

    それはまさに我々自身が旅に出ているかのような、
    そんな高揚感を与えてくれる冒険そのもので、
    ラサに至るまでの道を文字通り同行させてもらった、
    そんな思いを綴らざるを得ない。

    西川の度胸やここぞの運、また旅を俯瞰することでわかる偶然の産物などは我々が旅をする際にも起きていることなのであろう。それでも西川はラサに辿り着いた。

    自然に触れる一文はあまりに美しく、
    ラサに辿り着いたことは我々読者の到達でもある。

    そして一人旅をこよなく愛する僕にとっては、
    この一文は全く偉大である。

    「神仏に向かって祈っているのではない。長い労苦の象徴としてのラサに向かって首を垂れている。そこからラサは見えないが、彼らには見えているのだ。それは美しい自然の中の、もう一つの自然のように思えた。」

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    2025年12月20日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    旅に出る理由なんて、逃げでいいのだ。
    その先も別に知らなくていい。
    深夜特急を読むと、旅の不安が軽くなる。

    大層なお金がなくても、旅先の人たちとのやり取りが楽しそうだな。当時とはかかるコストも違うけど。

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    2025年12月17日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    「第二次大戦末期、ひとりの日本の若者が、敵国である中国の、その大陸の奥深くまで潜入した。彼はラマ教の巡礼僧に扮した密偵だった。しかし、彼は日本が敗れたあともなおラマ僧に扮し続け、実に足掛け八年に及ぶ旅を続けることになった。彼、西川一三の旅も長かったが、その彼を描こうとする私の旅も長かった。・・・発端から終結まで二十五年かかったことになる。・・・本格的に執筆に取り掛かったこの七年余りにおいても、飽きるということがなかった。ここにこんな人がいたという驚きから出発して、その人はこのような人だったのかというもうひとつの驚きを生んでくれることになった。」 と沢木があとがきで書く。

    「この戦争で、日本軍は、その土地その土地の人々の感情や習慣を無視してどれほどの失敗を犯したことだろう。それは、多くは無知によるものだった。何も学ばず、知ろうとせず、ただ闇雲に異国に侵攻してしまった。日本は戦争をする前に、自分や木村のような者たちを、あらゆる国に送り出しておくべきだった。あるいは、実際に送り出されていたのかもしれない。だが、その人たちは、自分たちのように、地を這うようには歩くことをしていなかったのだろう。同じ言葉を話し、同じ物を食べ、同じ苦しみを味わったりはしなかったのだ。」とも書いている。

    西川は常に新しい土地に挑んだ。
    国境も川も山も超えて突き進んだ。
    氷と雪と寒風のなかを自らの足で、靴が傷めば
    裸足ででも歩いた。
    ラマ僧になりきるために修行もした。
    性病を恐れて女性に交わらず、体を酷使して凌いだ。
    土地の人や同行者と気脈を通じ、自然の美しさや峠からの見晴らしに感動するが、次の探索を急いだ。

    彼は『秘境西域八年の潜航』の校正はしなかった。
    送られてきた同僚木村の本には目も通さない。
    終わったことは、聞かれればそのことは話すが
    自分からは語らない、寡黙であった。
    決めたことは必ずやる、身をもって体験する、
    行動をこそ重視する人であった。
    帰ってからは終生盛岡で364日仕事に没頭した。

    西川の未知の世界を知ろうとする行動力が沢木の本能にスパークした。彼の体験は人間本来の可能性と希望を呼び起こす。沢木は共鳴の疼きをこの作品に結実させた。バックパッカー沢木耕太郎集大成の傑作だ。

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    2025年12月15日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    私はこの巻が1番好きだった。インドや香港の目まぐるしいイベントたちも読んでいて楽しかったけど、私は人が何を考えているのかを知るのが楽しいから、これらのイベントを経て作者が今考えていることを知ることができて楽しかった。

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    2025年11月30日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    密偵としてモンゴルからインドまで旅を続け、日本人ということを隠すため、ラマ教徒と偽る。
    西川さんの行動力や努力は計り知れない。
    未開の地で生きていくのに、現地の言葉を覚え、托鉢をして僅かな食糧を得て、殆んどが野宿。
    ヒマラヤに近い地域の峠を何度も登り降りし、匪賊
    の脅威にさらされながら集落に着くと、軒を借りながら次の地を目指す。

    読んでいて、西川さんの8年に渡る経験を疑似体験
    したような感覚だった。
    人生には、生きながらえるための食糧と寝床さえ有ればあとは何も要らないといった人生観を養えたのは、あの体験があったからなのか。
    この小説に出会わなければ、このような日本人がいたと分からないままだったと思う。

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    2025年11月28日
  • 暦のしずく

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    講釈師が江戸時代を通して唯一死罪に処せられた事件をもとに創作された沢木耕太郎の初めてのフィクション。

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    2025年11月24日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    沢木耕太郎の国内(主に東北・北陸)旅エッセイ
    旅先についてだけでなく、所々にまぶされている著者の人生論が興味深い

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    2025年11月18日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    長い旅には人生と同じように、幼年期、少年期、青年期、壮年期があり、移ろい変わるのかもしれないという言葉にピンときた。私は一時期旅だけをして生きていきたいと思っていたことがあったが、何が目的なのか考えていくうちに、旅だけをする人生はつまらないと感じてしまった。でも、これは人生と旅を一緒に考えたからであって、歴史を勉強してから行ったり、どうしても経験してみたいことなど何か目的を持って行ったら素晴らしい経験になるのではないかと思う。作者の見てきた長旅をしている者たちは疲労で好奇心が摩耗し、外界に対し興味がなくなっている。そしていつ崩れるかわからない危うさと隣り合わせで旅の目的すらなくただシルクロードを通り道として通過する。私の旅の目的は、観光名所やお土産に興味がないことは作者と同じで、だったら何をしに外国へ旅に出るのかと聞かれると、食べ物やら人との出会いやら現実逃避やら自分探しやら、あまりパッとしない答えになってしまう。そしてそれらがどうしても旅じゃないと達成できないのかと聞かれたら、違うと言うと思う。これから旅をする理由とか目的とかを考えてみたい。

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    2025年11月18日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    自分も旅をしている気分で読めたし、その土地をゆっくり楽しんでいる感じがして心地よかった。
    インスタ映えの風景を探したりネットでおいしい店を探すのではなくてゆっくり歩いてその土地の空気を吸って旅をしてみたいものだ。

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    2025年11月18日
  • 暦のしずく

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    本の売り上げランキングには入っていないが、間違いなく読む価値のある本。主人公の文耕は歴史に埋もれてしまった人物であるが、男性にも女性にもモテる魅力的な人物。どういう経緯で獄門という重罪を負うことになるのか、辿っていくスリル。いつの間にか主人公の生き方に共感している自分。筆者の代表作になりうる大作である。

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    2025年11月17日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    戦中に中国大陸に密偵として従事した西川一三。
    未知の地域を旅する過程は生やさしいものではなく
    激寒の環境、匪賊の脅威、慣れない駱駝

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    2025年11月16日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    心身が健康じゃないと他人の親切が鬱陶しくなるのは日本にいる私にもすごく共感できた。こんなふうに感じる自分が嫌で、余計に病んでいく。作者は自分なりに克服していたからすごい。
    この旅行が終わり帰国してから元の生活に戻れるのかという不安は、リアルだなと感じた。スケールが違うが、夏休みが終わって学校が始まると、いくのが億劫になるのと似ているかもしれない。
    3巻まで少しずつ失速していった感じがあったけれど、4巻からは動き出した気がする。5巻からが楽しみだ。

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    2025年11月12日