沢木耕太郎のレビュー一覧
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沢木さんが16歳の時に初めて一人旅をした男鹿半島。実は私にとっても、就職後に初めて一人で降り立った思い出の地だ。
入職後に苦悩した空気、車窓から見た日本海の荒々しさ。本書を読み進めるうちに、あの日自分が何を感じていたのか、当時の記憶が鮮やかに呼び起こされた。
若い頃は「まだ見ぬ新しい世界」を求めて、挑戦するように旅をしていた気がする。
けれど、沢木さんが描く「かつての自分と再会するための旅」を知り、ハッとした。
もし今、もう一度男鹿半島を訪ねたら、私はどう感じるだろう。
今の自分なら、あの時見過ごしていた道端の石や、夕暮れの色に気づけるかもしれない。
あるいは、がむしゃらだった当時の自分 -
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東北地方を中心とした、著者の国内旅行記。
十代のころの旅と今を比較して思うことや感じることをつらつらと書き連ねている。文学的聖地巡礼を私もやってみたくなる。日本語の美しさ、風景のトーンが頁の上に浮かび上がってくるような旅ばかり。
長期休暇に何をしようかと考えると、つい海外旅行に目が行ってしまうが、著者の旅は日本ならではの良さがある旅ばかりで、特に東北地方は魅力的に思えた。ぜひ行ってみたい。青森、岩手、秋田。
記憶に新しいだけかもしれないが、終わりの方に収録されていた「雪」「夜のベンチ」の2編が、たいへんお気に入り。詩と性善説。
井上靖さんの詩である「雪」の二行を初めて読んだ。そしてたちまち -
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舞台がアジアからヨーロッパへと移り、いよいよ旅の佳境を迎える第5巻。
作中でも、ギリシャに入ってから沢木氏は繰り返し、なぜ旅をするのか、そしてこの旅をどうやって終えるのかといったことを考える。
いつからか見聞きするものに目新しさを感じなくなり、自らの旅が青年期を終えた事に気づくのだ。
そして身も蓋もないことを言ってしまえば、読者である僕も同じ。
バスでジプシーを見かけた話や、パトラスで誕生日パーティーに呼ばれる話など、個々のエピソードとしては興味深いものも多い巻なのだが、そのどれもが1巻の香港編ほどに、自分も旅に出たいという思いを湧き立たせるものではなかった。
特に、バスで乗り合わせたギリ -
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西川一三は日中戦争末期の1943年、26歳で諜報員となり密偵として内蒙古から寧夏省や青海省など中国大陸の奥深くまで潜入し、モンゴル、チベット、ネパールからインド亞大陸まで足を延ばす長期の探索を行った。敗戦の報を聞いても修行僧に身をやつし調査の旅を続け、1949年インドで逮捕され帰国した。
彼は福岡の修猷館中学を出て満州鉄道に入社し各地で働いた後辞めて諜報員養成の興亜義塾に入る。
『吉田松陰』全12巻をもって歩く愛国の士であった。未知の世界に惹かれ中国大陸の奥地やその先の地へ
興味や憧れを膨らまし、ラマ教の蒙古人巡礼僧になりすまし辺境への諜報活動を始めた。
・寧夏省のアラシャン地方で広大な砂