沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    香港を出て、バンコクからマレーシア、シンガポールへ。昔の貧乏旅行の雰囲気を感じる旅行記です。安宿を探してどこでもまず値切ってなるべく土地のものを求めて、なぜか土地の人の好意をもらって。もっとも私の頃はもうヒッピーなんていませんでしたが。
    一方で小説だからか、都合の良いところを切り取った感じもつきまとうところが、もうひとつ入り込みづらいところかもしれません。
    あと、最後の高倉健さんとの対談は良かったです。

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    2025年09月27日
  • いのちの記憶―銀河を渡るⅡ―(新潮文庫)

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     著者が25年間にわたり書き記したエッセイを集めた著書『銀河を渡る』を文庫化する際に2冊に分化したうちの後編が本書だ。そのエッセイが書かれたときに、振り返った過去の出来事について思いを馳せるようなエッセイが主だ。また、後半は著者がかかわった方がなくなられた際に、その交流のあらましが書かれている。

     恩師であったり、仕事関係の恩人であったり、有名人であれば美空ひばりさんであったり。特に印象に残るのは高倉健さんだ。それは、私が高倉健さんのファンだというだけでなく、沢木耕太郎さんを語るうえで切り離せないボクシングを通じての関りであるからだ。つまり、著者と高倉健との情熱のやり取りが書かれているからだ

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    2025年09月19日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

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    国内の旅エッセイ。移動手段は主に電車。1話が5ページ程度なので空き時間に軽く読める。金沢は私も行ったことがあるので、思い出してまた行きたくなった。
    国内の小さな旅も、ちょっとした非日常の冒険として楽しみたいな~と共感した。

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    2025年09月18日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    chatGPTに当方のMBTIタイプと真逆の本を紹介してほしいといわれ、選んで読んでみた一冊。

    当方は旅好きだし、行き当たりばったりも嫌いではない。最終目的だけ決まっている、という旅はなかなかできるものではないと関心した。読んでいて眠気に襲われることもしばしばあった。ただ終盤のカジノからは最後まで眠くなることはなかった。

    最後まで読んでみたいとは思った。

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    2025年09月14日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    ネタバレ

    カジノのところがよかった。もうやめとけ、もうやめとけと思いながら読んだ。ギャンブルの沼にはまっていく、狂気の一端を感じることができた。
    観光地へ行く煌びやかな旅ではなく、現地の生活に触れるというか入り込む土着的な旅で、それがいいなぁと思った。旅に出たいと思って買った本だったが、旅に出たいなとなお思った

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    2025年09月09日
  • キャラヴァンは進む―銀河を渡るⅠ―(新潮文庫)

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     ノンフィクション作家による紀行文。マカオ、上海、シルクロードが多めな印象。紀行文以外はボクシング、オリンピックなどに関する筆者の過去のノンフィクション作品の舞台裏に関する記述というか、宣伝がいくつか。
     「桃源郷」では世界の国々を見てきた筆者が、改めて日本の美しさ、特に田園風景に心を奪われた描写が印象的だった。普段意識することはないが、稲作民族であることを再認識し、田園の美しさに惹かれる経験をしたこともあり個人的に刺さった。
     「鏡としての旅人」はその土地を訪ねる旅人を通して現地人は自国の良さを認識するという話。1960年代、高度経済成長の過渡期にあって、三島由紀夫の投じた「世界の中の静かな

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    2025年09月07日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    帰ってきた日本は異国のようだった。懐かしの日本、よき日本は失われ、損なわれ、破壊されていた。人間らしさが失われていた。これまで旅してきた国や地域の「後進国社会」の方がはるかに人間的だと思えた。(下 p312)
    徒歩で過酷な旅を行い、いく先々で信頼を得ながらインドまでの路を進む。今ではできない旅かもしれない。驚くべき出会いと年月。紀行文を凌駕して、ドラマにしか思えない。百魔を読んだ時もあぜんとしたがそれ以上。こんな日本人はもういない。

    旅をすることで新しい土地に会い人に会い何かを得て何かを無くしていく。人生もそうなのだろうが、日本に帰ってからも本心は旅を続けたかったのだろう。

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    2025年09月07日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    今更ですが、初めての深夜特急です。
    1巻目はまだ旅の始まり(始まってもいない?)香港。今とは全然違う街の印象に逆にノスタルジックな旅心をかき立てられるようでした。
    冒頭、旅の途中のインド デリーでくすぶっているところから話が始まりますが(そこから旅の始まりに話が戻っていく)、倦怠感にまみれてインドの安宿に寝そべる若者たちの描写に、昔、インドやネパールで会ったバックパッカーたちを思い出しましたし、パキスタン国境を越えるビザの情報が旅人たちの間で口伝えに共有される様子に、ああ、昔の旅はこんなふうだったな、と、ふと思い起こしました。

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    2025年08月26日
  • 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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    日の当たらないところを歩んだ英雄がきっと色んなところに生きているのだろうと思う。
    使命感なのか本能なのか。
    想像を絶する旅の果てに望んだものは新たな旅だったのかもしれない。、

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    2025年08月14日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    このシリーズを読み進めるに連れ「繁華な通り」というワードに一種の恍惚を感じ始めていたが、4巻では激減する。パブロフの犬化していた私はお預けを食らった。
    それもそのはず。4巻では主に長距離バスで移動している。
    冬が来て、雪の降る車窓が鮮やかに目に浮かんだ。
    「これは日本にあるか?」という質問を繰り返す現地人がとてもかわいかったし、探せばあるようなものを「ないかな。」と答える主人公の優しさが好きだ。真実だけが優しさじゃない。

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    2025年08月03日
  • 暦のしずく

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    #暦のしずく
    #沢木耕太郎

    沢木氏がノンフィクション作家としての実力を発揮して、実在の講釈師、馬場文耕を描く。
    受けた恩義を返すため、やむなく軍記物ではない創作の講釈を始めた文耕。人々との出会いから、やがて命をかけた講釈に挑むことになる。

    #読書好きな人と繋がりたい

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    2025年07月31日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    シリーズ3作目はインド、ネパール編。インドのガンジス川の描写がなんとも生々しい。糞尿垂れ流し、死体遺棄、もろもろ。そら旅行者は気をつけてても体調を崩してしまう。

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    2025年07月29日
  • キャラヴァンは進む―銀河を渡るⅠ―(新潮文庫)

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    「深夜特急」の著書沢木耕太郎のエッセイ集。個人的には「凍」を書くきっかけになった山野井夫妻との対話が心に残った。できるだけ眼に見えるように書く、文章の書き方は的を得ているように思った。

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    2025年07月16日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    少し古い時代の話ですが、楽しく読める旅行モノを探している人にオススメです。
    ハラハラドキドキの部分も多々ありましたが、楽しく読めました。読んでいてワクワクする小説でした。

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    2025年07月13日
  • 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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    2から間空けて3を読み終えました。

    筆者はインドを旅行しています。
    インドという国、一文では語り尽くせない国ですよね、日本人の私達からは信じられない日常が繰り広げられ、強烈な印象だったんでしょうね。

    それはもう日本なんて国が平和過ぎて信じられないくらい。

    これまでの国より暗い場面が目立つように感じました。
    この一冊を読んで、皆さんはどう思うのでしょう、観光客目線では、
    日本に生まれて良かった
    インドは恐い国だな
    とかですかね、世界平和って何なんですかね。
    何か言葉にするのが難しい感想を抱きました。

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    2025年07月11日
  • 世界は「使われなかった人生」であふれてる

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    沢木耕太郎の映画エッセイ集『世界は「使われなかった人生」であふれてる』を読みました。
    沢木耕太郎の作品は、2年前に読んだ『不思議の果実―象が空を〈2〉』以来ですね。

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    「使われなかった人生」とは何だろう。
    それは、いまここにある自分の人生でなく、もう1つの可能性として「ありえたかもしれない人生」にほぼ等しい。
    しかし、それら2つの言葉の間には微妙な違いがある。
    「ありえたかもしれない人生」には手の届かない夢といった意味合いがあるが、「使われなかった人生」には具体的で実現可能な人生という意味が込められていると、著者は言う。ほんのちょっとした決断や選

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    2025年07月09日
  • 深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】

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    以前おすすめされていたので読んでみた。
    香港でひょんなことからカジノにどっぷりはまる主人公。結局ちょい負けで済んだが危ういところ。次巻はどうなることやら。

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    2025年07月02日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    「旅は楽しむもの」というのが概ね現代の認識だと思うが、本書を通じて旅の様々な動機を知った。仕事としての旅から生きるための旅へ、そして好奇心に突き動かされ「知る」旅へ。旅は人生そのものとはこの人のことを言うのだろう。

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    2025年06月28日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    第二次大戦末期、敵国中国の奥地までラマ僧に扮して潜入した西川一三。
    過酷な旅路にも関わらず、何が彼をそこまで突き動かすのか?それを探るために読んでいる気がする。
    チベットを目指しリチュ河を命懸けで渡るシーンはハラハラした。次はインドだ。

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    2025年06月21日
  • 天路の旅人(上)(新潮文庫)

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    こんな人がいたなんて。
    この人の凄いところは、ちゃんと自分が恥ずかしいと感じたことも正直に言っているところだと思う。
    そこに文化の違いとかがあらわれて、後から読む私たちには良いんだけど。

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    2025年06月19日