沢木耕太郎のレビュー一覧
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私は沢木さんのノンフィクションが大好きで、『凍』の感想にも「通勤電車が主な読書時間なのですが、この人の本を読み始めると、自分の位置がわからなくなり、乗り過ごしそうになるのです。少し沈鬱な感じのする文体なのですが、妙に私を引き込んでいきます」と書いています。
しかし、やはり沢木さんの小説は私には合いません。世評は非常に高いのですが、どうも私の期待とはずれています。
出版社の謳い文句には「沢木耕太郎、初にして堂々たる時代小説!」とあります。資料が少ないながらも、主人公の馬場文耕は実在の人物ですし、後半の舞台である郡上一揆(宝暦騒動)も有名な事件です。そう考えると、時代小説というより歴史小説の色 -
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評判の高い作品ですが、わたしには苦行でした。
一瞬の夏に辿り着くまでが長い長い。
永遠に終わらないかとまで思いました。
才能がありつつも若くしてリングを降りたカシアス内藤が、4年間のブランクのあと、再びボクシングに戻ってきた。
才能がありながら、いや、才能があったからこそ、練習嫌いで、なかなか結果を出せないままボクシングをやめてしまった彼を、再び栄光の座に送り出そうと思った著者の気持ちがどうにも解せない。
だって一度も自分とボクシングについて、きちんと対峙したことがない男が、まじめにやっていてもピークを越えたくらいの年齢で4年ぶりに戻ってきて、だからどうなの?
確かに所属ジムも内藤に親身 -
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沢木さんが16歳の時に初めて一人旅をした男鹿半島。実は私にとっても、就職後に初めて一人で降り立った思い出の地だ。
入職後に苦悩した空気、車窓から見た日本海の荒々しさ。本書を読み進めるうちに、あの日自分が何を感じていたのか、当時の記憶が鮮やかに呼び起こされた。
若い頃は「まだ見ぬ新しい世界」を求めて、挑戦するように旅をしていた気がする。
けれど、沢木さんが描く「かつての自分と再会するための旅」を知り、ハッとした。
もし今、もう一度男鹿半島を訪ねたら、私はどう感じるだろう。
今の自分なら、あの時見過ごしていた道端の石や、夕暮れの色に気づけるかもしれない。
あるいは、がむしゃらだった当時の自分 -
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東北地方を中心とした、著者の国内旅行記。
十代のころの旅と今を比較して思うことや感じることをつらつらと書き連ねている。文学的聖地巡礼を私もやってみたくなる。日本語の美しさ、風景のトーンが頁の上に浮かび上がってくるような旅ばかり。
長期休暇に何をしようかと考えると、つい海外旅行に目が行ってしまうが、著者の旅は日本ならではの良さがある旅ばかりで、特に東北地方は魅力的に思えた。ぜひ行ってみたい。青森、岩手、秋田。
記憶に新しいだけかもしれないが、終わりの方に収録されていた「雪」「夜のベンチ」の2編が、たいへんお気に入り。詩と性善説。
井上靖さんの詩である「雪」の二行を初めて読んだ。そしてたちまち