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没後50年、いまもなお読み継がれる巨匠の傑作短篇から、沢木耕太郎が選び抜いた名品。
山本周五郎の世界へ誘う格好の入門書であり、その作家的本質と高みを知ることができる傑作短篇集の第3弾!
生涯、膨大な数の短篇を遺した山本周五郎。
その大半がいまだに読み継がれ、多くの読者に愛され、また後進の作家たちに多大な影響を与え続けている。
山本周五郎作品に深く傾倒する沢木耕太郎氏が独自の視点と切り口で4巻36篇を選び、各巻の末尾に斬新かつ詳細な解説エッセイを執筆。
第3巻は「寒橋のまぼろし」。沢木氏の父の出生地であり、「寒橋」の舞台・旧小田原町(築地)に思いを馳せ、「さまざまな情が乱反射する、『情』の万華鏡とも言うべき」収録作の魅力を解き明かす。
本書の収録作は以下の9篇。
「落ち梅記」(武士の、同輩への友情と、許婚への断ち切れない愛情との葛藤)
「寒橋」(女房から亭主への、また父の娘に対する「情」が交錯し意外な結末を迎える)
「なんの花か薫る」(若侍をかくまった岡場所の女。シンデレラストーリーの結末は?)
「人情裏長屋」(不意に託された赤ん坊に対する浪人の人情が愛情に変わっていき……)
「かあちゃん」(裏長屋住まいの聖一家の究極の人情物語)
「あすなろう」(女衒のような女たらしと目明しに追われる凶状持ちの会話の行方は?)
「落葉の隣り」(親友の職人としての腕に惚れ込み、好きな女まで譲ったが……)
「茶摘は八十八夜から始まる」(改易で岡崎藩にお預けとなった殿様の、相伴役を買って出た男)
「釣忍」(恋女房と平穏に暮らすぼて振り定次郎が、じつは大店の勘当された息子だった)
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ 2022年02月27日
あの国民的作家山本周五郎作品の沢木耕太郎セレクト版、全四巻中の三巻。作品も解説も絶品。
落ち梅記、寒橋、人情裏長屋、なんの花か薫る、かあちゃん、あすなろう、落葉の隣り、茶摘みは八十八夜から始まる、釣忍、の九篇を収録。
人情裏長屋と母ちゃんが有名であろう。私的には寒橋の切なさと感動が良かった。つい...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年03月23日
「山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋」山本周五郎 (編:沢木耕太郎)
山本周五郎の短編集。相変わらずのクオリティ。
この一冊ではなんと言っても「人情裏長屋」と「かあちゃん」です。くさいと言われようがベタと言われようが、泣けちゃうものは泣けちゃうのです。
このあたりは個人的な好みなのか都合なのか分かりませんが...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年10月31日
巻末で語る沢木氏の世界も一片の作品の様で「情」の世界が持つ彼なりの想いを自分の父の話を軸に切々と語っているのが哀切を伝える。
とは言え、山本氏の作品に「情」が流れていないものが有るかな・・ユーモア小説の類でも情が有る。
でも沢木氏が語るように、膨大な作品群の中でも秀逸揃いを納めてある~「人情裏長屋...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月19日
「落ち梅記」
武士の審議と友情。
「寒橋」
時三とお孝。
父の世話をする奉公人おたみは、父が亡くなり、体調を崩し実家へ帰ると子供を産む。
世間も妻も時三が間違いを起こしたと疑わず、本人の時三もそれを認めるが、実は…。
「人情裏長屋」
抜群の件の腕前を持ちながら裏長屋に住み四六時中飲んだくれる浪人...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月04日
「山本周五郎」の短篇時代小説集『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋(さむさばし)』を読みました。
『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』に続き、「山本周五郎」の作品です。
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生涯、膨大な数の短編を遺した「山本周五郎」。
短編選集決定版の第三巻(全四巻)
武士の、同輩...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月04日
敗戦から5年後の1950年に発表された作品。
母を愛おしく思い大切にする父。母は病弱で早くに他界するが、父の深い愛に育てられた娘。その純粋な娘が自分を大切にしてくれる良人に恵まれる。とても幸せな日々が続くと思われたが。。。
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純粋な娘の心は良人の不貞行為で無残にも...続きを読む
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