沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    前巻のインドはとにかく絵が強烈だったが、今巻は作者の心情の揺れ動きにスポットが当たっている気がした。
    旅慣れ、あるいは旅疲れもあるのか、途中「人の親切がわずらわしい」とまで言い出してしまって、”おやおや”と言う気持ちで読み進めた。なんだか、先へ先へととにかく進んで、とにかく値切って...と、”もう少しその町を楽しんで!”と切ない気もしたけども、これが長旅を続けるヒッピーのリアルということなのか...
    好奇心が摩耗してきて、それでも旅からは抜け出したくない、そんな心のカオスが伝わってきた。

    ラマダンのバスの中で、みんなが「勧めあいっこ」して食べ物を18時より前に食べるきっかけを作ろうとしてると

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    2025年01月30日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    ネタバレ

    有名な観光地や観光スポットを巡るわけではなく、自分の直感や旅で出会った人から情報をもとに訪れる地を決めていく。当然失敗することもあるし、思いがけない経験をすることもある。

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    旅の目的が単に「行く」ことだけになってしまっているのではないかということです。大事なのは、「行く」過程で、何を「感じ」られたかということであるはずだからです。目的地に着くことよりも、そこに吹いている風を、流れている水を、降り注いでいる光を、そして行き交う人をどのように感受できたかということの方がはるかに重要なのです。
    6巻 p275より
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    2025年01月27日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    今回も面白かった。2巻はいろんな出会いがあった。仲良くなったと思っていたバンコクの女子学生や、日本語を勉強中の若者と、後味悪く終わったのが寂しかった一方、ペナンのヒモたちとの会話や、チュムポーン行きの列車で出会った若者たちの親切心など、良い出会いもたくさんあったようだ。香港ほどの熱気を感じられなかった著者だが、たしかに街にはそうかもしれないけど、人々との出会いは熱いものもあったように思えるけど...
    3巻も楽しみ。

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    2025年01月19日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    大陸横断なんて好奇心をこんなにも刺激される機会はそうないように思うが、渦中にいると好奇心が摩耗されて命さえ粗末に思えるようになるものなのかと意外だったが、読み進めていると意味が分かるような気もする。この本が単に旅先のレポートではなくて、旅を通してうつろい変化していく筆者の内情を辿ることができるのが面白いのかなと思った。

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    2025年01月07日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    また面白くなってきた!
    中東を日本人がこんなにふらっと横断できた時代があったのかとか(知らないだけで実は今もできるのかもしれないが)、タリバンの名前も出てこないアフガニスタンではこんな穏やかな時間もあったのかとか、中東の現代史を知りたいなと思わされた。

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    2024年12月28日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

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    ネタバレ

    マレー半島を寝台列車で縦断することになり、同じような旅行をしている人のブログとかを読み漁っていた。そこでたまたま知ったこの本を、寝台列車の中で読んだ。知らなかったのだが、実はかなり有名な紀行文のようで、バックパッカーブームの生みの親らしい。読んでみると確かに同じような旅をしたいと読者に思わせるような旅行記だった。

    一巻で訪ねた香港やマカオと比べると、バンコクもクアラルンプールもシンガポールも、作者にとってはどうもイマイチだったらしい。自分と同じような旅程がテーマということで手に取った本であるが、行く先々のほとんどの街が物足りないと言われていたのには、正直笑ってしまった。でも、作中の作者は僕と

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    2024年12月29日
  • 一瞬の夏(下)

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    いろんなことを思う作品だったな。
    人を導いたり教えたり託したりする事のもどかしさ。
    カシアス内藤さんには弱点があったのかもだけど、それもなんとなくわかる気がするものだったな。

    ボクシングに魅せられ翻弄された人たちのお話。

    やるならしっかり悔いない様に。

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    2024年11月26日
  • 春に散る(下)

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    物語を通して、人との繋がりや、相手への思いやりが丁寧に描かれていました。老人たちが集団で生活する、いわゆるネガティブな生活感のようなものはなく、素敵な年の取り方をしている大人の集まりに憧れを感じます。
    料理のシーンが個人的には特に好きで、定番のメニューを丁寧に作る描写からは、生活に丁寧に向き合っている大人の余裕が感じられます。
    著者はきっと執筆が楽しかったのだろうな、と勝手に感じています。きっと主人公のように丁寧な生活を楽しみ、その時その時を一所懸命に生きてこられた方なのだろうなと想像を膨らませています。

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    2024年10月20日
  • 春に散る(上)

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    登場人物の台詞や細やかな気遣いから、人間への愛が感じられます。裏切りや妬みなど人の嫌な部分はなく、安心して心地よく読書を楽しめる、そんな小説だと感じました。
    不動産屋や小料理屋など、ふとした他人とのふれあいのシーンがとても素敵で、踏み込みすぎず、でも互いに良い印象を持つコミュニケーションが自分なんかにはまだまだ真似のできない大人を感じさせる振る舞いです。
    年を重ねることに不安を感じることが多い中、この小説からは希望を感じます。おじさんの夢が詰まっているとも言えます。
    上巻の後半からは登場人物も増え、テンポも上がってきており、下巻を読むのがとても楽しみです。

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    2024年10月16日
  • テロルの決算

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    沢木耕太郎の二矢という少年への強い思いが伝わってくる。普通の17才の「素直さ」「狂気」「儚さ」が見事に伝わってくる作品となっている。近年では安倍晋三の銃撃事件があったが、あの事件で、頭をよぎったのは、この「テロルの決算」だった。

    まだ、読み終えていなかったこの小説のあとがきは、二矢が「生きていたら」という、言葉が胸を打つ。二矢を引き立てるために、他の人物を事細かく書くことで、二矢に寄り添いそして二矢を追ってきた沢木耕太郎にとってさらに思い入れの強い人物となっていたのだろう。

    私にとっては、とてもいい作品であった。

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    2024年09月05日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    面白いよなあ、やっぱり。
    自分の知らない外国の世界を見せてくれるのと、独特の(ちょっと気どった)詩的な叙述が最高。
    旅の流れが途切れない程度に感想や内省など旅と関係ない話が出てくるのも良い!飽きさせない工夫なのかな

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    2024年08月27日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    山本周五郎の描く女性は、解説の沢木さーと同様感銘する
    沢木選「名品館」は全部で四巻
    残すところ三巻
    楽しみだ

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    2024年06月04日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

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    長い旅を通して著者の旅論を随所に見ることができる。
    終わりが決まっていない旅を人生と重ね合わせることで20代の心の揺れ動きに共感が持てる。
    ヨーロッパに入り、アジアほどの刺激は無くなってきているが、それも著者自身の感じ方が変わってきたことも影響している。

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    2024年06月02日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

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    パキスタン、アフガニスタン、イランを巡る旅。
    イランのイスファハンでの、バザールの時計屋との価格交渉が印象的。
    既に旅を始めて1年になろうとしていて、旅という長いトンネルに入ってしまったと感じている。トンネルの向こう側にあるものとうまく折り合えることができるのか?感情の揺れ動きが感じられて面白い。

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    2024年05月28日
  • 一瞬の夏(下)

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    子供の頃から斜に構えた人間だったので沢木耕太郎は意識高い人間が読むものだと読まず嫌いして避けて通っていたけれども本作は高校時代の友人が勧めていて、かつボクシングの話なので意を決して読んでみました。

    結論としてはすごく面白くて夢中になって読みました。

    カシアス内藤のことはうっすらと知っていて結末に向かっていくにしたがってドキドキよりも不穏な気持ちの方が大きくなるかなと思いながら読んでいたけれども、結末に至るまでの人物と心の描写がすごくて、ああこれは沢木耕太郎信者が多いわけだと納得してしてしまいました。

    やはり好きなジャンルのノンフィクションはいいものだなーと思いつつ、こう言う好きなジャンル

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    2024年05月19日
  • テロルの決算

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    現実に起きたこの事件は知らなかったが、小説として書き起こされた当時の情景に息を呑む思いを感じる。17歳の少年が人を殺し冷静に取り調べを受け自決する。物語終盤の以下の言葉が少年テロリストのものに思えないが、そう思って読むと様々な感情が湧き起こってくる。
    「私の人生観は大義に生きることです。人間必ずや死というものが訪れるものであります。その時、富や権力を信義に恥ずるような方法で得たよりも、たとえ富や権力を得なくても、自己の信念に基づいて生きてきた人生である方が、より有意義であると信じています。自分の信念に基づいて行った行動が、たとえ現在の社会で受け入れられないものでも、またいかに罰せられようとも、

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    2024年05月13日
  • 春に散る(下)

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    あとがきにこうあった。描きたかったのは、見事な「生き方」や鮮やかな「死に方」ではない。一瞬一瞬のいまが全ての「在り方」、現在をないがしろにしたり犠牲にしたりせず、いま在るこの瞬間を慈しむ「在り方」を描きたかったのだと。

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    2024年05月12日
  • 春に散る(上)

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    ボクシング小説だと聞いて読み始めたが「上」では、そんな場面などもほとんどなく、ボクシングを引退した後あまり芳しくない人生を送ってきた70歳手前のチャンピオンにもなれなかった元ボクサー四人が邂逅していく話だ。ほぼ同世代なので、その複雑な心情がしみじみと伝わってきてほろほろする。しかし、「上」の最期の最後に登場した半グレと一緒にいた若者が、この後の「下」巻を熱いものに変えていく。

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    2024年05月12日
  • 春に散る(下)

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    著者の沢木先生が理想の人生を描いた作品に思える

    登場人物が全員いとおしくかっこいい

    こんな年の取り方をしてみたいものだ

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    2024年04月16日
  • 春に散る(上)

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    チャンピオンをあきらめた男が
    日本に帰って チャンピオンを育てることをめざす物語

    同年代だからか 胸が熱くなる作品

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    2024年04月16日