沢木耕太郎のレビュー一覧

  • テロルの決算

    Posted by ブクログ

    沢木耕太郎の二矢という少年への強い思いが伝わってくる。普通の17才の「素直さ」「狂気」「儚さ」が見事に伝わってくる作品となっている。近年では安倍晋三の銃撃事件があったが、あの事件で、頭をよぎったのは、この「テロルの決算」だった。

    まだ、読み終えていなかったこの小説のあとがきは、二矢が「生きていたら」という、言葉が胸を打つ。二矢を引き立てるために、他の人物を事細かく書くことで、二矢に寄り添いそして二矢を追ってきた沢木耕太郎にとってさらに思い入れの強い人物となっていたのだろう。

    私にとっては、とてもいい作品であった。

    0
    2024年09月05日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

    Posted by ブクログ

    面白いよなあ、やっぱり。
    自分の知らない外国の世界を見せてくれるのと、独特の(ちょっと気どった)詩的な叙述が最高。
    旅の流れが途切れない程度に感想や内省など旅と関係ない話が出てくるのも良い!飽きさせない工夫なのかな

    0
    2024年08月27日
  • 深夜特急2―マレー半島・シンガポール―(新潮文庫)【増補新版】

    Posted by ブクログ

    マカオからタイをへてシンガポールへ
    タイにもシンガポールにももう一つのめり込むところがないような感じ
    沢木さんはどこに1番魅力を感じるのか?
    旅行する前の経緯も書いてあった。

    0
    2024年08月23日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

    Posted by ブクログ

    ロンドンまでの旅の最終話。
    旅が終わりに近づくにつれて、読者も「from youth to death」を感じる。
    スマホがある現代では、全く同じような旅を実現することはおそらく困難であるが、人生で一度は味わってみたい魅力的な旅であった。

    0
    2024年06月28日
  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

    Posted by ブクログ

    旅で自らの自意識やエゴイズムを脱却できた人は、すでにこの世にいない。現実を生きながらえている人は、必ず何かのエゴイズムを抱えて生きている。それを「我到着せず」

    0
    2024年06月21日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

    Posted by ブクログ

    山本周五郎の描く女性は、解説の沢木さーと同様感銘する
    沢木選「名品館」は全部で四巻
    残すところ三巻
    楽しみだ

    0
    2024年06月04日
  • 深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】

    Posted by ブクログ

    長い旅を通して著者の旅論を随所に見ることができる。
    終わりが決まっていない旅を人生と重ね合わせることで20代の心の揺れ動きに共感が持てる。
    ヨーロッパに入り、アジアほどの刺激は無くなってきているが、それも著者自身の感じ方が変わってきたことも影響している。

    0
    2024年06月02日
  • 深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】

    Posted by ブクログ

    パキスタン、アフガニスタン、イランを巡る旅。
    イランのイスファハンでの、バザールの時計屋との価格交渉が印象的。
    既に旅を始めて1年になろうとしていて、旅という長いトンネルに入ってしまったと感じている。トンネルの向こう側にあるものとうまく折り合えることができるのか?感情の揺れ動きが感じられて面白い。

    0
    2024年05月28日
  • 一瞬の夏(下)

    Posted by ブクログ

    子供の頃から斜に構えた人間だったので沢木耕太郎は意識高い人間が読むものだと読まず嫌いして避けて通っていたけれども本作は高校時代の友人が勧めていて、かつボクシングの話なので意を決して読んでみました。

    結論としてはすごく面白くて夢中になって読みました。

    カシアス内藤のことはうっすらと知っていて結末に向かっていくにしたがってドキドキよりも不穏な気持ちの方が大きくなるかなと思いながら読んでいたけれども、結末に至るまでの人物と心の描写がすごくて、ああこれは沢木耕太郎信者が多いわけだと納得してしてしまいました。

    やはり好きなジャンルのノンフィクションはいいものだなーと思いつつ、こう言う好きなジャンル

    0
    2024年05月19日
  • テロルの決算

    Posted by ブクログ

    現実に起きたこの事件は知らなかったが、小説として書き起こされた当時の情景に息を呑む思いを感じる。17歳の少年が人を殺し冷静に取り調べを受け自決する。物語終盤の以下の言葉が少年テロリストのものに思えないが、そう思って読むと様々な感情が湧き起こってくる。
    「私の人生観は大義に生きることです。人間必ずや死というものが訪れるものであります。その時、富や権力を信義に恥ずるような方法で得たよりも、たとえ富や権力を得なくても、自己の信念に基づいて生きてきた人生である方が、より有意義であると信じています。自分の信念に基づいて行った行動が、たとえ現在の社会で受け入れられないものでも、またいかに罰せられようとも、

    0
    2024年05月13日
  • 春に散る(下)

    Posted by ブクログ

    あとがきにこうあった。描きたかったのは、見事な「生き方」や鮮やかな「死に方」ではない。一瞬一瞬のいまが全ての「在り方」、現在をないがしろにしたり犠牲にしたりせず、いま在るこの瞬間を慈しむ「在り方」を描きたかったのだと。

    0
    2024年05月12日
  • 春に散る(上)

    Posted by ブクログ

    ボクシング小説だと聞いて読み始めたが「上」では、そんな場面などもほとんどなく、ボクシングを引退した後あまり芳しくない人生を送ってきた70歳手前のチャンピオンにもなれなかった元ボクサー四人が邂逅していく話だ。ほぼ同世代なので、その複雑な心情がしみじみと伝わってきてほろほろする。しかし、「上」の最期の最後に登場した半グレと一緒にいた若者が、この後の「下」巻を熱いものに変えていく。

    0
    2024年05月12日
  • 春に散る(下)

    Posted by ブクログ

    著者の沢木先生が理想の人生を描いた作品に思える

    登場人物が全員いとおしくかっこいい

    こんな年の取り方をしてみたいものだ

    0
    2024年04月16日
  • 春に散る(上)

    Posted by ブクログ

    チャンピオンをあきらめた男が
    日本に帰って チャンピオンを育てることをめざす物語

    同年代だからか 胸が熱くなる作品

    0
    2024年04月16日
  • 飛び立つ季節―旅のつばくろ― 電子オリジナル版

    Posted by ブクログ

    会社員時代の出張で新幹線を利用していると、トランベールっていう冊子に連載されていたのを駅弁の紹介コーナーと並んで楽しみに読んでました(今も連載されてるのでしょうか?)。本の大きさといい重さといい手触り装丁が紙の本として旅のお供にぴったり。電子書籍も荷物にならなくていいけどこういう感じの本だと紙の方がいいなぁと思ってしまいます。一気に読むのでなく一編一編味わって少しづつ読むのが楽しかった。それにしても心にしみる文章です。完璧な予定を立てて滞りない旅行よりも思いがけないものとの遭遇の方が感動が上回るエピソードは実感します。コロナ後の自由になってきた世の中でまた用心しつつ、思いがけないものとの出会い

    0
    2024年01月30日
  • 敗れざる者たち

    Posted by ブクログ

    年末年始を海外旅行で過ごすことにし、旅行の友に選びました。私も30年前、「深夜特急」に影響を受け、アジアへ一人旅にでた若者の一人ですが、今回久しぶりに手にした筆者の作品。
    私にとっても馴染みのない野球選手、ボクサー、ジョッキー、ランナーにも関わらず、45年を経ても胸に迫るものがありました。時代が変わっもの変わらないもの、もしかして失われつつある愚直さ。生き方を問いかけられるようでした。自らの旅と等価以上の興奮を与えてくれる作品でした。

    0
    2024年01月02日
  • テロルの決算

    Posted by ブクログ

    社会党委員長の浅沼稲次郎が渋谷公会堂で行われた立会演説会の演説の最中にテロリストの若者と交錯した場面はテレビ映像で何回か見たことがあった。
    この本は17際の少年がなぜ暗殺に及んだのか、また、その時現場にいた多くの人たちが何を見て何を感じたのか克明に描いている。
    当時の政治情勢含めて詳細に描かれた秀作だと思う。

    0
    2023年12月15日
  • 旅のつばくろ(新潮文庫) 電子オリジナル版

    Posted by ブクログ

    JR東日本の雑誌『トランベール』に連載していたエッセイから、著者自ら41編を選んで一冊にまとめたもの。当時、新幹線の車内で読んでいた人が羨ましくなる、素晴らしい内容でした。

    例えば「絵馬の向こう側」では、日本人と海外から来た人の書く内容から、視点の違いにドキっとしたり、「旅の長者」では、旅に出て予期しないことに出くわす”旅運”についての記述など、たくさんの興味深いエッセイがありました。

    なかでも、一番好きなのは「夜のベンチ」です。著者が、16歳の春に初めての一人旅である、東北一周の旅に出たきっかけが「終着駅」に書かれていますが、そのときに起きたあるエピソードについて書かれています。人ってい

    0
    2023年11月15日
  • テロルの決算

    Posted by ブクログ

     社会党政治家が右翼少年に刺殺された事件がテーマとなったノンフィクション作品。二人の過去を辿りながら、社会党政治家側の視点、右翼団体の視点、そして、テロ至るまでの経緯が丁寧に描かれている。
     戦争、安保闘争、学生運動、その時々の人々の考えが伝わってくる、とても学びの多い作品だった。それぞれの転換期にどちらに世の中が傾いたか。世代間の考え方の違いは、歴史の積み重ねであることを感じた

    0
    2023年11月13日
  • 春に散る(下)

    Posted by ブクログ

    こういう晩年もいいな。
    未来のために現在をないがしろにしたり、犠牲にしたりする「生き方」「死に方」ではなくて、今この瞬間を慈しむ「在り方」という表現が刺さった。

    0
    2023年11月03日