若竹七海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
次々と不幸な目にばかり遭ってしまう真琴は、辿り着いた葉崎市の海岸で溺死体の第一発見者になってしまう。
運良く古書店アゼリアの店番の職にありついた真琴だが、そこでも新たな死体が。
事件の陰には葉崎氏の名門・前田家にまつわる秘密があった…。
「ヴィラ・マグノリアの殺人」に続く、葉崎市を舞台にしたコージーミステリ。
前作で登場した人物が少し出てきますが、独立したお話なので前作を読んでいなくても問題ありません。
地方の資産家の親族同士の愛憎劇の上、トゥーマッチな登場人物たちがわんさか出てきて、ちょっとテレビの二時間サスペンスみたい…と思いきや、終盤のどんでん返しの見事さに感嘆させられました。
軽 -
Posted by ブクログ
アンソロジーは、初読みの作家さんを手に取るきっかけにもなるのだけど、今回は、お馴染みの作家さんに大軍配な感じ。
「ウシュクダラのエンジェル」
他の国の宗教や慣習を安易に批判・否定するわけではないのだけど、なんとも切ない展開だった。そういうお話に、京介の語り口がやけに似つかわしい。
「禁じられた遊び」
ずっと綸太郎パパの入院話で、どんな事件に関わるのかと思ったら。
あの映画を一ひねり二ひねりした展開はさすが。
でも、名探偵の本領発揮はなかったような(笑)
「詩人の死」
なんていう毒を含んだ作品なんだろう。
いかにも葉村晶、いかにも若竹七海。
「バルーン・タウンの裏窓」
懐かしのバルーン・タ -
Posted by ブクログ
楽しく読めました。
コージー・ミステリの定義を池上冬樹さんの解説で取り上げています。「恐ろしい事件が起こっても、それが解決すると再び平穏な、心地よい平凡な日常的な生活に戻っていけるという安心感に支えられたミステリー」なんだそうで。まさに本書はコージー・ミステリ。
若竹氏の作品を読んでいつも思うのが、伏線の上手さ、面白いキャラの登場人物たちの上手さです。
本書でも古書店「アゼリア」のオーナーで大富豪でもあり、めちゃロマンス小説に詳しい紅子さんがいい味をだしています。
なんとなくキャロリン・G・ハートの作品を読んでいるような感じもしました。(意識しているのかもしれないのですが)。
すっかり紅子さん