若竹七海のレビュー一覧
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人間より猫の方が多い猫の楽園・通称「猫島」の海岸で、ナイフの突き立った猫のはく製が見つかる。
さらに、マリンバイクで海を暴走する男が、崖から落ちた男と衝突して死ぬという事件が起こる。
猫アレルギーの警部補が辿り着いた真相とは?
葉崎市シリーズのミステリ長編作。
殺人や麻薬事件等、起こる事件は不穏そのものだけども、猫が随所に現れるせいなのか、のどかでとぼけた雰囲気を醸し出しています。
出てくるどのキャラクターも一癖あり、人間味あふれていて何だか憎めません。
皆、まるきりの善人というわけでもないし悪人なわけでもない。
でもちょっとズレていて、奇妙な事件が起こっているのに緊張感に欠けるところが笑えます。
干潮時には本土と陸続きになるが生活するのに不便な離島の暮らしが淡々と語られ、大変だなあと思うものの、この雰囲気のおかげで猫に癒されながらスルスル読めちゃいます。
ただ、フックが無さ過ぎて中盤は少し単調に感じてしまいました。
散りばめられた伏線がラストに向かうにつれてきちんと回収され、小粒ですがミステリとしても申し分ない作品です。
一点だけわざと解決されない謎があるんですが、これが気になって気になって…二人の間に何があったんだ~。
(本筋の事件には関係のない可愛らしい謎なので、解決しない方が味があるのですが…) -
Posted by ブクログ
元警察官大道寺圭は、一冊の本を書いた。警官時代に出会ったおバカな犯罪者たちのエピソードをつづったもので、題して『死んでも治らない』それが呼び水になり、さらなるまぬけな犯罪者たちからつきまとわれて……。
語り口はあくまでも軽く、淡々としてるのだけど、 実際の内容自体は思いっきりブラック。犯罪者たちは確かに間抜けなんだけどやってること相当ブラック。語り口と内容のギャップからくるシュールさが好き。大道寺は口も悪いし運も悪いけどたぶんそうとう能力値が高いぞ。いろんな意味で悪は成敗されてはいるので後味は悪いけど気分は悪くない。やっぱり最後には葉崎にたどりついてなんかにやにやしてしまった。ただ幕間?の一編はこねくりまわしたわりにあっさりした終わりだったかなあ。 -
Posted by ブクログ
葉村晶シリーズ最新作。
老女の尾行を依頼された晶は、老女同士の喧嘩に巻き込まれいきなり大怪我をするという不運から始まる。
喧嘩相手の懐に入り込むことになってしまった晶は更にその家族の謎に魅せられのめり込むことになる。
相変わらず晶の周りには良く言えばマイペース、悪く言えば自分本位な人間ばかりがいる。
富山店長や桜井(こちらはたまには気を遣ってくれるが)は言うまでもなく、警察の当麻、大家の姪、成り行きで住むことになったアパートの持ち主ミツエ、その孫ヒロト、その周囲の人々…。
彼らの主張は端から見れば全くの身勝手で受け入れる必要はないのに、それを拒否すればどんな悪意が跳ね返ってくるかわからないだけに恐ろしい。
こんな人々に囲まれていたら精神がどうにかなりそうなものの、それでも自分を保ち自分がやるべきことを見失わない晶のタフさには感心しかない。
だが次々降りかかる不幸とお願いと悪意とでさすがの晶も推察力が翳っていたような。真犯人については俯瞰で見ていた読者の方が早く気付くだろう。
これほど頻繁に骨折していたら骨の形がおかしくなるのでは…などと素人ながら心配してしまう。
なんとか次の住居も確保出来たらしいのでその点は安心したが、経済的な安定からはまだまだほど遠いようだ。 -
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ネタバレ葉村晶シリーズ。短編集。
相変わらずの無理難題にもめげずに取り組む晶、そしてしっかり結果を出す晶に感心。
今回は前作のような酷い怪我を負うことはなかったものの、四十肩に苦しんだり風邪に苦しんだりと大変そう。
角田港大先生が出てきてくれたのは嬉しい。
それにしても富山店長の相変わらずの意地悪さと能天気さに段々と苛々してくる。彼もまた大けがしてるのであまり文句も言えないが。でもそれも自業自得なんだけど。
それでもきちんと仕事をしている晶を見てると、社会で生きていくってこういうことなんだよなぁとも思えてくる。
こんな理不尽に振り回されていてもきちんと仕事をこなしていく晶に励まされている気がする。