あらすじ
イギリス・ウェールズ北西部。彼の地の伯爵は長年「バベルの塔」建設に取り憑(つ)かれていた。60年の歳月をかけて完成した日、悪夢の惨劇が――。(表題作) 残業の夜、男は急停止したエレベーターに閉じこめられてしまう。中にはもう一人、髪の長い女が。そのビルには幽霊が出るという噂があって……。(「上下する地獄」) 鮮やかなプロットが光る単行本未収録作11編。
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久しぶりに読んだ若竹七海!!
やっぱり若竹は期待を裏切らん♪
個人的に一条風太が出てくるのが好き。あと葉村寅吉って晶のシリーズと関係あるんだろうか?? その辺がちょっと気になる。。。
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帯の言葉に偽りなし……怖かった。11の「怖い」が詰まった、短編集。一番好きなお話は表題作の「バベル島」だけど、「樹の海」の終わり方がお気に入り。プッと笑っちゃう感じ…ブラックな笑い。若竹七海さんの文章て、なんとなくシニカルな雰囲気が漂ってるように感じて、そういう所にも魅力を感じる。
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一見、怪異系のホラーかと思いきや、コワイのは人間である、というスタンスの短編集。
表題作の「バベル島」で、フリューゲルの描いたバベルの塔を実際に建ててしまった伯爵が、いちばん怖かった。両親からナニーに丸投げされて、きちんと育ててもらえないまま大人になった伯爵が、子供の頃に抱いた願望を実行してしまう。子供はなんのために砂で城を作るのか…。
もう一つ、「上下する地獄」は、他と違って怪異もの。他にはない設定というわけではないけど、それがわかるのが意外と終盤で、ゾクっとした。幽霊を怖がっている人物が実はー。
ラストがあいまいだったり、話運びがわかりづらかったりもあったけど、全体的にはうっすらジワジワ怖くて、私好みであった。
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単行本未収録短編集。どれをとってもひそかな毒にぞくっとさせられる作品ばかりです。個人的にはこういう作風大好きですねえ。
お気に入りは「白い顔」。ラストの一言にそれこそぞぞぞっとしました。うわー、まさかそう来るとは! 表題作「バベル島」もかなり怖いですね。でもその心理は分からないでもないのかも?
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表紙に騙されました(笑)。ホラーです。でもすごく怖い訳じゃなくて、じんわり怖い感じ。
連作短編集。途中で、各章の最後の方の描写が次章のタイトルに絡んでいることに気づいてニヤけました(笑)。素敵です。
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連作短編集ではないのだけれど、なぜかつながりが感じられる作品集。
いつものことながら若竹七海さんの作品は、ドライでさっぱりしていて、
整っていて、最後にちくりと苦い。
ウェットではなくあくまでドライ。つめたいのではなくてひんやり。
放り投げられるのではなくふと、気づいたら人形の視線を感じていたように、
きゅっと冷たいシゲキが欲しいときのオススメ。
いつも朝の通勤電車で眠るあたしが、この本を手にして一睡もできなかった。
くぅ、不覚。
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氏の単行本未収録作品十一篇を納めた秀作。
ホラー要素の強い作品ばかりで占められているのですが、若竹節の捻りがなんとも空恐ろしい。
個人的には表題作「バベル島」が一番ぞっとしました。
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若竹七海作品には、よく背筋がぞくりとする恐ろしさが含まれ、描かれている。この本はこれまで単行本未収録だった怪談話めいた物語や、人間の凄まじい狂気など、さまざまな「怖さ」をこれでもかと味わえる、ホラーテイストの短編を1冊にまとめた作品集だ。読んでいるうちに、七海は七海でも、加門七海かと間違えるほどに、怖い。そして語りが上手い。ミステリだけでなく怖さを描かせても若竹七海は上手いなあと感嘆してしまった。でも本当に怖くて怖いので、夜中には読まない方が賢明かも(汗)。 印象的だったのは「白い顔」「人柱」「上下する地獄」「ステイ」「回天」「招き猫対密室」、そして「バベル島」。怪談実話風の物語もいいけど、ミステリとしても味わえる見せ方にひとひねりある作品のが好きみたいだ。冒頭からはっと息を飲む展開で、小説ならではの「ステイ」が特に強烈だったようで、スイカを食べる夢を見てしまった単純な私です(汗)。スイカ割りというと、この作品を思い出しそう(汗)。祖父の時間と孫の時間が最初と最後で時空を超えて繋がる表題作「バベル島」も構成からして見事だ。答えは最初から読者に提示されているのに、、、。この結末には恐怖、した。 2008年は若竹さんの新作長編が読めますように!
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人間が一番怖い、そんな話。
前作中の言葉が次の作品のタイトルテーマになっている部分もあり、そこに気づくとゾワッとする。人柱、エレベーターであれれである。未発表短編作を集めた作品らしいが、構成の仕方に唸らされた。
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どのお話もほのかな毒があって面白かった。
私は冒頭の「のぞき梅」が一番怖い。
梅が……そんな……怖過ぎるやろ!
因縁話は、人の心を捉える魔力をもっておりますな。
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コージーミステリーを得意とする著者ならではのホラー要素の強いミステリ短編
最初2作は温いホラーだからあれはずれかなと思ったけど。
「回来」がとても好き
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愛する若竹七海さんの短編集。見つけるなり即購入しました。
私は表題作の「バベル島」と「回来」が好きです。
「バベル島」は表紙の絵が作品を物語り過ぎていて何となくオチが読めちゃったのですが、それでも怖い。
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コージーミステリの若竹氏のもうひとつの顔ともいうべき心霊ものを含む短編集。(すべてではないが)連続する次の話にオチが繋がるような終わり方をしたり趣向を凝らしているのがおもしろい(それとも偶然?)ホラー系は苦手なのに、読み始めたら最後まで読まないと気がすまない性分のため、どうにか完走。(ネタバレ注意)短編はネタバレしないように感想を書くのが難しいので、一言コメントと納得の☆印を各小話につけることにする。「のぞき梅」迷信に囚われる家族。「影」はじめに出てくる怪談がなにげに怖い。「樹の海」自分でした怪談にビビる作家。「白い顔」次の話に繋がる最後のオチがホント怖い。でもなんで○○が?☆「人柱」丙午の女性にまつわる話は初耳。「上下する地獄」世にも奇妙な○○のようなオチ。「ステイ」ステイの意味で連想するのは?「回来」妻の最後の言葉に囚われた末路。「追いかけっこ」3人の幼馴染に起こった不思議話。「招き猫対密室」ミイラ取りがミイラに。☆「バベル島」バベル島=バベル塔。バベル塔建設の理由に思い至ったときの戦慄!☆どの小話も空恐ろしい。
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日常の謎、コージーミステリーが得意な若竹七海が送るホラー系を集めた短篇集です。
「のぞき梅」
若くして死んだ友達の家から遊びにおいでと言われて、梅のゼリーを持って訪れたのだが、お土産の梅のゼリーを拒絶されてしまう。この家族は、どうして梅を口にしないのか・・・。
「影」
Kさんのマンションの駐車場の天井にあるシミを見て、Kさんはある話を始めた。それは、実家の部屋から見える一軒の家の話だった。
「樹の海」
口ばっか達者な作家の担当編集者は、その日も晩酌に呼ばれて嫌々ながら話を聞いていた。それは、最近彼が巻き込まれた殺人事件の話だった・・・。
「白い顔」
彼は、妻が居たのだが不倫をしていた。その相手は、自分で家を建てる予定だったのだが2度も建てる段階で失敗してた。彼がその跡地に訪れると白い顔の女性の姿が・・・。
「人柱」
ある刑事のもとに、先輩から相談事を持ち込まれた。先輩の父親は、過去に地下鉄のホームから転落ししていた。最近その父親の部屋から、日記が見つかった。先輩は、呪いと関係があるというのだが・・・。
「上下する地獄」
25階建てのオフィスビルで何も入って無いのはずの八階で降りる女性がいた。ここは、もともと墓場だった所だったのだが・・。
「ステイ」
アルバイトを始めたのだが、自宅兼会社のその場所には、夏休みのため社長の子供達がいた。子供達は、夜に行方不明のママを見たと言うのだが・・・。
「回来」
母親を交通事故で無くした親子は、この町から東京に引っ越すことにした。途中でコンビニに寄ったのだが、そこでコンビニ強盗の事件に巻き込まれる。
「追いかけっこ」
幼馴染の男二人女一人。それぞれが語る思いとは・・・。
「招き猫対密室」
古本屋の店先で置いてあった招き猫。この招き猫は、消えたり現れたりすると言う話を聞いた。その招き猫があった家庭の事情とは・・・。
「バベル島」
ある金持ちが島ごと買取、聖書にあるバベルの塔を造りだした。祖父の日記を見てこの地を訪れたのだが、祖父の時代から造り始めたバベルの塔は、完成をまじかにひかえてたのだが・・・。
この短篇集は、ストレートに恐怖を伝えてくるかな?ん〜短編なのであっさりしすぎの感じも・・・やはり七海さんは、長編が好みだな〜ホラーなのでちょこっときますね
Posted by ブクログ
こういう話しも書くんだ、と思ったのですが葉村のシリーズなんか読んでいれば納得もできます。恐かった…。
すこし恐い話ばかりを集めた短編集。「樹の海」が好きかなあ。