若竹七海のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「葉崎市シリーズ」の4冊目。再び光文社に戻る。
今度は、葉崎半島の先、30人ほどの人間と100匹以上の猫がのんきに暮らす通称・猫島での事件の顛末。
海岸でナイフが突き刺さった猫のはく製が見つかり、マリンバイクで海を暴走する男が崖から降ってきた男と衝突して二人とも死亡し、押っ取り刀で駆け付けた駒持警部補は猫アレルギーで、夏季限定派出所員はお気楽な警官で、そうこうしている内に、廃棄物置場から死体が見つかって…。
色々騒いだ割には、結末はどうでも良い感じで終わっちゃったけど、お馴染みの土地での、相変わらず憎めない登場人物の特異なキャラクターと、それらのくんずほぐれずは十分楽しめた。七瀬くん、よく -
Posted by ブクログ
ひと月ほど前、新聞広告で『「葉崎市シリーズ」最新作が、10年ぶりに書下ろしで登場!』というのを見て、そういうシリーズがあったのかと、最初から読んでみることにした。
それにしても、長編で登場人物は多そうだしうまく頭に入るかちょっとビビりながら読み始めたが、悪くなってきた頭では苗字で呼ばれたり名前で呼ばれたりに混乱し、典子と圭子はどっちがどうだったか、巻頭の<登場人物>に戻ることもしばし。
それでも、まったりとした警察の捜査とかまびすしい住人たちの言動を読み進めれば、それぞれの事情や人間関係もだんだん頭に入ってくる。
ヴィラの空き家の一室で死体が発見された最初の事件の捜査に手間取る内にヴィラの住 -
Posted by ブクログ
「葉崎市シリーズ」を読むのは4作目。殺人、3億円強奪、覚醒剤売買などを盛り込みながら、深刻にはならずクスクス笑いながら軽く読み通せるのがコージーミステリの醍醐味。
今回の舞台は猫が島民の3倍も暮らしているという、葉崎半島の先に位置する通称・猫島。
長閑な島で起こった物騒な事件に、お馴染み葉崎署の駒持警部補と二村巡査部長、それに島の派出所勤務の七瀬巡査とポリス猫・DCが絡んできてのひと騒動。
ミステリの真相そのものは、思ったよりも拍子抜けで辻褄合わせで急ぎ足の解説が展開されるのはコージーミステリ故仕方のないことか?
一応伏線はしっかり回収されたものの、既刊のヴィラ・マグノリアとか古書店アゼリ -
Posted by ブクログ
やっぱり面白いわ、若竹七海の作品。
読んだらやめられずあっという間に終わっていた。
葉村晶シリーズ7つの特徴。
1.のっけからのスピードあるアクションで引き込まれる。
2.おかしみのある会話で笑ってしまう。
3.主人公、女探偵葉村晶はけっしてオールマイティではなく普通の女。
4.失敗したり、悩んだり、怒ったりする。
5.掃除をしたり、食事を作ったりする様子が好もしい。
6.すさまじい事件のようなだが、非日常ではなく。
7.怪我をしたり、精神がボロボロなりながらも、不屈の闘志を棄てない。
あらすじをいうのはやめる。
うさぎはかわいい。文庫本のカバーの絵も意味深。章ごとのうさぎ -
Posted by ブクログ
若竹さんの本でコージー・ミステリーというジャンルを知った。
コージーとは居心地のよい、くつろいだ親しみやすいという意味だそう。
小さな町を舞台として、登場人物のキャラクターを書き込み、あまり暴力的でない凄くない殺人が起こり、誰が犯人かという謎解きを楽しむ、後味のよいミステリー。
そのコージー・ミステリーである。
始めのページに登場人物、23人。次ページに「葉崎」という架空の市の説明。3ページ目に「ヴィラ・葉崎マグノリア」の見取り図。
おーお、相変わらずきちっとしている若竹さん、安心して読みに取り掛かれる。
なるほど、なるほどキャラクターが面白い。本関係がとくによい。
海の見えるひな壇 -
Posted by ブクログ
本書で登場する人物は主に3人。フリーターの葉村晶、警部補の小林舜太郎、それに刑事の御子柴だ。この人たちが遭遇する事件が8つ収録された短編集。葉村晶はシリーズとして文春文庫から出版誰ているが、その葉村晶シリーズが本格的に始まる前の作品集といった趣が強い。また、御子柴刑事はこの後、この中公文庫でシリーズとして登場している。
葉村晶と小林舜太郎が交互に活躍するようになっているが、葉村晶のほうが急転直下突然の解決を見る感触が強い。よく動くがゆえに犯人に遭遇することも多く、偶然解決に至るケースもある。一方、小林舜太郎は刑事らしく筋立てていく感が強い。そのため、二つの味を楽しめる作品集となっている。