若竹七海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
若竹七海さんの「御子柴くん」シリーズ2冊目。短編集。
といっても、私は1冊目を読んでないのですが。
御子柴くんと言えば、「プレゼント」(こちらも短編集。あの葉村晶のデビュー作)に小林刑事の相棒として登場していた。
私はプレゼントのなかで小林刑事の話が結構好きで、それを読んだ時に「御子柴くんシリーズもあるのか、これも面白そうだ」と期待してたことを思い出した。
しかし、本作のあとがきによれば、作者はあれ以来小林警部補のことは忘れ去っていたらしい…。なんと。
「プレゼント」で刑事だった小林さんは定年退職していて、若手っぽかった御子柴くんはベテランな感じになってる。時の流れよ…。
御子柴くんの現在の「相棒」は、残念ながら小林ではなく、「竹花」という警視庁の刑事だ。
葉村晶シリーズもそうなんだけど、若竹先生の短編は要素多すぎで、短編に現れる要素の量じゃないよね?
登場人物多すぎて誰だっけ?と何度もなるし。
頑張って読んで、読んだときは「なるほどー、ほほぅ」と満足するんだけど、何故かすぐに内容忘れてしまう。
長編なら、そんなことならないんだけどな。
御子柴くんは、長野県の警察官でありながら、捜査協力?のために警視庁に出向している。
でも、本作第一話である被害にあい、長野県警察に送り返される。
長野にいる御子柴と、東京警視庁管内で事件を捜査する竹花。二人の追う時間がリンクしていく、という手法は面白かった。でもどのお話も、解決はかなりバタバタだったな。
御子柴を「長野」と呼ぶ警視庁の玉森が甘いもの好きで、センスのいいお土産を要求するキャラなんだけど、長野名産杏のお菓子が何度か作中に出てきた。杏なぁ、杏酒を飲むくらいしか縁がない果物だ。アプリコットのことだよね。きっと美味しいんだろうな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいつもだけど、やっぱりずっともやっとするし、すかっとする。
何回読んでもテンコが好きじゃないし、あの考え方のひん曲がり方が苦手。
人巻き込んでおいて神の試練て…
極端だけどキャラが濃いふたりより、平凡だと思ってるミサキの推理力とか達観の仕方とかの方がよっぽど個性的だと思う。
平凡って自覚が引いてみることに慣れたのかもだけど。
話の内容よりも「お礼が言えないやつはクズ」「謝れないやつは(見た目が可愛くても)ブス」とか極端な言葉にすかっとした。
ひとりで出来てると思ってる人間は信用ならないし、高校生でそうなってるのすごいな。
面白くて、また読んじゃうんだろうな。 -
Posted by ブクログ
裏表紙の作品紹介に書かれている、『スイーツ&ビターなミステリー』の意味が分からない。
まあ、スイーツに関しては、地方から出向している刑事を題材にしたシリーズということもあり、各地の名産品を美味しそうに紹介していることなのであろうが、問題はビターの方である。
これ、ビターなの?
私からしたら、既にビターを思い切り通り越して、どこかが破綻している、シャレにならないようなイメージなのだが・・若竹さんの中では、比較的、毒が無いと言われている、このシリーズでこう思っているのだから、私にはやはり合わないのだろうか?
ただ、視点を変えれば、これくらいで、あたふたしなさんな、ということなのかもしれず、そう思うと、人生の崖っ縁はまだまだ先にあって、いくらでも立ち直れるといった所には、何があっても生きていける希望を与えてくれたような心強さもありましたけどね。
いや、それにしてもですよ、若竹さん。
悪い癖で、愛する我が子をつい、また千尋の谷に突き落としてしまったと仰いますけど、その突き落とし方に容赦がなさすぎるんですよね(笑)
もう最初の話の衝撃的な始まり方と、真相もあんな救いの無い感じが合わさって、「犯人、怖っ!」と思いましたし、下手したら、死んじゃいますから。
思えば、前巻の『御子柴くんの甘味と捜査』の最後の話から、既に違う雰囲気があったのだろうな。
だって、それまでは小林警部補の安楽椅子探偵で統一されていた展開だったのが、それだけ終わり方が違っていて、そして、この二作目でいきなり御子柴くんの危機が訪れたと思ったら、今度は、探偵役の小林警部補が定年を迎えて、一切、警察と関わらなくなったし、「一体、この後の話はどうなんの?」と心配してしまうのも、やむを得ないところでしょう。
ところが、その後は、まあいなけりゃいないで何とかなるんだといった展開で、敢えて、ごちゃごちゃとややこしくする、若竹さんの事件のわちゃわちゃ感も加わった末に、終わり方は大体、いろんな人達がてんやわんやに絡まったり、真相を暴いたと思ったら、警察を嘲笑うような更に悲劇的な幕引きになったりと、そんな一筋縄ではいかない感じが妙にリアルですし、若竹さんの場合、悲劇が本当に文字通りの悲劇なので(特に「火の国から来た男」)、フィクションとは思いつつも、何だか現代社会の闇の部分を紹介するドキュメントにも思えてきてならないのです。
かといって、それでは気分の悪い話なのかというと、そういうわけでもなく、今作に関してはタイトルにもある通り、『バディ』が一つのテーマとなっており、特に、前作では割とそつなくこなす軽いイメージのあった、御子柴くんのバディ「竹花一樹」の、彼への真摯な思いを知ることが出来たのが印象的で、とある話での彼の『それでも久しぶりに聞く声は、涙が出るほど懐かしかった』や、『助けてくれよ。オレの相方を』には、私も思わず、もらい泣きしそうになるくらい嬉しかった。
また、御子柴くんがああいうことになったので、その間、竹花がコンビを組む、各地のバディ達はどこかユーモラスで、「火の国から来た男」の、『太陽にほえろ!』世代の、ざっくばらんで諦めない燃える男、熊本県警の「隈部雄亮」や、「被害者を捜しにきた男」の、「破局」や「動向」といった、一般的に使われない言葉を笑いのツボにされるが、見た目も実際に怒らせても怖い、沼津港署捜査課所属の「二宮徳範」に、「遠距離バディ」の、長身で拳にタコがあるが、話し方は舌足らずな、世田谷芦花署刑事課の「三村綾」と、これまた一筋縄ではいかない個性たちが、ビターすぎる物語の味わいに、また独特なブレンドとして溶け合っています。
もちろん御子柴くんにとっても、バディは健在で、それは、たとえ彼があのような状況になったのだとしても、その決して忘れることの出来ない優しさと実直さをもった、彼の素晴らしい人柄があるからこそ、竹花も、モヤシの「玉森剛」も、未だに彼を気にかけているのだろうし、それを踏まえて、タイトルの『遠距離バディ』という言葉を見ると、改めて、感慨深いものもあり、確かに事件の内容はとても暗くやるせないものであっても、彼らの存在が、それらを上手く中和してくれるような、そんな明るさもちゃんと含ませているところが、若竹さんらしさといえば、そうなのかもしれず・・・要するに、若竹さんって、とても不思議で面白い作家さんですよね、ということです。
ただ、それと他の作品を読むかどうかは別ですけどね(笑)
御子柴くんの続編なら読んでみようかな。
なんて書いといて、しれっと「葉村晶」シリーズを、読むかも知れませんが。そういえば、「御子柴くんの災難」で、名前だけ出てきたな。