若竹七海のレビュー一覧

  • 不穏な眠り

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    私立探偵・葉村晶がトラブルに巻き込まれ真相に辿り着く、という毎度お馴染みのパターンで新味に欠ける気がしますが、どれもコンパクトに纏まっていて安定している印象。
    マイベストは【逃げ出した時刻表】。ミステリに関する薀蓄が楽しいし、ホワイダニットの真相も興味深いです。
    表題作の【不穏な眠り】も予想外な方向へ転がっていく様が面白くて好きですが、 若干話がややこしいのが難点です。

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    2021年03月03日
  • 御子柴くんの甘味と捜査

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    元の話はまだ読んでないところにシリーズの連作短編集。
    長野と東京の名物スイーツと山岳や名所のネタ満載。毎回取って付けたように出てくる小林警部補。
    気軽に出かけられない昨今、楽しく読んだ。

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    2021年02月15日
  • 錆びた滑車

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    シリーズの6作目。これまでの5作も全部読んでて、前作の「静かな炎天」を読んでから3年余りだが、昨年(2020年)の冬にシシド・カフカさん主演のNHKの連ドラを見たので、そのイメージしか出て来ない。ドラマの時は、こんなんだったっけって思いながら見てたんだけど、もうカフカさんのイメージしか出て来ないし、ピッタシやわ。恐ろしいなあ、目からの情報は ^_^

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    2021年01月30日
  • 不穏な眠り

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    女性探偵シリーズのミステリ短編集。
    とっかかりは地味な事件ではあるが、謎を追いかけていくと、そこいら辺の人たちが割と過激なことをしている。
    今回はそれほどのめりこめなかった。

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    2020年12月31日
  • 暗い越流

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    若竹七海さんを代表する探偵「葉村晶」が主人公を務める2編と、ノンシリーズの3編が収録されています。シリーズものならではの面白さと、ノンシリーズならではの面白さが感じられるミステリ短編集でした。

    最初に収録されている「蠅男」と最後に収録されている「道楽者の金庫」が、葉村晶の登場する作品。
    アラフォー、独身、彼氏なし、かつ不幸体質だという葉村晶。葉村晶シリーズを読むのは初めてでしたが、青春ミステリやライトミステリの探偵たちのような、甘酸っぱさや初々しさ、特異なキャラづけとは無縁。

    なんとなく地味で、そしてこの年代ならでは……と書いてしまっていいかどうかあれだけど、気怠さというか、めんどくさそう

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    2020年12月23日
  • 不穏な眠り

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    不運な女探偵シリーズの短編集。
    簡単な依頼だと思って引き受けると裏があり、毎回殺されかけたり酷い目にあってしまうのは相変わらず。各話に登場する人々はけっこうひどいが、短編だとイヤミスっぷりはそれほど強烈ではない気がする。葉村が幽霊ビルの警備をした時のことが最終話で都市伝説になっていたのは笑った。

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    2020年12月01日
  • さよならの手口

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    ちょっと前に読んだ『悪いうさぎ』の続編
    『悪いうさぎ』から13年も経っての刊行だったんですね
    女探偵葉村晶シリーズです

    『悪いうさぎ』では学生時代、同クラだったら葉村さんとはお友達にはなれない…と思ったけど、13年経ち、葉村さんも大人の分別を身に付けており、今だったら図書委員くらいなら一緒にできるかもと思いました

    葉村さん…相変わらず、怪我ばっかしてます
    冒頭では探偵は辞め、古本屋のバイトをしてるのに事件に巻き込まれます
    しかも、二つも!
    40代の身体に鞭打って頑張ってます

    本作を渡してくれる時の母の反応は微妙でしたが、私は『悪いうさぎ』よ

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    2020年11月25日
  • 錆びた滑車

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    このミス2019年版3位。葉村晶シリーズ5作目くらい。独特の文体。主人公の探偵の頭が切れてクール。アクションシーンもこなすけど不器用っぽい。探偵の発言や探偵視点の地の文が、友達同士で軽口をたたくようなノリで楽しい。軽い雰囲気だけど、推理の展開が早く、推理内容の説明も少ないので、ほとんど展開についていけない。このミスでいつも評価高いんだけど、皆さんこれきちんと理解しながら読んでるんですかね。登場人物も誰が誰だか覚えられなくって、これ、自分の頭が老化してるからなのかが気になる。平易な文章でユーモアにあふれており、一見、ラノベのようなんだけど、実はストーリーが難解で時間かかる。多分、自分が読むのは4

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    2020年11月19日
  • 不穏な眠り

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    映像化されているとは知らなかった。生活感溢れる探偵、葉村晶。どこか天才じみて読者を置いて行く様な探偵では無く、リアクションもツイて無さも、まさに実物大で。お疲れ様です…と労いたくなるくらい怪我が絶えないですよね。

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    2020年10月31日
  • 死んでも治らない~大道寺圭の事件簿~

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    元刑事の大道寺圭は幼馴染の編集者に強引に勧められて、刑事の時に遭遇したおまぬけな犯罪者たちの本を出版する。ところが、本に取り上げた犯罪者たちが、出版をきっかけに様々なトラブルを持ち込んでくる。命の危機さえ訪れるが、なんとか頭を働かせて解決する。出てくる登場人物たちがなにか間が抜けていて笑えるのだが、どうも自分勝手な奴らばかりでやれやれという感じである。それぞれの短編の終わり方も笑えないというか、結構ダークだ。間に挟まれた刑事時代の事件が最後に他の短編とつながってくる。若竹さんの小説って、こんな感じで人間の嫌なところばかりを描いていて、ちょっとやるせない気分になる。

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    2020年10月26日
  • ヴィラ・マグノリアの殺人

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    とある建売住宅(通称ヴィラ)の空き部屋で顔と指を潰された死体が発見されたことから、ヴィラの住人たちを巻き込む事件に発展する。
    一癖ある登場人物たちが楽しい。
    軽快なタッチで読みやすく、途中のおいかけっこは映像がありありと思い浮かぶほど活き活きと書かれている。

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    2020年10月24日
  • 静かな炎天

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    葉村晶シリーズ第4弾
    今回は短編集
    サバサバクール系っぽいのに頼まれたら断れない優しさが仇となり あれよあれよとお得意の不幸街道まっしぐら
    どれも面白かった
    けどやっぱり私は長編が好きかな
    このシリーズてわ今出てるのはあと2冊らしい
    はやる気持ちを抑えてじっくりと楽しみたい

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    2020年09月03日
  • 古書店アゼリアの死体

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    コージー・ミステリのなんたるかをよくわからないまま読んだけど、なんとなく、なるほど殺人事件があるんだけど、こういうちょっとユーモアも交えた、あまり深刻でない、まるで大袈裟な舞台を観ているような感じ、とでもいうのだろうか。
    それはそれでありな世界だとは思うけど、この物語に出てくる登場人物にはあまり魅力を感じなかった。

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    2020年08月02日
  • プレゼント

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    何だか読む順番が滅茶苦茶になっているのだけど、もう仕方がないな。
    ここに至って、葉村が最初に登場したこの本。
    葉村が出てくる話と、小林警部補&御子柴君のコンビが出てくる話が交互にあって、最後の話で3人が交わる。

    葉村は、2話目に『26歳になる』と出て来て、その後の話では28歳。3話目では長谷川探偵事務所に勤めていて、最後の話では辞めている。
    背表紙には“トラブルメイカーのフリーター”とあるが、正確には最終話の作中で長谷川が言うように『トラブルのほうが、彼女を慕ってやってくる』ということで、既にこの頃から、“世界で最も不幸な探偵”の片鱗。
    禄でもない知り合いたちにかき乱されながら、熱中し出すと

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    2020年08月02日
  • 錆びた滑車

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    空が降ってきた、とは『愛の讃歌』を歌う時のセリフの一つだが、本作では人が降ってきた。
    不幸中の幸いが、生死に関するような怪我を誰もしなかったということ。
    青沼ミツエ、石和梅子。
    このご婦人方が降ってきた人々。
    ちょっとした調査のはずが、たくさんの人を巻き込み、葉村晶自身も巻き込まれ、心が痛む。
    何より、青沼家の秘密が、心苦しくてたまらない。
    めんどくさいことに巻き込まれつつも、微笑ましい、ほっとする、そんな暖かな情景は、炎に包まれた。
    炎はあらゆるものを焼き尽くす。
    何もかも。
    大切な、ウサギの常夜灯も、なくなってしまった。(『悪いうさぎ』参照)

    やりきれない思いを残す本シリーズだが、見事な

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    2020年07月23日
  • プレゼント

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    「ハードボイルドで悲しい事件」(裏表紙より)から、励まされるとは思ってもみなかった。

    4月に勤務部署が変わり、コロナ禍のため、最近になって仕事を本格的に教えてもらうようになった。
    私が不器用なせいなのか、ダメ出しばかりだ。
    ここもダメ、あそこもダメ、とばかり言われると私はダメな人間なんじゃないかと思い込むようになる。
    仕事に行くモチベーションも下がった。
    ビジネス書は「努力せよ、できないのは全てお前のせい」ばかり(これだからビジネス書は嫌いだ)。
    上司の評価も、先輩の評価も、気になる。
    何より、私が私自身に下す評価が。

    『海の底』
    新進の作家が消えた。
    大男であったらしい彼の姿をみたものは

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    2020年07月09日
  • 悪いうさぎ

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    葉村晶シリーズ長編。NHKのドラマを録画してあるが観る前に原作を一通り読んでみようかと。以前読んだ短編集では主人公は淡々としたイメージだったが本作は長編ということもあってか意外と激情型?でした。終盤、本作の題名の意味が明かされるところからは一気読み。文庫本の裏表紙の説明に「何者かに監禁される」と書いてあり、いつ監禁されるんだろうと思いながらずーっと読んでました。ネタバレ的な要素ではないけどそこまで書く必要ある?

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    2020年07月04日
  • プレゼント

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    小劇場で観ているのうな感覚だった。
    大袈裟なトリックはなく、しずかに(?)事件は解決していく。
    次も楽しみだ。

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    2020年06月28日
  • プレゼント

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    葉村晶と小林警部補の短編が交互に展開
    葉村晶がドラマ化されたとのことで興味を持ちドラマを見る前にシリーズの原点とされているこちらに手を伸ばす。
    面白かった。
    職を点々としたりなかなかなお姉ちゃんがいたりともっと見ていたいので引き続きシリーズへ。

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    2020年05月26日
  • 静かな炎天

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    初の葉村シリーズ!ずっと気になっていたのだけど、このシリーズは中々古本屋においてなくて読めてなかった。
    おもしろかった!女探偵といえばお嬢様だったり美人だったりが常だけど、葉村晶は四十肩に悩むめちゃくちゃ素朴な探偵だ。なので非常に好感が持てて応援したくなる。物語は淡々と進むがその中に毒もあり癖になる。好きなシリーズになりそうだ。

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    2020年05月10日