あらすじ
探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引き取りの際に白骨死体を発見して負傷。入院した病院で同室の元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を依頼される。かつて娘の行方を捜した探偵は失踪していた――。有能だが不運な女探偵・葉村晶が文庫書き下ろしで帰ってきた!
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Posted by ブクログ
待望の葉村シリーズ!前作からはや13年…
葉村晶も40代になりましたが、相変わらず巻き込まれて大変なことになってます。
探偵の職を失い、ミステリ専門書店で働いていたら事件に巻き込まれ、運ばれた病院で新たな依頼を受けることになる。
巻末にはミステリ専門書店の店長による本作品内で登場したミステリ解説つき。
こちらも読み応えたっぷりなので、ミステリ好きは読んでて楽しい作品だと思います。
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ここまで真面目に行動するのに、お愛想を言わないせいかいろんな人の反感を買い、何度も何度も大怪我をして、それにも負けずに一生懸命に進み続けて真相に辿り着く葉山さんがすごい!
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再読。
当時、文春のミステリ年間ランキングで上位に入ったのを見て、おもしろそうだったので読んでみたんだった。
それから若竹作品を遡って読んだ。
今回久々に読んだが、岩郷元刑事の失踪原因以外はほぼ忘れていたので、楽しく読めた。
Posted by ブクログ
「人探しを頼まれる」という探偵ものミステリにありがちな導入からは、予想だにしない結末が待っていた!
今作だけで、葉村晶は何度も病院に入院したり、大怪我したり。40でこれはつらい。しかも、何度も頭打ってるし。
ここまでくると、葉村晶が今後穏やかに過ごせることを願うばかりです。読者としては葉村晶シリーズに続いてもらいたいものの、かわいそうすぎて。
でも、一番かわいそうだったのは、怪我した時よりも、気が合うと思っていた舞美と、晶が病室で言い争いをしたとき。
いつも心の中で毒づいたりツッコミ入れたりしてる晶が、舞美に感情的になって言い返して、そのあと泣いた時。不死身の葉村晶の哀しみを感じた。
事件は、二重、三重に仕掛けられていて。
母親が娘を殺したつもりになっていて、でも実は娘は死んでおらず、母のマネージャーが娘を逃して匿っていた…というところは、白雪姫を思い出させた。
マネージャーの妹が殺された事件についても、結局はっきりと解決しないまま…。もしかしたら、マネージャーが実の妹を?という疑問も生まれた。
最後の岩郷のおばあさんの涙には、もらい泣きしてしまった。
ノンストップで葉村晶と共に事件を追ってきた(つもりになってる)私にとって、岩郷のおばあさんの涙は、ふっと力と圧が抜ける瞬間だった。
タイトル「さよならの手口」は、警察官に別れを告げる方法はない、という、本の一節からきているようだ。
何か後ろ暗いことがある限り、警察官とは別れられない、ということだろう。
晶は舞美に対して、警察官と別れることはできないぞ!と忠告したあと、警察を使って脅かしてしまったことを後悔する。
晶は良い人だと思った。
舞美がどう受け取るかということも気がかりだったのかもしれないが、晶の中には彼女なりの筋があって、自らそれに反してしまうことを後悔したのではないかな、と私は思った。
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葉村晶の長編、堪能した。
これでもかってほど複雑に絡み合った人間関係も、真相が分かればスッキリ。探偵モノでは当たり前なのかもしれないけれど、女探偵がここまで言葉通り身体張って楽しませてくれる作品、まだ出会っていない。
次巻は入手済み、でもあえて時間をあけて、再会の喜びを倍増させる手をつかおう。
Posted by ブクログ
葉村晶シリーズ3冊目、だけど、作中の時間軸はこちら方が古いようだ。
長編は初だったのだけれど、テンポや面白さは変わらずで、
短編を読むようにずっと物語に引き込まれていた。
Posted by ブクログ
読み出したら止まらなくて、一気に読み切ってしまいましたよ。
前作からそんなに時間が経っていたとは…内側も外側も。
相変わらず葉村さんは痛そうなことになってるし、周囲の人々も移り変わっていたりして…。
続編、出るといいなぁ!
Posted by ブクログ
葉村晶シリーズが好きで順番通りじゃないけど3冊目。
面白くて一気に読んじゃうんだけど、やっぱり後味が悪いというか悲しいというか…でも今回はもやもやする感じはあんまりなかった気がする。
今回は一段と不運に見舞われてた気がする。落ち着く暇がなくて、ずっとハラハラしながら気づいたら読み終わってた。次も早く読みたいな〜
他のミステリー作品も出てきたので、紹介されてた本もいつか読んでみたいと思った。
【追記】前作で長谷川探偵調査所に何があったのか気になってあとから前作を読んだけど、特に何もなくて、本当に前作を読んでなくても問題なかった。
Posted by ブクログ
今、最も日本でタフでハードボイルドをしている女探偵葉村晶。今回は一段と不運具合が大盛りになっているが、それにもめげずに大活躍大活劇を見せてくれます。葉村晶の魅力が満載の作品になっています。
悲劇になる一歩手前でコミカルな味付けもあり、あまり深刻にならずに楽しめます。メインの事件は相当深刻にも関わらず。
今回は、メインの事件以外にも数々の小事件が絡み、とんでもなく複雑な展開を見せるが、少々詰め込みすぎの感が否めない。最終的には収集がつくのだが、もう少しシンプルなストーリーでも良かった気がする。
おまけのブックガイドが楽しい。
Posted by ブクログ
仕事はできるが、不運すぎるタフな女探偵『葉村 晶』シリーズ第5弾❗️
前作の『悪いうさぎ』に比べると、後味の悪さは若干緩和されつつも、相変わらず傷が絶えない事件に巻き込まれる葉村が、とても不憫に思えます❗️
ストーリーは前半から引き込まれる展開で、長編シリーズでは1番好きな作品となりました。
おまけにあるミステリーの紹介では、読んだことがある作品は殆どなかったので、いつの日かチャレンジしてみたいと思います。
Posted by ブクログ
もう何年積読してたのだろう、と思ったけど奥付け2020年の第12版なので、まぁせいぜい4年くらい??
悪いうさぎ、結構衝撃的だったもんね。
女探偵がここまで(身体的に)痛い目に遭う小説って見たことなかった。
ハードボイルド系ってわりと主人公自身も強いことが多かったから。
でもだからこそ、この話には魅力があって。
コネとか腕力とか財力とか関係なく、葉村晶が頑張る姿が好き。
今回のお話も、面白かった。
二転三転する犯人像と群像劇でやられた!
面白かった!
Posted by ブクログ
若竹七海の長篇ミステリ作品『さよならの手口』を読みました。
『依頼人は死んだ』、『静かな炎天』、『不穏な眠り』に続き、若竹七海の作品です。
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仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた!
探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。
入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。
当時娘を調査した探偵は失踪していた――。
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2014年(平成26年)に刊行された、前作から13年振りとなる葉村晶シリーズの第4作です。
■さよならの手口
■おまけ ~富山店長のミステリ紹介~
■あとがき
■解説 霜月蒼
探偵を休業し、ミステリ専門店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉でバイト中の葉村晶は、ある家からの古本引き取りを頼まれる……ほとんどあばらやのようなその家で、大量の本と格闘したが床が抜けてしまい、床下に落ちた葉村は怪我を負うと同時に、白骨死体を見つけてしまう、、、
入院先で刑事に事情を聞かれた葉村は、ある事実を指摘……それが骨の身元判明につながり、事件は解決したのだが、話を聞いていた同室の入院患者で元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を頼まれ、引き受ける。
一方、やめるつもりだったミステリ書店のバイトも続けるはめになったのだが、そこで女性客の倉嶋舞美と親しくなる……しかし、彼女は警察の監視下にあり、葉村は担当の警察官・当麻から舞美に対するスパイの役割をしろと強要されるのだった……。
順番通りではないのですが、シリーズ第2作『依頼人は死んだ』、シリーズ第4作『静かな炎天』、シリーズ第7作『不穏な眠り』に続き、不運ながらも有能な女性探偵・葉村晶がさまざまな謎に立ち向かう葉村晶シリーズの作品です……本シリーズの長篇は初めて読みますね、、、
前作から13年振りでも、長篇でも、葉村晶の不運な運命と彼女が巻き込まれる闇の中での奮闘や怒涛の展開と独特の語り口の魅力は相変わらずですねー 彼女の人間味あふれるキャラクターと事件の謎解きの展開が堪らない一冊でした……長篇だけに、アイデアや仕掛けがたっぷり詰まった贅沢な内容で、物語が重層的で深みがあり、とても愉しめました。
遺品整理屋の伝手で遺品から出物のミステリを探すうちに押入れの床を踏み抜いてしまい白骨死体に出くわすという印象的なシーンで幕を開け、、、
元女優から20年前に失踪した娘の捜索を依頼されたことをきっかけに、最初に調査した有能な元刑事が調査を完了しないまま姿を消していた謎や、失踪した娘の父親はだれかという謎、失踪した娘のはとこが絞殺された事件の謎 等々、失踪人探しから、いくつもの謎が生まれ、複数の嘘や策謀、秘密が解明されたり暴露されたりという怒濤の展開……多くの伏線が、最後には全て回収される展開もお見事でしたね。
葉村晶シリーズの在庫は読み切ってしまいました……次は、若竹七海の別なシリーズを読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
読んだことあったのかなぁと思いながらいたけど、なかったやつ。登場人物が多く、混乱しそうと思いつつ、でも意外とそうでもなく。登場キャラがたってるからだろうかね。
さよならの手口というタイトルの回収は十分ではない気もするけど、ミステリーらしく人のつながりが重要で、どこかで誰かが裏切るのでは?と思いながら、実際裏切りがいくつか出てきて、あぁなるほどなーと思いつつ、それ以上にこの人がそっち側に心変わりかよ!みたいなことの方が、小さいながらもインパクトがある。
ボリュームの割に展開が早いのでどんどん読み進めてしまう。秋の夜長にちょうどいい。
Posted by ブクログ
葉村晶は怪我をし過ぎでこちらが心配になる。あと本の中なのであまり歳を取らせたくない。
登場人物で一人だけそれはないだろという行動をした者がいたのがマイナス。
Posted by ブクログ
刊行当時13年ぶりの葉村晶(その間短編は2本ほど発表されているらしいが)。
なんと四十歳の坂を越え、職業も長谷川探偵社が廃業したことにより、ミステリ専門古書店"MURDER BEAR BOOKSHOP"でアルバイトをしていた。
なんか探偵じゃない葉村を見るのって『プレゼント』の頃を思い出す。
13年ぶりかぁ。
リアルタイムで待っていたら待ちくたびれる、というか完全にそれまでの過程を忘れてしまうだろうから、ある程度出そろったところから月日を物ともせず、ずんずんと読んでいく今の読み方ができて幸運。
さて、今回は葉村が古書店で働いているということもあり、ほんのりビブリオ風味。
書店での倒述フェアではF・W・クロフツとか、骨フェアではレジナルド・ヒルとか語られるとそっちも気になってしまうのがミステリ好きの性。
事件の方は、とあるアパートの店子の遺品整理で大量の蔵書が見つかり、掘り出し物がないか探っていたところ、押し入れの床が抜け白骨死体の待つ床下へ頭から落下するという葉村の災難に始まる。
白骨死体の謎は元探偵葉村の推理が冴え渡り、事情聴取に来た刑事に口添えすることでスピード解決。
その能力を見初められ依頼されたのが、往年の大女優・芦原吹雪の失踪した娘の捜索。
それと並行して巻き込まれる"MURDER BEAR BOOKSHOP"の常連客・倉嶋舞美とのどたばた。
切れ味良い物言いや、物事の見極めの鋭さは健在であるが、前作までと比べてとにかく災難に見舞われるし、ところどころで冷静さを失い、感情を抑え切れない場面も。
今回特に印象的だったのは人と人が懇意になることの脆さ。
前々から滲んではいた葉村の優しさにつけ込んでかき回すサイコパスしかり、そのサイコパスにすっかり洗脳されてしまう”スタインベック荘”の大家しかり、ちょっとした手抜かりから微妙な関係となってしまった東都総合リサーチの桜井しかり。
それを終盤、「慢心」という言葉や「わたしは何を間違えたのだろう」と自省する葉村の心に共振し、とても胸が痛んだ。
それとは別に『依頼人は死んだ』で出てきた濃紺の悪魔や、前作ですったもんだあった相場みのりの行く末など、未来への振りかと感じていたところが全く回収されず、意外と放置系なのか!?(まぁ、別に支障ないけど)という点も多々。
全体的にイヤミス感溢れていたけれど、最後のオチだけはとっても爽やか。
次は『静かな炎天』。
また短編になるようだ。
Posted by ブクログ
葉村晶、13年ぶりの長編。 信じられない。ずっと読んでいる気持ちだったのに。短編とかだったのか… 杉田比呂美さんのイラストが大好きで、若竹作品が大好きで、葉村晶が大好きだけど、盛りだくさんすぎて、窒息しそうだった。 何回スマホが壊れて、何回死にかけるんだ。なのに生きてるし、自分から面倒に飛び込んでいく晶はタフ過ぎる。女優の娘を探すだけだったはずなのに。変な女にくっつかれたり、消えた探偵を気にかける羽目になったり、警察に目をつけられたり。絶対300万もらってても足りない。とにかく、ただただ面白い。
Posted by ブクログ
すごく面白かった。今までの葉村晶シリーズで1番の面白さ。
本のタイトルが、最終的に「あ、ここに掛かってるのね。そこをタイトルにしたのね」とクスッと笑えるのも良い。手口と書いてあるから、犯罪に関わることかと思いきや、そこかーい!って。笑
メインの話もすごく面白い。
Posted by ブクログ
葉村晶の乾いた言葉選びが本当に好き。
仕事柄ハードボイルドでも、日常で心地のよいものを好みで選んでいるところが、私にとって好感の持てるポイント。華美ではないがそういう穏やかな生活が、きちんと後ろに控えているところがいい。
でも今回初っ端から満身創痍で笑ってしまった。トラブルの方が葉村晶を離さないといった様子だ。
葉村晶の仕事ぶりを見て回るのは楽しい。最低でも、社交性があって身体が強くて口がうまくて勘が強くないと務まらない。
幾重にも折り重なった事件の苦い後味がこのシリーズらしいなと思う。
Posted by ブクログ
シリーズものが読みたくなって、この作品の次(静かな炎天)をずいぶん前に読んでそのままになっていた葉村晶シリーズを読んだ。
満身創痍というか、話が進むにつれ(葉村の推理が進むにつれ)、身体と心を痛めつけられる。次も読みたいと思わせてくれるのは葉村晶の不屈さと優しさかな。
和製ハードボイルド。最後の一文も、”ロンググッドバイ“。
Posted by ブクログ
最初は軽いタッチというか独特な主人公だなと読み進めていたら、
途中からあれよあれよと話が大きくなっていきました。
前作を読んでいないのですが、
葉村探偵の思考や倉嶋舞美のうざさなど楽しく読めました。
Posted by ブクログ
本筋(ミステリー)以外の話で恐縮だが、主人公・葉村晶が非常に魅力的。
物語の始まりは廃屋でカビ臭い蔵書の取り出し、遺品整理。
晶が押入れの多量の蔵書を運び出そうとした瞬間、腐食した床を踏み抜き、下水まみれの床下に落下し、骸骨に頭をぷつけながら気絶し骨と肺をやられてしまう。
意識を取り戻すとそこは病院で、結局、同室の患者から調査依頼を受けるハメに。
満身創痍で始まり、周りの人や警察から雑多な扱いを受けたり疎んじられたりする。
踏んだり蹴ったり、そして厄介ごとが重なってくる毎日なのに、晶はめげない。
晶の魅力は、肉体、精神の強さというより、ひたすら愚直に、時々は間違いもしながら、前に進む力。それも孤独であるのに。
愚痴りながら、感情を時には爆発させながら、時にはギリギリで踏み止まりながら、というのも非常に共感を覚えて楽しい。
僕が、伏線や推理を理解、堪能するにはあと2回くらい読み返す必要があると感じる。
まーちゃんさんの本棚で「依頼人は死んだ」と本作を知り、今回は推理というか、晶の遭遇する事件や、心理を見ていくことで非常に堪能できました。
今後も本棚と感想、参考にさせていただきます。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
再読。
まずタイトルが良い。チャンドラー作品に出てくる有名な言葉『警官にさよならを言う方法はまだみつかっていない』から来ているのだが、『さよならの方法』でも『さよならの手法』でもなく『さよならの手口』としたところに葉村晶シリーズらしさを感じる。
親が子に、子が親に、夫が妻に、妻が夫に、友達が友達に、過去の傷に…様々な『さよならの手口』が出てくるが、いずれも最悪な形で晶に突き付けてくる。
女性でありながらこれほど痛め付けられ傷を負うという設定の探偵も珍しいが、彼女はそこを諦めつつも受け入れ探偵としてやり遂げていく。
だが結末はあまりにもハード。晶自身が振り返るように、彼女は誠実に働いたが、何かが違っていたのだろう。
クールで手抜きをしない探偵だが、感情がないわけではなく、時折熱くなりお人好しにもなる。そこが彼女の魅力であり弱点でもある。
脇役としては厭な警察官だが当麻警部は結構好きだった。また晶のバイト先である古本屋の富山店長の理不尽さも健在で好き。
彼のお陰で警官にさよならを言う方法は見つかっていたというオチも笑える。
四十代に入ってますますハードな葉村晶探偵の活躍を今後も期待。
Posted by ブクログ
ミステリ専門店でバイト中の葉村晶。古本引取の際、白骨死体を発見し、負傷。入院した病院で同室の元女優・芦原吹雪から20年前に家出した娘の安否調査を依頼される。調査を開始するが、かつて娘の行方を探した探偵が失踪していた…。
『悪いうさぎ』から13年。葉村晶も40を超えて、長谷川探偵事務所も閉鎖、晶はシェアハウスに住んでいる。
だいぶ雰囲気が変わってるし『悪いうさぎ』のイメージが強すぎて、序盤はちょっと入り込めなかった。
徐々に黒い感じが出てきて楽しくなる。ただ色々メイン以外がまとめられた感じがした。
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葉村晶シリーズ3作目。
冒頭から、葉村は不運すぎる探偵の名にふさわしい不運さをいかんなく発揮する。
遺品整理に訪れた家の床が抜け、地面に埋まっていた白骨死体の頭部に頭突きした上に助骨にヒビが入るのだ…そして、入院した病院で同室の女性から20年前に失踪した娘を探してほしいと頼まれる。
これでもかと様々な災難が降り掛かり満身創痍になる葉村には同情の念を禁じ得ない。
そして、依頼人やその関係者、警察、ひょんなことから知り合いになった女性…すべてのひとがアクが強く一筋縄ではいかない厄介さ…!!
飄々としたユーモアある筆致で描かれているので、うわーと思いながらも終始楽しく読める。
葉村は自分の慢心や油断を悔やみ反省するのだが、いやー1人でめっちゃ頑張ってるよーと慰めたくなってくる。
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今頃という感じだが、若竹七海の作品を初めて読んだ。
「女には向かない職業」という名作ミステリがあるが、本作も主人公は女探偵、いや元探偵だ。ずっとケガばかりしている主人公が読んでいて痛々しいが、ミステリの筋はよく出来ており、終盤もスピード感があってなかなか面白かった。タイトルも気が利いている。誰にさよならを言う手口なのか、最後まで読むと納得のオチだ。
本筋の面白さとは別に、ミステリ通の作者ならではの色々なミステリのタイトルが出てくるだけでなく、解説までしてくれているのはとても嬉しい。早速この中で出てきた作品のいくつかは今後読もうと思うリストに入れたくらいだ。
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葉村晶シリーズはどれも面白いけれど今回は少し読みにくかった。性格の悪い女性が多く見ていて、「現実にもいるな……」と考えてしまい少し気分が悪くなった。最後の店長のあっけらかんとした感じにとても救われた。
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運の悪い女探偵もすでに40代。長谷川探偵事務所は無くなり、古本屋でバイト中に、白骨死体を見つけて、白骨死体に頭をぶつけた事が原因で入院に。
なんとも不運。かと思いきや、入院先で知り合った余命数日の婆さんに20年間失踪している娘を探す依頼をされてから、運が巡ってきたのか、調査が捗る。真相は、娘の心の闇が引き起こす問題だった。そして、それに関するかのように別の事件が2つ。友人と思ってシェアハウスを紹介した女は犯罪を犯しっぱなしのサイコパス。失踪した娘を追ってた探偵の行方不明には、家族の問題が絡んでた。
Posted by ブクログ
ちょっと前に読んだ『悪いうさぎ』の続編
『悪いうさぎ』から13年も経っての刊行だったんですね
女探偵葉村晶シリーズです
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『悪いうさぎ』では学生時代、同クラだったら葉村さんとはお友達にはなれない…と思ったけど、13年経ち、葉村さんも大人の分別を身に付けており、今だったら図書委員くらいなら一緒にできるかもと思いました
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葉村さん…相変わらず、怪我ばっかしてます
冒頭では探偵は辞め、古本屋のバイトをしてるのに事件に巻き込まれます
しかも、二つも!
40代の身体に鞭打って頑張ってます
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本作を渡してくれる時の母の反応は微妙でしたが、私は『悪いうさぎ』より面白かったです