若竹七海のレビュー一覧
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昭和初期、豪華客船「箱根丸」を舞台に次々と起こる事件を描いたオムニバス形式の短編集。
横浜から倫敦までの長い船旅中、殺人事件や令嬢の逃亡騒ぎや密航騒ぎなど、個性的な乗客たちが起こす魅力的な事件はそれぞれ趣向が凝らされていて、まったく退屈しません。
少し不思議で奇妙な話もあれば後味の悪い話もあり、ロジックできちんと解決される話もあり…。
ひとつひとつの密度の濃い謎もさることながら、全編を通した仕掛けもあり、豪華な気分にさせてくれます。
自分も旅をしているかのような、昭和初期のゆったりとした旅情ムードに浸りつつ、サスペンスフルな気持ちも味わわせてくれるという、なんともお得感あふれる短編集でし -
Posted by ブクログ
人間より猫の方が多い猫の楽園・通称「猫島」の海岸で、ナイフの突き立った猫のはく製が見つかる。
さらに、マリンバイクで海を暴走する男が、崖から落ちた男と衝突して死ぬという事件が起こる。
猫アレルギーの警部補が辿り着いた真相とは?
葉崎市シリーズのミステリ長編作。
殺人や麻薬事件等、起こる事件は不穏そのものだけども、猫が随所に現れるせいなのか、のどかでとぼけた雰囲気を醸し出しています。
出てくるどのキャラクターも一癖あり、人間味あふれていて何だか憎めません。
皆、まるきりの善人というわけでもないし悪人なわけでもない。
でもちょっとズレていて、奇妙な事件が起こっているのに緊張感に欠けるところが笑 -
Posted by ブクログ
元警察官大道寺圭は、一冊の本を書いた。警官時代に出会ったおバカな犯罪者たちのエピソードをつづったもので、題して『死んでも治らない』それが呼び水になり、さらなるまぬけな犯罪者たちからつきまとわれて……。
語り口はあくまでも軽く、淡々としてるのだけど、 実際の内容自体は思いっきりブラック。犯罪者たちは確かに間抜けなんだけどやってること相当ブラック。語り口と内容のギャップからくるシュールさが好き。大道寺は口も悪いし運も悪いけどたぶんそうとう能力値が高いぞ。いろんな意味で悪は成敗されてはいるので後味は悪いけど気分は悪くない。やっぱり最後には葉崎にたどりついてなんかにやにやしてしまった。ただ幕間?の一 -
Posted by ブクログ
葉村晶シリーズ最新作。
老女の尾行を依頼された晶は、老女同士の喧嘩に巻き込まれいきなり大怪我をするという不運から始まる。
喧嘩相手の懐に入り込むことになってしまった晶は更にその家族の謎に魅せられのめり込むことになる。
相変わらず晶の周りには良く言えばマイペース、悪く言えば自分本位な人間ばかりがいる。
富山店長や桜井(こちらはたまには気を遣ってくれるが)は言うまでもなく、警察の当麻、大家の姪、成り行きで住むことになったアパートの持ち主ミツエ、その孫ヒロト、その周囲の人々…。
彼らの主張は端から見れば全くの身勝手で受け入れる必要はないのに、それを拒否すればどんな悪意が跳ね返ってくるかわからないだ